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Now I'm here 23 |
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真珠の祖国『藍の大地の真珠』その近くの森は『萌黄野(もえぎの』と呼ばれていた。 新緑の色鮮やかな森は、いくつかの泉がこんこんと湧きいで、ひらひらと露草色の蝶が舞っている。 船はゆっくりと萌黄野に降り立った。 「夢の世界にいるみたいだ」 「絵本の中だけじゃなかったんだな」 ルーパスはすっかり感動して幼い感想をもらした。 蝶を追ってはしゃいでいるルーパスをライラは優しい瞳で眺めていた。 真珠はそのライラの瞳をみて、もっと瀧海に会いたくなった。 瀧海もあんな瞳で僕を見つめていた。 ライラに見つめられるルーパスがうらやましく、胸が締め付けられた。 泉の水を汲み喉を潤しながら、真珠は別れる前にどうしても二人に聞いておきたかった。 「ライラとルーパスは、藍の大地に観光にきたわけではないのでしょう? よかったらお二人の話も聞かせていただけませんか?」 「僕達は紅の大地の中でも割合、大国の王子なんだ。婚約しなければならない年令になったけど、 どうしてもそういう気持ちになれなかったから、ちょっと逃避行かな。祖国じゃ騒いでいるだろうけど」 「でも、お二人は相思相愛なんでしょう?」 「男同士で第一王子同志だよ。僕達に未来なんてないよ」 「もし、お二人に相当の覚悟があるなら、僕の白魔法がお役にたてるかも」 「どういう意味?」 「かなりの苦痛とエナジーと時間とがかかりますが、一時的に子供を産む身体を作る事ができますよ」 「ライラが俺のお妃にできるのか?」 ルーパスは眼を輝かせた。 「お妃はお前だよ。ルーパス」 ライラは冷たく言い放つと真珠の頬にそっと口付けた。 「真珠、きっと又会おう、君の幸せを願っているよ」 「真珠、瀧海に飽きたらいつでも俺がお妃にもらってやるからな」 そういって真珠の後頭部をぐっと掴むと思いきり唇を真珠の柔らかな唇に押し付けてきた。 「ルーパス!!!」 ライラがル−パスを力任せに引き戻す。そのまま羽交い締めにしてライラは真珠に微笑みポケットから 大事そうに何かを取り出した。それは真珠がいつか瀧海に見せられた不思議な銀の筒だった。 「真珠これをもっておいき」 ライラは前に瀧海が持っていた銀の筒を差し出した。 「これでホログラムの画像や音声を送る事ができる。愛の大地には電源が無い、電池には限りがあるから 大事な時だけ僕らに連絡して。」 「もちろん愛の告白ならいつでもOK」 ルーパスがちゃちゃをいれる。 「ルーパス!!!」 ライラはルーパスを軽く小突くと照れくさそうに再び真珠に微笑みかける。 「真珠、君の瀧海と皇子によろしく、何かあったら必ず連絡するんだよ。使い方は覚えたね?」 真珠は、しっかりと頷くと後ろを幾度も振り返りながら、名残惜しげに駆け出した。 早く、瀧海に会いたい。会って話がしたい。 『春龍の滝』から離れて差程時間はたっていなかったが、随分離れていたような気分だった。 「華厳〜〜!!!」 真珠はできるだけ大きな声で叫んだ。 |
