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群青色の静寂の中 抽送をくり返す陰微な音とかすかな吐息だけが耳をくすぐる。
ためらいがちに触れた雄斗の肌は決して女の持つ柔らかさなど微塵もなくて、
うっすらと弾力に富む筋肉に覆われていたが、それはむしろ俺の欲望を刺激するものでしかなかった。
「はぁ、うっあぁ...うっあ....ぅ....あ...ぅぁああ」
雄斗のハスキーなテノールは俺の身体に纏わり付いて俺自身を粟立たせる。
快楽を追う雄斗の吐息は確かに男のそれだが、眩暈がする程淫蕩な響きがあった。
今までどんな女にも感じた事のない愛おしさが込上げてくる。
俺はもう、彼との関係を引き返せないものと確信し、そんな自分に
このまま、ただ快楽に身をまかせていいのかと躊躇っていた。
「もっと.....」
「ねぇ、早く.......」
彼が強請りに任せて腰を打ち込んでいく。
このまま、すぐに絶頂に辿りつきそうな、永遠に来ないような感覚
これを手放したくはない。
このまま、絶頂に辿り着けば、彼を失ってしまう。それが恐ろしい。
何度目かの絶頂をやり過ごし、雄斗の顔を覗き込めば、まるで助けを求めるように戦慄いていた。
「お願いだ、いかせて」
「だめだよ、まだいかせたくない」
「いやだ、いやだ、もう、いかせてくれよ......」
「じゃあ、携帯のナンバーを教えて」
「いま、む..無理....」
「じゃあ、このままやめる?」
もう、雄斗の絶頂はそこまで来ている。いまやめると辛いのは彼だ。
「く.......09..0..××××.....××..××....」
俺は彼からさっと抜け出ると携帯を手にとって たった今雄斗が言った番号にかける。
「ま、まって...本当の番号いうから....」
やっぱりね。俺をなめんなよ。
雄斗は俺の携帯をさっと取り上げると番号を押しだした。部屋のどこからかチゴイネルワイゼンが聞こえてくる。
「これでいいだろ。このままじゃ辛いんだよ。さっさと始めろ」
そういって、ベットに倒れ込む。やれやれ、色気の無い台詞だ。でもぶっきらぼうな言い回しとは裏腹に上気した頬が妙に艶っぽい。
肩で息をしているその細い背中を思わず抱き締めた。
振り向きざまに雄斗がキスをする。
「勝手に俺の携帯にかけてくるなよ。1週間以内にかけてきやがったら、亡き者にしてやる」
「亡き者ってお前、ゲームのやりすぎじゃないの?」
笑いながらキスを返すとその返事の半分は雄斗の口内に飲み込まれていった。
でも1週間たったらかけていいということだ。
俺はやっと安心して、雄斗の陰茎を上下に激しく扱いてを絶頂へと導いた。
雄斗は、寒さに震える小鳥のように小さく痙攣して果てた。
僕は殆ど意識を手放しかけている雄斗に変わって、その飛沫をティッシュで拭った。
あとで、シャワーを浴びればいいだろう。このまま女の子のように
風呂まで連れて勝手にあちこち洗ったりしたら、怒らないだろうか?
そう、思いながら雄斗の髪をそっと撫でた。さらさらした柔らかい髪。長い睫。
彼は本当に俺だけのモノになることがあるのだろうか。
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