名誉毀損裁判のご報告(3)

2004年9月29日 今井亮一

 

◆ 判 決 ◆
 

 以下、判決書きです。私が書き写しました。裁判所は数字を全角で書き、読点を「、」ではなく「」とするんですね。誤字脱字のチェック漏れがあったらご指摘ください。
 判決書きは長いです。途中、若干の解説等を交えることとします。私以外の個人名等は伏せました。「判決」と「主文」の間に、当事者と代理人の住所氏名があるのですが、それは省きました。読みやすいよう、原文にはない空行を適宜入れました。

平成16年1月26日判決言渡 同日原本領収
平成13年(ワ)第15800号 損害賠償請求事件
口頭弁論終結日 平成15年10月20日

       判   決

 

       主   文

  原告の請求をいずれも棄却する。
  訴訟費用は原告の負担とする。

       事 実 及 び 理 由

第1 請求

  被告らは、原告に対し,連帯して金400万円及びこれに対する訴状送達の翌日から支払い済みまで年5分の割合による金員を払え。
  被告らは,別紙1記載の謝罪文を別紙1記載の条件で掲載せよ。

第2 事案の概要

  本件は,原告が,「被告今井亮一(被告今井)及び被告××××(被告××)は、被告△△△△(被告△△)が被告今井から委託を受けて管理・運営しているインターネット上の公開ホームページ内に設置されていた電子掲示板及び◇◇◇◇が解説・運営しているインターネット上の公開ホームページ内に設置されていた電子掲示板において,「ワケわからん」「メチャメチャ」「妄想」「つきまとい」「ストーカー」「低脳」「頭がおかしい」「病院がカバーできないタイプの異常者」「心を病んだ人」「イカレた人」「狂人」などの原告を中傷する表現を含む発言を反復・継続して行うことにより,原告の名誉を毀損した。被告△△は,本件掲示板における被告今井及び被告××の原告に対する上記名誉毀損行為を放置した。被告らのこれらの行為により,原告は甚大な精神的苦痛を被った。」として、被告らに対し,共同不法行為に基づき,400万円の損害賠償金の連帯支払と謝罪文の掲載を求めた事案である。

 「第1 請求」は、そういう判決を出してくれと 野村一也が裁判所に請求した、ということです。加えて、彼は「月刊交通違反on the web」のトップページに1年間謝罪文」の掲載を求め、どういう計算によるのか「謝罪の価額は100万円が妥当である」としたので、訴状における訴額(訴訟物の価額)は500万円となっています。
 「
第2 事案の概要」の「」は、この訴訟は要するにこういう事案である、ということです。
 「
被告××」とは、 野村一也から事実に反して「ライター」と 「キメツケ」られた方です。 野村一也は自分を批判する投稿者らに対し、「エロライター」であると「キメツケ」たり、別の投稿者と同一人物であると「キメツケ」たり、さかんにしていました。
 「
被告△△」とは、「月刊交通違反on the web」の開設時からずっと技術的な管理をしていた管理人さんのことです。
 「
◇◇◇◇」さんとは、事件の経緯(4)に「当時テレビ・雑誌など(つまり「大マスコミ」)で活躍し始めていた方(つまり「著名人
」)」として出てくる方です。

 2 争いのない事実

 (1) 当事者

   ア 原告は,交通行政全般を題材とした「PBI/交通行政監察官室」と題するインターネット上の公開ホームページ(原告ホームページ)を開設・運営している者である。

   イ 被告今井は,「交通ジャーナリスト」の肩書きで,交通取締りを題材にした雑誌連載や雑誌記事・著書の執筆等の活動を行っている職業ライターである。
 被告今井は,『道路交通法速度違反事件の手引』(青峰社・共著),『交通取締りの「NO」と言える本』(恒有出版),『知らないと損する交通違反の裏のウラ』(恒有出版・共著),『交通事故・違反で困らない本』(KKベストセラーズ),『反則金なんか払わない』(恒有出版),『交通違反・トラブルで困らない本』(KKベストセラーズ),『市民流裁判ゲーム=x(恒有出版),『警察の警察による警察のための交通取り締まり』(オルタブックス・共著),『おまわりさんは税金ドロボウ』(オルタブックス・共著),『警察がインターネットを支配する日』(メディアワークス・共著),『最新版 交通取締りに勝つ!』(ごま書房),『ここが知りたい交通違反・裁判まるわかり』(小学館文庫),『交通被告人 前へ!!』上下(小学館スピリッツコミック・原作),「今井亮一のハイパートラフィックジャーナル」─『ドライバー』(八重洲出版),「Q&A 間違いだらけの青キップ赤キップ」─『XaCAR(ザッカー)』(CFM出版,三栄書房),「駐禁ウォーズ!!」─『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館・原作)などの多数の著作を有し,「月刊交通違反」と題するミニコミ新聞を発行しているほか,「身近な交通違反&取締りをとおして,本当に安全で円滑で公正な交通社会を考え直していく」ことを目的とする「Traffic Issues Now」(略称TIN)という有志のグループを結成している。

    被告△△は,TINのメンバーの1人である。

 「被告××」については言及がありません。 野村一也は××さんを「ライター」と「キメツケ」ましたが、それはまったく事実に反しており、争いがあるからでしょうか。

 (2) 本件ホームページの開設等

     TINは,平成11年2月,「月刊交通違反 on the web」と題するインターネット上のホームページを開設し,その一般公開を開始した。被告△△は、ホームページの領域のレンタル業者である geocities との契約やデータの作成・加工,各種検索サイトへの登録申請等、本件ホームページの開設・公開に係る一連の事務作業を行うとともに,その後も,本件ホームページの管理人として,その内容の更新等の事務作業を行っていた。

 本件ホームページ内には,「交通取り締まりに“NO!”と言えるBBS」という名称の電子掲示板(本件掲示板。なお,BBSは,Bullten Board System,すなわち,電子掲示板の略称であり,コンピュータネットワークを利用したメッセージ交換システムの一つである。電子メールが個人と個人のメッセージ交換を行うシステムであるのに対し,この電子掲示板は,サーバに置かれた掲示板にメッセージを書き込むと,不特定多数の利用者がこれを読み,同じ電子掲示板に返答を書き込むことができるので,多数者間でメッセージの交換ができる媒体ということができる。)が設置されていた。

