偵察などに多用される軽戦車は融通性と簡便性が売りの、消耗品的性格が強い兵器である。  
しかし我らが大ドイツ帝国は例によって消耗品の代りに見事な 「工芸品」 を造るという愚行を 
犯した。さすがである。で、それが本車である。  
足回りには帝国重戦車と同様の 「千鳥型」 転輪配置を採用。また、2号と銘打ってはあるが  
それ以前の2号戦車シリーズと全くパーツの互換性が無い、などなど、技術至上主義に  
酔いながら本来の目的を忘れ果ててるあたりはいつもながら極上すぎる。  
目的を超えた所にこそ浪漫が、美しさがある。男子たるものこれを逸品と呼ばずにどうするのだ。  
  
ルクスは結局、技術的には退化したと言える38(t)偵察戦車にその座を奪われて終焉を迎えた。  
日用品をむやみに高級化して少量生産したようなものだから当然のなりゆきだろう。  
これは技術的な合理性を煮詰めていくうちに全体の妥当性がパーになるという、まさに 
帝国文化にありがちなパターンをわかりやすく具現化した例としても価値が高い。 
ああ、ルクスを通じて伝わる帝国の醍醐味! やはり、これを存分に味わってこそ戦車グルメと 
いうものであろう。小さい割によくダシがとれるあたりもすばらしい。  
  
さて、キットはウクライナICM社が売れ線の期待を込めて放った注目作。 
製作上の問題点その他(宿敵・松千代閣下の問題点含む)については ここ を参照されたいが、 
とにかく例によってプラ質が悪い。少し曲げるとすぐに白濁して「ボロッ」といってしまう。 
そのため、通常エナメル系塗料で行うウォッシングは危険と判断して躊躇していたのだが、 
ウチからリンクさせていただいている週末模型親父さんから 「油絵具が使える」 と教えて 
いただき早速試したところ、これがプラを侵さず非常にナイス! ホルベインの「DUO」 
シリーズのローアンバーをペトロールで溶いて塗ったのだが、エナメルウォッシングには 
ありがちな妙なシミやまだらが出来ないあたりも特筆に価する。まさに画材というものの 
凄さ奥深さで、非常に感激なのである。親父様どうもありがとうございました。 
  
しかしこのキット、様々な問題があって楽勝に組めるシロモノではないが、完成した姿は 
それなりにカッコイイ。寸法が変な割に似ている、というかなんというか、とにかく 
スペック以上に 「ドイツ人が造ったもの」 感は非常によく再現されていると思う。 
これもある種の芸術的センスであろうか。 
 
 
 
なんでおドイツの造るものはいつもこう
「繊細で重厚」なのだろうか。
でかい小さいにかかわらず。