マッサージの支給基準


  療養費の支給基準    平成20年度版 社会保険研究所

  第4  あん摩・マッサージ・指圧師の施術      P167

  1 支給対象
 療養費の支給対象となるのは、あん摩・マッサージ・指圧師の施術のうち、医療上必要があって行われたと認められるマッサージが対象である。

 このマッサージの適応症は、一律に診断名によることなく、筋麻痺・関節拘縮等があって、医療上マッサージを必要とする症例について支給対象とされている。

 被保険者が療養費を請求するときは、支給申請書に医師の同意があったことを証明できる同意書等を添付する取扱いになっている。

 温罨法・電気光線器具使用の加算、往療料も認められているが、往療に関しては、医師の同意が必要である。その傷病が療養の給付として、保健医療機関で十分治療目的を果たすことができない場合に療養費の支給要件に該当する。

 療養費の支給の対象と認められるマッサージは、筋麻痺、片麻痺に代表されるように、麻痺の緩解措置としての手技、あるいは、関節拘縮や筋萎縮が起こっているところに、その制限されている関節可動域の拡大と筋力増強を促し、症状の改善を目的とする医療マッサージである。

 本来であれば、保健医療機関において、専門のスッタフによる理学療法の一環として行われる医療マッサージが療養費の支給対象となる。したがって、単に疲労回復や慰安を目的としたものや、疾病予防のマッサージ等が支給対象にならないことはいうまでもない。

 さて、麻痺に対するもので支給されているものは、脳血管障害等の麻痺による半身麻痺、半身不随が多く認められている。この場合は、麻痺のため歩行が不可能または甚だしく困難である状態が通例となっている症例等から往療料もおおむね承認されているのが実態である。

 また、骨折、手術やその他、骨・関節手術後の関節運動機能障害については比較的長期間にわたるマッサージを必要とする場合が多く、このような場合の、あん摩・マッサージ・指圧師の施術もおおむね承認されているのが現状である。

具体例として、先天性斜頸や先天性股関節脱臼のあん摩・マッサージ・指圧師による施術は稀なものと思われる。神経麻痺、ことに顔面神経麻痺はしばしばみられるものであるが、マッサージのみの治療法だけでなくその他の治療と併せて行うなど保険医療機関において療養の給付を受けるなかその症状等によって必要な場合が対象となる。

 神経痛に対しては、一般的には療養の給付が行われるものと思われるがこの場合も症状等から、真にやむを得ない場合に対象となる。また、関節リウマチについては、マッサージ療養費支給の対象となるものは先にも触れたように、関節拘縮(関節が動かない)などのある在宅患者にあん摩・マッサージ・指圧師にマッサージを行わせる必要のある場合は、支給対象として差し支えないものと考えられる。

 往療料は、医師の同意記載内容に歩行困難、歩行不可等の記述を確認すること等によって支給可否の判断をすべきであると考える。

 これらの諸点について一律に取り扱うことなく医師の同意記載内容により支給可否を決定することとし、患者と施術者との間に無用の疑義が生じることのないように判断することが望まれる。

 あん摩・マッサージ・指圧師の行うマッサージ施術により、療養費として実際に申請が行われている症状に着目してみると、一番多いのもは脳出血による片麻痺、ついで第二番目が麻痺や関節拘縮以外の保険者が認めたその他の疾患、第三番目が関節拘縮、そのあと、筋麻痺、そして片麻痺・筋麻痺以外のその他の麻痺と続き、神経痛や痛風も比較的多く見られる。その他適応症は、一律に診断名によらないことは前述のとおりである。

 なお、あん摩・マッサージ・指圧師の施術を受けているこれらの患者については一定期間ごとに医師の診察を受けることが望ましい。半身麻痺などで数年にわたってあん摩・マッサージ・指圧師の施術を受けている例もきくが、長期間ただ漫然と施術を受けることのないように、定期的に保健医療機関の診察を受けさせる等、適宜指導すべきである。

この趣旨を踏まえれば、医師照会等は、適宜診察の上同意が与えられていることから、いたずらに調査することなく必要に応じてなされるべきである。保検者は給付手続に際し、特別な場合を除いて患者(被保険者)の経済的負担等を考慮すれば、できる限り速やかに償還手続きをすべきである。

 また、初療の日から3ヶ月(初療の日が月の15日以前の場合は当該月の翌々月の末日、初療の日が月の16日以降の場合は当該月の三ヶ月後の月の末日)を経過した時点で、更に施術を受ける場合には、療養費支給申請書において医師の同意年月日、要加療期間等の付記があれば、必ずしも医師の同意書の添付は施術の円滑な実施を図るため必要ないものと通知されている。

 変形徒手矯正術は、当該施術を必要とする旨の医師の同意書により医療上1ヶ月を超えて行う必要がある場合は改めて同意書の添付を必要とする取扱いになっている。



 
「療養費の支給基準」     平成20年度版
社会保険研究所

≪ 鍼灸保険情報センター