松下のレーダ式測定機により53キロ超過と測定されたが、
その速度では停止位置に停止できないことが実験で明らかにされ、
「いかなる過誤によるものであるかは明らかではないが」
測定機が表示した測定値には
「合理的な疑いを差し挟む余地があるというべきである」
として東京高裁で無罪とされた事件。
一審の館林簡裁では有罪だった。

文中「イ」「ロ」「ハ」は判決書ではマル囲み。
文中赤い文字は今井による。

 

平成3年5月23日宣告 裁判所書記官 山田 聡
平成2年(う)第537号

       判      決

 本籍並びに住居
    埼玉県 ●●●●●●●●●
           自動車運転手
                ●    ● ●
                昭和25年●月●日生

 右の者に対する道路交通法違反被告事件について、平成2年3月27日館林簡易裁判所が言い渡した判決に対し、弁護人から控訴の申立てがあったので、当裁判所は、検察官宮崎直見、同寺尾淳各出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

       主      文

    原判決を破棄する。
    被告人は無罪

       理      由

 本件控訴の趣意は、弁護人若月家光、当大塚武一が連名で提出した控訴趣意書及び弁護人若槻家光が提出した控訴趣意書補充書(添付資料を除く。)に各記載されたとおりであるから、これらを引用する。
 所論は、要するに、被告人は、原判決の日時ころ、原判示の道路において、93キロメートル毎時の速度で普通乗用自動車(以下、「被告人車」という。)を運転したことがないのに、原判決が、被告人の原審公判廷における供述を信用することなく、検挙した警察官である原審証人高橋正人の公判廷における供述(以下「高橋証言」という。)を信用するなどして原判示事実を認め、被告人を有罪としたのは、判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認である、というのである。
 そこで、関係各証拠を検討すると、被告人が被告人車を原判示の日時、場所において運転走行し、速度違反の嫌疑で検挙された経緯とその状況は概ね次のとおりである。すなわち、 群馬県警察本部交通部交通機動隊東毛分駐隊では、昭和 62年5月23日午後7時10分ころから同日午後8時40分ころまでの間、原判示の道路で、村上輝男巡査部長をその責任者とし、高橋正人巡査が監視・停止係、高橋晴夫巡査部長が停止・誘導係、滝原巡査部長、唐沢巡査、長沼巡査がそれぞれ取調係となり、松下EY− 020C型レーダスピードチェッカー(以下、「本件レーダ」という。)を使用して、原判示道路の西方の大泉町方面から東方の館林方面に向かう下り車線を進行して来る車両の速度違反の取締りに当たった。右の道路は、群馬県公安委員会が道路標識により最高速度40キロメートル毎時と指定した群馬県邑楽郡邑楽町大字篠塚 3052番地の1付近の県道矢島大泉線で、歩車道の区別のあるアスファルト舗装が施された車道幅員約5.55メートルの片側1車線(片側有効幅員約 2.7メートル)の平坦で見通しの良い直線の道路であって、道路北側にある千代田倉庫前から約200メートル西方(大泉町方面)の付近から北方にゆるやかに湾曲している。村上巡査部長らは、原判決書添付の図面B点(以下、同図面の表示点のみを記載する。)に本件レーダの本体部・表示操作部を設置し、次いでA点に送受信部を三脚を立てて設置し、西方に向けて水平角度設定目盛りの投射角度を 5度にして設定し、更にC点に記録部を設置した。なお、記録部と送受信部は送受信ケーブルで接続され、本体部と記録部は無線で結ばれた。その後、高橋正人巡査は、所定の音叉試験などを行って本件レーダが正常に作動していることを確認して、本体部の取締り設定速度を55キロメートル遠近切替スィッチを「遠」と設定するとともに、方向識別スィッチを「接近」として測定方面から接近する車両の速度を測定するように設定した(なお、本件レーダは、本件取締り前の同年 3月10日の定期点検試験で正常に作動していることが確認されていた。)。