遥か日輪の彼方に2

Crocodile tears 5 (18禁)



 「ちょ、ちょっと……なにする……っ」
 今夜はそんなつもりじゃなかったから、異常にドキドキして心臓が口から飛び出してきそうだ。
 「なにって……こうなって他にすることあるの?」
 からかうように城が俺の顔を覗き込み……。
  「あ……やめろって、こころの準備が……」
 いろいろあるんだって……いきなりは、いきなりは困るんだよ。
 「ばかだな……そんなものなんかない方が楽しめる。嫌ならいいよ。こうして肌をあわせてるだけで」
 うそばっか……背中に感じるごろごろしたものはなんだよ。
 「……当たってる……」
 淡白そうな顔しやがって……詐欺だろうよ……。こんな小奇麗な癖にまさにおやじじゃねーか……これじゃあ
 「それは不可抗力だ。志月の肌に触れてるんだもの。これは幸せっていう意思表示だから」
 ちょっ、ちょっと待て……胸だけだって弱いのに……まさか……。
 「はぁ?……ってどこ触ってるの……頼むよ……城ぅ……」
 やっぱり、やる気まんまんじゃん……。
 「ん?……何を頼むの?もっと?」
 熱い……あ、熱いよ……きづく
   「……ちくしょー……あぁ、だめだ……きちんと握ってくれ……城」
 「握るだけでいいの?ここは?もうぴくぴくしてる……」
 もう、もう……だめだ何も考えられない。身体が解けてどろどろになってしまう……
 「あぁ……ずる……い……そこも触って……」
 あぁ、おれ……今、なんて言った。
 「外側だけ?こうして?」
 そんな言葉で追い詰めるな。いきなり前に集中していた神経が後ろに全て集まって……。
 「……っ!!」
 いやだ、そこは勘弁してくれ……
 「中まで飲み込んでいく……私は触ってるだけなのに……自分で銜えこんでいくじゃないか」
 「いうな……いわないでくれ」
 このままでも男のプライドがずたずたなのに……。
 「指じゃだめなんだろう?私の熱いのじゃなきゃ……」
 「きづくぅ〜」
 「あぁ、私を熱く包み込んでくれ……あ、あぁ……熱い……包まれてく」
 「あぁ……あ、あ、あぁ」
 「ごめん……だめだ……我慢できない……動くよ」
 「城……き…づく……あ、あ、あぁ……っ」
 「志……月の中……最高……とろけてしまいそう……」
 憤死……しちまう……俺は男だ……男だよな?……このまま流されていいんだろうか。
 「城……俺、だめだ……」
 「大丈夫……怖くない……このまま私にまかせて感じておいで」
 ふっと雲の上に投げ出されたような浮遊感に似た心許なさで慌てて城にしがみつく。 城は俺をぎゅうっと抱き締めて啄むようにキスを重ねた。身体の奥で城がぴくぴくして城も感じているんだと、そう悟ったらなぜか先ほどまでの不安がすーっと霧散してすこーんと突き抜けた気がする。 そうだ、城が俺で感じてる。おれたち互いで感じあってる。ジグゾ−パズルのピースみたいに どんなに他に魅力的な女やまして男が現れたってこれほどの充足感は感じないだろう。
 「志月……溶け合ってお前が私の中に入り込んで生まれ変わったような気持ちがする……」
 俺も……俺もだよ……城。もう声もでないけど、きっとお前も俺が感じてる俺の中に城が溶け込んでいる感覚があるんだな。おれたち本当の意味でひとつになった気がする。漠然と感じていた不安のかわりに柔らかく大きな繭に二人で包まれている……そんな感じだ。きっと互いに別の新しいおれたちに生まれ変わったような……城もきっとそう感じてるんだろう?城の為なら例え、それが嘘だと分かっていても騙されたって構わないじゃないか……そう思うと俺は安心してゆっくりと瞳を閉じた。
 
 【FIN】

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