ガラス細工の男たち

「ガラスの瞳の男たち」(Vol.-1)を先に読むと更に効果的です(なんの?)。

 スティーブ・ジョブス(ズ?)さまがAppleに帰ってまいりました!! 私はMac歴やっと2年目に入ったとこなので,特別な思い入れがあるとかぢゃないんです(十分フリークだって?)。また男の顔の話で恐縮なんですが,ジョブスのNeXTマシンについてた電子メールの写真(もしかしてナルシシスト?)がなかなか美しいんです。でもそれってもう10年くらい前ので,今は二重あごのおじさんになってるのは知ってますよ。
 もちろんここに写真は載せられませんので,最近のMac誌のNeXT関係の記事をあさって下さい(1997年2,3月号あたり。私の見たのは「Macworld Japan」3月号)。写真がないと話が見えないんですけど,ちょっとかっこいい写真だと思って読み進めて下さい(半分シャドウがかかっててモノクロでスーツを着てる。スキャニングして載せちゃえばそりゃー楽ですよお ……… でもでも,やっぱり見ていただきたいんでー,またお絵かきしてしまった:Lovely Jobs←さああなたも煩悩の海へダイブ!)。おっさんな写真は雑誌でもAppleサイトでも見つかると思います(Apple & NeXT Meet the Press) 。 でも,この話の趣旨とは関係ないので見なくていいです。ただ宣伝用のいかにもな写真はNeXTにもAppleにも出てないみたいです。彼も大人になったのね)。
 どうせ今,昔の男優さんが好きなんでその延長だと思っていただいて結構です。で,実はこの写真のどこに弱いのか考えてみたんですけど,えーと,この間の続きなんですけど,「不安定な,落ち着かなくさせる」イメージに惹かれるみたいんです。どこが不安定かというと,スーツがしっくりきてないのが最大の原因かと。実年齢だけでない若さがありきたりなスーツの中で居心地悪そうにしてるわけですね。で,生意気そうなの。

 またまたヘルムート・バーガーの話に戻っちゃいますが,『家族の肖像』のコンラッドにドキドキなのはやっぱりあのいかにも「奔放な若者」じゃなくて,「本来の情熱を内に秘めた」ってイメージが強いからなんだと思います。彼は本当に普通のお洋服は何を着てもしっくりこなくて,じゃあ何が似合うかというとやっぱり『地獄に堕ちた勇者ども』の軍服とか,『ルートヴィヒ』の白タイツ王子さまなコスチューム・プレイなんですね。「軍服」は今の日本人にとってはある意味でコスチューム・プレイだと思う。ただ,どちらもはまりすぎて当たり前なんですよ。こわいことに。だから,「本来の自分ではない」方がより「個性・本性」がはみだしてしまうんだと思うの。
 スーツとか軍服ってのは要するにユニフォームですよね。つまり「ある組織への属性」を示す記号なんですね。普通の人はユニフォームに身を包めば,自分自身よりも組織の一員になりきってしまうものですが,世の中には何を着ても,というより記号を身にまとうからこそ自分がより強調されてしまう方がいらっしゃるのです。

 そんな深く考えなくても,ジョブスの写真の取り方が作りすぎてるってのもあるんでしょうけどね。これってちょっと『With The Beatles』って感じ?→The Beatles HomePage 私は別にビートルズファンではありませんので言及しませんが,代わりに永遠の名作『はみだしっ子』(三原順(涙)白泉社→白泉社・三原順)のカバー(コミックス第13巻)はいかがでしょう?(ハーフ・シャドウじゃないけど絶対似てる)もちろん私はグレアム派です。で,またグレアムがいつもいつもスーツか襟の詰まったきちんとした服なんですね。ガキンコのくせに。なんで家出中の彼がそういう格好をしてるかってのは,話せば長くなるというか,もうマンガを読んでいただくしかありませんのでパスです。三原さんの作品はかなり覚悟して読んでも重たくて,少年を題材にしたものは他に『Sons』(白泉社)や絶筆『ビリーの森ジョディの樹』(主婦と生活社)などありますが,『Sons』の発端となった『ムーン・ライティング』(白泉社)で浮上したと思ったら,『Sons』以降どーんときてしまったので,『はみだしっ子』の兄弟編というか父親編『ロング・アゴー』(白泉社)をおすすめします。もちろんジャックが好き。でもでも『はみだしっ子』の全集版と文庫版以外の作品は絶版みたいなの。ひどすぎるっ!! 13巻の表紙を見たい人は古本屋さんにGo!
 そうそう,「襟の詰まった制服に身を潜める少年」というのは名作『トーマの心臓』(萩尾望都 小学館他)のユーリもそうですね。やっぱりストイックなコが好きなの。
 また昔のマンガの話になってしまった。えーと,その他赤毛寄宿ものが素敵なのは少女の多大な期待と妄想を一心に背負って制服がガラス細工のような少年の心と身体を覆っているからに違いありません(男の人の少女への幻想と相殺してね)。要するに「永遠の少年性への憧憬」という月並みな結論になってしまいました。むむ。

追記:Digital MomentsDigital Moments - Doug Menuezに Steve Jobs In 1986 を発見。この人はどーしてカメラの前でポーズが取れるんだっ。しかし既に顎のあたりがあぶない。くくく。
 でもって,今はこんなだったりする。ふっ,ばらは散るから美しいんだよ。
Vol.0 March 1997

top Vol.1