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二人の夏休み12 |
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「まずはホテルでゆっくりしたいな」 迎えに来た車に乗り込むと雄斗は疲れたのかそういった。 「ん、高橋さんお願いします」 高橋と呼ばれた運転手は荷物を軽々と積み込むとゆっくりと車を発車させた。 しばらく車に揺られているうちに睡魔が襲ってきたのか雄斗が竜斗の肩に頭をもたれかけて、何時の間にかうとうとしていた。 熟睡していた雄斗が目が醒めたのは、ベッドの上だった。 「高橋さんがここまで、運んでくれたんだよ。疲れているんだね?夕食までまだ間があるから もう少しお休み」 馴れない飛行機に長時間乗ったせいか、身体はふわふわして、まるでエレベーターに乗り続けているようだ。 「なんか動けない雄斗って無防備で可愛いな……」 竜斗は嬉しそうである。鼻の頭にキスしてから、雄斗が抵抗しないのをいいことに しだいに大胆になる。小さく開いた唇に舌をさしこみながら、雄斗の舌を吸い出し自分の口に招き入れた。 「待て……頭がぼうっとして……後でしよう」 「いやだ、ユウが飛行機の中で散々俺にいたずらしていたくせに」 「でも、俺……今……だめ……」 雄斗のいつもと違う感じに竜斗はほくそ笑んだ。 「何もしなくていい。じっとしていて」 朦朧としながらも雄斗は首を背けて抵抗した。 「寝かせてくれ……よぉ……」 「一緒に寝よう?」 雄斗の上に徐にのしかかると、キスをしながらしだいに指先は乳首をあやしながら、片足をあげさせて、 後ろの窄みを宥めるように愛撫する。 「眠いよぉ……」 「ユウは入り口も感じるんだよね」 「あぁ、よせ、こ、声が出ちゃう」 「大丈夫、ここは貸し切りだから」 「え?ホテルを……貸り切ったの?」 まだ雄斗は寝ぼけてるらしい。 「ホテルじゃなくてクルーザーだけどね」 「え?じゃあ、ここはどこ?」 「セーヌ川の少し上流、あまり混んでないところ。 だからユウがどんなに色っぽい声を出しても大丈夫」 「ま、待て、待てったら……」 ねぼけて身体が思うように動かない雄斗をいいように翻弄してから、脱力した雄斗に 軽くキスをすると竜斗は部屋を出ていった。 けだるくなっている雄斗がカーテンを引いて外を眺めると確かに外は川の上で、クルーザーはゆっくりと 移動していた。いったいこの豪華なクルーザーをどうやって借り切ったのか? それよりなにより雄斗は船が苦手なのだ。海の上ではないとはいえ、水上というだけで 酔ってしまいそうな雄斗だった。 暫くすると、部屋に食事が運ばれてきた。改めて部屋を眺めると調度品も豪華で贅沢な造りだった。 金髪の可愛いギャルソンに給仕されながらの食事は雄斗にとって、緊張するばかりだったが、竜斗が せっかく用意してくれたのだからと、なんとかきれいに食事を終える事ができた。 蝋燭だけの灯り、凝った燭台、ワインを注がれてロマンチックな雰囲気の中で雄斗は小声になる。 「ここの料金高いんじゃない?」 「ん、おやじのクルーザーだから。普段は自称遠い親戚が主に使ってるんだけど 婚前旅行だからって空けてもらったのさ」 「なんだよ、その婚前旅行ってのは」 竜斗か軽くウィンクした。改めて竜斗の家は金持ちなんだなぁと思う。 その割に気取らないところが好きだ。 「ユウは前に俺の気持ちが重荷だっていっていたね」 雄斗はいきなり振られた竜斗の話にびくっとする。 「重荷っていうのは違うけど……」 「けど……?」 「俺は一人っ子だし、普通のサラリーマン家庭の子だし、どうやっても生きられるけど、 竜斗の将来をダメにしてしまう存在に自分がなってる気がして……。竜斗はもともと 俺以前は男経験なかったし……」 「ユウ……それは違う。最初にお前がいて、お前と暮らせる事実があって、それこそが俺の本当に欲しい物のすべてなで後は僕にとってただの附随物に過ぎない。ユウさえいればどこででも、どうとでもなる。どうやっても暮らせるよ」 雄斗の頬には熱い涙の筋が次々とできてゆく。こんなに熱く竜斗に告白されると思わなかった。 「ユウはどうなの?そのぐらいの覚悟はある?」 「あるに決まってんだろ」 「じゃあ海野さんにもらったマンションは処分して戻ってきてくれない?」 雄斗は微かに頷いた。 「俺、家事も手伝うよ。何も知らないから教えろよ。竜と一緒に何かを二人でするってすごく 幸せを感じるんだ」 「あの時はその罪な台詞に前もやられたんだよな。覚悟しろ今夜は寝かさないよ」 「ちぇ、何を言ってんだろ。どっちが体力あると思ってるんだよ」 「ふふん、ユウに乗り物酔いがあるのはすでにリサーチ済みなの。 今夜はたっぷり可愛がってやるぜ」 「ず、ずるいぞ、リュウ……」 まだ、本調子じゃないユウは本気で怖がっている。 半分泣き顔のユウを滅茶苦茶可愛いと思ってしまう竜斗だった。 こんなチャンスはめったにない。今回くらいはゆっくり、じっくり可愛がってやろうじゃないか。 |