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食養医療革命

歯ぐきを切ってください
そのお嬢さんが来院した時の第一声でした。今から十年程前のことです。
中学一年生だったYさんは、当院に来る前に二回程歯肉炎の手術を受けたことがあり、また歯肉が腫れて痛いので、手術をしてもらおうと来院したのでした。
まだ幼い顔の彼女を見てびっくり。「何でこんな子が手術をしなければいけないのか!?」と思いましたが、口の中を見てからまたびっくりしました。歯肉はまるでイクラのように腫れあがり、何もしないのに血や膿が滲み出ていて、痛くて歯ブラシも当てられない状態です。(写真1)
*歯肉炎とは: 歯のまわりについている歯垢の中の細菌が、まわりの歯肉に炎症を起こす病気で、放っておくと歯槽膿漏に移行する場合が多い。
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ブラッシング開始
さて、私はもともと手術をするのが嫌いです。なるべく切らずに、歯も抜かずに治したい主義ですから、まずは彼女の手術の申し出を断ってブラッシングの指導から始めました。それも歯みがき粉をつけて力まかせに磨くような方法ではなく、特別な、絵筆の様なやわらかいブラシを使って、歯磨剤なしで、一日に1〜2時間、丁寧に磨くという方法を始めてもらいました。
これは『噛み方健康法』にも執筆されている片山恒夫先生のセミナーで教えて頂いた方法ですが、私の『抜かずに治す、手術せずに治す、食事で治す』という考えもこの先生から学びました。
Yさんにしてみれば、「手術の苦しみを味わうことなく済めばどんなことでもする!」という感じで、それはそれは真面目にブラッシングをしてくれました。
ちなみに歯肉炎の歯肉切除手術とは歯肉に何十ケ所も麻酔の注射を打ち、腫れた歯肉をメスで切り取るものです。大の大人でも術後は涙が出るほど辛いものです。
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ブラッシングの限界
さて、6ヶ月、8ヶ月とブラッシングを続けるうちに、初診の時に比べたらびっくりするほど治ってきました。しかし、ある一定の歯肉状態から変化が現れなくなりました。私が驚くほどブラッシングをがんばっているにもかかわらず、ばったりと治癒が止まった感じです。(写真2)
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食事療法開始
そこで、「やはり食事しかないな」と思いました。
まず、本人に毎日の献立を一週間書いてきてもらいました。その結果、Yさんの母親は素晴らしい人で、一生懸命手づくりの料理を出し、しかも毎日が晴れの日のような御馳走が続いていました。お刺し身、お寿司、etc.....
これらを、よく見ると二つの結論が出ました。

1、生の野菜、あるいはよく噛むような野菜料理が極端に少ないこと
2、麺類が好きで、二日に一回位は献立に登場すること

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これは陰陽表で見れば陰性の食品が多いということです。しかし食養についてすべてを説明することも難しく、まずは、お母さんをお呼びして「噛む」献立について説明し、幾つかのメニューを書いてお渡ししました。
片山先生からは、「歯槽膿漏の進んだ患者さんは、玄米ご飯のおかゆを百回噛ませなきゃいかん!」と教わりましたが、Yさんの歯はそこまでひどくなく、噛むことはできたので、とにかく噛める献立に集中してみました。(もちろん給食は別として)
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歯肉の変化
すると、どうでしょう!?歯肉はひきしまり、「どこのだれが歯肉炎だったの?」というまで治ってきたのです。もちろん、その間もブラッシングは一日一時間はやっていましたが(写真3)、来院回数も減らし、週一回から月一回、夏休み、冬休み毎になり、素晴らしい歯肉へと変化し続けました。もちろん歯肉炎の再発もなく、大学生、社会人となり、現在に至っています。(写真4)
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歯科の病気と食べ物
歯科の病気を考える時、虫歯においても、歯周病(歯肉炎・歯槽膿漏など)においても、その原因の最たるものは、食べ物の影響と考えられます。もちろん他の原因もたくさんありますが、食事指導をすることにより好転する可能性が高いようです。
私の周りには、食との関係を重視する先生方が、たくさんいらっしゃって、大塚誠之輔先生が作られた、症状に応じての食事指導書などは、私も活用させて頂いております。(表1)
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食生活の乱れから生じる虫歯や歯周病
最近、食生活の乱れにより生じる重症な虫歯や歯周病が非常に増えています。甘味飲料の摂りすぎにより(一日5〜6本、多い人は10本以上)、まだ二十歳代のうちに1〜2年で急激に虫歯となりボロボロになった症例(写真5写真6)軟食傾向により乱ぐい歯と虫歯になった十三歳の症例など、目も当てられない程です。
こういった患者さんが来院した場合、その病気の治療をするよりも、いかにその病気が「食事の乱れにより起きたものか」を自覚してもらうことが治療の第一歩です。それに気づいていただければ、ほぼ治療は成功すると考えております。 もちろん病因となっているのは食事だけでなく、ストレスや生活環境など、他にもいろいろ考えられますので、それを見つけ出せば、もっと素晴らしい成果が得られると思います。
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患者さんの自然治癒能力を引き出す
これからの私の目標は、患者さんの口の中を診せて頂いた時、その人の食事の傾向を見分け、「何が原因になっているか、何か全身的な問題がないか」を見抜けるようになることです。そして食事だけでなく、その人のバックにある人生の歴史をドキュメンテーションして、より詳しい病因を探り、治癒への方向づけができたらと考えております。
私たちのできる治癒なんて、所詮は、対症療法でしかありません。重要なのは、いかにその人の自然治癒能力を引き出してあげられるかという事ではないでしょうか。私たちはそのお手伝いをさせて頂いているだけなのです。
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ひまわり歯科医院 院長 鈴木公子