英国発ハーブ治療法No1
症状別ハーブの利用

冬の季節に付きモノの風邪、うがいなどの予防はしていてもなぜかひいてしまうという方のために、又はもうとっくにひいてしまっているといった方の為の英国で利用されているハーブをご紹介したいと思います。
今回は風邪の症状の一つ「 咳 」にクロースアップしてみました。
 
 
※ご自分での判断でハーブを使用するのは時には危険と見なされています。
こちらではあえて内服量、利用法の詳細は省いてあり、一つの参考文献として目を通していただければ幸いです。
※ここでご紹介するハーブはあくまでも英国で使用されているハーブであり日本では
使用禁止 又は輸入不可のハーブもあると思われますがご了承ください。
 
はじめに
 
咳を治療する前に数点大事な点が上げられます。
その1:痰が絡む咳かどうか
その2:痰が絡む場合 → 色の有無(例 痰が緑色や黄色)
その3:血が痰や粘液に含まれるか
その4:その他の咳に伴う症状の有無 (例 胸の痛み、息切れ など)
 
もし3や4に伴う症状がある場合、咳が風邪からではなく他の病気から発生している場合が考えられますので必ず病院で診てもらってください。
1や2の場合でも楽観はせず、特に咳がひどい場合や熱が高い場合などは病院での検査をお勧めします。
基本的に自己判断はせず、病院での診断を受けてからハーブを利用する事をお勧めします。
 
 
利用するハーブ
ここでは“咳”を2つのカテゴリーに分けてみました。
A:痰が絡まない咳/空咳
B:痰が絡む咳
AとBの両方のケースに使用できるハーブもあります
 
まずはじめにA痰が絡まない咳に使用されるハーブをご紹介します。
痰が絡まない場合は鎮咳効果 Anti-tussiveのあるハーブを用います。
学名(英語名)
 
有効成分
 
Glycyrrhiza glabra   リコリス  (カンゾウ)
  Liquorice
サポニン、配糖体(グリチルリン及びグリチル
リチン酸の
Ca及びK塩)、苦味質、精油
フラボノイド、
エストロゲン類似物質
クマリン
Inula helenium   エレケキャンペイン(オオグルマ)
Elecampane
粘液質、精油(ヘレニン、カンファー他)
イヌリン、トリテルピン
Lacutuca virosa   ワイルドレタス  (ケシジャ)
Wild Lettuce
アルカロイド、ラクツカリウム、苦味物質
糖、結晶性物質
Pimpinella anisum アニス/アニシード
Aniseed
精油(アネトール、エストラゴール他)、
粘液質、糖、不揮発性油
Prunus serotina    ワイルドチェリー(セイヨウザクラ)
 (Wild Cherry)
配糖体(プルナシン)、精油、クマリン、タンニン、樹脂、安息香酸 
Tussilago farfara   コウルツフット (フキタンポポ)
(Coltsfoot)
粘液質、苦味配糖体、トリテルピン  
ピロリデイン系アルカロイド、亜鉛、ステロール
特に咳がなかなか止まらない百日咳などの場合以下のハーブが良いとされています。 
Tussilago farfara, Prunus serotina, Pimpinella anisum,
Thymus vulgaris   タイム     (タチジャコソウ)
 (Thyme)
精油(チモール、カルバクロール、ピネン他                                        
苦味物質、タンニン、フラボノイド
Drosera rotundifolia サンドゥー   (モウセンゴケ)
 
(Sundew)
ナフトキノン(プルムバギン)、フラボノイド                         
タンニン、クエン酸、林檎酸
             
B:痰が絡む咳の場合
痰が絡む咳の場合咳を止める鎮咳効果のあるハーブは用いず、痰を出すための去痰作用     
のあるハーブを使用します。
学名(英語名)   有効成分
Glycyrrhiza glabra   リコリス  (カンゾウ)
  Liquorice
サポニン、配糖体(グリチルリン及びグリチル
リチン酸の
Ca及びK塩)、苦味質、精油
フラボノイド、
エストロゲン類似物質
クマリン
Hyssopus officinalis  ヒソップ
  (Hyssop)
精油、フラボノイド配糖体(デイオスミン)
タンニン
 
