第2次大戦中期、軽戦車の車体に多連装ロケット砲架を載せた車両。超絶マイナーなアイテム。 
安っぽさとカッコよさをこうも両立できるロシア人ってすばらしい。 
  
ロケット弾を見ると、有名ないわゆるカチューシャトラックのやつ(BM−13)より 
かなり小ぶりな感じ。敵の拠点を叩くというよりは軽便性を活かして歩兵支援などに用いられたと 
思われる。当時、すでにあまり使い途のなくなっていた軽戦車のリサイクル法としてはなかなかツボを 
突いたものといえよう。ロケット弾のしょぼさとも併せ「早く安くウジャウジャ造って、パカスカ撃つ」 
というコンセプトが非常に明確で、ここらへんは帝国製類似車両のパンツァーヴェルファーが誇った 
「1発の精度に賭ける」職人技巧バンザイ主義とえらく対照的な文化性がうかがわれて興味深い。 
いまさらいうまでもないが、勝ったのはロシア側である。 
  
ちなみにロシアは大戦後期まで延々と軽戦車を作りつづけたが、それは設計局の立場上 
作らないとスターリンに処刑されるぞとかそういう暗黒な事情があったからで、 
帝国が「究極の軽戦車を」とかこだわってるうちに時期を逸したのとは大いに異なる。 
どちらにしてもSFチックで素敵すぎる話だが。 
  
さてさて、キットはポーランド、アエロプラスト社の例によって極上なシロモノ。 
これを定価¥2400で売り出したバウマン(株)の度胸はまさに賞賛に値する。お礼として 
ヒンズースクワット5000回させてあげたい位だ。 
いざ作ろうとすると、組立て説明書が最初のヤマ。とにかく何書いてあるんだか謎な個所が 
多くて困る。しかもいざ組立てに入ると、取り付け位置のよくわからないパーツが出るわ出るわ。 
ここはイマジネーションやアバウトな箱絵や「まーこんなもんでいいかな」主義で切り抜けるしかない。 
で、そんなかんじでしばらく頑張ってると、いつのまにかそこそこサマになる形にまで仕上がるから 
不思議だ。まさに東欧キットの妙というべきか。 
  
しかし、まー、なんのかんの言いながらよくぞこんなものがプラキットで出たものだと 
驚嘆せずにはいられない。10年後には「幻のプラモ」として高値がつくことだろう。 
 
 
 
ロケット砲架のレールがなんとなく不揃いに見えるが、気にしてはいけない。
たぶん実車もこんなものに違いない。素晴らしい限りざんす(爆)