 本件掲示板の名称は,同11年5月ころ,「交通取り締まりに“NO!”と言えるBBS<別館>」に変更された。これに伴い,「交通取り締まりに“NO!”と言えるBBS」という名称の電子掲示板は,別のURL(インターネット上の住所)において別途存続することとなった。また,本件掲示板の表示形態は,当初,一覧式であったが,同13年1月26日ころ以降、いわゆるツリー式(親発言に子発言が付随していく形式)に変更された。

 裁判所は、このように1つひとつ、争いのない事実を特定していくのですね。

(3) 本件掲示板等における発言

     原告は,本件掲示板,及び,元◇◇◇で「◇◇ジャーナリスト」の◇◇◇◇が開設・運営している「◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇」と題するインターネット上の公開ホームページ内に設置されていた電子掲示板(「◇◇◇◇◇◇◇」「◇◇◇◇◇◇◇◇」,◇◇掲示板)において,実名の「●●●●」あるいは「NPA中央放送」「Initial_P」「initial_P」などのハンドネームを用いて,頻繁に発言(書き込み)を行っていた。
 被告今井及び被告××も,本件掲示板及び◇◇掲示板において,それぞれ実名を用いて頻繁に書き込みを行っていた。

 被告今井及び被告××の発言には,別紙1ないし107記載の各発言が含まれている(本件各発言。なお,別紙2ないし4記載の各発言は平成12年7月にされた発言,別紙5及び6記載の各発言は同12年8月にされた発言,別紙7ないし16記載の各発言は同12年9月にされた発言,別紙17ないし26記載の各発言は同12年11月にされた発言,別紙27ないし41記載の各発言は同12年12月にされた発言,別紙42ないし47記載の各発言は同13年1月にされた発言,別紙48ないし52記載の各発言は同13年2月にされた発言,別紙53ないし63記載の各発言は同13年3月にされた発言,別紙64ないし74記載の各発言は同13年4月にされた発言,別紙75及び76記載の各発言は同13年5月にされた発言,別紙77ないし87記載の各発言は同13年6月にされた発言,別紙88ないし101記載の各発言は同13年7月にされた発言,別紙102ないし107記載の各発言は同13年8月にされた発言である。また,別紙2ないし5記載の各発言は被告今井の◇◇掲示板における発言,別紙6ないし25,27,29ないし62,64ないし90,92ないし95,97,99ないし102,104記載の各発言は被告今井の本件掲示板(別のURLに移行後の「交通取り締まりに“NO!”と言えるBBS」を含む。)における発言,別紙26,28,63,91,96,98,103,105ないし107記載の各発言は被告××の本件掲示板における発言である。)。
 本件各発言中には,「捏造」「妄想」「破綻」「ワケわからん」「ワケわからない」「ワケわかりません」「思い込み」「アホらしい」「アホ(な)」「阿呆」「事実に反する」「事実無根」「ムチャクチャ」「メチャメチャ」「意味不明(の)」「(根拠のない)決め付け」「しょーもない」「くだらん」「矛盾」「乖離」「つきまとう」「つきまとい」「誹謗」「中傷」「誹謗(・)中傷(の人)」「(被告今井を)貶め(る)」「執拗な」「執拗に」「恨み」「恨んだ」「自己誇大感(の強い)」「ぐずぐず」「グズグズ」「ぐだぐだ」「異様に」「異様な」「悪いほうへリード」「(狡猾な)ミスリード」「執念深さ(深い)」「執念(の)」「ストーカー」「卑劣(に)」「みっともない」「嫉妬」「ひがみ根性」「哀れ(な人)」「奇異」「(頭が・の)おかしい」「(狂信的)テロリスト」「テロ(行為)」「低脳」「狂って」「狂った」「(病院がカバーできないタイプの)異常者」「人格障害」「狂気」「心を病んだ人」「(お)バカ」「キチガイ」「サイコな人」「クズ」「サイテー」「人格異常」「脳の病気」「イカレた人」「狂人」「結局,かまってもらうのが嬉しいみたいなので,放置するしかないのかな?」「不知と否認をくり返すつもりなのかな?」「「核兵器」を不発に終わらせた」「逃げた」などの原告に向けられた表現が含まれている。

 カギ括弧内は、私と××さんの(専ら私の)投稿中にそういう表現が含まれていた、ということです。こうして見ると、まったくひどい表現の数々ですね。
 しかし、当時の私の投稿全体を読み返すと、常軌を逸した執拗な誹謗中傷から防御するに当たって、かなり心を砕いて、控えめに表現しているな、という気がします。

 当時、私は、私の表現はなんら名誉毀損にならない、もしも野村一也の名誉が毀損されるなら、それは野村一也自身の投稿によっである、と思っていました。
 しかし、裁判における考え方は違うのですね。まず、「表現自体に名誉毀損性はあるか」と考えたうえで、「いちおう名誉毀損性はある」となった場合、「では賠償を要するほどの違法性はあるか」という考え方をするのだと、あとでわかりました。なるほど、と思いました。

 3 争点

   被告今井及び被告××の本件各発言が原告に対する名誉毀損に当たり,被告らの共同不法行為が成立するか否か。

  (原告の主張)

 (1) 被告今井は,自ら標榜する「ジャーナリスト」という肩書きがもたらす発言の影響力を濫用し,閲覧者の興味本位な原告批判を惹起させる効果を意図した本件各発言により,品位のない表現による原告批判を繰り返した。つまり,被告今井は,その知名度を後ろ盾にして,本件各発言により,原告が「思い込み」「捏造」「ワケわからん」「メチャメチャ」「妄想」「つきまとい」であるかのような「すり込み」を閲覧者に謀ることによって,原告の名誉を毀損したといえる。

 (2) また,被告××は,被告今井との「掛け合い発言」など,被告今井の原告批判と密接に関わる本件各発言をすることによって,原告の名誉を起訴したものである。

 (3) さらに,被告△△は,本件ホームページ及び本件掲示板の管理人として,書き込まれた発言が他人の名誉を毀損しないか常時監視し,そのような発言が書き込まれた場合には、これらを削除したり,発言を書き込んだ者に指導するなどし,その後さらに他人の名誉を毀損する発言を書き込むことをやめさせ,これにより損害の発生,拡大を防止すべき義務があったにもかかわらず,これを怠り,被告今井及び被告××の本件各発言によって原告の名誉が毀損されるのを放置した。

