Ballet
どーしても頭が先になっちゃうあなたとわたしのためのバレエ講座?
バレエの魅力に触れるには生の舞台を観て下さい,としかいいようがないのですが,身体よりどーしても頭が先になっちゃう私です。
とりあえず,M学院大学のバレエ講義でレポート提出した「ロシアバレエ年表」で,バレエの歴史をおべんきょうしませう(そんな安易な)。
Ballet CHRONICLE in Russia
参考 楽しい世紀末年表
バレエについての記述は…
ars combinatoria Vol.3 Schwanensee/主題と変奏
ars combinatoria Vol.2 踊れ,喜べ,汝幸いなる魂よ
ars combinatoria Vol.0 ことばと身体
ars combinatoria Vol.-1 いいひと
ars combinatoria Vol.-4 『ジゼル』という名のバレエ
舞台感想集(この下)
第8回世界バレエフェスティバル
演目紹介(とりあえず,あらすじ)
『白鳥の湖』
『ジゼル』
『ロミオとジュリエット』
『ラ・フィーユ・マルガルデ』
B・O・O・K・S
●バレエ一般
「DANCE MAGAZINE」毎月27日発売 新書館
『バレエ101物語』ダンスマガジン編 新書館
『ダンス・ハンドブック』ダンスマガジン編 新書館
『バレエって何?』ダンスマガジン編 新書館
『踊る世紀』鈴木晶 新書館
他にも定番・話題作(『闘う白鳥』とか)など多数あるのですが,単に私が読んでないので紹介するのはどうかな,と。
●演目
『白鳥の湖』アン・ヌージェント 小倉重夫訳 新書館
『オデット姫とジークフリート王子のほんとうの物語』北村正裕童話集 私家版 制作:芸風書院
『奪われたヴェール/「白鳥」をめぐる神話と伝説』ムーゼウス 市川明訳/殿井博編 貞松・浜田バレエ団(私家版)
上記2冊は私家版ですが,池袋西武にあったよ。
『白鳥湖』マーク・へプリン 村上春樹訳 河出書房新社
「はくちょうこ」と読みます。これは全然おすすめではないですが,一応。
「DANCE MAGZAZINE」1994年10月号 増頁特集「白鳥の湖」大事典
「DANCE MAGZAZINE」1997年1月号 特別企画「白鳥の湖」のすべて
『ジゼルという名のバレエ』シリル・ボーモント 佐藤和哉訳 新書館
「DANCE MAGZAZINE」1996年3月号 特別企画「ジゼル」大事典
『砂男 無気味なるもの』E.T.E.ホフマン,S.フロイト(無気味…)種村季弘訳 河出文庫
『コッペリア』の原作。一番手に入りやすいんじゃないかと。
●COMIC
『アラベスク』山岸涼子 白泉社他
『SWAN』有吉京子 秋田書店他
私はやっぱり京極さんだなっ。
『白鳥の祈り』『ヴァルナ・コレクション』『SWANセレクション』『ニジンスキー寓話』有吉京子 秋田書店
『牧神の午後』山岸涼子 朝日ソノラマ(大判・書籍扱い)
ニジンスキー伝
『黒鳥 ブラック・スワン』山岸涼子 白泉社レディース・コミックス
バランシンのエピソード
『月の子』清水玲子 白泉社花とゆめコミックス
ダンサーは出てくるけど,決してバレエマンガではない。ただ清水さん自身が大のバレエファンです。
『バレリーナ』佐々木倫子(『家族の肖像』 白泉社花とゆめコミックス)
佐々木さんの初期ショート・コメディ
『幽霊への贈り物』池田悦子・あしべゆうほ(『悪魔の花嫁』コミックス版6巻 秋田書店)
『eyse金銀妖瞳』高橋美由紀 白泉社 花とゆめコミックス第2巻
単に熊川哲也さんがモデル。
『イブの息子たち』青池保子 秋田書店,白泉社
