![]() 中秋の名月(2005) |
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ベッドの上で新聞を見ていた城が玄関口でデリバリーを受け取っている志月に声をかけた。 「すごいな。知ってる?日本でも月にいける時代になったんだよ」 「そうだね」 志月はデリバリーされたサラダと焼き立てのベ−グルそしてカフェオレを持って ベッドサイドにやってきた。 「行こうか?」 「はぁ?」 「二人で月に行こう!」 志月は思いっきりその用意したブランチをベッドの上にぶちかましそうになった。 「月?」 「うん、J○Bから前にどうかっていう話はあったんだけど、その時は乗り気じゃなかったんだ。でも ある程度体力に自信がある年令で110億の現金が払えて長期の休みがとれる人間なんて そんなにいないらしくて」 だからってどうして城と俺が?と志月はそのまま呆然と立ちすくむしかなかった。 「ロマンチックだと思わないか?職業じゃなくて宇宙にいけるって凄いだろう」 「ロマンチックっていうか…」 頭が混乱して言葉が続かない。 「志月は宇宙旅行に男のロマンを感じないか?お金だって心配ない」 違う、お金の問題じゃないのだ。城の気持ちはありがたいが、城は先走りすぎだ。はっきり言って思いつきで命なんかかけたくないし、これはもう現実として考える 問題じゃないだろう。だが、せっかくの城の気持ちを傷つけずになんといって納得させればいいのか? 「ロマンチックかもしれないけどね」 志月はブランチをサイドテーブルに置くと慎重に言葉を選びながらベッドサイドのラップトップで詳細を調べだした。 「旅行っていってもすぐいけるわけじゃない。6〜8ヶ月も訓練があるよ。しかも乗るのはスペースシャトルじゃない。ソユーズだ。そう、ロシアの宇宙船。1年くらい手続きや訓練してたった1週間宇宙に行くってどうなんだろう」 何も言葉を発しようとはしない城に志月は気がついた。これは相当気分を害してる証拠。 城は普段は物わかりのいい大人のようで拗ねると子供みたいに長い。 「城……俺の為に計画してくれるんだよね。お金も莫大だ。城のその気持ちはすごく嬉しい」 そういって城の頭を抱え込むように優しく包み込んだ。 「ありがとう、そこまで大切にしてもらってるって俺って幸せだ。城と一緒にいるだけでこんなに幸せなのに 城にこんなに愛されて」 城の額に何度も何度もキスを繰り返す。 「今でも信じられない。絶対手に届かないと思っていた城とこうして二人で暮らせるなんて」 さらに額にキスをしようとしていた志月の唇に城は顎をすっと上げてその唇を受け止めた。 「本当に満足してる?」 上目遣いに見つめる城はどうして年上の男の癖にこんなに色っぽいんだろう。 「うん、そうだね、ひとつだけ希望をいえば城のトラウマが直った暁には僕を受け入れてくれたらって思うけど」 城の顔がまた急速に冷たく変化する。 「私が抱くんじゃ満足できないってわけか」 あぁ、また拗ねさせちゃったぞ。 「そうじゃないよ。知ってる癖に。城が魅力的過ぎるから身も心も誰にも渡したくないだけだよ。 城の何もかもを独占したい……何もかもだよ」 人が聞けば噴飯ものの台詞も二人だけでいればそれはそれで甘い甘い言葉に変化する。 「独占してるよ、志月の事ばかり考えてる」 「俺も……」 照れる城は凶暴的に愛らしい。あぁこの可愛い城がこんなに近くにしかも志月の腕の中でうっとりして しかも誰に気兼ねすることもないのに……。 城のありあまるフェロモンが降り注いでいるのに、こんなに可愛い男の上で自分の自慢のテクニックが 披露できないなんて……。 仕方がないから志月は少しだけ目を閉じ城の温もりを感じそのままベッドに入っている自分を夢想する。