 (4) 被告らの上記各行為は,原告に対する共同不法行為を構成するというべきである。
 そして,被告今井及び被告××の本件各発言は,「ワケわからん」「メチャメチャ」「妄想」「つきまとい」に始まり,それに「ストーカー」「低脳」等が加わり,さらには「頭がおかしい」「病院がカバーできないタイプの異常者」「心を病んだ人」「イカレた人」「狂人」にまでエスカレートしており,その一つ一つが極めて悪質である上、反復・継続して書き込まれていること,被告今井の知名度を後ろ盾にした原告批判によって惹起された閲覧者らによる原告を中傷する発言がおびたたしい数にのぼっていることなどの事情に照らすと,被告らの上記不法行為によって原告が被った損害は甚大であり,これを慰謝するには400万円をもってするのが相当である。
 また
,原告が建設的な議論をするために様々な努力をしたのに対して,被告今井は,自ら標榜する「ジャーナリスト」という肩書きがもたらす発言の影響力を濫用して,独善的に,原告が精神異常者であることや,原告の人格を否定する表現をエスカレートさせていった。したがって、本件各発言によって毀損された原告の名誉を回復するためには,別紙1記載の謝罪文の掲載が不可欠である。

 野村一也の主張はそうである、ということです。
 
釈明や反論に対してはまともに答えないという対応を繰り返し」ておきながら「建設的な議論をするために様々な努力をした」とは、まさに「開いた口が塞がりません」。
 ちなみに「
精神異常者
」に関しては、◇◇BBSでこんなことがありました。

 ■では本題
今井さんは私をまるで東芝事件のアッキー君のように仕立てる手法でいきますか…
┌───────── 紛争に勝つセオリー ────────
│民事訴訟で勝つセオリーは相手の過失や異常行為を強調することです。
│また刑事訴訟で裁かれる被告はとって刑を軽くするウルトラCは、
│精神異常で責任能力が欠如していた、とすることです。

 と、いきなり野村一也のほうから「東芝事件のアッキー君」を持ち出してきたのです(※東芝事件。それも、「過失や異常行為」があり、「精神異常で責任能力が欠如」した者として。つまり、自分で勝手に、「知名度のある今井から精神異常者とされた者」を演じようとしているわけです。私は、こう応じました。

 それで、私、アッキーさんのことはよく知らないんですが、initial_Pさんにとっては、
《あるBBSでレスがなければそのBBSで「おいおい、どうした。忘れてんのか?」と声をかければいいのに、じーっと黙ってて、よそのBBSでいきなり、あいつは「無視」した、「シランプリ」した、「都合が悪くなってシラを切った」と言い出す》
 タイプの人なんですか。いや、でも、「残念ながら私はアッキー君ではありません」と言ってるし……。あーっもう、ワケわからんです。

 すると、彼はこう返してきました。

 >それで、私、アッキーさんのことはよく知らないんですが、〜
当時の今井氏のHPには、東芝事件特設掲示板を設けていながら、「よく知らない」とは・・・
神奈川県警前本部長深山氏も真っ青の開き直りには、開いた口が塞がりません。

 私は呆れ、こう応じました。

  あのですねえ。あなた、

>今井さんは私をまるで東芝事件のアッキー君のように仕立てる手法でいきます
>か…
>┌───────── 紛争に勝つセオリー ────────
>│民事訴訟で勝つセオリーは相手の過失や異常行為を強調することです。
>│また刑事訴訟で裁かれる被告はとって刑を軽くするウルトラCは、
>│精神異常で責任能力が欠如していた、とすることです。

 こう言ったわけでしょ。
 あなたは、ナニを根拠としてか、「アッキー」さんは「異常」であるとの認識つーか前提に立っているようですね。

 でも、私は、アッキーさんが「異常」なのかどうか、わからんのです。
 もちろん、例の録音は聞きましたし、ネット内での騒動の一部や、いくつかの雑誌記事も見ました。私のほうのHPにおっしゃるリンクをつけたのは管理人さんですが、私もいちおう読みました(と記憶してます)。
 で、東芝側の電話対応はだいぶマズイような印象を受けました。なにより、インターネットってのはすごい媒体だなあ! と感じました。
 しかし、アッキーさん自身が「異常」かどうか、私は判断がつきかねるのです。異常である、異常でない、そう決めつけられる根拠を私は持っていません。お会いしたことも直に話したこともありません。

 これに対する野村一也の反応は、こうでした。

“アッキーさんが「異常」”と発言したのはどこの誰でしょうか?
勝手な編集によるキメツケはご遠慮ください。

 そうして、別の投稿で野村一也は、「私が今井氏を嫌悪するようになる段階は次の通りです」として、前述の1999年7月の返信のことや、別のBBSにおける存在しないと思われるやりとりのことなどを挙げ、こう言い放つのでした。

 ■そしてトドメには(2000年8月◇◇氏の掲示板)
(アッキー君の特設掲示板をご自身で運営していながら)
「アッキー君のことはよく知らない」

 これには、さすがに驚きました。言うまでもないことですが、私がそのような「掲示板」を「設け」た事実も「運営」した事実もありません。
 1999年7月に野村一也の「
核兵器」の誤りを指摘した私への「嫌悪」、それを正当化するために、また 「インパクトを持たせ」るために、私が「アッキー君の特設掲示板をご自身で運営
」している必要があった…ということなのでしょうか。

 (被告らの主張)

 (1) 本件掲示板及び◇◇掲示板は,いずれも,誰もが自由に発言することができる媒体である。したがって,仮に掲示板上の発言によって名誉を起訴された者がいても,その発言をした者に対し,必要かつ十分な反論をすることが容易な媒体であるといえる。実際,原告は,本件掲示板において,最多の発言回数及び発言文字数で書き込みを行っており,被告今井及び被告××の本件各発言に対しても十分に反論を尽くしていたのである。
 したがって,万一,本件各発言中に原告の社会的評価を低下させる可能性を有する部分があったとしても,原告は,これに対する十分な反論を行ってきたのであるから,原告の社会的評価が低下する危険性は認められず,名誉毀損は成立しないというべきである。

