ロック・アゲイン
メールによる配信サービス
【創刊のごあいさつ】
ビートルズ。ストーンズ。ツェッペリン。パープル。シカゴ。イーグルス...
“ロック”とか“洋楽”とかいう言葉が、今とは比べものにならないくらい、
特別な意味を持っている時代があった。もちろん、狭い意味でのハードロック
だけではない。ピンク・フロイドやボブ・ディラン、ジャニス・イアン、それ
にスティービー・ワンダーなんかも全部含めての話だ。
時は移る。いつしかJ-POPと呼ばれるようになった邦楽は、売上げでも
オンエア量でも、今や完全に洋楽を凌駕するようになった。
しかし今でも、かつての特別な輝きやカッコよさをひきついだ“ロック”は、
新譜旧譜を問わず、どんどん出てきている。「あの頃の熱さ」は、単なる通過
儀礼ではありえないと思う。自分の成熟や経験によりある程度は形を変えなが
らも、しかし生涯大切にしたい、“ロック”というスピリット...
「ロック・アゲイン」は、そんな大人に向けた洋楽情報を、週刊電子メール
マガジンとして、お届けします。
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《今週の「ロック・アゲイン」特選アルバム》
◆ティモシー・B・シュミット/フィード・ザ・ファイア
BMGファンハウス/BVCG-21020/税込み2,548円/発売中
http://www.c2m-jp.com/
スティーリー・ダン。ボブ・シーガー。CS&N。ジュリアン・レノン。
そしてTOTO。70年代以降、ティモシーがアルバムにゲスト参加したアー
ティストの、これはほんの一部だという。
ポコの、そしてイーグルスのメンバーという印象がどうしても強いのだが、
なかなかどうして、かくも多彩な音楽の中で活躍を続けてきたティモシー。
第一期イーグルス以降、自分自身のソロも過去に3枚出している。
《フィード・ザ・ファイア》は、いかにもそんな彼らしい、柔軟さの中に
も筋をきちんと通した、11年ぶりのソロ・アルバムだ。
中でも強く感じられるのは、カントリーとウェスト・コースト・ロックと
いう、まさに彼のバックグラウンドの強靭さ。彼自身のやわらかなアコース
ティック・ギターをフィーチャーした1曲目は特にカントリーっぽく、また
アレッシーやファイアフォールあたりを連想させる2曲目は典型的な西海岸
ロックなのだが、3曲目以降、その両エッセンスがさまざまな形で混じるの
が面白い。ポコ以来の彼の頑固なこだわりが、ここにも伺えるようだ。
なつかしい名前を2つ。
4曲目にはジョー・ウォルシュがギターで参加。コンパクトにまとまった
ソロも披露してくれる。そういえば昨年出たドン・ヘンリーのアルバムには
グレン・フライとドン・フェルダーが参加していたっけ。
8曲目“YOU ARE EVERYTHING”は、ダイアナ・ロス&マーヴィン・ゲイも
カバーした、スタイリスティックスの名曲。ティモシーは自分だけの多重録
音で、前者にも負けないデュエット効果や、後者をも髣髴させる厚みのある
コーラスを実現している。
他にも、そんなみずみずしいヴォーカルの表現力の健在ぶりは、ビックリ
するほどだ。元々のキーが高い上に、ファルセットの使い方がまた効果的。
4曲目では80年前後のマイケル・ジャクソンに似た高音が聴けるし、最後の
12曲目では、それがなんとビー・ジーズ(彼らも最近新譜を出したのだ!)
