第9話 『天女の誓い』 (6/15放映)
[脚本…大橋志吉/絵コンテ…青木佐恵子/演出…松浦錠平/作画監督…平岡正幸]
[梧和馬…渋谷 茂/雄飛の父…小杉 満/梧 友規…高瀬右光/雄飛の義母…児玉孝子/父…安井邦彦/男…遠近孝一/八戸 優/石川清人]
HOMEへ  タイトル一覧へ 前の話の記事へ 次の話の記事へ この記事へのフォロー記事一覧へ
From: Keita Ishizaki <keitai@fa2.so-net.ne.jp>
Newsgroups: japan.anime.pretty,fj.rec.animation
Subject: Ayashi no Ceres #9 (6/15)
Date: Sun, 18 Jun 2000 12:42:25 +0900
Organization: So-net
Lines: 303
Message-ID: <8ihgf4$l2p$2@news01bc.so-net.ne.jp>

石崎です。

妖しのセレス第9話『天女の誓い』の感想など。

特に注の無い限り、台詞部分は本編よりの引用となっております。
では、改ページ。


■全体を通しての雑感

 今回のお話は、原作単行本第3巻の終わり1/4〜第4巻の始め1/4の部分
を元にしています。
 納涼の過去が今回は明らかにされます。そして、今回いよいよ妖が自らの意思
でセレスを出す事を決意します。そして、明にも変化がまた現れます。
 ほぼ原作通りですが、友規関係のギャグシーンと雄飛との和解のシーンが削ら
れています。和解のシーンは例え本筋と関係が無くても削らないで欲しかった気
がします。
 それから、納涼さんの裸はアニメオリジナル、回想シーンでの出来事自体は原
作にもあったのですが、当該シーンの絵を新たに描き起こしているのはスタッフ
の拘りを感じさせます。

■内容の詳細

★実物の方が美人

納涼  「う…うう…。あたしを手に入れる気か? 甘いわ。あんたらのボスに
言うとき。これ以上、あたしの弟と妹に手出したら、ただじゃおかんてな」
(中略)
男   「フン。すぐに催眠状態に入る」
男   「もう、二度と抵抗できなくなるさ…」

 前回の続きより始まります。梧家の人々は、催眠ガスによって眠らされていた
のでした。
 原作では、納涼達か到着してから襲撃を受けて全員眠らされています。
 御景配下の男達は、納涼を奥の間に連れ込んで慰み者にしようとします(違)。
 その時、妖が電話をかけた為に、納涼の携帯が鳴り出します。驚いて手が止ま
る男達。
 実はまだ気を失っていなかった納涼は、帯を天女の力で動かして男の一人を縛
り上げます。

 原作通りですが、納涼が「妹」と妖の事を表現しているのがポイントです。ア
ニメだと本当に自然に言っているので気付きにくいかもですが。

 抵抗する納涼に、男達はあるものを用意します。
 納涼を拳銃で殴って大人しくさせ、ゴーグルとヘッドホンをつけ、ゴーグルと
ケーブルでつながれた端末で、何やらプログラムしている様子です。
 そして、プログラムを実行すると、納涼は催眠状態に入るのでした。

*  *  *  第9話『天女の誓い』  *  *  *

★やっぱり続きをしたかったらしい雄飛

雄飛  「そ、それはもしや、さっきの続きをしようって?」
妖   「早くしなきゃ! 納涼さんが、御景に狙われてんだよ!」
(中略)
妖   「あ…そっか…。やっぱやだよね。嫌な思い出ばっかしか無いし。判っ
たあたし行って来る」
(中略)
妖   「今のあたしに取って納涼さんは…、ここの人達はもう一つの家族なん
だよ」
(中略)
雄飛  「玖さんはもう、車出しに行ったよ」

 雄飛が、妖に好きだと言って困らせた事を反省していると、バスタオル姿の妖
が勢い良く障子を開けて現れます。
 驚いて、さっきの続きをしようってと口走る雄飛。うんうん、この年頃はやり
たくて仕方ないから…(違)。
 納涼が狙われているから本家に行かなきゃという妖ですが、下を向いた雄飛を
見て一人で行くと言い出します。納涼もこの家の人も、もう一つの家族だからと。
 服を着て車を出して貰おうとする妖の前に、準備万端整えた雄飛が待っていま
す。
 雄飛も結局本家に行く事にしたのでした。「家族」のために…。

