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Now I'm here 42 |
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石榴の部屋では沙羅が微かな寝息を立てていた。 石榴がおずおずと沙羅の瞳にかかりそうな前髪をそっと撫で上げた。 沙羅はそれに合わせるように寝返りを打ったので石榴はびくっとして沙羅から離れ様子をみる。 沙羅が起きないのを確認してから、もう一度沙羅の髪をそっと手にとった。 突然その手を沙羅がぐっと掴んでねじ曲げた。 「う……」 石榴は驚いたのか後ろに仰け反って尻餅をつきそうになる。その腰を沙羅は右腕で ぐっと引き寄せた。 「眠っていたんじゃなかったのか」 「寝ていたらもっといい事をしてもらえたんでしょうか?」 「バカなことを……」 「本当はもっとあなたとゆっくり恋愛がしたかった。でも時間がない」 「何を言ってるのか……」 「何を言ってるのかあなたが解らないはずがない。僕の背中を押してくれたのは 石榴……貴方自身だ」 密着した腰を離そうと石榴が身を捩る。しかしそれは沙羅の改めて生まれ変わった男性自身を刺激することにしかならなかった。 「あ……」 石榴がやっと沙羅の身体の変化に気がつき恐怖で顔が引きつっている。 「大丈夫、何も怖い事はありません。誰でもやっていることだ」 「いやだ、はなせ……」 「離す事はできない。貴方は約束してくれた、忘れたとは言わせない」 「何も約束などしていない」 「あなたが欲しい」 石榴は思いきり唾をごくりと飲み込んだ。 「私のすべてはあなたのものだ。あなたが自由にするといい。今は、今だけはあなたは私のものだ。 そう思ったからこそ、真珠様から与えられたあの苦痛に耐える事ができた。貴方を思い浮かべなければ 途中で断念していたでしょう」 「私には関係ない」 沙羅はくすくすと笑った。 「ごねるあなたも可愛いが、今日は余裕がない、貴方を泣かせる事になるでしょう」 「いやだいやだ、いやだ……」 「そんなに嫌なら貴方の魔法を使えばいい。貴方に殺されるなら私は本望だ。さぁ、こっちへおいで石榴」 石榴の瞳にいつものきつい光がなかった。戸惑いとそして未知への恐怖。 あの何者も恐れぬ石榴がまるで小鳥のように震えている様は沙羅の欲望をさらに刺激することにしかならなかった。 熱にうかれるように沙羅の腕の中に倒れ込む石榴を愛しそうにキスの雨を降らせながら、そっと震える石榴をベッドへ運んだ。 「あなたに出会った事を神に恨んだ事もあった。でも今は何が起きても幸福だと言える。今、この一瞬があるから」 沙羅の独り言は石榴には届いていなかった。ありえないと思ったからこそ微かに呟いた石榴の独り言 『産もうか……』そんな事は生まれ変わらない限りあり得ないと思っていたのに。 確かに自分の性はまだ未分化だった。紅よりも藍の大地の血の濃い身体。 前に沙羅と一つになった時も自分は男として沙羅を抱いたはずだった。 沙羅の熱いキスを浴びるうちに石榴の思考回路のすべてはスパークしていた。 何も考えられない。ただ、沙羅が紡ぎ出す快感の海に石榴の細くて白い肌は投げ出されていた。 |