 (2) また,そもそも,本件においては,原告が被告今井及び被告××に対して相当性を欠く発言を繰り返し,それに誘発される形で,被告今井及び被告××が本件各発言をしたものである。
 したがって,本件各発言は,対抗言論として許される範囲内のものとして,違法性を欠くというべきである。

 (3) よって,被告今井及び被告××に不法行為は成立しない。
 また,そうである以上,本件掲示板の管理人である被告△△に不法行為が成立する余地もない。

 このように並べてまとめたうえで、さあ、いよいよ裁判所の判断が示されます。まずは、どういう事実経過があったか、から始まります。

第3 争点に対する判断

 1 事実の経過

   上記第2の2の「争いのない事実」と証拠(甲1号証,5号証,7号証,3号証の1ないし31,65号証,乙3号証,4号証の1,5及び6号証,8ないし37号証,39号証,41号証の1,2,42ないし44号証,48ないし66号証)及び弁論の全趣旨によれば,本件における事実の経過として,次の各事実が認められる。

 (1) 被告今井は,平成9年11月に刊行された『警察の警察による警察のための交通取り締まり』(オルタブックス,株式会社メディアワークス発行)の共著者であり,同書の刊行後間もなく編集部によって設置された電子掲示板(オルタ掲示板)において,その読者が同掲示板に投稿してくる交通違反・交通取締りに関する多数の相談や質問等に対し,逐一コメントを返していた。
 原告は,同11年2月13日及び3月30日の2度にわたり,オルタ掲示板に投稿した。原告の同年2月13日の投稿は別紙108記載のとおりであるが,原告は,この中で,被告今井らが「警察の取締に文句を言うだけの道路交通の秩序維持に対する持論も熱意も見えない」ような者と同一と見られてしまうことに我慢できない旨を述べた。
 被告今井は,原告の上記投稿に対し,「ボクの意図するところをご理解いただき,ありがとうございます。でもボクは,どんな方であっても,取り締まりに不服があるのであれば,争う手続きのことについて持てる知識をおわけします。」などとコメントした。

 「ボクの意図するところをご理解いただき」という部分は、恥ずかしながら、いま読み返してみると、 野村一也が何をどう理解したと私は認識したのか、判然としません。しかし、そのあとの、「どんな方であっても」以降は、当時から一貫しています。当HPでも、FAQの最初のページなどで述べているとおりです。

 (2) 原告は,平成11年5月ころから,本件掲示板で発言するようになった。
 本件掲示板には,被告今井,被告××及び原告を含めて,実名又は特定のハンドルネームを用いて頻繁に発言する者が相当数存在したが,原告の発言回数及び発言文字数は,いずれも,全発言者の中で最多あるいはそれに近いものであった。
 ところで,原告は,本件掲示板において,ある発言者のことを「男だろ!」と断定する発言をしたことに関し,他の発言者から,無意味な決めつけであるとして批判された。これに対し,原告は,同11年6月1日及び2日,上記批判をした発言者らを「今井一家」と呼んでこれを揶揄するかのような発言をした。
 これに対し,被告今井は不快感を示す発言をしたが,原告は,同年6月3日,別紙109記載の発言をし,「いずれにせよ発端は私の書き込み。不快感を持たれた方にはお詫びしたい。」と述べて、一応の謝罪をした。
 しかし,原告は,同年6月4日,本件掲示板において,別紙110記載の発言をし,本件掲示板を「今井道場」と呼んで,他の発言者らを再度揶揄するかのような発言をするとともに,「私はギャラリーに対してのアピールを最重要視している。当事者のどちらが正しいのかを当事者同士で判断するつもりはない。」などと述べた。

 「本件掲示板」とは、BBS別館のことです。
 そういえば、◇◇BBSで私の発言を捏造したときも野村一也は、××さんからの指摘に対し「
申し訳ございませんでした」と詫びておきながら、数日後には「この発言は、ご自分が無謬だと思い込み、完全に居直る今井氏への皮肉です」と、「自分は無謬だと思い込み、完全に居直」ったものでした。

 (3) 原告は,平成11年7月1日,交通行政全般を題材とした原告ホームページを開設し,本件掲示板に,「よかったら覗いてみてください。」と書き込み,そのURLを記載した。
 これを受けて,被告今井が原告ホームページを閲覧してみたところ,「北海道では一時停止の取り締まりは全く行われていない」との記述がされていることを知った。そこで,被告今井は,同年7月5日,本件掲示板において,「■■さん。北海道でも一時不停止の取り締まりは,やってるよ。1997年は,札幌方面が7283件(他の違反と比べての構成率は4.33%),函館方面は999件(構成率3.45%),釧路方面は3680件(構成率9.08%)てな具合だと,『交通事故統計年報』の97年版(財団法人交通事故総合分析センター)に出てる。この構成率は,他の都府県にくらべてわりと少ないといえる。ちなみに速度違反の取り締まりについては北見方面の構成率は65.33%となっていて,全国トップだ。2位は旭川方面,3位は函館方面。やっぱ北海道は,他の違反にくらべて速度違反の取り締まりの割合が高いんだね。当サイトの間違いも,どんどん指摘してほしい。お互いに高めあっていこう。」と発言し,原告の記述に誤りがある旨の指摘をした。

 これに対し,原告は,同7月6日,本件掲示板において,別紙111記載の発言をし,「簡潔に申し上げると今井さんの参照された『交通事件統計年報』(財団法人交通事故総合分析センター)は警察が事故原因をどのように分析したか,または警察が加害者と特定した人のどのような行政処分を課したか,の統計であって事故とは無関係の取締りの数値ではないのではないでしょうか?」「なお私は北海道には丸7年間住み,およそ10万キロ車を走らせましたが北海道で指定場所一時停止違反,交差点での指定通行区分違反,車載式レーダー取締り以外の午後6時以降の速度超過取締りを一度も見たことも,それらによって取締りを受けたという話しも聞いたことがありません。」「しかし今井さんが法的権利という武器をドライバーに与えるのなら,その結果として得られるものの実像を描く必要があるのではないでしょうか? 例えば,行政処分における不服申立ての割合が現在○○%でこれが××%になれば行政処分制度へのドライバーの不満を指摘することができる,など。」などと意見・反論を述べた。

