名誉毀損裁判のご報告(1)

2004年9月29日up 2005年10月11日更新  今井亮一

 

 「今井亮一」でGoogle検索などすると、「表現の自由とその限界 不適切な表現>誹謗中傷>名誉毀損 (交通ジャーナリスト今井亮一氏のケース)」というホームページ(HP)と、それに付随するページがたくさんヒットします。もう何年も前から。

 あらら。ひどいな、これは。印象をうまく操るようにはできているが、でもまあ、よく読めば、常軌を逸した誹謗中傷にすぎないことは一目瞭然だろう。
 それにしても、
甚大」な「精神的損害」を被ったとする表現を、普通、ああまで大きく長期にわたって自ら喧伝するものだろうか。私が述べていない文言まで、あったとして掲げ続けるだろうか。やはり、「チャンピオン」「著名人」である私の「知名度」を利用して自らの存在を「ギャラリー」に「アピール」しているのだな。

 と私は思っていました。そして私は(どなたもそうでしょうが)基本的に、この種のものはいちいち相手にしません。

 しかし、です。考えてみれば、ああいうものを「よく読む」方はごく少数かもしれません。「何? 今井はじつは陰でひどいことをやってたんだな」「こんな裏がある奴なのか」「火のないところに煙は立たず。非難に値することが相当程度あったんだろう」といった負の印象を「すり込み」されて終わる方がいておかしくありません。
 まずはネットで検索して情報を得ようとする方が少なくない昨今、物書きとしての私の仕事(拙著への評価等)に影響するおそれがあるといえます。デタラメを書かれたビラを大量にまかれているような不快感も、もちろんあります。

 このままただ放置していていいのか…。悩んだ末、「不適切な表現」により「誹謗中傷」され「名誉毀損」され続けることから、防御するのがやはり適当かなと思うに至りました。
 そこで、

1、概要(このページ)
2、事件の経緯について
3、そのHPの作成者(野村一也)が現実世界の東京地方裁判所を巻き込んで実際に行った「損害賠償請求訴訟」の判決について

 という3つのページに分け、できるだけ簡潔にご説明しておきたいと思います。このページだけお読みいただいてもだいたいわかるかと思います。
 3つのページの説明は、訴訟後のことを除いてはほとんどすべて、同訴訟における私の陳述からの抜粋または要約ということになります。「
小見出し」「地の文」「判決」「野村一也による発言等」「私による発言等」というふうに色分けすることとします。訴訟では当然、ある発言を引用するときは、何年何月何日のどの投稿等から引用したのか特定しましたが、今回はそこまではしません。

 なお、野村一也は上記訴訟に先立って、東京地裁に「
証拠保全の申立て」をしたそうです。これについては「事件の経緯
」のほうで触れます。 彼の逸脱ぶりを存分に発揮するものということができ、裁判所から連絡は一切ありませんでした。
 「損害賠償請求訴訟」のほうは、当然のことと思いますが、野村一也の請求は完全に棄却されました。
 

事 件 の 経 緯
 

 簡単にふり返ると、以下のような経緯になります。

(1)1999年2月  オルタブックスのBBSで、 野村一也は私に対し何か異様な熱さを伴う支持をしていた。

(2)1999年6月  「月刊交通違反on the web」のBBS別館で、野村一也は投稿者らとモメた。

(3)1999年7月  野村一也は「PBI/交通行政監察官室」というHPを開設し、BBS別館で複数回にわたり訪問を誘った。私はとくに支援せず、明らかな数字の誤りを指摘。しかし 彼は認めなかった。

(4)2000年4月  当時テレビ・週刊誌など(つまり「大マスコミ」)で活躍し始めていた方(つまり「著名人」)のBBSで突然、9カ月前(上記1999年7月)のことで 野村一也は私を激しい調子で誹謗中傷し、名誉を毀損してきた。私が返答すると彼は沈黙した。

(5)2000年7月末〜  同じBBSでまた突然、 野村一也は激しく私を誹謗中傷してきた。それは、「裁判ゲーム」「模擬的陪審制裁判」と称して、私の発言を捏造したり、東芝事件特設掲示板」を私が「設け」て「運営」していたと驚くべき事実無根のキメツケをもとに誹謗中傷して名誉を毀損するなど、まったく常軌を逸したものだった。(※東芝事件

(6)2000年8月末〜  同BBSが休止するや、 野村一也は今度は私のほうのBBS別館へ、ある投稿者の「熱烈なご要望にお答えして」と乗り込んできた。その投稿者は「誰も要望なんぞしていません」ときっぱり否定したが、 野村一也は「シランプリ」し、大量の投稿をして私を誹謗中傷し名誉を毀損し続けた。その投稿本数は、翌2001年8月末頃までの1年弱の間になんと475本にもなった。

(7)2001年5月  裁判ゲーム」「模擬的陪審制裁判」 に訴状がないことを私が指摘したところ、なんと 野村一也は、「今井さんは私に訴状を要求しているので」として、現実世界の東京地裁へ訴状を出すと言い出した!!

(8)2001年6月  裁判所も困惑の、常軌を逸した「証拠保全の申立て」!!