「ヒース私を見て!」変態白鳥ニジンスキーは小学生の私にはあまりにもインパクトが強すぎましたわ。結構この作品が人生のターニング・ポイント(『愛と喝采の日々』じゃないよ)だったかも。
COMICについては,ときめきくらぶのテーマ別作品リスト「ダンス」もどうぞ。
C・I・N・E・M・A
『赤い靴』
パウェル,ブレスバーガー監督 モイラ・シアラー,レオニード・マシーン,ロバート・ヘルプマン サドラーズ・ウェルズ・バレエ団(現ロイヤル・バレエ)1948
アンデルセン童話を題材にしたマシーン振り付けの劇中バレエ“赤い靴”が幻想的で美しい。日本のバレエの火付け役になった。
『ホフマン物語』
パウェル,ブレスバーガー監督 モイラ・シアラー,ロバート・ヘルプマン 1951
オッフェンバックのオペラをもとにオペラーバレエ化した作品 振付:フレデリック・アシュトン ビーチャム指揮ロイヤル・フィル。
『パリの恋人』
スタンリー・ドーネン監督 オードリー・ヘップバーン,フレッド・アステア 1957
あえていえば,モダン・バレエ。バレリーナを目指していたオードリーの面目躍如。
『愛と喝采の日々(ターニング・ポイント)』
ハーバート・ロス監督 シャーリー・マクレーン,アン・バンクロフト,ミハイル・バリシニコフ,レスリー・ブラウン 1977
全盛期の若々しくダイナミックなバリシニコフのバレエが堪能できる。
『バレンチノ』
ケン・ラッセル監督 ルドルフ・ヌレエフ(バレンチノ),アントニー・ダウエル (ニジンスキー)1977
ハリウッド黄金時代の草創期に大スターとなり“熱砂の舞”を遺作に31歳で夭折したバレンチノの生涯ヌレエフとダウエルの踊るアルゼンチン・タンゴが見物。
ars combinatoria Vol.-1「Tango」も読んでね。
『ニジンスキー』
ハーバード・ロス監督 ジョルジュ・デ・ラ・ペーニャ(ニジンスキー),アラン・ベイツ(ディアギレフ),レスリーブラウン(ロモラ)1979年
ミステリアスな人生を送った伝説的な天才ダンサー,ニジンスキーの生涯。
『愛と哀しみのボレロ』
クロード・ルルーシュ監督 ジョルジュ・ドン他1983
モスクワ,パリ,ベルリン,ニューヨークの四大都市で始まるそれぞれの愛。フランスに亡命したソ連のダンサー,セルゲイ・イトヴィッチ(モデルはヌレエフ)をドンが演ずる。ドンの踊る”ボレロ”が圧巻。
『She dance alone』
キラ・ニジンスキー(ニジンスキーの実の娘),パトリック・デュポン(ニジンスキー)1983
伝説的なダンサー,ニジンスキーの娘キラの生涯。8歳でバレエを始め,パリ・オペラ座バレエなどとも共演し,のちに宗教的挫折によりバレリーナ生活にみずから終止符を打ち,その後アメリカでフランシスコ修道女になる。
『 アンナ・パブロワ』
ロチャヌー監督(ソ連),パウエル監修 ベリャーエワ(監督の夫人)主演 1984
ディアギレフのロシア・バレエ団に参加の後,自身のカンパニーで世界中にバレエを広めた バレリーナの生涯。
『ホワイト・ナイツ』
テイラー・ハックフォード監督 ミハイル・バリシニコフ,グレゴリー・ハインツ,
イザベラ・ロッセリーニ,イエルジー・スコリモウスキ,ヘレン・ミレン 1986
祖国を捨てたソ連のダンサーと,自国の政治に反発して自由圏を離脱したアメリカのタップ・ダンサーのサスペンス物語。冒頭のローラン・プティの”若者と死”などバリシニコフのダンスシーンがふんだんにある。コットンクラブにも出ていたハインツのタップシーンもある。
『ダンサー』
ハーバード・ロス監督 ミハイル・バリシニコフ,アレクサンドラ・フェリ,ジュリー・ケント,レスリー・ブラウン,他ABT 1987
