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「お前は私の気持ちを試して何が知りたかったのだ?」 そう、カムイはいったい何が知りたかったのか? 自分が愛されている証だろうか? いや、違う……ただ命をかけてまで、リョウガを守りたかった。 それだけなのだ。それだけのために命を投げ出す事のできるカムイ……。 俺の胸に苦いものが拡がっていく。 死に往くと思われたカムイがあんなにも安らかな顔をしていたのは、それほどまでにリョウガを愛していたからなのだ。 「カムイ……たとえお前に憎まれても聞きたい事がある」 「え?」 いったいなんだろう? 「あの鏡のことだ?」 「鏡?あの魔鏡?」 「そうだ、あれが在り処を覚えているか?」 リョウガはそっと俺の首の後ろに手をまわし、俺の唇を人指し指でそっとなぞった。 「最後に見たのは……」 「最後に見たのは?」 「天山に続く螺旋階段の下の部屋だ……」 なぜ、そんなことを聞くのだろう?鏡をここに持ってくるとでもいうのか? 「ここに持ってきてくれるの?」 リョウガは驚いた顔で俺の手を掴んだ。 「ここに持ってきていいのか?」 「あぁ、ここにあると安心するから」
リョウガはなんともいえない複雑な顔をして俺を抱き締めると唇をそっと舐め取るようにした。 俺はなぜリョウガがそんな顔をするのかさっぱりわからない。 「あぁカムイ……ありがとう……本当にお前を愛しているよ……お前を大切にする」 俺は何がなんだか分からないまま、リョウガに抱き締められたままになっていた。 リョウガにこんなにも愛されるカムイが羨ましくて仕方なかった。 俺は神威であってカムイじゃない。 どんなに似ていても俺達は全く別の人間で別の世界を生きてきた。 それなのに俺は……俺はこともあろうに俺の分身ともいえるカムイが愛した男を 同じように愛してしまったらしい。 自分の理性がいけないと叫んでいたが俺はただ、リョウガの胸にそっと自分の頭をもたれかけた。
……許してカムイ……今だけ……今だけ夢に浸らせて欲しい。 ……リョウガ……俺とカムイを勘違いするなら勘違いするがいい。 いつかカムイが戻ってきた時、こんな裏切りを許せずにカムイが俺を殺そうとするかもしれない。 それならそれが俺達の運命だ。
「カムイ……いいか?」 そっと唇を重ねてきたリョウガが甘く囁く。幾度も髪を撫でながらキスを繰り返す。 「ん……」 なぜ、彼はいいかと聞いているのかよく解らなかった。俺達はすでに互いを抱きしめあい キスを繰り返していたから。 俺は甘い行為が進んでいく中男同士のセックスがどのようにすすんでいくかという 想像にはいたらなかった。 男同士だからセックス擬にはなっても、最後まではいかない……そんな安心感があった。 彼が自分と俺の雄をまとめて扱きあった時、もうこれで俺達は結ばれたと思っていたのだ。 行為が終わって脱力する俺に、彼がしきりに後ろを弄る手が鬱陶しいかった。 「もう、寝かせてよ」 「何をいってる?これからが本番だ」 「な……に?」 彼の一言を俺は半分夢心地で聞いていた。 これ以上いったい何をするのかと……。 「初めての時だってそんな可愛い事はいわなかったぞ?」 からかうようにいってそっとキスを繰り返す彼の指が信じられない場所を弄って 俺は身を捩る。 「よせよ。汚いよ」 「初めてでもあるまいし……」 そこに指を突き立てられて俺は思わず呻いた。 まさか……そんなところに……うそだ……やめて…… 慌てて腕を突っ張って彼の顔をみると欲情に溢れた目で神威をみつめ 再び唇をそっと落とす。 信じられない……カムイとリョウガはこんなことまでしていたのか? 恐怖と自分が神威だと知られたくないという心がせめぎ合う。 結局俺が選んだのはこのまま身体が壊れても決して俺がカムイではないと知られたくないということだった。 「どうした力を抜いてごらん?このままでは狭くて押すも引くもできない」 突然入り込んできた楔にただ脂汗だけが滲む。 必死に掴まるリョウガの腕に思わず爪をたてた。 「カムイ……大丈夫か?」 真っ青な顔をしている俺に気がついて俺の前をそっと扱き出すが 俺はあまりの痛みにただただ身を固くしていた。 「私ががっついているのか?それともカムイに私を受け入れる気持ちがないのかな」 そうからかうようにリョウガがいっても俺には返事を返す余裕すらなかったのだ。 |