以上のように本件レーダが設置され、監視・停止係の高橋正人巡査がイ地点に、停止・誘導係の高橋晴夫巡査部長がハ地点に配置されるなどして速度違反車両の取締りに当たっていたところ、同日午後 8時3分ころ、右イ地点付近にいた高橋正人巡査が、本件道路の西方大泉町方面から進行して来る車両のそのライトの光の状態から一見して速いと感じたため、村上巡査部長や高橋晴夫巡査部長に「速いのが来るよ。」と無線で連絡し、更に本件レーダ本体部の警報音が鳴るまでの間、停止合図をする準備をしながら同車両の監視を続けていたところ、間もなく本体部の速度違反を知らせる警報音が鳴ったので、監視地点から車道上に出て左手に持った赤色の停止灯を上下に大きく振って同車両に停止の合図をしたところ、同車両はフロント部分をガクンと落として急制動を開始し、ロ地点に停止した。そこで、高橋正人巡査は同車両のナンバーを見て被告人車であることを確認し、記録係に通報した。本体部の警報音が鳴ると同時に記録部には速度測定記録紙に速度が 93キロメートル毎時と自動的に印字して打ち出されたので、村上巡査部長は高橋正人巡査の通報を受けてから速度速度記録紙に違反車両のナンバーと日時を記載した上、右記録紙を速度測定結果記録書に貼付した。一方、ハ地点にいた高橋晴夫巡査部長は、被告人車を取調係に誘導し、取調係の長沼巡査が被告人の取調べに当たった。本件当日、速度違反で検挙された車両は合計 24台となったが、被告人車はその15台目に当たり、他の車両の速度測定結果は、55ないし76キロメートル毎時であった。また、本件取締当日は降雨があり、路面は濡れていた。以上の事実が認められ、右の事実は格別被告人も争わないところである。
 ところで、原審は、右のような事実関係を前提とし、関係証拠から認められる本件取締当時の周囲の状況や原審における検証の結果等からすると、被告人車の速度測定記録紙の 93キロメートル毎時の印字は本件レーダの多重反射現象に基づくものとはいえず、また、関係証拠によると、被告人車の対向車や先行・後続車との誤測定の可能性もなく、本件レーダの設置状況や設置方法にも誤りはなく、更には本件レーダにより被告人車を捕捉した地点及び、監視係の高橋正人巡査が監視地点から道路にでるまでの所要時間や被告人の反応時間等を考慮すると、被告人車はロ地点で停止可能であるとして弁護人らの主張を排斥し、被告人車の測定速度は速度測定記録書に印字されたとおり 93キロメートル毎時であったと認定判示している。
 本件は、もともと本件レーダによる被告人車の測定速度はレーダの誤測定であるとして争われている事案であるが、弁護人はこれを裏付けるものとして、原審における検証の結果に基づいて、被告人車が本件レーダに記録されたような93キロメートル毎時で走行していて捕捉されたものであるとすれば、被告人車が停止したというロ地点に停止することは不可能であると主張する。すなわち、原審における検証の結果によると、検証の際撮影された被告人車の捕捉地点は検証調書添付の写真のとおりであり(カメラシャッターのリモートコントロール操作の知覚時間、驚愕時間、解放時間、転換時間等は0.1秒を上回るものではなく、写真による距離の測定誤差は2メートルの範囲内である。)、他方、高橋正人巡査が本件レーダの警報音を聞いてから道路に出るまでの所要時間は2秒を下回ることがないのであるから、被告人車が本件レーダで捕捉されてからロ地点で停止した状況について検討すると、本件取締りの状況は前記認定のとおりであって、これに高橋証言並びに被告人の原審及び当審における各供述(以下、これらを「被告人の供述」という。)を併せ考えると、前記のようにイ地点で監視していた高橋正人巡査が西方大泉町方面から一見して速いと感じられる速度で走行してきた被告人車を認め、監視を続けていたら間もなく本件レーダ本体部の速度違反を知らせる警報音が鳴ったので、右監視地点から車道上に出て(この間の移動距離は約3.2メートル)、前記停止灯を振って被告人車に停止の合図をしたところ、被告人は右の合図を見て警察官の検問があると気付き、車輪をロックさせない状態で急制動の措置を講じて、ロ地点で停止したことが認められる。これに対し、検察官は、当審において、高橋正人巡査は被告人車が本件レーダに捕捉される以前から速度違反をしているのを現認しているから警報音の鳴る前には既に停止させる行動を開始しているか、少なくとも警報音が鳴った時点では行動を開始していることが自然であり、また、同巡査の赤色の停止灯は捕捉地点のはるか前方からでも確認できる状況にあり、しかも同巡査は夜光服を着ていたのであるから、被告人が制動行動に入ったのは被告人車が捕捉地点を通過するのとほとんど同時であることも十分考えられるし、また、停止合図をしたのは同巡査のみではなく、高橋晴夫巡査部長もすぐその場で停止合図をしているから、これを見て被告人が制動行動に入ったことも考えられると主張する。