全編バリシニコフとフェリのジゼルが見られる。 円熟期を過ぎようとしているバリシニコフ扮するスターダンサーと駆け出しのバレリーナ,ケント。世間ずれしたバレリーナ,フェリ。 ブラウンは昔バリシニコフに捨てられ今は子持ちの中堅でジゼルではミルタ役。愛と喝采の日々の続編といった感じ。
(Thanks to Ms. ran)
L・I・N・K・S
Ballet in Japan
リンク,エッセイ,フォーラム他,内容はもちろん上品なセンス。
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第8回 世界バレエフェスティバル
Aプログラム
July 31, 1997 東京文化会館
最初から最後まで全部メインディッシュのおなかいっぱいてんこ盛りっ!つまみ食いというには一品一品がヘヴィすぎます。もう食べられませんー。どのくらいすごいかというと…。(年号は初演)
午後5時半開演,第一部 50分
『ラ・シルフィード』
マリーヌ・キャステル,アンドレイ・フェドートフ,東京バレエ団(ジャン=マドレーヌ・シュナイツホーファー音楽,ピエール・ラコット振付 1832)
『アンドンプテ』
マニュエル・ルグリ,パンジャマン・ペッシュ(ウィン・マルタン音楽,クロード・ブリュマション振付 1992)
『眠れる森の美女』
アンナ・アントニーチェワ,ドミトリー・ベロゴロフツェフ(チャイコフスキー音楽,プティパ振付 1890)
『パリの炎』
フェルナンダ・タバレス=ディニス,ホアン・ボアダ(ボリス・アサフィエフ音楽,ワシリー・ワイノーネン振付 1932)
休憩5分
第二部 55分
『レント・アパッショナート』
イヴリン・ハート,レックス・ハリントン(スクリャービン音楽,ヴィセンテ・ネブラーダ振付 1982)
『カルメン』
アンナ・ポリカルポヴァ,ロイド・リギンス(ビゼー/シチェドリン音楽,ジョン・ノイマイヤー振付 1967)
『アポロ』
マルタ・ロマーニャ,ロベルト・ボッレ(ストラヴィンスキー音楽,ジョージ・バランシーン振付 1928)
『マノン』寝室のパ・ド・ドゥ
シルヴィ・ギエム,ジョナサン・コープ(マスネ音楽,ケネス・マクミラン振付)
『海賊』
スーザン・ジャフィー,ホセ・カレーニョ(ドリゴ音楽,プティパ振付 1868)
休憩15分
第三部 50分
『ロメオとジュリエット』
アニエス・ルスティテュ,ジョゼ・マルティネス(プロコフィエフ音楽,ルディ・ダンツィヒ振付 1938)
『ノートルダムのせむし男』
ルシア・ラカッラ,マッシモ・ムッル(モーリス・ジャール音楽,ローラン・プティ振付 1965)
『椿姫』BR>
モニク・ルディエール,マニュエル・ルグリ(ショパン音楽,ジョン・ノイマイヤー振付 1978)
『グラン・パ・クラシック』
シルヴィ・ギエム,ローラン・イレール(ダニエル・オーベール音楽,ヴィクトル・グソフスキー振付 1949)
休憩5分
第四部 80分
『ディアナとアクティオン』
マニアネラ・ヌニェス,マキシミリアーノ・グエラ(チェーザレ・プーニ音楽,アグリッピーナ・ワガノワ振付 1866)
『アダージェット』
ジル・ロマン(マーラー音楽,モーリス・ベジャール振付)
『ラ・バヤデール』
シュテフィ・シェルツァー,オリヴァ・マッツ(ミンクス音楽,プティパ振付 1877)
『ノーテーション』BR>
ウラジミール・マラーホフ(ピエール・ブーレーズ音楽,ウヴェ・ショルツ振付)
『ドン・キホーテ』BR>
ガリーナ・ステパネンコ,ユーリー・クレフツォフ(ミンクス音楽,プティパ振付 1869)
