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「仕事?こんな仕事があるか……」 追い詰められながらも逆らってくる獲物が美杉は愛しくて堪らなくなる。 「あなたなんか普段仕事を碌にしてないでしょう?それどころか 他の女子社員にセクハラばかり働くから仕事の効率が悪いって上から突き上げ喰らってましてね。 僕だって男のしかもこんな年配者相手にこんなことをしなくちゃいけないなんて」 そこで、一旦言葉を切って、逃げる方法はないかと左右を窺う鹿央の様子をじっくりと観察した。 今まで意識した事はなかったが、男にしては華奢な小さな顔に思いのほか小さく赤い唇。色白で肌理の整った肌はこうしてじっくりみると年齢の割に若く見える。思わずその白い喉仏が上下に動く様をみて喉が鳴った。 それを誤魔化すように美杉はたたみかける。 「仕事じゃなきゃ、やってられないって」 言葉遣いが変化した事で、鹿央はますます身体を固くした。 「最近は真面目に仕事をしていたはずだ。これからだってする。女の子にはもう自分から近付いてない ……本当だ」 そこまで早口で言いつのった鹿央の首根を、美杉は上から押すように掴むと鹿央が聞いた事のない低い声で唸った。 怯える鹿央の白い顔がさらに美杉の 加虐心を煽った。 「しゃぶれよ。できるだろ?そのくらい」 嫌がる鹿央の首をそのまま自分の下半身に押し付けると 「きちんと勃たせろよ。それじゃないと入らないからな」 そう畳み掛けて鹿央を絶望の淵に追いやった。 呆然としている鹿央に「早くしてくれないか、他の人間に変に勘ぐられてもいいのか?」 そういうとゆっくりとジッパーを下げる。 鹿央は諦めたように跪くと震える指で美杉の雄におずおずと手を伸ばした。 すでにそれは天に向って立上がっており鹿央を怯えさせるのに充分な固さと大きさに変化している。 躊躇う鹿央の後ろ髪をぐっと引き寄せるように掴むとわずかに開いたその口元に凶暴な姿の凶器を 腰を使って差し込んだ。 「あんたも、女にしてもらったことくらい、あるんだろう?思うようにやってもらえなくて焦れったく感じた事もあるんだろうが、あんたが感じるように、あんたがやってもらいたかったみたいにやってみせろよ。自分が一番して欲しいかったようにさ」 最初は、咽せて嫌がっていた鹿央も、その言葉に刺激されて彼の見事な怒張を丁寧に舌で愛撫しだした。 「なかなか、うまいじゃない……あ……っ」 微かに洩れた美杉の喘ぎ声に一瞬、驚いた顔をして必死に首を振った鹿央も、まるで自分の方が望んで 美杉に悪戯をしかけているような、奇妙な感覚にとらわれていた。 「あんたも感じてんじゃないの?腰が揺れてるぜ」 そんな美杉の揶揄も聞こえないかのように鹿央は無我夢中でしゃぶり続けていた。 女にセクハラするようなおやじに無理矢理しゃぶらせているのかと思うとさらに美杉は高揚し、鹿央の首を掴んで自らも腰を振り続ける。美杉の頬にうっすらと紅がさし唇から透明にしたたり出した唾液に 美杉は、なぜか背中がぞくっと震え上がった。 そしてその瞬間、自分でも無意識に「あっ」と小さく呻くと不覚にも欲望を放出してしまっていた。 空ろな瞳で口を押さえている鹿央に自らのきちんと角が合わさったアイロンのかけられた ハンカチを押し付けて「出せよ」と小さく言った。 自分でもこんなに早くいってしまうなんて信じられなかった。 『高校生でもあるまいに、何にそんなに自分を見失ったのか。こんな会社で』 そう思うと無性に腹立たしくなり、「今夜、同じホテルで続きをやる。これ以上は、あんたもここで やるのは不味いだろう」とまるで鹿央の為に早く済ませたかのようにいって早々に立ち去った。
どうしてこんなことになってしまったのか。 鹿央はつい先程まで清々しいばかりの皆に人気の上司に口の中を蹂躙されていた事実を受け入れられないでいた。 どう考えても、冴えないオヤジの自分にあんなに女の子にモテる美杉が嫉妬するとは思えないし、 まして自分に欲情なんてあるわけもない。 どうしてここまで美杉に嫌われてしまったのだろう? 最近は誰にもセクハラはしていなかったはずだし、今日の接触は誰がどう考えても不可抗力にすぎない。 第一、自分でも不思議なことに前ほど女の子達に欲望を感じないのだ。それどころか、 もし美杉にばれたら、また嫌がらせをされると思えば、逆に部下の女の子達に近付く事が 嫌悪にしか感じなくなっていた。 それなのに、なぜだろう。 美杉に触られるのはそれほど嫌じゃないのだ。 そちらこそ嫌悪して呵るべきなのに、嫌じゃない。それどころか美杉には知られたくないけれど、 自分は間違いなく美杉の指に感じてしまっていた。 同じ男に触れられてこんな風に感じてしまっていることを万一美杉に知られたりしたら、 本当に気持ち悪がられるだろう。 今までだって女の子達に気味悪がられていたけれど、そんなことは、なんとも思わなかった。 所詮、好きでもない相手だし、結婚する相手にもならない。 そんな相手に嫌われたり軽蔑されたってどうでもよかった。だけど美杉に軽蔑される事を 思うとなぜか胸の奥が酷くもやもやするのだ。 それだけではない。 さきほど美杉が言った。『今夜、同じホテルで続きをやる』という戯言に たまらなく興奮している自分がいるのだ。 なんと浅ましいことか? それをもしも、美杉に知られたりしたら恥ずかしくて生きていけない。 自分でもどうしてこんな気持ちになるのか、鹿央はさっぱり分からなかった。 |