僕はここにいる

Now I'm here 60



 石榴は自分の着ていた衣装をそっと取り払おうとした。

 それを沙羅が引き止める。

 「私にやらせてください」

 その一言で石榴の全身がとたんに硬直しみるみるまに薄桃色に色付いてゆく。

 沙羅は自分が恥ずかしがる様を楽しんでいるのだ。石榴は少しだけ悔しそうに下唇を噛んだ。

 あくまで柔らかい瞳で沙羅は微笑み、ゆっくりと煽るように石榴の服を下にずらしてゆく。 衣装と一緒に沙羅の舌もゆっくりと下に降り、薄桃色の突起が立上がっているの甘噛みした。

 「ふるえているね」

 囁く沙羅に石榴の白い肌が羞恥にさらに燃え上がってゆく。

 「もっと感じさせてあげる」

 背中に腕をまわすと肩甲骨をそっと指先で撫で上げる。ここに石榴の性感帯があるのを沙羅の指先は覚えていた。石榴の口許が少しずつ綻び、瞳は情慾に濡れて虚ろになっていった。

 「きれいだ……こんなあなたが私だけのものだなんて……」

 石榴は閉じかけた潤んだ瞳をそっとひらいた。

 背中からゆっくりと沙羅の指先は背筋をなぞるように形の良い双丘へと向い幾度も撫でるように 襞のあたりを優しくなぞってゆく。

 そんな愛撫にさらに石榴は背中を反らせ引き締まった顎を震わせる。

 「沙羅……」

 「何?」

 「焦らすな……」

 思ってもいなかった石榴の言葉に沙羅の行為は遠慮なしになる。

 船内には二人の甘い喘ぎが音楽のようにこだましていた。そうやって二人は時を忘れて睦みあい、解け合っていった。







 石榴がしどけなくよこわっている間、そっと身体を拭い、透き通った絹を石榴の上にかけると沙羅はひとりで、操縦席に向った。

 生き物のように蠢きながら向ってくる災いをじっと睨み付けると、沙羅の全身がオーラ煮に包まれてゆく。口の中で何かを呟きながらそのオーラの力をゆっくりと育てていった。

 「沙羅……」

 石榴が沙羅の背中越しに声をかける。

 「なぜ、私に声をかけないでここに来た?」

 「あなたがぐっすりお休みになっていたからです」

 「まさか、お前一人でなんとかしようなどと考えたわけではあるまいな?」

 沙羅が悪戯っぽく微笑んだ。

 「それは買い被りすぎです。 石榴私にそんな力があるなら、あなたを気絶させてでもひとりで災いを破壊したでしょう。 だが、残念ながらたとえ増幅されたとはいえ今の私には、そこまでの力はありません。あなたをあなたが発したエナジーの反動からあなたと守るのがせいぜいでしょう」

 「そうかな」

 「それでもあなたと一緒にいることができて幸せですよ」

 「ではお前のオーラで私を包みまもってくれるか?」

 何か反発してくるかと思っていたが覚悟をしているのか石榴はいつになく素直だった

 沙羅はそのまま飲み込むようにオーラで石榴を包み込む。

 先程とはうってかわって石榴の顔は鋭く変化してゆく。そして蠢く『災い』に向って照準をあわせた。激しい衝撃と共にエナジーの束が『災い』に向って解き放たれる。沙羅は必死に石榴を抱き締めた。 石榴の白いエナジーはそのまま高速で火の玉のように『災い』に向って突き進んでいった。

BACK  WORK  TOP NEXT