曇りガラスの向こうに降る雪は2

123456HITSキリリク12(コンコンさまリクエスト)


 思いっきりロバートの張り手が浩輔の顎に炸裂した。

 浩輔は受け身を取るのも忘れ嫌と言うほど床に頭をぶつけて脳震盪を起した。無抵抗になった 浩輔にロバートは無言で乱暴に服を引き剥がす。胸がはだけ、ビキニパンツが露になった時点で ロバートの興奮は頂点に達した。

 激しく唇を犯しながら腰を持ち上げた。自分の先走りと唾液を浩輔の後ろに練り込める。 気を失った浩輔は力なくロバートに凭れ掛かっていた。

 浩輔自身をゆるゆると愛撫するが、それはしどけなくなったままだった。身体を密着させて 浩輔の体温を直に感じながらしだいにロバートの愛撫する指は興奮から醒めたように ゆっくりと味わっていた。

 「コースケ……」

 唇を放して見つめてから、切なそうに浩輔の名を呼ぶ。

 ガタン……。

 物音にロバートが振り向くとそこには真っ青になった湊が立ちすくんでいた。 湊とロバートの瞳が交差する。

 ロバートが浩輔を掴んでいた腕をはがして、立上がろうとすると湊は 飛び上がるように驚いて慌ててスタジオを飛び出した。

 「誤解したな……」

 ロバートは微かに自嘲した。

 「まぁ、いいさ」

 その方がロバートにとっては好都合だったはずだから。

 一方湊の心臓は痛いほど高鳴っていた。今、目の前で起こっていたのはなんだったのだろう?

 浩輔がなかなか戻ってこなくて心配だったから、少しでも浩輔の仕事を手伝いたくて スタジオにやっとの思いで戻ってきたのだ。

 そこでみたのはとんでもない場面で……。殆ど浩輔は全裸でロバートも下着しか身に付けていなかった。 何をしていたかなんて一目瞭然だ。いったいなんなんだ?

 浩輔が浮気?

 浮気は僕のほうか?

 僕はただの浩輔の持ち駒に過ぎないのだから。

 じゃあ、なぜ、僕をNYにまで呼んだのか?

 こんな事なら日本で待っていた方がどれだけましだったろう。

 暫く息が切れるほど走ってから、ふと冷静になる。 だけど浩輔は目をつぶって倒れていた。もしかしたら、気絶していたのかもしれない?だとしたらあれは同意の行為ではないのか?自分の浅はかさに湊は真っ青になる。

 浩輔、ごめん、浩輔……無事でいて!!

 息は切れかけていたが、これ以上は走れないいうスピードで湊は今来た道をとってかえす。

 もう一度スタジオに戻り バタン!!!おもいっきりドアをぶち破らんばかりに開いた。

 そして最近覚えたばかりの言葉で叫んだ。

 「Loose hold of my KOSUKE!」僕の浩輔から手を放せ……

 「He is mine!」僕のだ!

 そういうと湊は自らの危険も顧みず、頭から突っ込むようにロバートに伸し掛り華奢な自分の体重をかけてロバートを押し倒した。そして何度もロバートを殴りつけた。「He is mine!」と繰り返しながら。

 ロバートはそんな湊に無抵抗だった。湊に気が済むまで殴らせると少し赤くなった頬を擦りながら 「ごめんなさい」 と日本語で謝り、そのままスタジオを出ていった。

 「浩輔!浩輔!」

 湊が浩輔を掻き抱くと浩輔は朦朧としながら「湊、なんでここに?」と呟く。

 「ばか、ばか、ばか!浩輔の大馬鹿野郎!」

 興奮して泣くばかりの湊となぜか全裸の自分の姿を浩輔は呆然と眺めるばかりだった。

 そのあと、二人が大急ぎでマンションにもどるといつもに増して深く愛しあったのは言う間でもなく。 後で、事情を知った浩輔も湊もさほど、ロバートに恨み言を言わなかった。 あんな事をしたとはいえ、結果的に二人の中を取り持ったことになったから。 まさに雨降って地固まるというやつだ。 そうなるとラブラブな二人にとってロバートの存在はもう、どうでもよくなっていたのだ。 とはいえ、罪滅ぼしとばかりにロバートが紹介した会社のCMを浩輔はいくつも手掛けることになり、

 湊はといえばケーコをマネージャーにして異色の東洋人モデルとしてあちこちの雑誌に引っ張りだこになるのは、ほんの少し後の話になるのだった。


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