(9)2001年7月  ゲーム」の訴状はどうしても出さないまま、 野村一也はとうとう本当に現実世界の東京地裁へ「今井らから名誉を毀損された。金員400万円と100万円の謝罪文掲載により賠償せよ」との訴状を出してしまった。

(10)2004年1月  ようやく判決。 野村一也の請求はすべて棄却。

 

判 決
 

 野村一也の訴えは要するに、「今井らから名誉を毀損された。金員400万円と、100万円の謝罪文掲載により賠償せよ」というものでした。
 それに対する判決は要するに、野村一也が拾い出して「名誉毀損である」とした私の数々の表現は、名誉毀損性を有するけれども、彼の常軌を逸したふるまいに照らせば、 「
相当な範囲」を逸脱するものではなく、どれもなんら違法性はない、よって賠償の要はないというものでした。
 たとえるなら、AがウソをついてBをおとしめたという事実があって、Bが「Aはウソつきだ」と防御した場合、「ウソつき」という表現自体は名誉毀損性があるけれども、なんら違法性はない(賠償の要はない)、ということですか。
BBS上での名誉毀損でお悩みの方には、大いに参考になるかと思います。
 判決は長いです。以下に結論部分を抜粋します。「
原告
」とは 野村一也のことです。

2008年6月25日付記更新のお知らせにあるように更新したところ、このページの下のほうが切れて表示されなくなりました。ウィンドウズ・ビスタに変えてから、同様のことが他のページでも起こっています。いったいどこに問題があるのか、現在のところ不明です。申し訳ありません。このページに引用したはずの、判決の部分は、判決のページに続々とある枠囲みの、いちばん下の2つの枠囲みです。

 本件のような電子掲示板(BBS)において,ある者の発言(書き込み)に対して,他の者がこれに対抗的な発言(書き込み)をするという中で、議論の応酬となり,発言内容について、相手方の名誉を毀損するものであるとか,侮辱的な発言であるとして問題が生じることがある。そして,まず相手方の批判ないし非難が先行し,その中に名誉等を害する発言があったため,これに対し,名誉等を害されたとする者が相当な範囲で反論をした場合,その発言の一部に相手方の名誉を毀損する部分が含まれていたとしても,そのことをもって,直ちに名誉毀損又は侮辱による不法行為を構成すると解するのは相当でなく,不法行為を構成するのは,当該反論等が相当な範囲を逸脱している場合に限るというべきである。この相当な範囲を逸脱するものであるか否かの判断は、発言の内容の真否のみならず,反論者が擁護しようとした名誉ないし利益の内容や,当該反論がいかなる経緯・文脈・背景のもとで行われたかといった事情を総合考慮してすべきものである。

 これを本件についてみると,上記1に認定した事実によれば,原告は,原告ホームページにおける「北海道では一時停止規制の取締りは全く行われていない」という記述を被告今井から誤りである旨指摘されたことを契機として,被告今井らに対し,必ずしも趣旨が明確でない発言をしたり,被告今井らを揶揄する発言を繰り返すなどして,被告今井らを強く非難し,また,「私はギャラリーに対してのアピールを最重要視している。当事者のどちらが正しいのかを当事者同士で判断するつもりはない。」として,被告今井らからの釈明や反論に対してはまともに答えないという対応を繰り返していたのである。そして,被告今井は,上記のような原告の発言に対し,自らが主宰するTINが開設した本件ホームページを閲覧する読者に対し,事態の推移につき説明する必要に迫られていたということができる。加えて,本件各発言は,その表現に穏当でない部分が少なからずあるものの,原告の社会的評価を低下させる程度は必ずしも高くはなく,また,本件掲示板及び◇◇掲示板の読者は,本件各発言が,原告と被告今井らとの間の論争の一環としてされたものであることを容易に理解し得たものと思われる。

 これに,上記1認定のとおり,本件掲示板は,反論が容易な媒体であって,自由に書き込みをすることができ,現に,原告は,全発言者の中で最多あるいはそれに近い発言回数及び発言文字数の書き込みを行い,本件各発言に対する反論を十分行っていたこと,原告は,これまでに,本件ホームページの管理人である被告△△に対し,本件各発言を削除するよう依頼したことはなく,また,本件訴訟をテーマとした「表現の自由とその限界」と題する公開ホームページを開設し,被告らからの中止要請にもかかわらず,本件訴訟において当事者双方が提出した書面(訴状、準備書面、証拠説明書)や,原告と被告今井らとの電子掲示板におけるやり取りを記録した電子データ等を,実名入りで公表し続けてきたこと等の事情からすると,本件各発言は,社会的に容認される限度を逸脱したものとまでは認め難く,これを対抗言論と呼ぶかどうかは別として,不法行為責任の対象となる程の違法な行為と評することはできないというべきである。

 (3) 以上のとおりであって,本件各発言は、名誉毀損性を有するものの,違法性を欠いているから,不法行為を構成しないというべきである。

  したがって,原告の本件請求(損害賠償請求及び謝罪文の掲載請求)は,その余の点について判断するまでもなく,いずれも理由がない。

第4 結論

   よって,原告の本訴請求はいずれも失当であるから,これらを棄却することとし,主文のとおり判決する。

 このように、 野村一也の請求は完全に棄却されました。判決は2004年1月26日に出ていますが、それから約8カ月経過した同年9月29日現在、「フェア・ジャスティス」を謳 う彼のHPには載せられていません。敗訴の理由らしきもの を彼は述べているものの、肝心な違法性の認定の中身にはまったく触れていません。

 

(2)事件の経緯 (3)判決 (4)更新等

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