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123456HITSキリリク10(コンコンさまリクエスト) |
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湊はロバートの屋敷から間もなくホテルまで無事に送り届けられた。 湊を見る時冷たかったロバートの瞳もなぜか優しくなったのは気のせいではないと思う。 これだから甘いとケーコにはしかりとばされそうだが。 湊は浩輔にケーコの事をタクシーに乗れなくて困っていたところを助けてくれた親切な 日本女性としか話さなかった。浩輔も盗聴事件に気をとられたのか、それ以上突っ込んで聞いてこようとはしなかった。 「今朝は無理させちゃったからな。今夜は優しくするよ。だからいい?」 「無理なんて……」 してないと言いたかったけれど、そういう状態の身体ではなかった。湊の身体を念入りに確かめた浩輔は深く深くため息をつく。深い深い反省とともに。 「暫くは、浩輔を可愛がるだけで我慢しなくちゃな……」 自分を諌めるように呟き、湊を甘く啼かせた。 「愛してるよ。お前だけを……」 「ぼくも……」 気を失いそうになっていた湊はそれ以上口には出来なかった。 快感の波に溺れながら湊は覚悟を決めていた。 例え、価値があるから惹き付けておくだけのただそれだけの存在でもかまわない。 自分がゲイバーにニューハーフとして勤めていた時の自分を全否定するような惨めな気持ち。 あの時の自分からみたら、どれほど今の自分は恵まれていることか。 浩輔は自分を欲して価値を認めてくれる。それだけでも凄い事なのだ。 浩輔に愛される事で欲張りになってはいけない。 それ以上求めたらきっと嫌われてしまう。 せめて、今の自分にモデルとしての価値があるならその価値を高めていく事だ。 一方、浩輔も不安だった。日々湊は綺麗になっていくと思う。もともと清楚で美しい顔だちだったが、最近はそれに色気が加わって俯いた湊が顔を上げただけで、浩輔自身も頭を持ち上げそうになるのを諌めるのに苦労するほどだった。 寝起きに湊の方から照れくさそうにキスをしてくる。そんな朝に浩輔は幸せを感じてしまう。 しかし、そんな浩輔の心に新たな嵐が吹き荒れる。 それはケーコの存在だった。 湊の危機を救ってくれたケーコにそれなりに感謝はしていたが、ケーコがなにかと理由をつけて訪ねてきては、なにくれとなく湊の世話を焼く。湊はケーコが訪ねてくると本当に嬉しそうなのだ。 ケーコは凄い美人と言う訳ではないが、人を和ませる魅力を持っている。何と表現していいのかわからない複雑な感情が浩輔を襲う。 ここ数日何かにつけて、ケーコと湊は会って深刻そうに話をしていた。ケーコに微笑みかける湊の笑顔。それをみるだけで浩輔はイライラを抑えられない。きっと嫉妬で恐ろしい形相をしているのだろう。『湊!』 浩輔が湊を呼ぶと湊はビクっとして仕方なさそうな顔をして『何?』なんていうのだ。 湊は浩輔の部屋に間借してるから仕方なく浩輔を優先させているといわんばかりの態度に浩輔は深く傷付いてしまう。 もし、湊がここを出てケーコと一緒に暮らしたいなんていいだしたら、自分は嫉妬で何をするか 解らない。そんな自分が浩輔は怖かった。もう、2度と湊を傷つけたくはないのに。 ケーコに英会話も習いたいという湊にちゃんとしたスクールの方がいいと 引き止める。自分はなんて了見が狭い男なんだろう。湊にしたら知ってる顔の方がいいに決まってるのだ。 それでも、打ち合わせを理由に湊を食事に誘い出した。湊が嬉しそうな顔でついてくるの事すら後ろめたい、 本当は打ち合わせではなく、誰にも邪魔されずに湊と食事をしたいだけなんて湊に知られたら軽蔑されてしまうだろう。心がちくりと痛んだが湊の嬉しそうな顔を観ているだけで満足してしまう浩輔だった。 「あなたは彼をどうしたいの?篭の鳥?男なんだから専業主婦にするわけにはいかないでしょう? 彼が自分で立てる力を付けてあげるのが本当の愛だと思うわ」 ケーコのいうことは耳が痛い。尤もだと理性は思うのだが、激しい感情は湊を誰にも見せたくない。話させたくないという独占欲が渦巻き、浩輔自身でさえ、雁字搦めにしていたのだ。 |