なるほど、当日違反車両の停止・誘導係をしていた高橋晴夫巡査部長は、当審において、高橋正人巡査から「速いよ。」という通報を受けて、実況見分調書(原判決の掲げる司法警察員村上輝雄作成のもの)添付の図面ア地点に出て待機していたところ、間もなく警報音が聞こえたので、停止灯を振りながら2、3歩前に出て停止合図をしたと証言し、同証人も当夜夜光服を着ていたことが認められるから、被告人が当日同証人の動きに気付いておれば、高橋正人巡査が停止合図をする前に、警察官の検問のあることを察知し、制止行動に出たという可能性がないとはいえない。しかし、同証人は、被告人車の進行車線の反対側に待機し、狸塚方面から来る対向車を規制する任務を有していた者であるから、道路に出ても、まず対向車の有無を確認してから大泉町方面から来る車の停止に当たるのが自然であると認められるうえ、被告人車を当日現に停止させた高橋正人巡査は、原審において、その時の状況について、車道に出て自らが停止灯を振った際、進行して来る車の「ライトの付いたフロントがガクンとダウンするという感じから」この停止合図がわかったと思われる急制動を開始した旨具体的に供述しており、他方、被告人も、終始一貫して、高橋正人巡査の停止合図を見て、制動行動に移ったことを明確に供述していることに照らし、被告人が高橋晴夫巡査部長の動きを見て検問のあることを察知し、制動行動をとったとは認め難く、また、他に被告人が高橋正人巡査の停止の合図より前に検問のあることを察知し、制動を開始したことを認めるに足りる証拠はない。以上認定の事実によると、被告人が被告人車の制動を開始して制動行動に入ったのは、本件レーダの警報音が鳴るのを聞いて車道上に出て来た高橋正人巡査が停止の合図をしたのを見たからであるというほかない。
 そこで、次に本件レーダの警報音が発せられたときの被告人車の走行位置、つまり被告人車が本件レーダに捕捉された地点が問題となるのであるが、関係各証拠によると、右の地点は最大限本件レーダ(送受信機)の設置地点の前方(西方)約81メートルの地点と考えるのが合理的であると思われる。すなわち、関係各証拠、殊に、原裁判所が、本件取締現場において、本件取締当時に使用した本件レーダを設置し、被告人車を走行させて検証した結果によると、本件レーダの表示操作部に被告人車の走行速度が表示された瞬間、リモートコントロールでカメラのシャッターを切って撮影し、被告人車の走行位置を確認したというのであるから、その際撮影された被告人車の走行位置は概ね正確であるものと認められるところ、被告人車が本件レーダに捕捉された地点は右レーダから概ね57ないし63メートルの地点であり、最も長い距離でも約81メートルであることが認められる。そして、右の距離に前記の写真による距離の測定誤差の2メートルと証拠上認められる右レーダから停止地点のロまでの距離約31.4メートルを加算すると、被告人車がレーダに捕捉された地点から停止地点のロまでの距離は最大約114.4メートルとなる。右の数値は、当審証人高草木聖司が公判廷において、車両の停止距離確認実験を行った際、本件レーダが走行車両(右の実験においては被告人車と同車種の車両が用いられた。)を捕捉し警報音を発した際の距離は、停止係の位置(本件取締りの際のロ地点に相当する地点)から大体110メートルの地点であったとの実験結果に関する供述ともほぼ合致し、また関係各証拠から窺われる本件レーダの性能からも肯首できるところである。