フィナーレ(カーテン・コール)終演10時。ねっ。
『LES INDOMPTES』がいきなりすごい(男二人のデュエット,ヴォーカル曲)。こんなの最初に観ちゃったらしばらく他のに集中できません。
(『アンドンプテ(LES INDOMPTES)』のindompte(仏):飼い馴らされていない,御しがたい,荒々しい(三省堂クラウン仏和辞典←所詮第二外国語なんで恥ずかしっ)。でもpは発音しないっぽいんですけど,そんな規則あったかしら? ああっもうダメだっ! だんだんばかになっていく(ってマザー・グースにあった,と思う)。)
次が『眠り』だから余計かもしれないんだけど(典型的な狭義のクラシック),こういうてんこ盛り形式では古典は損だと思う。一概にはいえませんが,古典はひとつの作品が長く,物語性のあるものが多い。モダンは短く内容も抽象的。だから,同じくらいの時間であっても一方はほんの一部(一番の見せ場のグラン・パ・ド・ドゥであっても)と全てを観るのとでは条件が違いすぎる。うーん例えば,『ツィガーヌ』全曲とコンチェルトの終楽章を並べて演奏するような感じ? 楽章全部ならいいけど,カデンツァだけのような気もする。
クラシックの場合,切り取られちゃうと結局技を観るしかなくなってしまうのですね。ただ,ガラだけに限らないのですが,全幕ものを観ていてもバレエの場合は踊っている最中にしばしば拍手が入って,確かに昨日のも「なんでそんなに足が上がって更に2回転しちゃうんだー。すごいすごいすごーいっ」っていうのはあるんですけど,結構強迫的に手を叩いてるような所もあって,踊ってる最中ってのもどうかと思うけど,ポーズが決まったり,踊り終わった後も音が消えるのを待ってちょっと噛みしめましょうよおということが多いのです。技術だけではなく,技術を含めたすべてを貪りたいっていうか,驚嘆ではなく感動したいのです。
わたしの見方が物語指向で,舞台装置も含めて鑑賞したいっていうのがあるので,もともとこういういわゆるガラ(でいいのよね)は苦手なのでしょうがないのですが。もちろん各ダンサーを比べられるとか,なにより安心してオペラグラスを覗いてられる,ダンサーに集中できるっていうのはいいんだけど。
『アダージェット』演奏が素晴らしい。今回は東フィル(指揮:ミッシェル・ケヴァル)なのでちゃんと鳴らしてます(テープもあるけど。バレエのオケがへたくそなのは何故か教えてもらったけど内緒)。この作品は振付・ダンサーがいいとか悪いとかじゃなくて,よく聴きこんだ曲,音だけで完成し尽くした曲は,既に自分の中で映像化できない抽象的なイメージができあがっていて,たぶん何をされても違和感があるのでしょう。もちろん『ヴェニスに死す』は好きだけど,そんなに縛られてないと思います。もちろん単なる女顔ビョルン・アンドレセンよりダーク・ボガードの化粧の流れるラストの方がオーバーラップするけどね。ちなみに『ヴェニス』も原作を読んでたからまた別に自分のイメージもあったけど。
横道から戻って,NBSを弁護するわけではありませんが(ルジマートフがベジャールに無断で上演して裁判ざたになってるんだけど,どーなったのだ?),この曲を聴いて,人の振付ではなく自分で踊ってみようと思わないなんて表現者として絶対おかしいと思う。
あとは『椿姫』がよかった。ショパンは思ったよりいいですね。やっぱり全幕観たいけど,ノイマイヤーの理不尽なチケットの高さが許せーんっ。あ,こういう物語があっても『ロメジュリ』なんかもそうなんだけど,狭義のクラシックと違って物語本位で,パ・ド・ドゥのためのパ・ド・ドゥではないので,流れを妨げる拍手はないですね。『ジゼル』なんかもあんまりたびたび拍手は入らないし。まあ,ロマンだし。
