僕はここにいる

Now I'm here 59



 嫌だといいながら石榴は色っぽい姿で肩を震わせ喘いでいた。

 その薄桃色に上気した肌を沙羅の長くて綺麗な指先が敏感なところを探し出すように 刺激を繰り返す。

 その艶やかな二人の淫微な姿は藍の大地に自動操縦で高速に向う船の大型スクリーンに写し出されていた。

 音声こそ入っていなかったが、殆どの乗務員は手を止めて、スクリーンに釘付けになっている。

 沙羅と石榴のラブシーンなんてもともと淡白な花珠には興味もなかったが、今後の展開が予想されて 頭が痛いところだ。すでに紅の乗務員達の興奮度は頂点に達しそうだった。

 この船の中で両性具有は自分ひとり、画面を見ながら絡まる嘗めるような花珠への欲望を含んだ視線が花珠の背筋を凍らせる。

 実際に何もされなくても、まるでここにいる全ての男達に蹂躙されているような錯覚を起こして目眩がしそうだった。

 すこしよろめくように後ずさる花珠をライラが肩を掴んで支えた。

 「あの二人はそれぞれに美しく壮絶な色気がある……我々には刺激が強すぎますね」

 花珠は必死に石榴にテレパシーを送った。

 『何をしてる!石榴!右上にある目玉のようなカメラを破壊しろ!お前達の行為は筒抜けだ』

 虚ろだった石榴の切れ長の瞳が恥辱にかっと見開き瞬きをして、瞳から微かなエナジーが出ると監視カメラは一瞬で破壊された。

 あまりの恥ずかしさに頭も沸点に達しそうだ。それでも動きの止まらない沙羅の指先が憎らしい。

 「沙羅……もう、やめろ……」

 石榴が脅すように精一杯の低い声で唸った。だが、それは掠れて沙羅にとって心地よい刺激にしかならなかった。

 「やめられません……あなたは僕を置いていこうとしたでしょう?これはその仕置きです」

 沙羅はそう言いながら、石榴の感度のいい場所を捜すように内またを弄っていた。

 「ば……っ!なんで私がお前の仕置きを受けなきゃいけないんだ?」

 沙羅はもう片方の指先を石榴の口に滑り込ませる。

 飲めなくなった唾液が幾筋も顎から石榴の白い胸に滴り落ちてゆく。

 「あ、ぁ、……や……」

 沙羅は後ろから羽交い締めにするように石榴を床に押し倒し右手は石榴の口と顎を捕え、左手は 石榴の腹部から胸にかけての感度のよい場所を弄ってゆく。

 押し寄せる快楽の波に飲み込まれ石榴の抵抗はしだいに弱々しいものになった。

 満足そうな余裕の笑みを浮かべつつ沙羅は親指と小指で器用に石榴の顎を捕えながら残りの指はまるでそれぞれに意思をもった生き物のように石榴の口中を出入りし、その小さな淡い桃色の粘膜を確かめるように 蠢いていた。

 時にはその形の良い舌を掴んで指の股に挟んで愛撫した。そうやって沙羅は石榴の顎を自分の好みの角度に傾かせてゆく。

 石榴は今まで以上に夢中で沙羅に与えられる快楽を追っていた。

 沙羅の唇が石榴の顎から首筋に落とされ、愛おしむようにそして味わうようにゆっくりと丁寧に舌と唇で念入りに愛撫を繰り返す。

 石榴は下半身を何も愛撫されていないのにそれだけでいってしまいそうになる。

 自分の意思に反して下半身が蠢く。気がつくと沙羅の熱く固い熱が石榴の引き締まった双丘をノックしていた。

 「あぁ……も……だめだ……沙羅……」

 「何がダメなの……?」

 沙羅の声は優しく包むように石榴に問いかけた。追い詰められた石榴にとってそれはただの意地悪にしか聞こえない。

 「沙羅……どうして……」

 「僕らにとってすべて……最後かもしれない。そんな僕達だから今だけは素直に声に出してほしい、そう今だけは貴方のすべては私のもの……貴方が素直に私を欲しがる声が聞きたい……」

 「……そんなことを今……いうなんて……」

 第一先程まで自分達の行為が衆人の目に晒されていた事を思うと沙羅が恨めしくなる。

 「……いうなんて?」

 「卑怯だぞ……沙羅……」

 涙目になってる石榴をみて沙羅は苦笑する。

 「……貴方が嫌がるなら諦めますよ……」

 淋しそうな……さも残念だという沙羅の表情を見て石榴はこれが最後だと覚悟を決めた。

 「お前が欲しい……お前のすべてが……」

 「あぁ、石榴……」

 沙羅は引き絞らんばかりに石榴を力強く抱き締めた。

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