W・フルトヴェングラー 1947ルツェルン音楽祭ライヴ 
ルツェルン祝祭管弦楽団 
ELA−907−8 
定評あるフルヴェンのブラームスの交響曲第1番でも 
この演奏が一番スゴイと思う。音質は最悪だが、第4楽章を 
これほどソーゼツに展開できる指揮者が他にいるだろうか? 
とにかく偉大にして狂。ラストなんかはボルテージだけで 
アイアン・メイデン地獄のライヴとかに充分対抗できそうで 
実にすばらしい。ああステレオで録音されてたらな、と 
思わずにはいられない逸品。 
ジャケ写真の顔がまた尋常でなくて良。 
  
 
クイーン・ライヴ!! ウェンブリー1986 
EMI TOCP−7091・92 
いまさら言うまでもないほど有名な、ウェンブリーの 
サッカースタジアムで行われたクイーンの伝説的ライヴ。 
特に「Radio Ga Ga」からフィナーレの英国国歌 
「God save the QUEEN」に至るまでの流れが圧倒的。 
不思議なほど「大英帝国の栄光」を肌で感じさせる 
あたりがイイ。実にイイ。超カッコイイ。 
自分が英国民だったらいかに彼らを誇りに思うことか。 
我が国にはああいうのはおらんな。 
  
 
 
ワーグナー楽劇「神々の黄昏」第3幕 
R・ヘーガー指揮 プロイセン帝国歌劇場ライヴ1944 
プライザー MONO 90245 
第三帝国の終焉を描いたコーネリアス・ライアンの 
ドキュメンタリー「ヒトラー最後の戦闘」に、敗戦直前 
なお強引にコンサートを続けるオーケストラが、軍需相 
シュペーアの差し金によりベルリンを脱出する場面が 
出てくる。で、その指揮者、ヘーガーの大戦末期の 
演奏が何とCD化されているとは!! 驚きである。 
録音は1944年11月だそうで、もういいかげん帝国に未来が 
ないことが明白な時期。当時アフリカ戦線は既になく、 
東部戦線も崩壊しまくっていた。なのになぜ史上希に見る 
破滅の物語「神々の黄昏」なのか? 帝国が戦時中、 
全期間にわたりこのオペラを上演し続けたことは音楽史上 
でも謎とされている。さすが帝国、常識などは軽く超越。 
体を張った破滅の美学である。 

しかしこのCD、超無念なのは神々の破滅が描かれる 
壮絶なフィナーレ「ブリュンヒルデの自己犠牲」の場面 
のみ、戦前のエルメンドルフ指揮の別演奏に差し替え 
られている点である。おそらくマスターテープの劣化か 
損傷によるものと思われるが.... 
それにしてもオリジナル録音の最終部となる 
「ジークフリートの葬送行進曲」はスゴい。実にスゴい。 
後半、金管が吹き上がる部分の暗黒的力強さと悲壮感は 
絶対に他の演奏には代えがたい物凄い迫力。なにせ、 
演奏者自身が「神々の黄昏」の只中にいたのだから... 
「すばらしい」というより「シャレにならん」という方が 
的確かもしれない超名演。 

ジャケ裏のソプラノのマルタ・フックスと思われる写真も 
バリバリに帝国っぽくて評価高い。  
 

 
ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界」 
W・フルトヴェングラー ベルリン・フィル 
 VS  
A・トスカニーニ NBC交響楽団 
AS DISK111 
私にショックを与えたフルトヴェングラー、1941年の「新世界」を 
CDで聴けないものかと探してようやく見つけたのがコレ。 
はっきりいって得体の知れないディスクだ。イタリア製らしい。 
どういうわけかトスカニーニが1953年にNBC響を振ったものと 
カップリングされてて、一時代の覇権をかけたライバル2人の 
聴き比べが楽しめるお得用になっている。うほほほほ。 
で、録音特性もあるが、個人的評価はフルトヴェングラーの 
圧勝。燃え上がるぜ帝王パッション。おめでとう。万歳。 
とか思っていたら、なんとこの演奏は真っ赤なニセ物! 
(詳しくは帝国指揮者部屋参照) 
トスカニーニの方は、せっかちで機械的で魅力に乏しかった。 
だが、それはあくまで老境で限界に来てたトスカニーニの 
姿であって、真の実力はこんなものでない、ということを 
私は後で思い知らされることになる。 
 
 
トッド・マコーヴァー オペラ「ヴァリス」 
BRIDGE RECORDS BCD9007 
カルト的SF作家、P・K・ディックの哲学SF「ヴァリス」の 
オペラ化として評判となったもの。マコーヴァー自身の率いる 
シンセサイザー・バンドによる演奏で、小説同様ワーグナーの 
「パルシファル」をモチーフに使ったりしている。 
長岡鉄男のダイナミック・オーディオで「優秀録音」とされた 
そうで、ジャンルとしてはいわゆる現代音楽に入るか。 
「パルシファル」指示動機が幽玄に立ち上がる場面は 
なかなか聴かせる、というよりかもともと未来的な音楽だった 
という事実を再認識させられる感じ。 
関係ないが、レビュー記事の内容からして長岡鉄男が意外と 
ディックについて「知ってる」くさいのが印象的であった。 
 
 
 
以下続刊であります。