ライブドアが楽天が交通利権に算入!?
ドライバー』(八重洲出版)2005年1-20号に若干加筆。


 転ばぬ先の杖。起こらぬ先の報道。UP通信が、2005年の事件を大胆報道しちゃおう。UPは“うそぴょん”の略。くれぐれも真に受けないようにね。

一日長官が警察裏ガネで爆弾宣言!?

 治安強化を推進する警察庁により史上初の一日警察庁長官≠ノ任命されたアイドルタレントの小倉優子さんが、刑事局長らとオープンカーで銀座を華やかにパレードし、「凶悪犯罪を一掃して明るい社会を」と道行く人々に呼びかけた。
 ところがこの小倉さん、通行人から「警察の裏ガネもなんとかしろやい」と声をかけられ、
「え? そんなの優子りんが一掃しちゃいますぅ。裏ガネをなくして明るい警察でぇーす。きゃほ」
 と笑顔で爆弾宣言。刑事局長も警護のSPらも「ぎゃっ」と叫んでオープンカーから転げ落ち、救急車で運ばれる騒動となった。
 警察の裏ガネと対決する宮城県知事や、北海道ほか全国のオンブズマン弁護士らは小倉さんの勇気に感激。現在、小倉さんのもとへは講演依頼が殺到しているという。アキバ系のファンらも「優子りんの裏ガネ一掃大作戦に萌え!」とインターネットで盛り上がり、各マスコミへは現職および元警察官から内部告発が続々と寄せられている。
 石原プロは、次回「西部警察」のタイトルを「大激突!! 霞が関・裏ガネ戦争」とすることに決定。大門隊長らのチームが霞が関で、警察庁の裏ガネ族とカーチェイスに銃撃戦をくり広げるファンタスティックな作品になるそうだ。

パチキャラ戦争、交通違反台が大フィーバー!?

 有名芸能人へのギャラは1億円ともいわれるパチンコ・キャラクター戦争。ついに交通違反台が登場した。その名も「CR交通違反うん!? 逆転無罪っていいかもしんない!! MAX」。
 オービスやパトカーや駐禁ステッカーなどの絵柄がそろうとリーチ。「不起訴」で小当たり。そこへ検察官が出てきて「不起訴」を押しのけると確変リーチがスタート。起訴されて「有罪」になると小当たりは無効になってしまうが、そのあとに裁判官が出てきて「無罪!」と叫ぶと、なんと50連ちゃんに突入する。非常にギャンブル性が高い台だ。しかし「これによってパチンカーたちの安全運転意識が高まることが期待される」と、警察は許可する方針のようだ。

取り締まりで東京が北海道に領土割譲!?

 交通違反の反則金は、いったん国庫に入ってから「交通安全対策特別交付金」として総務省から各自治体に交付されている。使途は標識や信号機など交通安全施設の設置、管理に限定される。しかし今後、小泉首相の「三位一体改革」の一貫として、駐車違反の取り締まりが民営化されるとともに、徴収したカネは自治体の独自財源となる可能性がある。それは、駐車違反を取り締まれば取り締まるほど自治体はうるおう制度のスタートを意味する。
 そのことについて協議するため開かれた臨時全国知事会の席上、高橋はるみ・北海道知事が、
「北海道は降雪・凍結のため冬季の収入が減る。03年の全国の駐禁取り締まり件数は168万4268件だが、北海道は日本一の面積にもかかわらず、約2.5%の4万1984件しか取り締まれていない。しかるに東京さんは49万4750件で全国の取り締まりの29%を独占している。このような不公平は許されない。東京は領土の一部を割譲すべきだ」
 と提案。これを聞いて片山善博・鳥取県知事も血相を変え、
「うちなんかたった1256件、れれっ0.07%ですよぉ。東京と藩替えしてもらいたいもんだ!」
 と発言。1164件の山梨県、1380件の佐賀県、1460件の秋田県など千件台の各県知事も立ち上がり、会場は騒然となった。これに対し石原慎太郎・東京都知事は、
「駐車違反の取り締まりを増強したいなら、交通の安全・円滑の観点からは無用な駐禁規制を敷きまくったうえで、車両による営業や輸送が活発になるよう指導するなど、各自治体が自力で努力すべきだ。わが東京の領土を侵犯することは断固許さない。東京の領土を踏む者にはロードプライシングで課金する。宿泊者からは宿泊税を取る。私は戦う東京都知事だ!」
 と強く反発。だが、新宿や渋谷の一部で期間を限定して他の道府県に取り締まらせるなど、なんらかの譲歩は避けられない見通しだ。

反則金保険に銀行が熱い視線!?

 遅くとも06年6月までには、駐車違反について、納得いかないとか、そもそも出頭しないとかで違反者が反則金を払わない場合、クルマの持ち主から「放置違反金」を強制的に徴収する制度が施行される。これはつまり、違反の悪質性などは抜きに「違反=カネ」とする認識を、完全に定着させるものといえる。警察は駐車違反を皮切りに、他のすべての違反へ広げていく予定だ。
 そんななか、月々数百円の掛け金でもしものときの反則金を補償する「反則金保険」が熱い視線を浴びている。違反金制度により完全に「違反=カネ」となれば、加入者が激増するにちがいないうえ、金融庁が銀行窓口での損害保険販売を解禁する日が近いと見込まれているからだ。
 他の犯罪へも保険制度を広げ、死刑も保険の対象とできないか検討中の銀行もあるという。ただ、死刑の場合、何を月々支払うのか、だれが代わりに死刑となるのか、検討課題は多い。

今井亮一がオレオレ講習で逮捕!?