 したがって、被告人車が本件レーダに93キロメートル毎時と捕捉される速度で走行し、当日被告人が行ったような制動措置をした場合、右の114.4メートルで停止できるか否かが吟味されなければならない。そして、この際、留意すべきことは、本件レーダはその速度表示がマイナス側に誤差が出るように設計されているため(おおよそ走行速度20ないし49キロメートル毎時でマイナス2キロメートル、50ないし99キロメートル毎時でマイナス3キロメートル、100ないし149キロメートル毎時でマイナス4キロメートル)、被告人車の走行速度が本件レーダ本体部の表示操作部に表示され、あるいは記録部の速度測定記録紙に印字されるのは、実際の走行速度よりも低い速度であって、これを逆にいえば、表示される速度より実際の速度が高い仕組みになっているということである。いまこれを実際の走行速度に即していえば、原審の検証の結果によると、被告人車の速度計による走行速度が100キロメートル毎時の場合には、本件レーダの表示速度が94及び95キロメートル毎時であることが認められ、また、当審において取り調べた司法警察員作成の「車両の制動実験実施結果について」と題する書面(以下、「制動実験」という。)によると、走行車両(被告人車と同種)の速度計による走行速度が100キローメール毎時で走行した場合レーダに表示された測定結果は平均92.8キロメートル毎時であり、同様に司法警察員作成の「車両の停止距離確認実験実施結果について」と題する書面(以下、「停止距離確認実験」という。)によると、前記走行車両の速度計による走行速度が100キロメートル毎時で走行した場合レーダに表示された測定速度は平均 94.6キロメートル毎時であったことが認められる。とすれば、被告人車が本件取締当時、本件レーダに93キロメートル毎時と測定表示されたのは、実際の走行速度がほぼ100キロメートル毎時に近い速度であったと考えても差し支えないことになる。
 ところで、前記認定事実によると、高橋正人巡査は、本件レーダの警報音の鳴るのを聞いてから約3.2メートル先の車道上に出て前記停止灯を振って被告人車に停止の合図をし、被告人はこれを見て制動措置を講じたというのであるから、同巡査が警報音を聞いてから車道上に出て停止合図をするまでの間の所要時間に被告人の知覚反応時間(被告人は、本件走行時アマチュア無線の交信をしながら運転をしていたという。)をも加えて検討すると、被告人車が本件レーダに捕捉されてから被告人が制動行動に入るまで所要時間は少なくとも2秒以上を要するものと考えられる(なお、所論は、当審証人堀野定雄の現場調査報告書等に照らし、同巡査が監視地点から道路に出るまでの所要時間だけでも、短く見積っても2秒は要するという。)。そうだとすると、被告人車は本件レーダに捕捉されてから少なくとも2秒間は制動の利かない状態で約100キロメートル毎時の速度で進行したことになるから、その間の空走距離は計算上55.56メートル(93キロメートル毎時では51.66メートル)となる。
 そこで、次に100キロメートル毎時で走行した車が、車輪をロックさせない状態で制動をかけて停止することのできる距離が問題になるが、前記制動実験は、その最短距離を明らかにする目的で行われたものと認められるところ、この実験結果によると、同一人が試みたものであるのに、その制動距離にはバラつきがあり、また次第に練習効果のあがっていることが認められるものの、5回の実験の平均値が65.44メートル(因みに、この距離は、乾燥時のアスファルト舗装の道路状況の摩擦係数を0.6とした場合の制動距離にも匹敵する。)であるというのであるから、仮にこれを100キロメートル毎時で走行し、車輪をロックさせない場合の制動距離とすると、本件レーダに被告人車が捕捉されてから停止するまでの距離は、右各距離の合計121メートル(93キロメートル毎時では117.1メートル)となる。しかも右の制動実験ないし制動距離は前記のような目的で行われた場合のそれであるのに対し、本件取締当時の被告人車の停止状況は、高橋証言にみられるように「何が何でも止まろうと思いっ切り踏んだという状態ではありませんでした。」というようなものであって(パニックブレーキではないので、スリップ痕はなく、停止係の同巡査がその運転状況について危険を感じたことを窺わせる形跡もない。)、しかも、当日は降雨で路面は濡れていたというのであるから、本件取締当時の被告人車の制動距離は右制動実験の場合よりもさらに長くなる状況にあったものと認められる
 以上認定の事実によれば、本件レーダに93キロメートル毎時と表示された速度で走行していた被告人車が、関係各証拠上認め得る当日の被告人車の制動状況のもとで、右レーダに捕捉さ れてからロ地点までの114.4メートルの間に停止することができないことは計算上明らかであるから、被告人車は本件レーダに捕捉された際、レーダに93キロメートル毎時と表示されるような速度(実際の速度は約100キロメートル毎時)で走行していたとはいえない。
 