Inula helenium   エレケキャンペイン(オオグルマ)
Elecampane
粘液質、精油(ヘレニン、カンファー他)
イヌリン、トリテルピン
Linum usitatissimum フラックス/リンシード(アマ)
  (Flax, Linseed)
粘液質、配糖体(リナマリン)
不揮発性油(リノール酸他の脂肪酸含)
Maruubium vulgare  ホワイトホーハウンド(ニガハッカ)
  (Horehound white)
苦味物質(マルビン)、精油、粘液質
タンニン
Polygala senega    セネガ
 
(Senega)
サポニン、サリチル酸、サリチル酸メチル、
不揮発性油、粘液質、樹脂
Primula veris     カウスリップ(キバナノクリンザクラ
(Cowslip)
サポニン、配糖体(プリムラベロサイド含)   
精油(プリムラカンファー)、フラボノイド
Solidago virgaurea  ゴールデンロッド
(Golden Rod)       (ヨーロッパアキノキリンソウ)
サポニン、タンニンフラボノイド 、精油
 
Thymus vulgaris   タイム     (タチジャコソウ)
 (Thyme)
精油(チモール、カルバクロール、ピネン他 )苦味物質、タンニン、フラボノイド
Viola odorata     スウィートヴァイオレット
(Sweer Violet)     (ニオイスミレ)
サポニン、サリチル酸メチル、粘液質
フラボノイド、アルカロイド
                                                                                     
*痰が緑色の場合:よく使うハーブとして 
Echinacea angustifolia エキナシア
Coneflower root
 
配糖体(エキナコサイド)、精油、多糖類
樹脂、イヌリン
 Allium sativum     ガーリック
Garlic
油(アリイン)+酵素―アリシン、Ge
粘液質、グルコキニン
Thymus vulgaris タイム Glycyrrhiza glabula リコリス のミックス
 Inula helenium    エレキャンペイン
*痰がクリアの場合:Plantago lanceolataリブワート(ヘラオオバコ)が特によいとされ
          ています。(小さなお子さまにも安全とされています)   
          Plantago majorグレータープランテイン(オニオオバコ)も
          使いますがこちらは呼吸器系よりも胃腸系、 
          泌尿器系の粘膜のトラブルに特によいとされています 
<有効成分>
    :粘液質、配糖体、タンニン
                         
その他に… 
 
*咳と伴う風邪の症状として鼻が詰まるなどの粘膜過多があげられますが、この場合
粘膜を除去するハーブの他に食生活の改善も重要とされます。
特に粘膜を作り上げる原因となる牛乳、過度の炭水化物、穀物のとりすぎには注意しましょう。
 
咳と関連して風邪から起こる肺、呼吸器系の炎症には抗炎症作用Anti-inflammatory     
粘膜保護作用 Demulcent 効果のあるハーブを使います。
(例)
Inula helenium, Linum usitassimum
Sambucus nigra (Elder) エルダー(セイヨウニワトコ)<有効成分:フラボノイド、タンニン      
                                   粘液質、アルカロイド
Solidago virgauria,
Tussilago farfara (特に痛みを伴う咳の場合に)
 
*ただし去痰作用、抗カタル作用のあるハーブを使用している場合は粘膜保護作用(Demulcent)のハーブとの併用は避けてください。
去痰も粘膜保護作用も必要な症状の場合  
Verbascum thapsus (Mullein) マレイン (ビロードモウズイカ)
が良いとされています。
<有効成分:粘液質、ゴム、サポニン、精油、樹脂、苦味配糖体、フラボノイド
 
 
 
以上、咳に利用するハーブをご紹介いたしました。
これらのハーブを単品として(例:咳止めシロップ、去痰シロップ 又はチンキ)
使用する場合もありますが、ハーブ治療院ではこれらのハーブと供に
他の風邪の症状、個人の症状に合わせ様々なハーブを一緒に処方していきます。
例:咳と熱を伴う場合、咳と頭痛を伴う場合など…・・
 
*最後に、一般に風邪に良いといわれるハーブを何種かご紹介いたします。
学名(英語名)
Allium sativum   (Garlic)    ガーリック   
Echinacea spp.    (Echinacea)  エキナセア
Hyssopus officinalis  (Hyssop)    ヒソップ
Sambucus nigra   (Elder)     エルダー
Tilia europea     リンデン(ボダイジュ
(Lime) 
サポニン、フラボノイド配糖体、精油
タンニン、粘液質
Achillea millefolium  ヤロー
(Yarrow)         (セイヨウノコギリソウ)
精油(アズレン他)、フラボノイド、タンニン
苦味成分
Mentha piperita    ペパーミント
(Peppermint)
精油(メントール、メントン)、タンニン
苦味物質、フラボノイド