鼻炎対策「花粉とハウスダスト」


 今回は鼻炎の季節に合わせて「花粉症最前線2006」、そして冬物をしまう前に忘れちゃいけない「ハウスダスト対策法」の二本立てでまいります。もっとも今年の花粉予測は例年並みかやや少なめとのことですので、花粉対策については軽めに流してハウスダスト対策をじっくりと。
第四十四回  鼻炎対策「花粉とハウスダスト」

 環境省のホームページでは、昨年7月の気温と日照時間が平年を下回ったため今年のスギ花粉の飛散は平年並みかその半分程度、特に九州北部では平年の6〜7割程度で飛散の開始も平年よりやや遅れ2月20日頃と予測しています。スギ花粉症の患者さんには朗報といえるでしょう。
@ 屋外で花粉にさらされない
 ゴーグルタイプの眼鏡と花粉症専用のやや大きめのサイズのマスクの使用をお勧めします。テレビやインターネットの花粉情報に気を配り飛散量の多い日には外出を控えることも考慮すべきでしょう。
A 家庭に花粉を持ち込まない
 まず、花粉が飛散している時期には窓を開放しないようにしましょう。衣類や髪についた花粉は玄関前で十分に払うことが必要です。布団や洗濯物を干すにも屋内陰干しが望ましく、布団についてはこの時期には干すのを控えたほうがいいかもしれません。
B 予防内服
 今年も2月上旬からの抗アレルギー剤の内服開始をお勧めします。

 さて、ハウスダスト対策について。先ず「ハウスダスト」とは何かということになりますが、以前にも軽く触れましたように「屋内の埃を住処とするダニたちの死骸や糞の総称」と一言で説明されるものです。詳しく言うと家屋に住むチリダニの大多数を占めるヤケヒョウヒダニ(体長0.3mm:湿度60%以上で増殖)とコナヒョウヒダニ(0.4mm:湿度50%以上)の死骸や糞・抜け殻を指します。これらは人のフケや垢を餌とし、その個体数と糞が多くアレルギー活性も高いためアレルギーの原因物質として問題となるのです。
はっきりいってこれらのダニがいない家庭は存在しないでしょう。人がそこで生活している限りどんなに清潔に留意してもフケや垢は発生し脱落し、衣類や布団・床の畳やカーペットに吸い込まれていくのですから。ただしダニを減らすことは可能です。そのヒントはダニも生き物だということです。彼らが増殖するための条件を住環境から取り除ければ少なくともハウスダストに由来するアレルギー性鼻炎(や、喘息・アトピー性皮膚炎も含めて)は症状を軽減できることでしょう。では実際にどう行動すればダニの増殖を食い止められるのでしょうか?
1)餌を与えない
実際に人体から排泄される垢やフケを減らすのは清潔を保つだけでは困難です。大事なのは垢やフケをそのままにしておかないことで、衣類やシーツはこまめに洗濯し天日によくさらすかダニ退治の可能な乾燥機にかけること、床はフローリングや畳・カーペットそれぞれに応じた掃除を頻繁に行うことが大切です。特に夏冬物の衣類をしまう際はクリーニングに出したり天日干しを充分に行うことで衣替えの度の鼻炎の増悪を防げるでしょう。
2)湿度の調節
 前述のようにダニは湿度が50%を切ると増殖できなくなります。実際の住環境では冬場に湿度が下がりすぎるとのどの調子をおとしたりインフルエンザ感染の機会が多くなってしまいますが、それ以外の季節では除湿機を使用して湿度のコントロールを行うこともダニ増殖の防止に有効です。目標値はおよそ50%弱といったところでしょうか?住環境以外では衣類やシーツの保存の際に除湿の出来る保存料を添加することも重要です。また浴室やランドリールーム・トイレなども意外と盲点になりやすいのですが、こういった場所は垢やフケの温床になりやすいところでもあり充分な掃除と除湿の工夫が必要でしょう。
3)薬剤の利用
 昨今の清潔ブームにおいては住環境に余計な薬物を持ち込むことにも抵抗があるようですが、一方で現代の豊かな生活環境の中で敢えてダニの被害を抑えるにはある程度薬物の使用も必要かと思われます。以前は殺虫剤のスプレーが良く使用されていましたが、最近ではより人体への影響の少ないダニ忌避剤(要はダニが嫌う成分で追い出す薬剤)も市販され、これをあらかじめ組み込んだカーペットや床材も販売されていますので転居や新築の際に参考にされてはいかがでしょうか。
 この他にも布団乾燥機や電気毛布のダニ退治機能を有効利用したり、ダニの移動を妨げ繁殖を抑制する高密度繊維(防ダニ加工布)の衣類やシーツの使用等、ダニ退治の方法にはいろいろありここで全てを述べることは困難です。興味のある方は成書やインターネットをご参照下さい。



さて、次回からはしばらく単発ものをお送りしましょう。先ずは「口内炎」のおはなしから。小さいくせに痛みが気になる口内炎、でも放っておくといつの間にか大変な病気に変わってしまうことも!?

対馬いづはら病院 耳鼻咽喉科   山口 勉

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