 数字の誤りさえ認められない…。思い浮かぶのは、 野村一也が私に対して向けた「ご自分が無謬だと思い込み」云々という中傷です。このように、彼が私に向けたおとしめの表現の多くは、 野村一也自身にこそふさわしいと思えるものでした。

 (4) 被告今井は,原告の上記意見・反論が全体的に趣旨不明であると考え,これに対し特にコメントせずにいたところ,それから9か月以上を経過した平成12年4月16日,原告は,突然,◇◇掲示板において,別紙112記載の発言をし,「今井さんはご自分から私に話を振っておきながら無視し,数ヶ月後に今度は他の掲示板で私の発言に食いついてきましたね。(そこでも結局シランプリ)」「不祥事で弱った警察に正義を振りかざしてご自分をアピールする前に,都合が悪くなってシラを切ったことには示しをつけてください。それがなければ今井さんも警察官と同じ穴のムジナ(正義を語って私服を肥やす)です。」などと述べるとともに,同年4月19日には,「今井氏は一方的にご自分の掲示板で「当サイトの間違いも,どんどん指摘してほしい。お互い高めあっていこう」と発言と共に,見当違いの指摘を私に向け,私が今井氏の検討違いを逆に指摘するとあとはシランプリでした。」「一方的に私が答えざるを得ない状況を作り,見落とすはずの無い場所に返答しているにもかかわらず,今井氏にシランプリを決め込まれた私は今井氏のメンツの薄っぺらさに辟易させられ2度と今井氏の掲示板に書き込みはしないと決めました。」との発言を掲載した原告ホームページ内のURLを○○掲示板に書き込んで,被告今井を激しく非難した。

 そこで,被告今井は,同年4月18日及び19日,本件掲示板において,原告の別紙111記載の発言に対する回答として,「事故との関係の取り締まりの数値,がナニをさすのかわかりませんが,取り締まりについて事故と結びつけた表は,『交通事故統計年報』にはありません。しかし,それがないことによって一時不停止の取り締まり件数が変わるものではないでしょう。」「私がドライバーの方に「与え」ているのは,「法的権利という武器」などというややこしいものではありません。」「私が「与え」ているものがあるとすれば,それは,情報と,今井の私見です。その結果としてナニを得られるかは,情報を得た人,今井の私見を聞いた人,によってさまざまでしょう。」などと発言した。

 最後の段落のこの私の「回答」を、 野村一也は、「2000年04月19日の発言であること、交通取り締まりに“NO!”と言えるBBS<別館>における発言であったこと、引用部分を除く今井発言が存在したこと、全てを否認する」「要するにこの発言は今井氏の捏造である」と言うわけです。

 (5) 原告は,それから3か月後の平成12年7月26日,◇◇掲示板において,別紙113記載の発言をし,「貴方とは2度とお話しする気はありません,と過去に宣言したのですが,どうにもご発言の一貫性のなさが気になり,書く気になりました。」「貴方は私の発言に対して理解できないと切り捨てたり,シラを切り通したり,イエーリングに頼った言い訳だけで,ご自分のお仕事(ある程度の影響力のある媒体での交通切符への対応策)の効果に対する私の疑問に誠意を持って答えてはくれませんでした。つまり貴方にはご自分のお仕事の効果に対する責任の自覚が欠如している(または不当な取締りに対する正論をフォーカスすることでチュー逃げ助長効果をボカしている)」「私には貴方のライターとしての仕事の多くはドライバーと現場の警察官とのゲリラ戦をアオる武器商人としての仕事であったと思います。」「私が現場の警察官ならあまりにも日和見的な貴方の発言にムカ〜ッとくるはず。」などと述べて,被告今井を再度強く非難した。
 被告今井は,原告の上記非難が趣旨不明かつ身に覚えのないものであるとして,同年7月27日,◇◇掲示板において,別紙2記載の発言をし、「initial_Pさんがナニ言ってるのか,ワケわからん方が少なくないでしょう。」などと述べた。

 「私の疑問に誠意を持って答えてはくれませんでした」とあります。(4)に出てくる私の「回答」は「誠意をもった答ではなかった」、つまり回答自体はあったと 野村一也自身も捉えているようだ、と読めます。回答自体なければ、彼の調子からして「シランプリ」などと悪し様に罵ったでしょう。
 ところが、のちになると、「
誠意」がどうこうではなく、「回答」が「存在したこと」を「否認する」「今井氏の捏造である」と
言い出すわけです。

 「ドライバーと現場の警察官とのゲリラ戦」については、私としては、意義のある議論に発展する余地があるかもしれないと思えました。しかし、 野村一也の投稿には具体性がありませんでした。そこで私は、私が「アオ」った「ゲリラ戦」とは具体的に何かといったことなどを、彼に問いました。しかし彼は、

全てをキッチリ否定したい気持ちは分かりますが、
それに答えようとする相手の身になれば、違ったやり方もあるのでは?

今井さん ⇒   私   ⇒  今井さん  ⇒ 私
>○○○   >>○○○   >>>○○○   >>>>○○○
▲▲▲    >▲▲▲    >>▲▲▲   >>>▲▲▲
       □□□    >□□□    >>□□□
               ■■■    >■■■
                      △△△

こんなやり取りでは犬も食いません。
また断片的な切り返しはくだらないメンツの争いに陥りやすく、それが続くと陪審員も興味をなくします。

 などと述べて、ついに答えませんでした。「被告今井らからの釈明や反論に対してはまともに答えないという対応を繰り返していた」のです。

 しかし,原告は,その後も,◇◇掲示板において,被告今井を非難する発言を続け,「公開された掲示板で譲れない主張を展開する2人は既に『裁判ゲーム』の舞台に立っています。」「ドライバーと警察官との対立をアオっただけ,それが今井さんの仕事に対する私の評価です。」「戦争を無くしたいという私の目標に対して武器商人である今井さんはそのまま放置して置けない存在なのです。」「ビッグコミック連載中の『被告人,前へ』・・・・のイントロダクションとして自動速度取締器の誤測定という現在では皆無に等しい事例を持ち出して,警察の悪い面だけを露骨に強調し,悪質なドライバーが応用できる知識を与えようとしている」などと発言したほか,被告今井が本件ホームページ内に「東芝事件特設掲示板」という名称の電子掲示板を設置しているとか,被告今井が同掲示板の運営者のことを「異常」と発言したなどと断定して,被告今井を強く非難した。

