遥か日輪の彼方に

ハロウィンの夜(18禁)


  盛り上がるパーティの最中にそっと二人で抜け出すのは決して容易ではなかった。 思いの他、可愛い城の小悪魔に良家のお嬢さん達が群がって話しかけたり 一緒に写真を撮ろうとする。

 志月も新しいホストだと間違えられて、年配の御婦人達に追い回されてやっと彼等を捲いて ぼろぼろの状態で別々に二人のマンションに辿り着いた。

 先に帰って待ち構えていた城が志月に部屋に入るなり濃厚なキスをしかけてきた。

 「ま、待ってくだ……ん、んんん……っ」

 身長はずっと志月の方が高いのだが、意外と城の力は強い。 体重をかけて首を掴まれると志月は身動きがとれなかった。

 「待てないよ。志月が、女の子達にモテモテで気が気じゃなかった」

 それは志月だった同じだったはずだ。城が相手にするはずがないと思っていても 若い女性達に取り囲まれてにこにこしている城を面白くない思いで遠くから見つめていたのだ。

 「俺も……」

 そういった志月に城は破顔した。

 「志月が僕に嫉妬してくれたなんて嬉しいな」

 「そりゃ俺だって嫉妬しますよ。城、綺麗な若い女性に囲まれて嬉しそうだったし」

 「へぇ?それは、時々志月の店に顔を出さなきゃだな。志月が嫉妬してる顔がみたい」

 「酷いな……」

 そういいながら二人は、ゆっくりと唇を合わせる。 啄むような口づけから、舌をからめるような互いを貪るようなキスにかわり、そのまま 互いを抱き締めながらその場に倒れこんだ。

 「ベッドに行こうよ」

 「だめ、今ここで志月が欲しい」

 「でも……今夜は、俺が城を抱きたい」

 「……」

 思わず二人の間に微妙な空気が流れる。

 「どうして?今夜は志月の為に仕事をキャンセルして、会いにいったのに」

 「俺だって、今夜はVIPを全部放っておいて城を優先にしたんだけど」

 今にもリビングでそんな雰囲気になりそうだった二人だったが、互いにそれ以上は何も言えず 言葉を探しているようだった。

 「あ、俺、汗臭いから、ちょっとシャワーを浴びてきます」

 志月が立上がろうとした時だった。

 「臭くなんかないさ。志月の匂いだもの」

 城は志月の凭れ掛かって背中にそっと頬を寄せる。

 「城……」

 「志月が望むならなんでもしてやりたい」

 思わず志月は振り向き様に城の顎を上に向けると唇を貪った。 そのまま二人はその場に再び倒れこみ、キスをしながら何度も上になったり下になったりして ごろごろと転がってゆく。

 「やっぱりベッドに行こう?」

 志月は徐に立上がると城をお姫さまだっこしてベッドに放り投げそのまま城にのしかかる。

 志月を見つめたまま、唇を噛み締めた城に覚悟が見えた。

 こんなに魅力的な人が自分の為にそれだけの覚悟をしてくれてると思うとそれだけで志月は 暴走しそうになる。

 「城……きづ…く……城」

 「いいよ、大丈夫……」

 それは城が志月に抱かせてくれるという意味で。

 「本当に?」

 「うん……」

 そのまま志月は自分が柔らかな小さな兎に襲い掛かる狼になったような興奮に囚われながら 貪るようにキスを繰り返す。

 強く城の細い身体を抱き締めて震えていないかを確認するように首筋に唇を寄せる。 すべるように腕に添って城の大切な場所に指を滑らせた時、胸に押し付けられた城の唇が微かに震えているのを感じて、志月は一瞬躊躇した。

 「……やっぱりだめ……志月、ごめん」

 確かに一瞬の躊躇だったにも関わらず、城は器用に志月の身体を裏に返す。

 「城……今夜は俺に抱かせてくれるんじゃ……」

 いきなりの展開に志月は何が起ったのか分からなくなった。

 「ごめん、本当にごめんね。もう止まらないよ」

 嘘だろ?ここまできて。

 「え?城……ずるいよ……あ、やめてそこ……あ、あ、あぁ……」

 そんな志月の訴えも耳に入らぬように城はなんの躊躇もなく慣れた仕種で志月と身体を繋げてしまう。

 「今夜は、僕がいったら、志月の好きにしていいから」

 していいからって……激しく揺さぶられながら快感の波に飲み込まれる志月は心の中で呟く。

 『どうせ、気がついたら朝なんだろ?久しぶりに大チャンスだったのに俺ってやっぱりバカ……?』

 志月の身体の隅々まで知り尽くした城が、ますます快感の頂上に志月を追い上げる中、自分の不甲斐無さと詰めの甘さを今夜も自らの身体で思い知らされる志月だった。 

 

Fin 

 

 

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