すごく贅沢なプログラムで今あげた以外のも素晴らしかったのですけど,やっぱり疲れました。許容範囲超えてる。でもBプロも行くのであった。
そんなわけで昨日からマラ5を聴いてる(これはクーベリック/バイエルン放送響)。単純すぎませんかっ。
第8回 世界バレエフェスティバル
Bプログラム
Aug. 5, 1997 東京文化会館
第一部
『ディアナとアクティオン』
ジェニファー・ゲルファンド,ホセ・カレーニョ,(チェーザレ・プーニ音楽,アグリッピーナ・ワガノワ振付 1886)
『ディックス』
シュテフィ・シェルツァー,オリヴァ・マッツ(アルバン・ベルク音楽,ローラン・プティ振付 1993)
「黒鳥のパ・ド・ドゥ」『白鳥の湖』より
イザベル・セアーブラ,ロベルト・ボッレ(チャイコフスキー音楽,プティパ振付 1895)
『ロメオとジュリエット』
シルヴィ・ギエム,ジョナサン・コープ(プロコフィエフ音楽,ケネス・マクミラン振付 1965)
『タリスマン』
フェルナンダ・タバレス=ディニス,ホアン・ボアダ(ドリゴ音楽,プティパ振付 1889)
第二部
『マルコ・スーパダ』
マリーヌ・キャステル,アンドレイ・フェドートフ(ダニエル・オーペール音楽, ピエール・ラコット振付 1980)
『パヴァーヌ』
アンナ・ポリカルポヴァ,ロイド・リギンス(ラヴェル音楽(『亡き王女のためのパヴァーヌ』),ジョン・ノイマイヤー振付 1994)
『サタネラ』
アンナ・アントニーチェワ,ドミトリー・ベロゴロフツェフ(プーニ音楽,プティパ振付 1852)
『アルルの女』
ドミニク・カルフーニ,マニュエル・ルグリ(ビゼー音楽,プティ振付 1974)
『エスメラルダ』
アニエス・ルテステュ,ジョゼ・マルティネス(プーニ音楽,プティパ振付 1886)
第三部
『海賊』
ガリーナ・ステパネンコ,ユーリー・クレフツォフ(ドリゴ音楽,プティパ振付 1899)
『ピアノ・ヴァリエーションIII』
イヴリン・ハート,レックス・ハリントン,ピアノ:(エリック・サティ音楽,ハンス・ファン・マーネン振付)
『眠れる森の美女』
ヴィヴィアナ・デュランテ,ブルース・サンソム(チャイコフスキー音楽,プティパ振付 1890)
『バクチ』
シルヴィ・ギエム,ローラン・イレール,東京バレエ団(インドの伝統音楽,モーリス・ベジャール振付 1968)
第四部
『シルヴィア・パ・ド・ドゥ』
スーザン・ジャフィー,ウラジーミル・マラーホフ(ドリーブ音楽,バランシーン 1950)
「囚われの女」『失われた時を求めて』より
ルシア・ラカッラ,マッシモ・ムッル(サン=サーンス音楽(オルガン付き)プティ振付 1974)
『声』
ジル・ロマン(さまざまな音楽のコラージュ,ベジャール振付 1997新作)
『ドン・キホーテ』
パロマ・ヘレーラ,マキシミリアーノ・グエラ(ミンクス音楽,プティパ振付 1869)
物語物語としつこいですが,物語があればいいってもんでもないのです。Aプロでも感じたんですけど,『ディアナとアクティオン』。この話はもちろんギリシャ神話で,狩りの女神ディアナ(アルテミス)の入浴を覗いたアクティオン(アクタイオン)は鹿に変えられ,自分の猟犬に喰い殺されてしまうのですが,そんな背景が全く感じられない,ただ愛らしい女性ダンサーとギリシャ風の衣装のマッチョな男性ダンサーのパ・ド・ドゥにすぎないんです。この物語をすべて再現するのは無理がありますが,やっぱり,二人の性格や気性,立場を感じさせ,前後に物語が浮き彫りになるような振付であって欲しかったです。
