21世紀へのメッセージ 2001/3/5〜

第14エッセイ集(2012年3月29日〜)

第13エッセイ集(2011年8月18日〜11月21日) 東日本大震災・福島原発関連情報(T)

第12エッセイ集(2010年9月7日〜2011年8月17日) 

第11エッセイ集(2009年1月10日〜2010年8月7日)

第10エッセイ集(2007年1月1日〜2009年1月10日)

第9エッセイ集(2005年8月17日〜2006年12月31日)

第8エッセイ集(2005年8月17日〜2005年12月24日)

第7エッセイ集(2005年1月1日〜2005年8月16日)

第6エッセイ集(2004年5月5日〜2004年12月22日)

第5エッセイ集(2003年9月13日〜2004年5月4日)

第4エッセイ集(2002年12月30日〜2003年9月12日)

第3エッセイ集(2002年4月28日〜2002年12月29日)

第2エッセイ集(2001年8月14日〜2002年4月27日)

第1エッセイ集(2001年3月5日〜2001年8月12日)

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第14エッセイ集(2012年3月29日〜2013年4月8日更新)


米軍はイラクでいったい何をしたのか!?
 イラク戦争で米軍の掃討作戦が展開されたファルージャの病院で、この三年半で1158人の子供に先天性異常が確認され、この11ヶ月の新生児の先天異常の発生率は14,4%にのぼっています。心臓循環器系113件、神経系72件、消化器系40件、ダウン症30件です(日本の先天性異常発生率は10年度で2,31%)。毛髪は、健常児に比して有害水銀の鉛が5倍、水銀が6倍の含有率で、低濃縮のウランが検出されています。イラク科学技術省は、国民の不安を招きたくないとして、土壌汚染と血液検査の結果を公表していません。米国防総省は、地場産業による汚染や妊婦の栄養不足であって米軍関連の汚染ではないとしています。
 ファルージャの病院の記録画面には、頭が2つある子、顔の真ん中に1つだけ目がある子、脳がなかったり破裂している子などの写真が映し出されています。地元の独身男性は、地元女性との結婚を怖がり、市外に結婚相手を求めているそうです。以上は朝日新聞4月1日付けより。
 劣化ウラン弾やウランを使った兵器が影響している蓋然性が高く、ベトナム戦争の時の枯葉作戦による被害と同じ状況があらわれています。ファルージャはアルカイダ系のテロリストの拠点であり、米軍は開戦翌年に市街地を封鎖して徹底した掃討作戦を実施し多数の市民を殺害しました。以下続く。(2013/04/01)
 先天性奇形発生率が日本2,31%にたいし、イラクが14,4%であるのは、明らかに統計的に異常な有意性を示し、一時的な変異ではありません。アメリカ政府は、この痛ましい事実に対し、誠実に向き合い、自らが使用した武器との因果関係を反証しなければなりませんが、現地調査を忌避する姿勢を示しています。逆にシリア内戦で政府軍が毒ガスや細菌兵器を使用すれば、一方的な攻撃も辞さないと脅迫しています。キューバのグアンタナモ収容所では、現在でも166人のテロ容疑者が不法に拘束され、86人が3年以上前に釈放が決定されているのも関わらず、いまも幽閉され、2月6日から21人の囚人がハンガーストライキを続け、1ヶ月が過ぎようとしています。こうした事実は、国際人道法違反のテロ行為の主犯がいずれにあるかを明白に示しています。(2013/4/2)

しのびよるファッシズムーこのようにして全体主義は浸透するのか
 国が持つ「秘密」を扱う職員を選別するための「秘密取扱者適格性制度」をめぐり、国家公務員6万4380人対象の身辺調査がおこなわれ、うち6万4800人を占める防衛省の場合は自衛隊員に「身上明細書」を提出させています。その主な記入項目は以下のようになっています。
 ○帰化の有無
 ○配偶者の国籍、勤務先、職務内容、帰化の有無
 ○親族、同居人の国籍、勤務先、住所
 ○交友関係、外国人交友者の名前、住所
 ○負債金額と借入目的、返済月額、完済予定日
 ○所属団体(クラブ、連名*ママ、運動、宗教、趣味など)の所在地、目的、所属機関
 ○刑事処分の有無
 ○アルコール、薬物濫用、精神面を原因とする治療またはカウンセリングの有無