★納涼の夢の中

納涼  「和馬さん。なんでこんな所におる。あんたは事故で…」
和馬  「俺はずっとここにいたよ。君が気付かなかっただけさ」
(中略)
友規  「う…納涼さん。お前ら、彼女に何をした」
男   「今、あんたん家の嫁を調教してるんだよ」

 怪しげなゴーグルをつけられ、催眠状態の納涼。
 ここで裸の納涼が出て来ます。前回に引き続き、描くべき所を描いているのは
ポイント高いです。ちなみにアニメオリジナルの演出です(笑)。

 納涼に、死んだ筈の夫の和馬が呼びかけます。しかし、その声は実は装置を取
り付けた男の一人が話しかけていたものなのでした。納涼はレム睡眠状態に入り
ます。

 6時間は眠っているはずの催眠ガスを喰らいながら気がついた友規が何をした
と詰め寄る回答が「調教」ですが…。何だか怪しい響きです。狙っているんでし
ょうけど。原作ではこの後、僕だってまだ手をつけていないという友規のお馬鹿
な発言につなげる意味があったのですが…(笑)。

★家族から逃げていた自分

雄飛  「姉さんがあいつらの言いなりになるなよ。大丈夫。一番辛いことを乗
り越えた人だから。情けねぇのは俺の方だ」
妖   「え」
雄飛  「ずっと親父達から逃げてんだ」

 本家へと向かう妖達。
 雄飛は、今でも本家に入るのが嫌で嫌で仕方が無いと語ります。
 原作では、この雄飛を見て、妖は雄飛の事を「いとおしく」思うのですが、そ
れは十夜への「LOVE」とは違う「LIKE」で、「これ以上入り込んじゃ駄
目」と思うのですが、アニメではありません。
 十夜と雄飛の間で揺れ動く妖…と言うのをもう少し描く意図があるのかな?

★梧本家へ侵入

雄飛  「てめえら! 兄貴を姉さんに死んだ兄貴を見せてんのか!」
男   「そう。全てのデータは揃えてあるからな。新婚で愛する夫が事故死か。
まだ一年だろう? 心の傷が癒えてるかねぇ」
雄飛  「汚ねぇ。良くも人の心の中を土足で入り込むような事を」

 雄飛は本家に侵入します。各臣配下の男達を倒しつつ進む雄飛…そして、妖も
雄飛だけ危ない目に遭わすわけにはいかないとついて行くのでした。
 邸内を進む雄飛と妖は、銃を突きつけられ後ろ手に縛られ転がされた父と友規
と出会います。
 納涼に今は亡き夫和馬を見せていると知った雄飛は、状況も忘れて飛びかかろ
うとしますが、男達が用意していた電撃銃(原作での標記はA−ARREST
(ルビは人工の金縛り))で妖もろとも倒されます。

★今度は自らの意志で

雄飛  「姉さん。それは夢だ。兄貴はもう死んだんだ。乗り越えたじゃないか
一年前にさ!」
男   「ヘッドホンで聞こえちゃいないよ。それに夢の中にいる時は、そこが
現実なんだ。さて、そろそろ薬を。天女のDNAから取り出した薬だ」
妖   「浦川さんを殺した、天女の力を引き出す薬? 私の身体から採取し
た」
(中略)
雄飛の父「子供達には手を出すな。殺すなら私を殺せ」
(中略)
妖   「あたしは…あたしは、浦川さんを助けられなかった。今度は、今度は
納涼さんまで。私じゃ駄目。これを止めることが出来るのは、たった一人。たっ
た一人だけ!」

 倒れた雄飛と妖。雄飛は納涼に必死に呼びかけますが、ヘッドホンで聞こえて
はいません。
 男は、納涼に天女のDNAから抽出した薬を与えようとします。
 わざわざ薬の正体を妖の目の前で解説している辺りがわざとらしいのですが、
原作では羽山が「薬」について妖に話していたのが、それが無くなってしまった
ので仕方がありません。
 止めようとする雄飛に、男の銃が向けられます。しかし、雄飛の父が代わりに
銃弾を受けて負傷します。
 妖はこの状況を止めるには、自分では駄目で、セレスを出すしか無いと決意し
ます。

