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Now I'm here 33 |
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彼等の中に自由な恋愛が興るのは必然だった。 男同士女同士が愛しあい中々子孫が産まれなくなったことを危惧した長老達は 一計を案じた。白魔導師が力を寄せあい子孫を残さねばならぬ王族達を すべて両性具有にしてしまったのだ。 しかしこれで実は多くの問題が解決した。それはつまり男女の関係なく長子が王族を相続し、 特別近親でも無い限り、男女の区別なく恋愛が認められた事を意味していた。 心の美しさや姿の美しさ、芸術や学問への探究心そういうものだけが強く求められていく。 一方その間、紅の大地では人々は戦争を繰り返し、強い者が弱い者を挫き、外見よりも実際の 力が重視されていく。激しい自然に人々は立ち向かいながら様々な工夫をし、 文明が次第に発展していった。大地が掘り起こされ、鉱業が発達し巨大な力を持った 国が出現する。 そのひとつにア−リア公国があった。ア−リア公国は歴代暴君を輩出したが中でも 12代の王子ディンブラは特に酷かった。手を余した公国は王子ディンブラに 「美女がいっぱいのユートピアがある」といって藍の大地の許可も無く 暗黒の洞窟に幽閉したのだった。 政治に興味のなかった王子ディンブラはこれ幸いと街で娘を攫っては拉致して子供を産ませる事を繰り返した 結果、まるでひとつの小さな集落の様になっていった。 それが石榴とその仲間の祖先になる集団だ。 実はその後、藍の大地では歴史を変える大きな変化がある。それは真珠の両親達の出合いだった。 真珠の父の名を花珠(かじゅ)といい、真珠国の皇太子でありながら、もっとも美しいと謳われた皇子だった。 優しげな容貌に似合わず強大な白魔導師としても知られていた。 多くの皇子達は例外なく花珠に心惹かれた。それは瑠璃国の黒曜(こくよう)も例外ではなかった。 黒曜も瑠璃国の第一皇子つまり皇太子だった。彼は聡明で若くして大人のような落着きを備えた皇子だった。 どちらかというと華奢な皇子達が多い中で黒曜はどちらかというとがっちりした体格の美丈夫であった。 二人が元服式で出会ったのは花珠が11才。黒曜が15才の花々が咲き誇る美しい季節だった。 甘い香りが辺りを舞い二人を包む。二人が恋に落ちるのは一瞬の出来事だった。 しかし、不幸だったのは二人が供に第1皇子の皇太子だったことだ。 しかも瑠璃国も真珠国も藍の大地の中では決して小さな国では無かった。 二人の間に愛は確実に育まれていったが、どちらも自分が相手を嫁にとることしか考えていなかった。 |
