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身体の中に入り込んでいるリョウガの欲望……その痛みに呻きそうになるが、心配そうに覗き込むリョウガの顔をみると経験がないと……俺がリョウガの愛するカムイではないとばれるのが恐ろしくて呻く声すら必死に飲み込んだ。 だけどこんな状態ならリョウガに知られてしまうのも時間の問題だろう。その時いったいリョウガはどんな顔をするのか?リョウガを騙しカムイを侮辱したと怒るのか……カムイになりすましてまで リョウガを引き止めようととする俺を浅ましいと笑うのだろうか。だけど……今は…… い、痛い……とにかく痛い…… いくらリョウガが俺の前を刺激してもこの痛みは如何ともしがたかった。 「辛そうだな……」 リョウガの声が耳許で甘く揺れる。 俺の腰をがっちり掴んだかと思うとリョウガが覚悟を決めたように力を込めて引き抜くので俺は思わず「うっ」と声が出てしまった。 それでも少しだけ楽になって全身の力が抜けたその時だった。 ぴちゃ…… 俺の傷ついたであろうその場所にざらりとした濡れた違和感を感じる。 「あ……やめ……」 まさか……そんな場所に舌を……? 「い、やだ……や、やめて……くれ……頼む……」 それは幼い子の傷口を母が舐めて直そうとするような優しさだった。 「や、やだ……よせ……やめろったら……」 彼の長い髪が俺の内股をくすぐる。舌と唇の生々しい感覚に気が狂いそうだ。 そんな俺を彼が顔を局部から離してそっと顔を覗き込む。 「可愛いな……まるでヴァ−ジンみたいな反応をする」 ちくしょー男にヴァ−ジンがあってたまるか!恥ずかしい事ぬかすな…… そう言ってやりたいが、彼の愛撫は巧みで休む事がない。 信じられない事にリョウガは唇と舌と指だけではなく肘や自分の雄まで使って あちこち刺激してくる。 「あぁ……やめ、やめてくれ……変に……変になってしまう」 「変になってしまえ……」 リョウガの淫らな命令に俺は首を振る。 「いやだ……いやだ……も、もうやめ……っ」 小さく縮まっていた俺自身が欲望を主張して 先端に露の雫を溜めていた。 「ほら……よくなってきた」 「や、やだ……よくない……ったら……」 「嘘つきだな……ここは誤魔化しようがなくなってるぞ」 俺自身自分の変化に気付く余裕などもはやどこにも残っていなかった。 俺の乱れる様をみつめる リョウガの整った顔も情慾に濡れていて、さらにそれが俺の恥辱を煽る。 「あ、あ、あ、やだ……リョウガ……リョウガ……」 自分の喘ぎ声が信じられない程甘ったるく響いて耳を塞ぎたくなる。 さらに自分の下半身のあたりでぴちゃぴちゃと卑猥な音が聞こえ何がなんだか訳が解らなくなった時だった。 再び下半身にずしりと重みと存在感を感じた時には彼が再び自分に入り込んできたのだと 解った。 思いっきり背中を反らせて前に逃れようとするが、さらに強く腰と俺の雄を拘束されて 引き戻される。 「カムイ……可愛いな……お前が好きだよ……」 なんと甘美な響きだろう……もしもこれが本当に俺に対して発せられた言葉ならどんなにか心が満たされたかしれない。だが今の俺にはもっとも残酷な言葉であり欲望の世界に溺れていた俺を現実に引き戻す作用しかなかった。 「カムイ……今後決して私を裏切るな……私もお前を裏切ったりはしない」 本来甘い、甘いピロートークなのだ……だけど今の俺にはまさに冷水を浴びせられたようだった。 「離せ!嫌だ!いや、いや……だっていってるのに……あぁ、やめてくれ」 言葉とは裏腹に 俺は限界に達しようとしていた。 その瞬間に俺自身を握り込まれて痛みと行きどころの無くなった 欲望に呻く。 リョウガがキスを降り注ぎながら同じリズムで抜き差しを繰り返す。 何がなんだかもう、解らなくなった時、指による拘束を緩められてやっと俺は絶頂に達する事ができた。 絶頂と同時に俺が彼を締め付けるのが自分でもわかる。 彼は小さく呻きながらそっと身体を預けてきた。 「大丈夫か?」 大丈夫なわけがない。 脱力して呆然としてる俺にリョウガはキスと好きだという言葉を何度も与えてくれる。それに俺は胸がいっぱいで目頭の奥がぐわっと熱くなった。 「なぜ泣く……泣くな」 優しくそういって彼が引き寄せてきた。 例えようもない虚しさと後悔が俺を襲っていた。身体だけ繋げたって虚しくなるだけだとわかっていたはずなのに……。
★ ★ ★ それなのに俺の心はなんと浅ましいのか……それから数日間というもの毎日のように俺達は互いの身体を貪りあった。 だけどその度に俺はカムイと偽る罪の意識に胸が苦しくなって最後には悲しくなってしまうのだ。 「カムイ……私になにか言いたい事があるのではないか?」 「……何もない」 いったい俺に何が言える? 何を言えばいいのか? お前が抱いてるのはカムイの影のような亡霊のようなものだと自ら暴露しろとでもいうのか? 「もういい!」 そんなことが続いたその夜 、リョウガはそんな俺についに愛想をつかしたらしい。 「お前の心まで手に入れたと思ったのは錯覚だったのだな?お前は一度だって私に抱かれて嬉しそうな顔をしたことが無い。ここから出られないから、私が恐ろしいから仕方なく身体を合わせているのか?もしそうだとしたらもう、たくさんだ」 リョウガは吐き捨てるようにそう叫ぶと苦いものでも飲んだような複雑な顔をしたまま俺を置いてそのまま何も言わずに部屋の外に出ていった。 だけど俺に何がいえただろう?いつもは全てが終わった後キスを繰り返してくれたのに、声すらかけてくれなくて。 もう、2度と会ってすらもらえないかもしれない……俺は血の気が引く程の不安に襲われていてもたってもいられなくなっていた。 |