男達の熱い視線と吐息で店内は噎せ返るような熱気がこもる。
竜斗はえづきながらなんとか自分の口を塞いでいた男の唇から自分の唇を離してごほごほっと咳きをしながら首を振った。
「何をするんだ、離せってば。よせ」
竜斗が抵抗すればするほど男達は興奮し竜斗の身体を拘束する手に力が入っていく。
「痛い、やめろっていってるのに……ユウ、ユウ〜〜〜〜」
最初何が不満なのか雄斗はそんな竜斗を冷たく見つめているだけだった。
「へへっどうやら振られたみたいだぜ、坊や」
後ろから竜斗を拘束していた男が揶揄する。
バックルがカチャカチャと鳴る。ベルトが心もと無さそうに落ちていく、慣れた手付きでズボンが足首まで降ろされた。 終いには最後の一枚である白いボクサーパンツに手がかかる。
周りの客達の瞳が欲望に膨れ上がってぎらぎらと輝いている
竜斗は必死に抵抗しながら縋るように雄斗を見つめつづけた。
後ろから拘束している男の指が調子に乗ったのか下着の上から竜斗自身をつかみ出そうとしているのをみて、ついに我慢の限度にきた雄斗の眼の色が変わった。
「いいかげんしろよっ」
その言葉の勢いで雄斗の日頃の行状を知る数名が辺りから手早く机と椅子を避けていく。
どうやら、雄斗が切れるのは今日が初めてでは無いらしい。
すでに殆どの客は今後起こる事を期待して顔を見合わせながら笑っていた。
「ふざけんな〜〜」
雄斗の右足が弓のようにしなりぐっと腰が入って、右肩が下がり右手が雄斗自身の背を打った。
その瞬間、竜斗のまわりにいた男のひとりがゆっくりと倒れていく 雄斗の回し蹴りをあびた男は
脳震とうを起したらしい。
「ユウ、いいぞ」
「もっと派手にやれ」
外野は完全に面白がっている。
「いいのかユウ?お前は教職についたんだろう?こんなところで騒ぎを起して良いと思ってるのか」
雄斗の顔色がさっと変わった。
たしかに今までのアルバイトもどきとは明らかに立場が違う。
そんな雄斗を見て竜斗は何も考えずにこんなところにやってきた自分の浅はかさに頭を抱えた
このままではどっちに転んでも大変な事になってしまう。
雄斗が無鉄砲な事は今に始まった事ではないのだから、自分が冷静にならなければならないというのに、
周りの状況が何も眼に入らないなんて、やっぱり恋人失格かもしれない 固まっている雄斗と竜斗を見て竜斗の周りの男達の指が自分達の好きなように竜斗を弄りはじめる
雄斗の顔色の変化を見て安心したのか、竜斗の唇を好き勝手に蹂躙した男が挑戦的な眼で口を歪めた。
「この坊やを犯らなきゃ、もうみんな収まりがつかないんだ。先公はお家に帰ってさっさと寝ろよ」
そういって挑発するようにシャツの裾から手を入れて竜斗の胸を撫で回した。
「まて、それ以上そいつに勝手に触ると承知しないぞ」
雄斗は蹂躙男を睨み付けながら叫んだ。
「俺がやる……」
一瞬、店内の空気が凍結した。 その時たしかに時間も止まったようだった
どこからか誰かの心もとないつぶやきが響く。 「……誰が……やるって……?」
その瞬間は雄斗の台詞を殆どの客は理解できなかった。
ようやくその意味を理解して脱力する者も多数。
竜斗に纏わリ付いていた男達がその展開に脱力した瞬間に、竜斗は囲んでいた男達の元から逃げ出すと慌てて雄斗の蔭に隠れた。
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