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8時間以上は保管場所法違反に

 

「駐車禁止じゃないのに駐車で捕まった。しかも、罰金で前科になるらしい。なんで!?」
 という人がけっこういる。
 それは、道路交通法の駐車違反で取り締まりを受けたのではなく、「自動車の保管場所の確保等に関する法律」(以下 「保管場所法」)の違反で取り締まりを受けたのだ。
 同法がこう規程している。

(保管場所としての道路の使用の禁止等)
第十一条
 何人も、道路上の場所を自動車の保管場所として使用してはならない。
 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
 一 自動車が道路上の同一の場所に引き続き十二時間以上駐車することとなるような行為
 二 自動車が夜間(日没時から日出時までの時間をいう。)に道路上の同一の場所に引き続き八時間以上駐車することとなるような行為
 前二項の規定は、政令で定める特別の用務を遂行するため必要がある場合その他政令で定める場合については、適用しない。

 道路交通法では駐車OKの場所でも12時間以上(第2項第1号)、夜間だけなら8時間以上(第2項第2号)駐車すると、この保管場所法違反になるのだ。

 反則金は、道路交通法違反についての制度。保管場所法違反は、道路交通法違反ではないので、反則金は適用されない。反則金(普通車の駐車禁止場所の放置駐車違反なら1万5000円)を払って終わることはできず、払うカネは、裁判を経ての罰金になる。
 
第11条第2項の違反の罰則は、「3月以下の懲役又は20万円以下の罰金」とされている。実際の相場は、 第11条第2項第1号違反は5万円、第11条第2項第2号違反は4万円だ。※それぞれの取締り件数については『最新版 なんでこれが交通違反なの!?』に。
 罰金は刑罰であり、刑罰を受ければ前科になる。

 以下は、保管場所法違反の既済人員(「検察統計年報」より)。

  略式命令請求 公判請求 不起訴
2009年 4,978 1 279
2008年 5,355 5 169
2007年 6,746 1 174
2006年 9,229 7 311
2005年 12,635 7 387
2004年 13,580 3 611
2003年 16,821 6 649
2002年 20,393 2 465
2001年 23,749 2 1,325
2000年 29,162 7 578
1999年 37,750 2 734
1998年 38,825 1 904
1997年 41,192 3 1,296
1996年 43,866 1 1,042
1995年 45,222 3 1,474
1994年 54,894 1 1,777

 “実質的な不起訴率”は、なんと97.8〜99.9%。ほぼすべて不起訴 といえる。公判請求されるのは、 第11条第1項の違反の、そのまたごく一部ではないかと想像される。
 まあ、このデータを見て「とにかくゴネてれば不起訴になるのか」と安易に争う運転者が増えれば、公判請求の数字が若干増える可能性は否定できないけれども。

 なお、保管場所法違反には、過失犯の処罰規定がない。処罰規定がないものを取り締まることはできない。
 しかし現実の取り締まりは、そんなことには関係なく行われるのが普通だ。そして、いったん取り締まった以上は、違反処理システムは、何がなんでも故意犯として扱おうとする。どう考えても故意犯とするには無理があるケースが、警察でも一審でも二審でも故意犯として扱われ、最高裁でようやく無罪となったこともある。

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