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Now I'm here 58 |
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石榴と沙羅は確実に「災い」に近付いていた。それは近くでみると蠢くように赤黒く光り 思わず顔を背けたくなるような不気味さだった。 沙羅の手が石榴の肩に置かれてぐっと力が篭る。 「沙羅、恐ろしいか?」 石榴が肩ごしに振り返ってそっと手を重ねる。その掌はふわっと暖かかった。 「あなたは恐ろしくないのですか?」 「あぁ、もう見慣れたよ。幼い時はこんな場面がよく悪夢に出てきたな、予知夢だったんだろうが……」 「こんな恐ろしいものを?」 「だから、子供の頃は夜が怖かった。夢では独りでいつも「災い」に突っ込んでいくんだ。 まるで、誰かに背中を押されるようにして……」 「私は貴方をひとりでやったりしませんよ」 「そうだな、こんな現実が待っているなんて思わなかった。私の心は今、安らかだ。 幼かった頃は悪夢を見た後、たった独りで他の紅と藍の人々を救うために人身御供にされる将来が待っているのだと思うと 言葉にできない恐怖が襲ってくるんだ。自分だけが取り残されてしまう。叫び出したくなるような孤独。 死ぬ事よりその事の方がもっと恐ろしかった。 でも、沙羅が私と来てくれた。そして、子供を残す事ができた。しかもお前との子だ」 そこまで言ってから石榴はそれはそれは、深い深いため息をついた。 「私がどれ程、救われたかお前は解らないだろう。子供を残せた事とお前と一緒にいるという事がどれほどの達成感を私に与えるか?私にもこんな安らかな時が訪れるなら、あんなに 自暴自棄にならなかったのに」 「いいえ、あなた程ではないが私も孤独だった。特殊な魔法を使える事をひた隠しにしながら 生きてきたのです。私の種族は私と妹の綺羅を残して殆どが滅んでしまった。 誰の庇護もないまま、妹と二人で逃げまどう日々でした。出生こそ王族だったが、 僕らは単体の性しか持たなかったから何処に言っても忌み嫌われたのです。 今、僕らの国は遠い縁戚が治めています。僕が死ねば彼等はきっと争いの火種がなくなって ほっとするかもしれません」 「そんなお前を捕まえて宦官にしてしまったのは私だ……」 「幼かったあなたにそんな知識があってあのような事をされたとは 思ってませんよ。それに魔法で取られたから痛みはなかった。 刃物で切り落とされるよりずっとよかった」 「宰相たちは、刃物で切り落とすといっていたのだ、だから……」 「やっぱりそうだったんですか、石榴あなたは優しい方だ……私のもっとも大切な……」 沙羅の包み込むような優しい笑みに石榴は照れてつんとそっぽを向く。 その顎をとらえると沙羅は唇を奪った。 「や、こんな時に……なに……して……」 「こんな時だから、あなたと私だけだ……」 「ばか……よせ、放せったら!」 沙羅は器用に石榴の服を脱がせてゆく。 「やだ、こんな事をやってる場合じゃない……」 「まだ、少し時間があるでしょう?……これが最後になるかもしれないのに……」 沙羅は抵抗する石榴を楽しみながら上半身をすべて剥いてしまった。 首筋に接吻しながらそっと胸の桃色に色付く固くなった突起を指先で そっと刺激する。 「よせ、やめろっていってる……」 そういう石榴の声はしだいに艶っぽくなり瞳が潤んで前屈みになった。 「このまま、あなたとひとつになりたい」 沙羅は石榴の耳許でそっと囁きながら耳を舌先でそっと刺激した。 |