なお、前記停止距離確認実験では、100キロメートル毎時で走行する車両が本件レーダで捕捉され、警報音が鳴った時点で停止の合図をし、直ちに車輪をロックさせない状態で制動措置をとった場合、停止係の位置から平均35.56メートル手前の地点で停止したことが認められるが、右の距離は100キロメートル毎時の速度ではその所要時間がわずか1.28秒に過ぎないのであるから、本件レーダに捕捉されてから制動措置が開始されるまでの所要時間が少なくとも2秒を要する本件の場合、右の実験結果をもって被告人車がロ地点に停止できることの裏付けとはならない。
 してみれば、本件レーダに93キロメートル毎時と表示された速度測定結果がいかなる過誤によるものであるかは明らかではないが、被告人が原判示の日時、場所において、本件レーダに93キロメートル毎時と表示されるような速度で被告人車を運転走行していたとするには合理的な疑いを差し挟む余地があるというべきであるから、その余の点について判断するまでもなく、原判決が、被告人が原判示の日時、場所において、93キロメートル毎時の速度で被告人車を運転した事実を認めたのは事実誤認であるといわなければならず(関係各証拠によると、被告人車の走行速度が指定速度の40キロメートル毎時を上回っていたことは推認されるものの、その具体的な速度は不明であり、これを裏付けるに足りる証拠はない。)、右の誤認が判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、論旨は理由があり、破棄は免れない。
 よって、刑訴法397条1項、382条により原判決を破棄し、同法400条ただし書きを適用して、更に次のとおり判決する。
 被告人に対する本件公訴事実は、「被告人は、昭和62年5月23日午後8時3分ころ、道路標識によりその最高速度が40キロメートル毎時と指定されている群馬県邑楽郡邑楽町大字篠塚3052番地の1付近道路において、その最高速度を53キロメートル超える93キロメートル毎時の速度で普通乗用自動車を運転し進行したものである。」というものであるが、被告人が、公訴事実記載の場所で指定最高速度を超える93キロメートル毎時の速度で被告人車を運転したことを認めるに足る証拠はなく、結局本件公訴事実については犯罪の証明がないことに帰するので、刑訴法404条、336条により、被告人に対して無罪の言渡しをする
 以上の理由によって、主文のとおり判決する。

  平成3年5月23日

    東京高等裁判所第二刑事部

      裁判長裁判官  栗  原  平 八 郎

 裁判官泉山禎治、同神作良二はいずれも転補のため署名押印をすることができない。

      裁判長裁判官  栗  原  平 八 郎
 

 

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