 これに対し,被告今井は,◇◇掲示板において,原告に対し,趣旨不明の発言及び虚偽ないし根拠不明の事実を断定的に述べた発言があるとして繰り返し釈明を求めたり、原告の発言に反論したりしたが(別紙3ないし5記載の各発言を含む。),原告は,被告今井の釈明や反論に対し,これとかみ合うような答えをすることなく,被告今井の発言の一部を取り上げて被告今井を非難するような発言を繰り返した。

 そうなのです。私からすれば裁判所の表現は弱いですが、そういうことが繰り返されたのです。
 ここで、私が「
繰り返し釈明を求めた」が、「原告は,被告今井の釈明や反論に対し,これとかみ合うような答えをすることなく」となっていますね。釈明とは、問われての説明や弁明といった意味です。私は釈明したのではなく、 野村一也に対して釈明を求めたのです。「被告今井の釈明や」は「被告今井の釈明(の求め)」という意味と解されます。

 野村一也は「『被告人,前へ』」としていますが、正しくは『交通被告人 前へ!!』です。同作品が、彼の言うようなものであるかどうか、お読みいただければ明らかでしょう。というか、彼が言うような作品であれば、小学館は連載をスタートさせず、1年以上も連載させなかったでしょう。
 「
自動速度取締器の誤測定」が「現在では皆無に等しい」とは、私のほうの取材と真っ向から反する衝撃の指摘なので、その根拠を、私は何度も問いました。 野村一也は、BBS別館へ乗り込んできてだいぶ経ってから、「お答えします」として長々と投稿しましたが、大部分はオービスにからめて私を「非難」するだけで、「現在では皆無に等しい
」ことの根拠は何ひとつありませんでした。

 (6) そうこうしているうちに,◇◇掲示板は平成12年8月末ころ閉鎖され,以後,原告と被告今井とのやり取りは,本件掲示板において,被告××ら他の発言者を広く巻き込んで続けられることになった。
 原告は,本件掲示板においても,◇◇掲示板におけると同様,「被告今井は自分で営業しないと収入のないライターである」などと述べたり,被告今井らとの論争を「市民流裁判ゲーム」と呼んで,被告今井らを挑発するかのような発言をするなどして,被告今井らを非難する発言を繰り返した。
 これに対し,被告今井及び他の発言者らは,原告の発言が趣旨不明あるいは虚偽ないし根拠不明の事実を断定的に述べるものであるとして,繰り返し釈明を求め,また,原告の発言に反論するなどしたが(被告今井の別紙5ないし25,27,29ないし62,64ないし90,92ないし95,97,99ないし102,104記載の各発言及び被告××の別紙26,28,63,91,96,98,103,105ないし107記載の各発言を含む。),原告は,これらの釈明や反論に対して正面から答えることなく,前記同様の発言を繰り返した。

 このような中、被告今井及び他の発言者らは,原告に対し,「捏造」「妄想」「破綻」「ワケわからん」「ワケわからない」「ワケわかりません」「思い込み」「アホらしい」「アホ(な)」「阿呆」「事実に反する」「事実無根」「ムチャクチャ」「メチャメチャ」「意味不明(の)」「(根拠のない)決め付け」「しょーもない」「くだらん」「矛盾」「乖離」「つきまとう」「つきまとい」「誹謗」「中傷」「誹謗(・)中傷(の人)」「(被告今井を)貶め(る)」「執拗な」「執拗に」「恨み」「恨んだ」「自己誇大感(の強い)」「ぐずぐず」「グズグズ」「ぐだぐだ」「異様に」「異様な」「悪いほうへリード」「(狡猾な)ミスリード」「執念深さ(深い)」「執念(の)」「ストーカー」「卑劣(に)」「みっともない」「嫉妬」「ひがみ根性」「哀れ(な人)」「奇異」「(頭が・の)おかしい」「(狂信的)テロリスト」「テロ(行為)」「低脳」「狂って」「狂った」「(病院がカバーできないタイプの)異常者」「人格障害」「狂気」「心を病んだ人」「(お)バカ」「キチガイ」「サイコな人」「クズ」「サイテー」「人格異常」「脳の病気」「イカレた人」「狂人」「結局,かまってもらうのが嬉しいみたいなので,放置するしかないのかな?」「私や私の家族を殺傷しに来るとか,放火に来るとかはお断りします。」「よほど何か隠したい誘惑にかられているのかな?」「何かズルをして勝とうとしているのかな?」「不知と否認をくり返すつもりなのかな?」「「核兵器」を不発に終わらせた」「逃げた」などとして,原告を批判ないし揶揄する発言をした。

 (7) 上記のとおり,原告が,本件掲示板における被告今井らとの論争を「裁判ゲーム」と呼んで,被告今井らを非難する発言を繰り返していたところ,これを受けて,被告今井は,原告に対し,「裁判ゲーム」に「訴状」がないのはおかしいなどと指摘した。
 こうして,原告は,本件掲示板で再三予告を行った上,平成13年7月27日に本訴を提起するに至った。そして,本件訴訟をテーマとした「表現の自由とその限界」と題する公開ホームページを開設し,被告らからの中止要請にもかかわらず,本件訴訟において当事者双方が提出した書面(訴状,準備書面,証拠説明書)や,原告と被告今井らとの電子掲示板におけるやり取りを記録した電子データ等を,実名入りで公表し続けている。
 なお,原告は,これまでに,本件ホームページの管理人である被告△△に対し,被告今井及び被告××の本件発言を削除するよう求めるようなことはなかった。

 「オレの投稿が名前入りで、無断で勝手に公開されている。腹立たしい」という方もおいででしょう。私のほうでは代理人弁護士をつうじて「中止要請」をしているのです。しかし 野村一也は無視して公表し続けているのです。
 「
削除
」に関していえば、野村一也は、私や××さんではなく別の投稿者の投稿が名誉毀損だから削除するようにと、当時のBBSのレンタル元に求め、実際に削除させたことがありました。

