01/9/8更新  05/3/23更新

違反キップの誤記 

 

「キップに誤記がある。このキップは有効か」 
 とのご質問をよくいただく。
 名前の漢字、ふり仮名、住所・本籍の漢字や番地、免許証番号、違反した車両の車種、ナンバー、違反場所の住所、違反の日時、キップを切った日時……じつにいろんなものを警察官は間違えて書くことがある。

 警察官による取り締まりは、「タイヤが完全に停止しなかった」とか、重箱の隅をつつくように行われる。また、民が役所へナニかの手続きでいくと、ハンコがないとか些細なことで蹴られたりする。
 そこで、「形式を重視するバカどものくせに、こんな明白な誤記をした。キップは無効だろ」となる、そのお気持ちはよくわかる。
 しかし、なかなか無効にはならない。

 違反キップは5枚くらいで1綴りになっている。1枚がいわゆる「青キップ」または「赤キップ」。これが通常は運転者に交付される。 取り締まりの警察官が1枚めにボールペンで書いたことは、かなりの部分が残りの紙(事件原票等々)へ複写される。
 その残りの紙を、警察官は署や隊へ持ち帰る。そしてキップ審査の係へ回される。
 誤記が発見されると、青キップの場合は、「交通反則通告書」(FAQ「だいたいの流れ」参照)に付せんがつけられ、誤記は訂正(是正)されることになっている。ボールペンで訂正して訂正印が押されることもある。
 青キップ(「交通反則告知書」)はいわば仮のキップであり、「交通反則通告書」がちゃんとしていればいいのである。
 けれど、付せんで訂正されていないこともある。訂正されたものがまた間違っていることもある。

 赤キップの場合、反則行為ではないので「交通反則告知書」はない。別の方法で適宜訂正されるだろう。訂正されないかもしれないし、訂正されたものがまた間違っているかもしれない。正式な裁判にならない限り、原則として運転者は赤キップ以外を見ることができないので、そのへんどうなったかは通常はわからない。

 そういう場合でも、反則金を払ってしまえば、また、略式の裁判手続きで罰金を払ってしまえば、オシマイだ。取り締まりは正しくて運転者には不服がなかったものとして、一件落着する。

 では、たとえば誤記を理由に「こんなキップは無効だ」と争ったらどうなるか。
 そういうケースを私は聞かないけれども、「単なる誤記なのか。それとも存在しない者に切られたキップなのか」と、調べられることになるだろう。
 で、どうなるか。たとえば違反の時刻がちがっていても、免許証番号や本籍地や生年月日がちゃんとしており、なにより本人のサインがしっかりあって押印もあれば、「こりゃたんなる誤記だわ」で終わってしまうだろう。

 ただ、あまりひどい誤記の場合は、取り締まりが成立しないというか、警察のほうがあきらめて立件しないこともあるかもしれない。
 そこまでいかなくても、取り締まりがずさんであること(警察官がいい加減であること)を示す、ひとつの要素にはなるといえるだろう。

 些細な誤記については、そんなことにケチをつけるより、取り締まりが妥当なのかどうかという根本的なところをじっくり考えるほうが良いのではないか。私はそう思う。民と警察との関係は、民が主役なのだ。脇役(サポート役)がたとえバカでも、「だから主役のオレもバカでいいのだ」では、話にならないのではないか。

 

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