ご あ い さ つ
  二〇〇二年の特別暑かった長い夏の後、秋らしい日を経ずして寒くなったからでしょうか。早くも十二月の中旬に咲き出した梅の香が、二〇〇三年の新春を柔らかく包んでいます。
 十二月二十三日の選考委員会から約一月あまり、ここに、めでたく第五回駿河梅花文学賞の作品集をお届けすることができ、大変嬉しく思います。あっというまもなく第五回目を迎えてしまった、というのが今の私の偽らざる気持です。この間、選者の先生方も、お元気にてますますご活躍されていられることは、喜ばしい限りです。また先生方には厳正な作品の選考はもとより、文学賞の運営にも数々の暖かいアドバイスをいただき、厚く御礼申し上げます。
 第一回から毎回投稿してくださっている東秩父中学校、詩や歌の指導に熱心な学校や塾の先生方、個人の投稿者の方々。一口に縁とはいうものの、作品が届く時の何と嬉しくありがたいことか。一度限りの投稿良し。毎回の投稿更に良し。何やら人の力とも思えず、辯才天やミューズの神が仲立ちとなり、作品を運んできてくれているような思いがしています。
 第五回の大賞に、ドイツ在住の四元康祐さんの『世界中年会議』が選ばれたことは、現在の国際化されている世界をより強く印象づけてくれました。そう言う意味でも、日本の一地方の沼津を発信基地とする文学賞が、遙かなドイツと交響できたことを喜ばずにはいられません。私はこれを励みとして、いっそう地道な活動に心血を注いでいきたいと思います。それというのも、これまでの中央集権的な考え方とは違って、これからは豊かな自然に恵まれた地方なればこそ生粋の詩魂の揺籃の場になりうると確信するからにほかなりません。
 第六回も今回と同じように作品の募集をいたします。多くの作品の投稿をお待ちしています。どうか皆さんの心よりあふれ出る作品によって、実りある文学賞に育てて頂きたいと思います。
  平成十五年一月
  駿河梅花文学賞実行委員会
下 山 光 悦