 2 名誉毀損の成否について

 (1) 名誉毀損性の有無

     上記1認定のとおり,被告今井及び被告××は,本件各発言において,「捏造」「妄想」「破綻」「ワケわからん」「ワケわからない」「ワケわかりません」「思い込み」「アホらしい」「アホ(な)」「阿呆」「事実に反する」「事実無根」「ムチャクチャ」「メチャメチャ」「意味不明(の)」「(根拠のない)決め付け」「しょーもない」「くだらん」「矛盾」「乖離」「つきまとう」「つきまとい」「誹謗」「中傷」「誹謗(・)中傷(の人)」「(被告今井を)貶め(る)」「執拗な」「執拗に」「恨み」「恨んだ」「自己誇大感(の強い)」「ぐずぐず」「グズグズ」「ぐだぐだ」「異様に」「異様な」「悪いほうへリード」「(狡猾な)ミスリード」「執念深さ(深い)」「執念(の)」「ストーカー」「卑劣(に)」「みっともない」「嫉妬」「ひがみ根性」「哀れ(な人)」「奇異」「(頭が・の)おかしい」「(狂信的)テロリスト」「テロ(行為)」「低脳」「狂って」「狂った」「(病院がカバーできないタイプの)異常者」「人格障害」「狂気」「心を病んだ人」「(お)バカ」「キチガイ」「サイコな人」「クズ」「サイテー」「人格異常」「脳の病気」「イカレた人」「狂人」「結局,かまってもらうのが嬉しいみたいなので,放置するしかないのかな?」「私や私の家族を殺傷しに来るとか,放火に来るとかはお断りします。」「よほど何か隠したい誘惑にかられているのかな?」「何かズルをして勝とうとしているのかな?」「不知と否認をくり返すつもりなのかな?」「「核兵器」を不発に終わらせた」「逃げた」などの表現を用いて,原告を批判ないし揶揄したものである。
 これら表現のうち,「捏造」「破綻」「ワケわからん」「思い込み」「アホらしい」「事実無根」「意味不明(の)」「(根拠のない)決め付け」「しょーもない」「くだらん」「矛盾」「乖離」「誹謗(・)中傷(の人)」「(被告今井を)貶め(る)」「執拗な」「自己誇大感(の強い)」「(狡猾な)ミスリード」「執念深さ(深い)」「逃げた」などの表現はともかく,「妄想」「つきまとい」「ストーカー」「(頭が・の)おかしい」「(病院がカバーできないタイプの)異常者」「人格障害」「狂気」「心を病んだ人」「キチガイ」「人格異常」「脳の病気」「イカレた人」「狂人」「私や私の家族を殺傷しに来るとか,放火に来るとかはお断りします。」
などの表現は、全体として,原告が,精神障害,人格障害又は極端な人格の偏りのため,思い込みや妄想に基づいて被告今井らを攻撃し,つきまといや嫌がらせの行為を執拗に繰り返す人物であるとして,原告の社会的評価を低下させ,もって原告の名誉を毀損したものということができる。

 

 それら表現には名誉毀損性がある、というわけですね。前述のたとえでいえば、AがウソをついてBをおとしめたという事実があって、Bが「Aはウソつきだ」と防御した場合、「ウソつき」という表現自体は名誉毀損性がある、ということです。
 そして……。

(2) 違法性の有無

 そこで,次に,本件各発言について違法性を阻却する事情が認められないか否かについて検討する。

 ここからが、大事なところです。

 本件のような電子掲示板(BBS)において,ある者の発言(書き込み)に対して,他の者がこれに対抗的な発言(書き込み)をするという中で、議論の応酬となり,発言内容について、相手方の名誉を毀損するものであるとか,侮辱的な発言であるとして問題が生じることがある。そして,まず相手方の批判ないし非難が先行し,その中に名誉等を害する発言があったため,これに対し,名誉等を害されたとする者が相当な範囲で反論をした場合,その発言の一部に相手方の名誉を毀損する部分が含まれていたとしても,そのことをもって,直ちに名誉毀損又は侮辱による不法行為を構成すると解するのは相当でなく,不法行為を構成するのは,当該反論等が相当な範囲を逸脱している場合に限るというべきである。この相当な範囲を逸脱するものであるか否かの判断は、発言の内容の真否のみならず,反論者が擁護しようとした名誉ないし利益の内容や,当該反論がいかなる経緯・文脈・背景のもとで行われたかといった事情を総合考慮してすべきものである。

 そのとおりと思います。
 ただ、念のため言っておきますが、私は野村一也と議論」や「論争」をしていたとは思っていません。「
趣旨不明の発言及び虚偽ないし根拠不明の事実を断定的に述べ」るなどして、釈明や反論に対してはまともに答えないという対応を繰り返」す相手と、「議論」も「論争」もできるはずがありません。
 野村一也が私に執拗に「食いつい」たからといって、また、私のネット上の(当時は)本拠地といえたHPのBBSに 野村一也が1年弱の間に475本もの投稿をしたからといって、私が野村一也と「
議論」や「論争」をしていた人物と見られることは、私にとってじつはけっこう屈辱です。 野村一也のほうでは、前出の投稿にもあったように、「チャンピオン」(「知名度」のある「著名人」)と2人、「リング
」で注目を浴びたいようですが。

 これを本件についてみると,上記1に認定した事実によれば,原告は,原告ホームページにおける「北海道では一時停止規制の取締りは全く行われていない」という記述を被告今井から誤りである旨指摘されたことを契機として,被告今井らに対し,必ずしも趣旨が明確でない発言をしたり,被告今井らを揶揄する発言を繰り返すなどして,被告今井らを強く非難し,また,「私はギャラリーに対してのアピールを最重要視している。当事者のどちらが正しいのかを当事者同士で判断するつもりはない。」として、被告今井らからの釈明や反論に対してはまともに答えないという対応を繰り返していたのである。そして,被告今井は,上記のような原告の発言に対し,自らが主宰するTINが開設した本件ホームページを閲覧する読者に対し,事態の推移につき説明する必要に迫られていたということができる。加えて,本件各発言は,その表現に穏当でない部分が少なからずあるものの,原告の社会的評価を低下させる程度は必ずしも高くはなく,また,本件掲示板及び◇◇掲示板の読者は,本件各発言が,原告と被告今井らとの間の論争の一環としてされたものであることを容易に理解し得たものと思われる。

