KARATE2

酷使される精神 9



そのまま雄斗を捜しに竜斗も外に出ようとした時、携帯が鳴る。
雄斗の携帯だったが思わず竜斗は手にとった。
液晶には有賀稜の名前が点滅している。
竜斗は少しだけ迷ったが思いきって通話ボタンを押した。
「ユウ、ちょっと話が...」
「有賀さん、すいません、僕竜斗です。ユウの奴と口喧嘩にしたら何も持たないで 出てしまって、ユウは財布も携帯も持ってないんです。もし、有賀さんのところに行ったら僕の携帯に電話くれませんか?」
「やれやれ、そっちもか。こっちもちょっとあってね。まぁいいや。ユウの居所を掴んだらちゃんと電話するよ」
有賀に会いに行くかもしれない...そう思って余計な事をいってしまったかもしれない。
少し考えてから、光田の携帯に連絡をいれた。
「せんぱい、嬉しいなぁそっちからコールくれるなんて」
「ユウの行きそうな場所知らない?」
「え?そりゃ、いつもの発展場でしょ?」
「発展場?」
「俺達がよく行くカフェなんです。『メンズマッスル』っていうの」
「忙しくなかったら案内してくれないか?」
「もしかしてデートのお誘いですか?」
「雄斗を捜しにいくだけだよ。いいよ、やっぱりタクシー呼ぶから」
「待ってよ。俺がタクシー廻しますから先輩そこで待っていて」
正直いって男ばかりがたむろするカフェなんかに一人で行きたくなんかなかった。
光田が一緒に行ってくれると言うので少しだけほっとする。
よほど急いでくれたのか光田がタクシーをマンションに廻したのはほんの15分後くらいだった。
「羽鷲先輩って本当にいい男ですよね」
「お前に言われても嬉しくない」
「男はユウ一筋って噂は本当なんだ」
光田を軽く小突いてから竜斗は声を潜めた。
「タクシーの中でよせよ」
「怒った顔の方の方がそそるね」
光田は睨む竜斗をみながら、腐った事をいう。
竜斗はひたすらカフェにつくまで光田を無視する事に決めた。

『メンズマッスル』の中は男の匂いでむせかえっていた。
煙草の煙りと照明の暗さで店内の様子はよくわからない。
竜斗が店に入ったとたん、店内の空気が変わり男達が一斉に息をこらして注目する
店内が一瞬静まりかえり殆どの男達が竜斗の足の先から頭まで無遠慮に眺めまわした。
男達の視線が熱い。
「すげぇイケメンじゃん」
「誰かと待ち合わせぇ?」
異様な雰囲気に竜斗がのまれてると、竜斗の後ろから光田が声をかける。
「ユウ来てない?」
「なによ、またユウなの。可愛い子はモテモテよね」
どこからかおねぇ言葉が聞こえてくる。
その先にワインをあおる雄斗の姿がみえた。
雄斗は竜斗の姿を見つけると驚いてからすぐ嬉しそうに近寄って来ようとした。
しかし竜斗の後ろに光田の姿をみて、ムッとして座り直す。
「こんな所に何しに来たんだよ」
「さっきは俺が言い過ぎた、帰ろう」
竜斗が小声で雄斗の腕を掴んで引っ張りあげた。
すると誰かがその腕を払い、
「よせよ、この子は俺達と飲んでるんだ、お前も遊んで欲しかったらそれなりの礼儀があるだろう」
そういうや、竜斗に覆いかぶさってきた。
顎を掴まれ煙草臭い男の口がせまってくる。
竜斗が男の口を離そうとやっきになっている間に他の男達が続々とまわりにやってきて 竜斗のシャツのボタンをはずし、ベルトに手をかける。
必死に竜斗がもがいたが、男達の歓声と無数の手が竜斗の身体を放さなかった。

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