07/3/25 up

ニュー駐禁取締り
スタートから半年間のデータ


 

 ニュー駐禁取り締まり関連のデータがいろいろ入手できた。大手マスコミ(記者クラブ)にも配布されてるはずなんだが、新聞、テレビではその一部しか、それも同じ部分しか報じられないみたい。もったいなっ! お宝情報をいくつかこっそり教えちゃいますぅ。

駐禁レッカー移動が激減!

 06年6〜10月の5カ月間は全国で6万5037台、前年同期比なんとマイナス65.3%だという。どえぇ〜っ!! こっ、これはたいへんなことですよ。6月の前後から、
「業者は悲鳴を上げている。廃業を検討する業者もいるらしい」
 とかいう情報が入っていたが、なるほどそりゃそうだ。
 駐禁レッカーは単価契約。1台引いてナンボ≠フ世界。たとえば警視庁の場合、車の使用者が払うレッカー料金1万4000円のうち1万円くらいがレッカー業者の取り分になる。警視庁と業者との過去の契約書には「予定台数」(06年度は「発注限度額」)がしっかり載っている。年間何千台を(何千万円を限度に)引くか予定が立つからこそ、業者はレッカー車や作業員をそろえて業務を行えるのだ。
 それなのに移動台数が65.3%も減った日にゃ大赤字どころの話じゃない。半分以上の業者が廃業しなければ、あるいは各業者がレッカー車と作業員を半分以上整理しなければやっていけない。

 そしたら、あのレッカー車はどうするんだろ。一般の自動車修理工場などに安く売るんだろうか。
 駐禁レッカーってのは本来、迷惑で危険だからどうしても移動しなきゃいけない違法駐車を、警察の権限で移動し、実費相当分を車の使用者に請求するもの。が、現実には迷惑性には関係なく「違反=移動」でやっている。勝手に盗んで盗み賃≠請求するかのような駐禁レッカーに腹を立てる人は多い。
 そんなレッカー車を修理工場で見つけたお客は、言うんじゃないか。
お客「なんだコレ、見覚えあるぞ。ははぁ、お前んとこはあの駐禁レッカーもやってたのか、この野郎っ」
工場「ちっ違うんですよ、お客さん。レッカー業者が倒産して、二束三文で引き取ったんですよ」
お客「そっかぁ。ふふ、駐禁レッカー屋め、ざまぁみろ」
 なーんて場面もあったりして。ショック。そういえば、駐車監視員に元レッカー作業員がいるという話も聞く。レッカー台数激減で、転職を余儀なくされたんだろうか。
 それにしても、これほどの激減の理由はなに? やっぱりねえ、ニュー駐禁取り締まりは従来のようにチョークで印をつけて一定時間待つことをせず、違反を確認したら直ちに取り締まるもんだから、運転者のほうがものすごく警戒したってことがあるんだろうか。

駐車監視員への公務執行妨害

 06年6月以降に発生した駐車監視員(以下監視員)への公務執行妨害事案は、12月10日現在、全国で46件。そのうち刑事処分の結果がわかってるのが27件。懲役(執行猶予付)7件と、罰金20件だという。

 新制度施行の直前、「3年以下の禁錮又は懲役」だった公務執行妨害罪に「50万円以下の罰金」という選択肢が設けられた。その後どうなってんのかと思ってたら、やはり多くが罰金刑でかんたんに処理されていたのだ。
 警察庁は「事例」を4件発表している。要約するとこうだ。

「8月、監視員が確認事務(新しい取り締まり)を行っていたところ、現れた運転者が松葉杖を投げつけ、さらに松葉杖で監視員の腕を殴る等の暴行をした」(懲役1年2月執行猶予3年)

「9月、監視員が確認事務を行おうとしていたところ、通行人が監視員の顔面等を殴打し、駆けつけた警察官に対し『なんだおまわり。逮捕するなら逮捕してみろ』と頭部を殴打した」(懲役1年執行猶予3年)

「9月、監視員が確認事務を行っていたところ、現れた運転者が『お前らなにしよるんや』『いわしちゃろうか。めいじゃろうか。お前ら組長の車にも貼ったろうが』と言って帽子を奪って投げ捨てる等をくり返し、パイプ椅子を叩きつける勢いで監視員の頭の位置まで振り下ろし、逃走した」(罰金50万円)

「11月、監視員が確認事務を行っていたところ、運転者が現れ『5分くらいだから外せ』等と言いながら左肩に暴行し、唾をかけた」(罰金20万円)

 どれも報道されてないかも。
 そのほか私のほうでは、外国人(黒人)が監視員のヘルメットを叩き、助けを呼ぼうした女性監視員の携帯電話を奪って逃げたという目撃談を聞いている。また、監視員がステッカーを貼る前に戻ってきた運転者(なんと酔っ払いらしい)が、年配の監視員のえり首をつかんで押し倒そうとし、若い監視員に悪口雑言を吐き、パトカー2台と警察官10人ほどが駆けつけて逮捕、という報告もいただいてる。これも、2件とも報道されてないかも。

 新制度施行から間もないころ盛んに報道されたのは、あれは「監視員に逆らったらヤバイぞ」というアピールであり、その後は「相変わらずトラブルが頻発してる。みんな腹を立ててる」と知らせたくなくて…というのは考えすぎかしら。単に、もう珍しくなくて報道価値がなくなっただけなのかしら。

 ちなみに46件の半分、23件が「確認作業中」に起こったものだという。新制度ではステッカーが貼られたらアウトなんであって「作業中」はセーフ。取り締まりを受けたことにならない。そのことを知らずにトラブルになってるのかなぁ。もしも知ってて殴ったなら、監視員はよっぽど恨まれ嫌われてることになる。
 だけどねぇ、迷惑駐車をして監視員に腹を立てるのは逆恨みだし、迷惑性がなく短時間だからというなら、その怒りは、迷惑性や時間に関係なくじゃんじゃん取り締まらせることに決めた警察や、そんな法案をすんなりとおした国会(与党)へこそ向けるべきでは?

着実に増える駐禁取り締まり

 06年11月までの月別の取り締まり件数も入手できた。各月の総数と、監視員による件数と、05年の件数とを並べてみよう。

    総数   監視員  05年の総数

6月  154,125  48,681  142,876
7月  207,133    82,691    142,876
8月    237,900   105,230    134,847
9月    247,452   106,500    140,882
10月    253,885   120,125    128,428
11月    248.240   121,970    126,478

 最初は不慣れだった監視員も、どんどん件数を上げてきていることがわかる。
 9月と11月が前月に比べて伸びないのは「無理するな」と警察から指示されたのかもしれない。監視員が頑張りすぎると違反の確認が疎かになり、警察のほうはトラブル処理に困るという問題もあるのだ。
 総数は、マスコミ報道では前年の1.3倍となっていたが、それはステッカーの枚数の比較だ。従来はステッカーを貼られても運転者が出頭せず、取り締まりに至らないケースが2〜3割あった。取り締まり件数を比較するなら、約1.68倍。10、11月は約2倍に達している。
 警察庁交通局長は国会で「2倍程度」に増やすと答弁したが、そのとおりになってきているのだ。
 さてさてこれからどうなるのか、こう言っちゃナンだが楽しみ。またこっそりご報告するね。

 

『ドライバー』(八重洲出版)2007年2-20号に若干加筆。

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