思えば、この写真から始まったといえなくもない.....
 
 
「どうでもいいけどさ、なんかこの写真ってスゴイよね」と言ってきたのは
 読書サークル、ワセダミステリクラブの友人であった。
彼は別に軍事関係に興味があったわけではない。ハードSF読みである。 
が、この写真には何かしら引きつけられたらしい。 
 
「え?何がスゴイのさ?」
「なんつーかさ、コレってこの人たちが見てる向こうにデススターとかがいても    
ゼンゼン違和感ないじゃん。で、50年前でしょ。すげーよ。しかも負けてるあたりが」
 
...そうか。そういやそうだな。「過去から来た未来」というやつか。   
私のようなモデラーにとっては単なる見慣れたショットであっても
違う視点から見ると意外と深く、ワンダーでかつ本質に迫るものかもしれんな.... 
大学15号館ラウンジで、読書会で、さらに馬場の居酒屋「ちゃぼ」で周囲を巻き込みながら
白熱の議論は続いた。
 
「ドイツってさー、別に勝つことが目的じゃなかったんでしょ、たぶん」 
「そーやな。タイガー戦車ってあるじゃん。あれ1台でイギリス機甲旅団を壊滅させたやつがいて..」 
「でしょ。なんかそれだけで満足しちゃうよね。戦争に負けたとかは実はどうでもよくて」 
「そういやドイツっていいSFが出ないよね」 
「だってベストがペリー・ローダンだろ?何であの程度のしかないのよ?」
「第三帝国の方が遥かにSFじみてるじゃん」 
「たぶんさー、ドイツ人って『SFに出てくる人』でしょ。『書く人』じゃないんだよ」
「やっぱ書くの上手いのって英米人だよね。どんなジャンルでも」
「そーゆーやつらが戦争勝つよね」
「どうでもいいけど、ドイツ兵ってなにげにいつもポーズとかキメてない?。戦場写真でも」  
「なんかしらんけどおフランスってダメだよね。戦車も本格推理も」 
「ガニマル警部だからなァ...」
 
こうして私は深みにはまって行った。 
 この展開がなかったら、わたしは既に模型趣味をやめてたんじゃないかともおもう。 
  
 採算を度外視した「最強」幻想の結晶たるドイツ戦車群は、 
格好良くて狂っててそしてマヌケである。 
しばしば勝ち誇りながら滅んだりしてゆく様がまた絶品。
 
そしてそこに垣間見えるものは、おそらく今なおドイツ文化全体あちこちとつながっている。  
おもしろすぎる。おそろしすぎる。
だからやめられないのである。