★夢の虜

雄飛  「セレス。何であんたが…」
セレス 「妖が自分の意志で呼んだのです」
(中略)
セレス 「装置を破壊したのに催眠が解けない。遅かったわ。彼女の心が夢に留
まってしまった」

 妖はセレスを自らの意志で出現させます。
 セレスは、御景配下の男達を瞬時に消滅させます。この消滅する瞬間を原作同
様きちんと作画していますね。
 セレスは、装置を破壊、まだ飲み込んでいなかった薬を消滅させます。
 しかし、納涼はまだ夢の世界から戻りません…。

*  *  *  Ceres  *  *  *

★子が可愛く無い親などいない

雄飛  「ねぇ、セレス。あんたなら、どうにか出来るんだろ? 姉さんを催眠
状態から覚ましてくれよ」
セレス 「無理です。己の夢の中へ入り込んだのは、彼女の意志。そこから出て
来るのは、また本人の意思で無くては出来ないこと」
(中略)
雄飛  「何で、俺を庇った」
雄飛の父「何を言っとる。親が息子を守るのは当然な事だ」
友規  「馬鹿だな雄飛。お父さんは昔から、お前が一番かわいいんだよ」

 夢から覚めない納涼。自ら夢の中に入り込んだ以上、納涼の意思で出て来るし
か無いとセレスは語ります。
 父に何で自分を庇ったという雄飛に、息子を守るのは当然の事という父。
 友規は、父は雄飛の事が一番かわいいのだと語ります。
 アニメでは省略されてしまった部分ですが、友規も雄飛に対する自分の態度が
大人げないとは判ってはいたのです。…そう言った直後に、納涼と雄飛が毎日毎
日楽しい事してたに違いないんだ〜! と妄想する辺りが、友規らしいのですが
(笑)。

★女にとって一番幸せな時

友規  「雄飛! お前って男は…。一つ屋根の下だから危ないと思ってはいた
んだ!」
雄飛  「誤解だ〜」
(中略)
セレス 「彼女が現実に帰りたくないのは、夫と子供のいる世界を…女に取って
一番幸せな時を知ってしまったから。それ以上に現実で大切なものが無い限り、
彼女はもう…」

 夢の中で、「男の子が良い」という納涼。
 納涼が妊娠したのだと語るセレス。それを聞いた友規は、雄飛が妊娠させたの
だと勘違いして雄飛を足蹴にします(笑)。
 しかし、納涼の中にもう赤ん坊はいませんでした。
 雄飛は知らなかったのですが、和馬の葬式の時に納涼は倒れ、赤ん坊もその時
に流れてしまっていたのでした。
 和馬の葬式のシーンや、納涼が苦しんでいるシーン、病院のシーン等は実はア
ニメで新たにシーンを描き起こしています。原作ではわりとあっさり描写してい
ましたので。

★和馬の代わりに生きる

雄飛  「もう大丈夫だって言ったじゃねぇか! 分家は自分が守るって! 兄
貴の為にも生きるって言ったじゃねぇか!」
(中略)
和馬  「今の俺達にはあいつしか俺達しかいないんだ。まだ子供なのに、無口
で独りぼっちで、お父さんも、お母さんの手前、相手にしてやれなくて。一人前
の大人になるまで、見ててやりたいんだ」
納涼  「あんたの弟は私の弟や。私が見ててやらな…」
(中略)
納涼  「嫌やわ。何泣いてんの…」

 雄飛は必死に納涼に帰って来るように呼びかけます。
 かつて和馬が死に、赤ん坊も流れた後に、納涼は白装束で包丁で喉を突いて自
殺しようとしますが、雄飛がそんな事しても兄貴は喜ばないと止めたのでした。
 雄飛の必死の呼びかけに答えてか、納涼は和馬が雄飛の事を見ててやりたいと
言った時の事を思い出し、自分も雄飛の事を見ててやらなければと思います。

