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今日はクリスマスイヴだ。いうなれば、恋人達の夜だ。だけど昨夜から今朝にかけて俺はさんざん 沢田に泣かされてしまった。なんで泣かされたかなんていわずもがな……ってやつだ。 腰が痛い。顎も痛い。喉も痛い。身体がだるい。 俺は思いっきり沢田を睨み付ける。 「ばっかやろ……」 沢田は不敵な笑みを浮かべている。 「可愛かったぞ。今日はたっぷり東海林と結菜に見せつけてやろうぜ?」 何を見せつけるなんて考えたくもないわ! 冗談でもそんな事を言わないでくれ。 「き、昨夜は東海林達が来るから、今夜しかないとかいってだから何度もやったんじゃないのかよ……」 俺は一応小さな声で抗議を試みるが、こいつときたら都合の悪い事は聞こえないふりをしやがる。
あっという間に恐怖の放課後がきてしまった。東海林は信じられないくらいばっちり決めて やってきた。パーティ会場じゃねーんだぞ? 「ほら、シャンパン。アルコールはちょっとしか入って無いから」 「ちょっとだって未成年はだめなの」 俺はひったくるように可愛くラッピングされたシャンパンをお母さんに渡す。お母さんも何時の間にかよそいきに着替えていた。普段着は俺だけですか?自宅でよそいきなんてきてられるか! そう心では抗議しつつも仕方なく俺が仕方なく部屋で着替えていると沢田が突然顔を出して「どうせ最後は脱ぐんだからお前はなんでもいいんだよ」なんて腐った事をいいやがるが、聞こえない振りをした。 キッチンに降りるとすでに殆どの食事が整っていた。赤と緑のテーブルクロスが掛けられナプキンやキャンドルも用意されていた。なんか凄く本格的じゃないか?確かに昨夜下ごしらえは手伝ったが……沢田……お前ってやっぱり凄過ぎる。 「あれ〜〜?沢田ぁ〜?下宿していたのって沢田だったの?」と東海林が叫んだ。 そこに結菜ちゃんも登場だ。 「うそ〜〜!下宿生って充なの?ずるい〜〜」 そういいつつ、ポインセチアの鉢と手作りサラダをお母さんに手渡した。 「さぁさあ、始めましょう」 お母さんの一言で定番のクラッカーを鳴らすとどんどん沢田の作った料理が平らげられていく。 「さすが高校生ねぇ。沢田君もすごいと思ったけど、東海林君だけじゃなくて結菜ちゃんも 結構いけるのね。気持ちいいくらいに無くなったわ」 全くだ。ケーキは3種類もあったのに何もなくなった。お腹は大満足だ。ターキーっていうのも 実は初めて食べた。ジャムと一緒に食べるのがちょっと抵抗あったけど。 「友達の家で飼ってるのを分けてもらったんだ」 沢田の友達って庭で七面鳥を飼ってるのか?その他にもかにグラタンやスモークサーモンなど沢田の実家から送られてきた食材で今夜の食事はすごい豪華だった。 「古城くんのお部屋をみたい〜〜」 突然の結菜ちゃんの提案で俺の部屋にいくことになってしまった。 「隠してるなんて猾い!いつから古城くんと住んでるのよ」 「どうでもいいだろ」 そういいながらも沢田は上機嫌でイミシンな笑みを浮かべている。 俺と東海林は言葉を無くしてため息をついていた。 すると二人を見ながら沢田が俺の腰をぐっと掴んで引き寄せた。 結菜ちゃんが沢田を睨みながら腰に手を当てた。 「なによ、それって無理矢理なんじゃないの?」 「まぁな」 満更でもないという表情で沢田がさらに俺の腰を引き寄せた。お、おい!そこで否定しろよ!沢田……信じられね〜(号泣) 俺は真っ赤になった。 「ずるい!!私だって古城クンが好きだったのに」 結菜ちゃんの一言で東海林は肩をがくっと落としている。 「べつに、無理矢理じゃなかったから……」 あ、あわわ〜〜〜何言ってんだ?俺 3人とも呆れた顔で俺を見つめてる。 一瞬の間の後、沢田が満面の笑みで俺の顎をとるといきなりディープキスをしやがった。 し、信じられね〜や、やめろってば。二人の前で何をしやがるんだ!このケダモノ〜〜〜〜っっっっ!!! 「ん、んん〜っん〜〜〜〜〜っ!!!!!」 東海林と結菜ちゃんはぽかんと口を開けて俺達を見ている。まぁ当然だよな。 「帰ろうぜ」東海林は結菜ちゃんの手を掴んでドアの外に出ようとしてる。 ま、まってくれ〜〜。こ、こんなはずじゃなかったんだ!!!間違えたんだってば〜〜〜 「お幸せに……」 結菜ちゃんはがくっと肩を落とすとそのまま東海林に肩を抱かれて部屋を出た。 出る時東海林が俺達に向けてピースサインを送っていた。 なんか、悔しい……。
ディープキスからそのまま熱い夜が更けていったのは言う間でも無く……。 「可愛いぞ……拓馬……大事にするからな……」 なんて言われて俺は内心ちょっぴり嬉しかった。 でも、大事にするなら回数減らせよ……と心の中で突っ込んだのは今夜は内緒にしておこう。
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