 先頃、首都高湾岸線のオービスによりスピード違反で捕まったタレントの所ジョージさん宅に、つぎのような「通知書」が送りつけられた。
「所ジョージ様。あなたは超過50q/h以上の違反により12点で90日間の免許停止処分に該当しました。停止処分者講習(2日間。2万7600円)を受講することで停止期間が45日間に短縮されるところ、04年11月1日施行の改正道路交通法により、全日本交通安全協会作成のビデオを視聴することで講習に代えることもできることとなりました。このビデオは改善効果が高く、視聴すれば停止処分は執行されません。ビデオ視聴による講習をご希望の場合、次の口座に1週間以内に27万6000円と通知手数料900円を振り込んでください。埼玉県公安委員会」
 じっさいにはそのような改正は行われていないことから、埼玉県警は新手のオレオレ講習≠ニみて捜査。今井亮一(自称交通ジャーナリスト。自称19歳)を逮捕した。
 調べによると今井容疑者は、そのビデオを同様のうたい文句でインターネットのオークションにも出品しており、すでに1億円余りを荒稼ぎしていた。「安協(交通安全協会)の独占はずるい。俺にも甘い汁を吸わせろ」と捜査員に食ってかかり、反省の態度は見られないという。
 続報!! ライブドアのホリエモンこと堀江貴文社長が記者会見を行い、
「今井容疑者の著作を参考に当社で調査したところ、免停講習ほか、免許更新の事務および更新時講習、教本の発行、パーキングメータの管理に駐禁レッカー移動の手配など、違反や運転免許に関する委託契約をすべて安協が独占していることが判明した。独占禁止法に抵触する可能性がある。毎年数百億円のこの市場に、我が社も参入する。この業界に天下りはつきもの? なら裏ガネを内部告発した警察官を年収2000万円で迎えましょう。カネで買えないものはない」
 と発表。勾留中の今井容疑者にライブドア幹部がひんぱんに面会、差し入れを行っており、新会社の社長には今井容疑者を迎えるらしい。
 ああっ。さらに続報!! 楽天も参入を発表しました!!
      *
 なーんつって。05年は私、大金持ちですなあ。がはは。

 


“オレオレ違反金”で被害続出!?
ドライバー』(八重洲出版)2005年2-5号に加筆。

 04年9月、茨城県の水戸地裁のなんと庁舎内で“オレオレ罰金”というべき詐欺が発生した。酒気帯び運転の罰金を略式で払いに出頭した男女5人が、駐車場や1階ロビーで裁判所の職員を名乗る男から「きょうは混んでいるので」と空いた小部屋へ案内され、1人15〜30万円、合計125万円をだまし取られたというのだ。
 略式は裁判とは名ばかり。さくさくカネを徴収するだけの作業だ。違反者が裁判官と会うことはない。そこに目をつけるとは。警察は「前代未聞ではないか」とコメントした。

 前代未聞の詐欺はさらに起こった。同年10月には、交通違反の罰金の正規の督促状をコピーし、日付けや宛先だけ変えたものが東京都内の個人宅へ多数発送されていることがわかったそうだ。
 反則金・罰金の対象となる取り締まりは年間約800万件。ほぼ9割は反則金の取り締まりだが、反則金と罰金の区別がつかない人は多い。「げっ。あの違反の“罰金”か? やべっ」と振り込んでしまった人も多数いるかも。

 近年、詐欺が頻発している。警察庁によれば“オレオレ詐欺”改め“振込め詐欺”(恐喝も含む)の被害額は04年1年間で約283億7900万円にのぼり、摘発は約5.1%にすぎないという。味をしめた連中がマニュアルをつくり次々と斬新な手口を考案しているようだ。

 今後、違反処理についての無知と「捕まる=カネを払う」という大多数の認識につけ込んだ、新しい手口の詐欺が続発するのではないか。
 ご存知のように04年6月の国会で改定された道路交通法により、放置駐車違反の取り締まりが大きく変わることになった。ステッカーを取り付けられても違反者が出頭しない場合、車両の使用者から「放置違反金」を徴収し、その手続きを民間委託することになった。施行は06年6月までにだが、それを先取りして利用するのである。
 犯人は街へ出かけ、道端の違法駐車をデジカメでどんどん撮影する。陸運支局で調べるなどして使用者の住所を知り、犯行現場の証拠写真とともに次のような通知を送りつける。
「あなたの車両は×月×日×時×分から×分間、違法駐車したことが現認されました。違反者は出頭してください。なお、×月1日に施行された改正道路交通により、違反者の出頭がない場合は、車両の使用者が放置違反金を納付することとなりました。違反点数はありません。納付しなければ車検を受けられないなどの不利益が生じます。放置違反金による処理をご希望の場合は、通知手数料とで計×万×円を次の口座へ振り込んでください」
 これ、06年6月までに警察と民間会社(警察OBか)がやるのと制度的にはほぼ同じ。実際に施行されてからやれば、詐欺か本物か、運転者は区別をつけにくいだろう。
 あるいは、郵便を送るなどという手間をかけず、ステッカーに振込先を記載してしまう手もあるだろう。
「ああ、これが例の民間委託ってやつか。警察に逆らってもムダだ。ブラックリストに載せられたら困る。点数がないだけトクだから、払ってしまえ」
 となる運転者はずいぶんいるんじゃないか。マジでご注意を。

 まあ、こうやって考えてみると、交通の安全と円滑をはかることを目的とする道路交通法を理由に、交通の安全や円滑とは関係なしに「違反は違反だ」と取り締まり、「裁判になるぞ」とか「逮捕するぞ」とか脅して従わせる(カネを払わせる)、そうした警察の(合法な)取り締まり自体が、“オレオレ詐欺”のようなものといえるかもしれない。
 ここで教訓。詐欺も詐欺的なものも、安易にカネを払うお客がいるから栄える──。

 

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