 血は繋がっていなくても、弟同然に大切な存在。和馬の代わりに雄飛を見てて
いなければ。その思いが納涼を現実へと引き戻すのでした。

★明の異変

明   「でも、諦めてよ。妖はあんたにも誰にもやらない。俺が絶対に許さな
い」
各臣  「あ…」
明   「お前なんかに邪魔させない。ずっと昔から決められてるんだよ」

 各臣の元に作戦の失敗の連絡が届きます。証拠は残すなって何を今更…(笑)。
 アレクと乗り込もうとしていたエレベーターが開くと、明がボディーガードと
共に現れます。無理を言って十夜の所に行こうとしていたのでした。
 十夜の監禁場所に各臣達と共に現れた各臣達。
 妖と記憶のどちらを取るかと言われ、妖と言いかける十夜に明は駆け寄ります。
 最初は普通に話していた明ですが、やがて目の色が変化し、手錠を十夜の手に
突き刺すと、妖は誰にも渡さないと言い放ちます。ずっと昔から決められている
のだと。
 各臣が明に呼びかけると、明は我に返ります。
 明がかけられていた装置の前で、アレクは作用が計り知れないと不安な様子。
各臣は明にも変化が出始めたと感じます。

★バレバレな雄飛の態度

雄飛の父「御景妖か…全く雄飛の奴、厄介な娘に惚れよって」
納涼  「お判りでしたか」
雄飛の父「しかし、あれでなかなか男らしくなったじゃないか」

 納涼に協力をヤ約束する雄飛の父。
 父は、雄飛が妖に惚れている事を見抜きます。
 原作では、友規が雄飛に対して「また料理の腕を見せに来いよ…(中略)女性
同伴じゃないと不可」と言い、和解するシーンがあったのですが、省略されてし
まったのが少し残念です。本筋に関係無いと言えば無いのですが…。

★好きなら何をしても良い訳ではない

セレス 「昔、私に勝手に種を植え付けた男がいた。でも産んだのは私。私にも
自分の性を引き継がせたい本能があったのかしら」
雄飛  「そんな…。種がどうしたとか、自分の性がどうだとか、誰も考えてね
ぇよ。好きだから欲しいと思う。好きだから一つになりたいだけだよ」
セレス 「あなたはやはり純粋な子ですね。私は人を信じない。でも、そうまで
言うなら、私に見せて。」
雄飛  「え…」
セレス 「人間の真実を見せて。その愛というものを。そうしたら、妖はいつか
あなたを受け入れる。さあ、私を妖に戻して。あなたが自分でそうする方が良い
でしょう」

 帰りの車の中で、セレスは雄飛にどうして妖を抱こうとしたのか問い詰めます。
好きなら何をしても良いのかとも。
 セレスは、自分の過去を語ります。ちなみにこの過去も実際は…。
 人間の真実を見せてというセレス。雄飛はセレスに言われるまま、キスをして
妖に戻します。
 その時、車は梧家分家の屋敷に到着。ブレーキで倒れた雄飛は妖の胸を鷲掴み
にする事に(笑)。

★妖の決意

妖   「あたし、決めたよ。御景のしてる事をCプロジェクトを出来る限りく
い止める。その為には、セレスの力を借りるしか無いって」
雄飛  「セレスを消すのを諦めるのか? お前、セレスに変身する限り、明君
を襲っちまうんだぞ。それに…それにお前、十夜…」
妖   「決めたの」

 妖はこれ以上犠牲者を出さないためにも、セレスの力を借りる事を決意するの
でした。
 …という所で次回へと続きます。

★次回予告

千鳥  「あたし、来間千鳥。弟に会ってやって欲しいの」

第10話『千鳥の飛翔』

セレス 「さあ、飛びましょうか…」

 「その筋の人」お待たせ致しました! 来間千鳥ちゃんの登場です。
 では、また次回。

--
Keita Ishizaki mailto:keitai@fa2.so-net.ne.jp
HOMEへ  タイトル一覧へ 前の話の記事へ 次の話の記事へ この記事へのフォロー記事一覧へ