04/11/5更新 05/8/14更新 07/08/26更新

俺は不起訴になるか?

 

「争おうと思うんだが不起訴になるか?」
 というお尋ねが非常に多い。
「不起訴になるなら争うけど……」
 という人もいる。

 不起訴になれば、裁判は開かれず、反則金も罰金もなし。
 ところが起訴(公判請求)されると、法廷に立たされて「被告人、前へ!」なんて言われることになる。弁護士は? 費用は? 不安なことだらけ。
 不起訴か起訴かの差はえらく大きい。
 だから、自分は果たして不起訴になるのか、気になるのはよくわかる。

 2006年の法務省の統計によれば、交通違反で公判請求された人は9787人。不起訴は15万5026人。ここだけから不起訴率を割り出せば約94%になる。
 ※ 詳しいデータと解説は参考記事「最新の不起訴率」に。

 起訴(公判請求)されると、まず間違いなく有罪とされる。
 刑罰は、もとが反則金の事件では通常、反則金と同額の罰金だ。反則金の最高額は現在4万円。最高裁の統計によれば、交通違反で起訴されて5万円未満の罰金刑を食らうのは、毎年だいたい数十人。
 つまり、もとが反則金の事件の運転者が上記9787人の中に入る可能性はきわめて低く、不起訴率は100%に近いことになる。

 しかし、それはあくまで過去の統計の話。
 統計の数字だけ見て「チョロイもんだ」と争うと、おそらくボロクソに叩かれて後悔することになるだろうと、私は多くの事件を見てきて推測する。「この野郎、ナメるんじゃない!」と起訴されてしまうこともあるだろう。

 同じ交通違反でも、もとが反則金の事件は不起訴率がきわめて高い…。これは逆にいえば、そのぶん、もとが非反則行為の事件の不起訴率は低くなる、ということでもある。
 同じ非反則行為でも、超過40q/hと超過60q/hでは超過60q/hのほうが不起訴率は低いはず。容疑がある程度重いと、被疑者の説明には関係なく機械的に起訴(公判請求)されてしまうことが多いようだ。
 その“重さ”がどれくらいかは、一概にはいえない。「この容疑でさくさく起訴かよ」と思えるケースもあるし、「この容疑でまさか不起訴とは」というケースもある。

 検察官は被疑者のどんな点を見るだろうか、ということについては『ここが知りたい 交通違反・裁判まるわかり』(小学館文庫)で詳述しました。『交通違反ウォーズ!』では、さまざま事例(具体的ケース)について、不起訴または起訴(公判請求)までの過程を中心に紹介しています。

 容疑が重いうえに前科があるなどで悪質とされると、運転者本人は略式を望んでも、起訴(公判請求)される。その場合、検察官による求刑は懲役刑となるのが普通だ。初めてそうなる場合は執行猶予つきの判決となるのが普通だ。
 裁判所へ行って道路交通違反事件をいくつか傍聴してみればわかるとおり、交通違反で正式な裁判になっているのは、酒気帯びや無免許の常習者で懲役刑(3年前後の執行猶予つき)を言い渡されるケースがほとんどだ。上記公判請求の9787人は、ほとんどがそういう人たちである、ということだ。

 

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