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優しく城を抱き締めながら耳許にそっと囁く。 『城……好きだ。可愛くて我慢できない……』 そのまま城の下半身に手を伸ばして。 『あ、志月……だめ、だめだってば…』 『僕のキスに感じて……ほらここ……気持ちいい?』 『あ、あん……だめ、だめだってば……んん』 キスに感じ過ぎてそのまま手がお留守になる城。 『そんな事いって感じてるじゃない…感じるままに素直に声を出していいんだよ』 『あぁ、志月、そこはやだって…、あ、そこも……ダメ』 そういいながら俺の最高のテクニックで快楽の波に堕ちてゆく。 『あぁ、凄い……もうだめ!それ以上だめだったら』 『心配しないで俺にその身を任せればいいんだ。何も怖くないから……気持ちいい事だけだからね』 『あぁん……志月〜〜〜っ!』
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さすがに城はあぁんなんて言わないかななんて緩む頬を押さえれば、ふと気がつくと城が志月をジッと見上げて酷く色っぽい顔をしていた。 「あ、あれ城……どうしたの?」 「朝から志月があんまり色っぽい顔をするから我慢ができなくなってきた」 「はぁ?」 そのまま強い力でベッドに押し倒される。 「志月が悪いんだ、そんな潤んだ瞳で僕を誘惑するから」 「ち、違う!ちょ、ちょっと待って」 顔に似合わぬバカ力で城は志月の上にのしかかった。 「違わないじゃない。志月もすっかりその気になってる」 勘違いだ!これは違うんだと志月は叫びたかった。 「こ、こここ、これは…」 そんなニワトリの鳴き声みたいな訴えはすぐに城の甘い唇の中に消える。まずい!いっちゃいそう。だって膨張した城のアレと志月のソレは互いに摩擦しあって快感を訴えている。 「エッチだな……志月はこんなに堅くしちゃって、あぁ待切れなくって涎まで垂らしてるよ。ココ……いけない子だ」 そんな城の言葉攻めに志月泣きたくなった。 『どうして俺が城にそれをいわれてるわけ?どうして城ではなくてこの俺が……。 それなのに簡単に反応しちまう情けない俺の身体』 「可愛い……志月……すごく可愛いよ。敏感なんだね。僕の身体に反応して待ちくたびれてる」 表面を走らせるように城の細い指が志月の肌をなぞる。ぴくぴくとまな板の鯉みたいにのたうち回ってる志月に情けなさ過ぎて本当に瞳が潤んでくる。 「あ、ちょっ、ちょっと城ぅ〜」 志月は反芻する…さっきの決心はどうした。城を組み敷いてあんあん言わせるんじゃなかったのか? 「あ、あ、あ、あ……っ」 いつの間にか足を持ち上げられて受け入れさせられる所に念入りな愛撫を受けてる。 どうしてこんな場所がこんなに気持ち言い訳?助けて〜〜〜〜! あっという間に慣れた志月の身体は城の高まる欲望をなんなく受け入れてしまう。 「最高……志月の中って」 色っぽい城の声にいくら志月が反応したって今さらだった。ただあやすような城の指の動きに 翻弄されるだけだ。 「ごめ……ん。あ、いっちゃった」 熱い城の迸りを身体の中心で感じて本当に城の物になってしまったのだと自覚させられる。 それなのに。城は余韻を楽しむように中でゆるゆると動かし続けている。 たしかに達したはずなのに固さはいまだ保ったままで。 「城……どうして、まだ…」 志月は抜かないのかとはとても恥ずかしくて聞けなかった。 「だって志月が僕をぴくぴく刺激したり、抜こうとしたらきゅっと締め付けるんだもの」 してない!そんなことしてないぞ! そう思った瞬間に自分でも城の形を確認するかのように締め付けたのが解って泣きたくなる。 「月にいくのは諦めたけど、こうして志月の中で何度でもいくからそれでいいや」 意味が違うだろうとかそんな可憐な顔立ちでおやじ臭い事をいうのはやめてくれと いいたいのだけれど。志月の口からもれるのは、あられもない嬌声でしかなかった。 その月の美しい晩は志月の奥の奥まで城の欲望で満たされた。 数時間の間、一度も抜かれる事無く深く繋がったまま小刻みに腰を揺らされかき混ぜられる 行為に志月の儚い野望はその夜も露と消え去ったのだった。
おしまい |
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