っぽくなったりもする。
もちろんベースも、アカペラの一曲を除き、全曲彼自身が演奏。リズム的
にもコード的にもどこかストイックな彼のベース・プレイは、派手な早弾き
やファンク感こそないが、彼のこんな音楽を支えるのにはやはりうってつけ
のスタイルなのだろう。
メロディ・ラインの良さにも注目してほしい。7曲目や11曲目などは、最
も典型的にそれが出たナンバーといえそうだ。
◆ブルース・スプリングスティーン&Eストリート・バンド/ライブ・イン・ニュー・ヨーク・シティ
SMEインターナショナル/SRCS-2455〜2456/税込み3,780円/発売中
http://www.sonymusic.co.jp/
1998年末にリリースされた、4枚組のCDボックス《TRACKS》。そしてそ
こからの厳選ナンバーを中心に、翌年出された《18 TRACKS〜The Best Of
"TRACKS"》。さらにそれと前後してスタートした、Eストリート・バンド10
年ぶりの再結成となる、ワールド・ツアー。まさに時代を代表するロッカー
として、着実に復活の道を歩む“ボス”。
そんなブルース・スプリングスティーンが、またまた素晴しい作品を届け
てくれた。Eストリート・バンドとの2000年初夏のNYでのステージの中か
ら、ブルース自身がベストテイクを選んで二枚組にまとめた、ライブ・アル
バムである。代表曲から新曲まで、全部で20篇の渾身のナンバーが並ぶ。発
売を送らせてまで急遽追加したという〈明日なき暴走〉まであるから嬉しい。
アップテンポ・ナンバー三連発に続く三曲は、スローに歌い上げるナンバ
ー。さらに野生味たっぷりの曲、カラリとしたハード・ロック、そしてシン
プルな構成でメッセージをじっくり聴かせる作品など、決して飽きさせない
構成で、アルバムは展開していく。流石、年季の入った活動はダテじゃない!
ちょっとハスキーな中、男の色気を存分に発揮するヴォーカル。腹ごたえ
のある独特のサックス。Disc1の7曲目やDisc2の7曲目などでのギター・
ソロのカッコよさ。ブルースらしいロック魂に裏切られることがないのは当
然だ。
特筆したいのはピアノ・サウンド。歯切れよい明るさで、ほとんどのナン
バーを盛り上げる。弾いているのはおなじみのロイ・ビタンだが、《Living
In The USA》などでリンダ・ロンシュタットを支えていたドン・グローニッ
クのピアノを思わず連想してしまった(持っていたらぜひ聴き比べて!)。
他にDisc1の6曲目では、ちょっとディランっぽいハーモニカ・ソロが楽
しいし、Disc2の3曲目(警官による誤射殺事件を題材にした新曲)では、
ライブとは思えない凝ったヴォーカル・アレンジを聴くことができる。
新曲もう一つある。〈ランド・オブ・ホープ・アンド・ドリームス〉だ。
これはいわば、彼らの新しいテーマ曲。“This train...”と、何度も何度
も、高らかに歌い上げる。
本ライブにも入っている〈Born In The U.S.A.〉では、ベトナム帰還兵
を通じてアメリカ社会の闇を歌ったはずが、単なる愛国歌と誤解されてしま
ったこともあるブルース。そんな彼のそしてEストリート・バンドの、新世
紀でのさらなる活動やメッセージがますます期待されてくる、ワクワクする
ような再スタート作だ。
《その他のリリース情報》
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70年代後半から今年まで、思い出深いラヴ・ソングが厳選された一枚
http://www.warnermusic.co.jp/artists/international/lovelights/
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■エンヤ、エリック・クラプトン、ほか/ラヴ・ライツ
ワーナー / WPCR-10950 / 税込み2,625円 / 発売中
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なつかしくてしかもおトク!『Deluxe Edition』シリーズ
http://www.universal-music.co.jp/
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■ブラインド・フェイス/スーパー・ジャイアンツ+9
ユニバーサル / UICY-7024/5 / 税込み3,670円 / 発売中
■ピーター・フランプトン/フランプトン・カムズ・アライヴ+4
ユニバーサル / UICY-7026/7 / 税込み3,670円 / 発売中
■マーヴィン・ゲイ/ホワッツ・ゴーイン・オン+25
ユニバーサル / UICY-7028/9 / 税込み3,670円 / 発売中
《あの大物アーティストのこんなトピックス》
●フィル・コリンズ
ブランディ&レイJ、デボラ・コックスなど、ブラック・ミュージックの
俊英たちによるフィル・コリンズのトリビュート・アルバムが5月9日発売。
リル・キムによるナンバーには、フィル本人がフィーチャリング!
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発行・文責:情報ハブ株式会社/contents@qj8.so-net.ne.jp
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