02/4/8更新  07/9/27更新

実況見分の立会い 

 

 反則金の納付をしなかったとき、また略式に応じなかったとき、いわゆる交通裁判所でもなく、検察庁でもなく、取り締まりを行なった警察から、「実況見分をするので立ち会え」との呼出があることがあります。
 呼出の時期は、さまざまです。
 
 この呼出は、ないことのほうが多いようです。
 呼出があっても、ドライバーが断るなどすると、あっさりそのままに、つまり行かなくてよいようになってしまうことがけっこうあります。
 けれど、わりとしつこいこともあります。
 警察の担当者が、ちゃんと格好のついた書類をつくりたい(なんとかドライバーを不利に仕立てる調書等をつくりたい)のかもしれません。警察のほうは あまり意欲がないのに、検察官から「ちゃんとやれ!」とうるさく指示されたのかもしれません。そのへんはケースバイケースでしょう。
 ドライバーが、「ああ、取り締まりに文句を言おうとすると、いろいろメンドウで怖そうなことになるのか。あきらめてしまおうか」となるのを誘う意味が込められているのかもしれません。

 実況見分では、たとえばスピード違反なら、メーターを見たというのはどの地点か、減速したのはどの地点か、後続車はどの位置にいたか、停止係に気づいたのはどの地点で、どこで減速を開始したか、 標識をどこで確認したか、といったことを尋ねられるのが普通です。
 これに対し、ドライバーが道路に立って、「えーと、だいたいこのあたりかなあ」と答えると、警察官はドライバーの足下にチョークで印をつけ、電柱など基点となるものからの距離を巻き尺で測り、図面をつくっていくのが一般的です。距離は、コンマ何mの単位で特定されます。
 そして署へ行き、「私が停止係のおまわりさんに気づいたのは、停止係のおまわりさんが立っていた位置から75.5mの地点にさしかかったときです」といった調書を取られることになるのが普通です。
 そういう調書にサインしてしまうと、「75.5m」という距離や位置は、ドライバーが任意に特定したものとして、一人歩きしていくことになります。
 ドライバーがあとで、
「いや、そんな正確な位置なんか憶えてなくて、だいたい50mくらいかなあ、100mはなかったように思うと言ったら、警察官が勝手に75.5mとしてしまったんです。あとでよく考えたら、50m程度だったように思います」
 と言えば、「被疑者の供述は転々と変遷して信用できない」とされやすくなります。

 実況見分であれ調書作成であれ、それらは警察が検察に送致するため行ない、作成するものです。
 送致するとき警察は必ず、「被疑者は犯情悪質であるので厳重処分願いたい」といった一文をつけます。
 つまり、「取り締まりはこれこれ適正だった。しかるに被疑者はこれこれ弁解している(刑責を逃れるため虚偽の弁解を弄している)。厳重処分を願う」といった形をつくり、送致するわけです。調書等は、警察が正しくて被疑者が悪いというために作成する (利用する)書類といえます。
 ですから、距離などいろんな点を歪められ(ドライバー自身が意識してあるいは意識せず歪めてしまうこともあるでしょう)、思いどおりに訂正させるのは至難である場合が多いです。
 それで、「実況見分の立会いは任意だ。そんなもの行かなくていい」と言う弁護士もいます。

 ただ、行かないと警察は、「不服があるならちゃんと説明したいはずなのに、被疑者は断った。不誠実なヤツである」というふうに見られかねない書類を検察庁に送ります。
 実況見分の立会いを求められ、しかし指定日は仕事で都合が悪かったのでスケジュールの調整をしているうち、「じゃあ、こっち(警察)でやっておくから」と言われて立ち会わなくてよいことになり、ところがあとで検察官から「キミ、立会いを断ったんだってね ぇ」と言われたドライバーもいます。
 
 立会いを断る場合、またスケジュールを調整する場合、それを電話でやるときは、必ず録音しておきましょう。警察官のなかには、言ったことを言わないことに、また言ってないことを言ったことにすることに、躊躇がない人がいます
よ。

 

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