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Now I'm here 19 |
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飛んでいるのは龍ではなかった。銀色の金属でできた鳥らしい。 鳥の内部が部屋になっている。恐怖のあまり口がきけないでいると背後から声がした。 「大丈夫かい」 その声には優しさがあり、真珠の緊張は少しだけ解けた。 顔をあげると優しそうな長い銀髪の美青年と目つきはきついがいたずらっこのような愛嬌のある美青年が 二人ともに真珠に向けて手を差し出した。 その二つの手を掴んで立上がると優しそうな青年の方がそっと細い金属で編まれた椅子に真珠を座らせる。 「どうしたの?誰かに追い掛けられていたようだったから、思わずすくいあげたんだけれど。迷惑だったかな?」 「いえ、ありがとうございます。僕は真珠と申します」 真珠は見た事のない様子の若者達に警戒しながら丁寧に挨拶した。 「僕?お前、女だろ?」 「こら、ルーパス。レディに失礼な事をいうな。驚かせてごめんね。僕はライラっていうんだ。 『紅の大地』って知ってる?」 「えぇ。歴史で少し。『藍の大地』の対になってる僕達が普段『月』と呼んでる星ですか?」 「そう、ここは『藍の大地』美しい自然に恵まれた星だ。でも僕らの星にはあまり自然がない。 その代わりに有り余る鉱物があってそれを利用して文化的な生活してるんだ」 話を聞きながらもきょろきょろとあたりを見回し落ち着かない様子の真珠にライラは苦笑する。 「船は初めてなの?」 「はい。実際に『紅の大地』方々とお話するのも」 そういって少し恥ずかしそうに頬を染めた。その様子を見てルーパスが嬉しそうに笑う。 「それにしてもお前、美人だなぁ。俺の嫁にしてやってもいいぞ」 ルーパスは眼をキラキラさせて真珠の腕に触ろうとした。 真珠は思わずびくっと後ずさる。 「ルーパス、やめないか。それより行きたいところがあったら乗せていってあげよう」 「元の場所に戻してもらえますか?僕の子を置いてきてるので」 子供と聞いてライラとルーパスは思わず顔を見合わせた。 「こども〜〜?真珠が産んだの?お前いくつだ」 「15です」 「じゃあ15才であの国の皇子か姫の御母堂さまってわけ?」 「は……い……」 ここまできて真珠もやっと自分の立場とライラ達の立場が非樹にまずいことなりそうなのにやっと気がつく。 覚悟を決めてこれまでの経緯をライラ達に話した。 「そうなんだ。でも僕らが元の場所に戻るのは色々な意味で危険すぎる。 このままでは真珠を拉致したと思われかねない。それどころか星間同志の戦に発展しかねないし」 「俺達が誘拐犯?困ったな。どうする?その辺りに降ろす訳にもいかない。取りあえず紅の大地に連れて帰るか?」 「それもまずい」 とんでもないと言いたげにライラは大きく首を振った。若い3人は事の重大さに改めて顔を青くし、お互いに見つめあうのだった。
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