 これに,上記1認定のとおり,本件掲示板は,反論が容易な媒体であって,自由に書き込みをすることができ,現に,原告は,全発言者の中で最多あるいはそれに近い発言回数及び発言文字数の書き込みを行い,本件各発言に対する反論を十分行っていたこと,原告は,これまでに,本件ホームページの管理人である被告△△に対し,本件各発言を削除するよう依頼したことはなく,また,本件訴訟をテーマとした「表現の自由とその限界」と題する公開ホームページを開設し,被告らからの中止要請にもかかわらず,本件訴訟において当事者双方が提出した書面(訴状、準備書面、証拠説明書)や,原告と被告今井らとの電子掲示板におけるやり取りを記録した電子データ等を,実名入りで公表し続けてきたこと等の事情からすると,本件各発言は,社会的に容認される限度を逸脱したものとまでは認め難く,これを対抗言論と呼ぶかどうかは別として,不法行為責任の対象となる程の違法な行為と評することはできないというべきである。

 (3) 以上のとおりであって,本件各発言は、名誉毀損性を有するものの,違法性を欠いているから,不法行為を構成しないというべきである。

  したがって,原告の本件請求(損害賠償請求及び謝罪文の掲載請求)は,その余の点について判断するまでもなく,いずれも理由がない。

第4 結論

  よって,原告の本訴請求はいずれも失当であるから,これらを棄却することとし,主文のとおり判決する。

 

東京地方裁判所 民事第18部

               裁判長裁判官 原 敏雄

                  裁判官 工藤 正

                  裁判官 徳田祐介

  というわけです。要するに、野村一也が拾い出した私の表現は、名誉毀損性を有するけれども、彼の常軌を逸したふるまいに照らせば、どれひとつ「相当な範囲」を逸脱しない、なんら違法性はない(よって賠償の要はない)という、ごく常識的な判決です。

 野村一也は現在、「表現の自由とその限界 裁判ゲーム判決」というページを設け(最終更新5月4日)、判決についてコメントしています。ところが、肝心な違法性の認定の中身には一言も触れていません。
 かわりに、
「和*さんとこのBBS」」における「今井氏と私のやり取り」、すなわち、(4)で出てきた、「他の掲示板」での、もともと存在しなかったと思われるやりとり、それが「すっぽり抜けてしまったことが、敗訴のひとつの大きな理由であるかに彼は述べています。けれど、その「やり取り」が仮に存在したとしても、違法性の認定にいったいどれほど関係するというのでしょう。判決を一読すれば明らかでしょう。
 しかし野村一也は、判決から約8カ月を経た2004年9月29日になっても、判決を見せようとはしません。そのページに、「
判決文は、 ここにアップロードする」とあるものの、 現在「ここ」をクリックして出てくるのは「工事中
」の3文字だけです (2004年9月29日正午少し前)。

 そうして、現実世界のテレビ番組などの「周辺事情」にまぶして、「今井氏の所業を立証することはできなかった」と、なんとなくもっともらしく、「ギャラリーへ対してのアピール」をするわけです。
 私としては、「ああ、BBSでのときと、まったく同じ調子だなあ」という感じです。

2005年11月5日付記◆  その後、私は1カ月に1回程度、念のため 野村一也の当該ページをチェックしていました。2005年10月10日まで、上述のとおりでした。ところが、ある方から、 野村一也のページが更新されているとメールがあり、見てみると「ここ」をクリックして出てくるものが変わりました。いつ変わったのかは、わかりません。  じつはつい最近、 野村一也は、

<<私はそれが今井殿の仕業ではないかと名指しで指摘しています。http://society3.2ch.net/test/read.cgi/traf/1129130257/  それを疑う理由についても、既にたくさんの投稿をしています。なお現時点において、この“疑惑”に対する前スレ192氏の反論はありません。もし前スレ192氏の投稿が今井さんの仕業でないのであれば、「私は前スレ192というHNで書き込みをしていない」と意思表示をしたほうが良いと思います。>>
(「運輸、交通@2ch掲示板」の「制限速度走行は低速か?是か非か?第3弾」の「710 :野村一也 :2005/11/01(火) 00:28:42 ID:CriPpWo6
」より抜粋)

 というメールを今井宛て送るという投稿を2ちゃんねるにしたぞと、実際に突然メールを送りつけてきました。
 野村一也は以前にも、別の掲示板で、そこの投稿者に対して「
で、貴方は今井亮一さん?」というタイトルの投稿し、同様に、そのような投稿をしたと突然メールを送りつけてき たことがあります。
 いちいち言うのも馬鹿らしいですが、私はいずれの掲示板にも投稿したことはありません。野村一也は以前と同じ調子なのだなあ、という感じです。困ったものです。そして結局、判決文を自らのHPに掲げることを、彼はしていません。私のこの防御のページへのリンクをつけただけです。

 私が法廷に出て、公開の日記で裁判の進展を逐一報告していたら、また判決が出て直ちに感想を述べていたら、野村一也は控訴したのではないかと、私のほうでは見ています。無視したことは、かなり効果があったのだろうと思います。
 けれど、私は今回こうして沈黙を破りました。このことは彼に、「
著名」な私と「2人」「舞台」に立てたと感じさせ、エネルギーを与えることになるかもしれません。何かまた技術的・デザイン的には手の込んだページを設け、大衆の感性に訴える手法」で「すり込み」をはかろうとすることが推測されます。それだけでなく今度はどんな常軌を逸した挙に出てくるか、不安ではあります。ですから、今回このようなページを設けるに当たっては、かなり悩みました。しかし、やはり最低限の防御はしておかざるを得ないだろう、と思うに至った次第です。
 今後の野村一也の出方によっては、今度はこちらのほうから法的手段を取らざるを得ないかなと考えています。

 現在、野村一也がネット上に掲げている(または今後掲げる)私に関するページや記述がなくなり、検索サイトからも消えるときが、いずれくるかもしれません。そうなれば、そののち適宜の時期に、この防御のページは削除します。防御する必要がなくなりますので。
 今回のこの3つのページの内容について(野村一也以外の方から)ご質問やご指摘をいただくなどして訂正・更新等した場合、別のページを設けて明記することとします。

 

(1)ご報告 (2)事件の経緯 (4)更新等

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