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amulet |
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葉子が思わせぶりな事をいうから俺は北埜が気になって仕方ない。 でも少なくても俺がどきどきする相手は北埜じゃないはずだ。 俺はいつものように北埜に話し掛ける。 ところがあの日を境に北埜は固い表情で俺の顔を見る事も無くなった。 どうやら俺を避けてるらしい。 俺をみると露骨に避けるようにいなくなった。 なんなんだ? 甲賀とは普通に話してる姿をみた。俺がそこにいくととたんにおしゃべりをやめて 「じゃ、また」なんて不自然にいなくなる。 俺がハーレムを解散したのを怒ってるんだろうか? 一応謝ろう。俺はそう決心して カフェテリアで北埜を見つけると同じ席に座った。 とたんに奴の顔が曇っていく。 俺が来ると迷惑なのかよ? 今まで俺が北埜の隣に座ると満面の笑みを浮かべて目を輝かせながら聞いていたのはなんだったんだ? それでも、俺は諦め切れなくて何度か北埜の隣に席をとった。話にちっとも乗って来ないから謝るきっかけもつかめない。 知らずに北埜は俺にとって大切な存在になっていた。喜ぶ北埜に聞かせたくて新聞をよんだりトリビアをネタにインターネットを漁ったりした。 時々話し掛けてもどこか辛そうに下を向く。 そうか、そんなにイヤか? 俺の胸の中がざわざわと騒ぐ。 北埜に嫌われたってどうでもいいや。 俺は必死にそう思おうとした。 これじゃあまるで俺が振られたみたいじゃねーか? 暫くしたある日、北埜が図書室に一人で入って来たのが見えた。 俺は気が付かない振りをしようとしたが なぜか、自分の意思に反して北埜に視線が奪われる。そんな自分が嫌いになりそうだった。 ふと目を離した隙に北埜がいなくなっていた。俺は緊張を解きほぐされたようにほっとする。 北埜が座っていた席の椅子の足下になにかがころがっていた。 近くによってみると不自然に膨らんだ神社のお守りだった。中になにかが入っている。 俺はふと中を覗いてみた。 心臓が飛び出すかと思うぐらい俺は驚く。 中に入っていたのは 俺が捨てたはずのチョーカーだったのだ。 葉子が言っていた台詞が俺の脳内を駆け回る。 『恋する人のモノが思いがけず手に入ったらどこにしまうでしょう』 嘘だろ? 『私ならお守りに入れるかな?肌身離さず持っていても不自然じゃないしね』 俺は呼吸困難になりそうだった。 だが、冷静に考えてみるとドキドキしなくちゃいけないのは 北埜の方じゃないか?それに気が付くと俺はとたんに元気になった。 現金な事に俺は急に元気を取り戻したようだ。 北埜はこれを取りに必ず戻ってくる。 ……そうしたら…… 俺は北埜をどうしてやろうか。と楽しく妄想しはじめていた。
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