曇りガラスの向こうに降る雪は2

123456HITSキリリク7(コンコンさまリクエスト)



 

 湊は色々な面で焦っていた。化粧をしていた事があるとはいえ男として暮らしてきたのだから 、満足に家事もできない。その上英語もできない。そして仕事も順調とはいえないような気がする。 一番の原因はやはり、コミュニケーションが出来るほどのリスニングが身に付いていない事だった。

 何を言われても、『は?』みたいなリアクションをしてしまう自分が情けない。 どうやったら、短期にこの状況-つまり浩輔のお荷物状態から脱皮できるか不安だった。 セックスでも満足させてるとは思えない。

 今朝の浩輔のセックスは驚くほど性急で、日頃自分が彼を満足させていないのでは?と不安になる。 彼は思うようにいかない湊に対してフラストレーションを溜め、それが今朝のような 強引なセックスになってしまったのではないか?そう思うと情けなかった。

 なんの役にも立ってない。お荷物な自分なんて最低だ。浩輔が自分をここに連れてきた事を後悔する日も近いのかもしれない。 

 取りあえず、ジョギングに出た浩輔の為に食事を用意しようとして立上がるとあまりの痛みに すくみあがった。後ろから太股に伝う感覚に思わず手をやると、彼の残滓と血がまざりあっていた。

 「痛いはずだよ……」

 こんな時なのに彼自身も汚れたかななどとどうでもいい心配が頭をよぎる。 なんとかふらつく身体を庇いながら起き上がって自分の手当てをしながら、キッチンに入るとゆっくりと大きな冷蔵庫に向った。

 ここじゃあ、マンションの造りも広いから冷蔵庫もばかでかい。何でも作れそうなくらい色々なものが入っている。包丁もヘンケルの本格的なものがセットで用意されている。 ガス台も日本とは比べ物にならないくらい、大きくて本格的だった。浩輔は何か作るつもりだったのだろうか?湊は忙しい浩輔の負担をかけたくないなと思った。

 「やっぱり料理くらい出来るようになりたいな」

 何かの本で読んだ事があるが、結婚して数年経ってセックスも落ち着いた夫婦の間の子供を除いた 鎹は料理だと書いてあった。

 「食事で懐柔できるくらいにならないとな」

 セックスで満足させてる自信のない湊は自分の計画に少し照れながら、インターネットで日本の料理サイトをみながら、簡単に作れるサラダとパンケーキを試しはじめた。 時々、痛む腰を庇いながらもなんとか、作り上げる事に成功した。

 「起きてて良いのか?」

 咎めるような浩輔の声に湊はゆっくりと振り返る。

 「ん、大丈夫」

 本当はちっとも大丈夫じゃないのにそう言った。

 「今日はちょっと業者に来てもらうから、お前はホテルに泊れ」

 浩輔の言い放った意味が解らずに不安そうな顔で湊は浩輔を見上げた。

 「いいか、誰かホテルに訪ねてきても絶対部屋に上げるんじゃないぞ、特にロバートに注意しろ」

 食卓テーブルに座ってからも浩輔は不機嫌だった。

 「たとえ、ボーイでも部屋に上げるなよ」

 そういいながら、テーブルの上にのった朝食をみて、顔の雰囲気が和らいでいく。

 「お前が作ったのか?」

 「うん」

 「無理するな、特に今朝は酷くしちゃったしな」

 そういいながら上目使いに見る。

 「でも、嬉しいな、エッチした後、湊が俺の為に作る朝食を食べられるなんて新婚みたいだな」

 「変な事いうなよ」

 新婚という言葉に思わず首迄真っ赤になる湊だった。

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