男女の愛を描きたかったら,『セレネとエンデュミオン』,『アポロとダプネ』なんかがいいのでは。あ,アルテミスは処女神でありながら,その原型はイナンナやイシスのような好色な側面も備えているっていうのはまたそのうち。
『ディアナと…』に比べるとやっぱり「黒鳥のパ・ド・ドゥ」はエラい。パ・ド・ドゥの形式を踏んでいても(『白鳥湖』は他のも含めてちょっとはずれてるけど),あくまでもオディールは誘惑するものとして,女王との気品と自信あふれる美しさを表現しているのであり,ジークフリートは王子さま然として(高貴さだけでなく,息子としての弱さ・人間の象徴として),彼女に惹かれていくわけで,普通愛し合う男女の喜びとして決めるポーズもジークフリートの陥落なのです。もちろんここであの音楽(情景のバリエ)が流れて「あたしはオディールさ! はっはっはっー」と去っていって欲しいわけですけど,このパ・ド・ドゥで十分物語は象徴されているのです(初演時この曲は1幕で使われたのでチャイコフスキーの意図ではないってのはおいといて)。ああ,『白鳥の湖』ってば最高っ!!
物語を背景に持つものに比べて,純粋に抽象的なもの(象徴的じゃないよ)美しい曲に乗った男女のパ・ド・ドゥはどうかというと,『パヴァーヌ』とか,どうしても旧いジェンダー・ロールに縛られてしまう感じ。逃げる女・追う男,守る男・守られる女,たおやかな女性・たくましい男性。それのどこがおかしいのっ?というあなた! あなたが問題です。
他にはAプロに続きルグリ(『アルルの女』)がよくて,もちろんギエムも(Aプロもよかったけど)1シーンなのにジュリエットになりきったあと(すごい素敵きれい可憐),『バクチ』(ベジャール,インドの伝統音楽)は人間とは思えない。ところで,Bプロの『ロミジュリ』と『眠り』(ヴィヴィアナ・デュランテ,ブルース・サンソム)とも今年と昨年ロイヤルで全幕観たのと同じ配役。
あとは,『声』。この作品そのものはともかく(悪いっていうんじゃなくて),ちょっとだけ出た(既作品のコラージュというかパロディなのです)『ローエングリン』を誰かやってくれないかなあ(ベジャールにあるのかな?)。女の『瀕死の白鳥』の男版? でも白鳥なのはゴットフリートくんだよ。
きっと誰がどういう振付でやっても納得いかないんだろうけど。一幕の前奏曲聴くだけでいつもながら「私の可愛い白鳥よー♪ …ローエングリンは去っていくのであった。倒れるエルザ,幕」まで走馬燈のように流れますからね。それどころか,オペラ展の小道具で恍惚とする人。
トリは『ドン・キホーテ』がいつも定番みたいで,この演目自体ストーリーは添え物でしかないんで,そう考えれば「お祭り」なんだから,Aプロのところに書いた拍手についてはこだわりすぎかな,とも思います。でもちょっと気になる。ワーグナー以前のオペラファンなら気にならなかったかもね。
これだけの作品(と顔ぶれ)の上演はたぶん一日がかりくらいで丁度いいのかもしれない。朝から始まってお昼を挟むか,お昼過ぎからディナー付き(ディナー・ショーかっ?)。休憩は3回でいいけど,20〜30分2回と食事用1時間。上野だから公園に出られるし(その分ろくなお店がないけど)。一つ一つの間もあんなに次から次へとではなくて,余韻を楽しんでから次の作品に気分を切り替えられる時間が欲しい。そんなことしたら主催・ホールが大変なのはよーくわかってますよ。
で,BGMは『ローエングリン』になってしまいましたとさ。
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