 記入マニュアルでは、「本人に問い合わせて確認してはならない」とプライバシー侵害の暴露を警戒し、「関係は高校の同級生、釣りクラブの仲間のように記入する」、「付き合いの程度は家族ぐるみ、帰省時に会う程度、交際中の異性」など6項目から選択させ、所属団体は「あらゆるものについて、過去現在を問わず記入する」とし、プライバシーと内面の思想調査に及んでいます。最後に「私の出入国記録を法務省出入国管理局に照会することに同意します」という文章に署名させています。
 この身上明細書をもとに、自衛隊情報保全隊が身辺調査を行い、正確に記入しているかどうかを確認し、「適格性の確認のために必要な範囲で使用する」としています。こうして国家公務員の個人情報のみならず、すべての市民の個人情報が政府に吸い上げられて、監視の対象となっています。すでに政府は、民間人を対象とする「秘密保全法案」と「」国民共通番号(マイナンバー)法案」を提出し、この3本がセットとなって市民の監視と管理のシステムが完成します。そこでは市民の密告が義務づけられていますから、ほとんどかってのKGBやシュタージのシステムに近づいています。合法性を装いながら、実質的に市民を管理するソフトなファッシズムの精神的な抑圧性が強化され、市民は戦々恐々としながら、すでに秘密警察化しつつある政府のもとで暮らしています。最初はジワジワと真綿で首を締めつけるように、事態が進展しますが、しだいに背広とネクタイで武装した秘密警察が街を支配し、いつのまにか抵抗できないファッシズムが完成し、日本そのものが自滅していきます。
 よくみると、この身上明細書の内容は、日本政府の秘密の管理のシステムの水準の低さを象徴的に示しています。本来の秘密の管理は、秘密の内容を限定し、その範囲の人に、どの程度の情報を知らせるかを厳格に決め、そのうえで秘密を物理的に管理するシステムを構築するところにあります。あくまで物理的な管理が主要な方法となりますが、この身上明細書は、管理を人間に向けています。交友関係や疾病情報は時間とともに絶えず変動する因子ですから、秘密漏洩を防止する現実的な効果はありません。たしかに政府のような公共機関は、属する個人になんらかの犠牲を強いる場合がありますが、それは憲法の規定に従い「公共の福祉」、つまりその犠牲を上まわる大義とメリットがない限り、人権の一部を制限することはできません。福島原発事故直後に、「特別権力関係」にない東電の社員に、現場からの撤退を禁止した首相のように、なんら規定なき命令を発することはできません。KGBやシュタージの膨大な個人記録は究極の全体主義社会の実像を示しており、人格権とプライバシー権を侵害する権力は、結局のところ自己崩壊していきます。市民は怖いから従うのですが、「怖くない」と思いきれば支配の力は消え去るのです。大阪市の職員に対する思想調査も無効と宣言されました。
 こころある国家公務員は、職務命令の恐怖をはねのけて、非協力の道を選ぼうとするでしょうが、彼らは決して孤立することはないでしょう。それは彼らに50年後、100年後の日本に生きる市民たちへの想像力があり、良心による不服従によって、軍は市民軍へと転化するでしょう。(2013/3/15)

はるかパレスチナで凧が揚がる・・・
 パレスチナ自治区ガザ南部のハンユヌスで、東日本大震災の犠牲者を追悼し、被災者との連帯を表す凧揚げがおこなわれました。約1000人(!)の子どもたちが一斉に手づくりの凧をあげています。ヴェールを被っているイスラム系の少女もいますが、被ってない少女もいます。子どもたちを代表して挨拶したハゼム・アガ君(14)は、「日々の困難な暮らしのなかで悲しみと痛みを知る私たちは、他人の痛みを感じることができるのです」と話し、被災者の力になることを誓いました(時事通信、3月11日)。
 なぜ日本からはるか離れたパレスチナの子どもたちが、日本のことに想像力を働かせ、自分のこととして受けとめることができるのでしょう。正直に驚いてしまいました。日本の子どもたちが、いままで世界の震災被害に手をさしのべる集団的な行動を何かしたという記憶は残念ながらありません。たとえパレスチナの学校の教師たちが、日本の震災の惨状を伝えて、子どもたちになんらかの行動をうながすような示唆があったとしても、子どもたち自身のこころのなかに、自分の問題として内発的に受けとめる共感の心情が自然にあるからだと思います。
 ガザはイスラエルによる経済封鎖が続き、市民と子どもたちの毎日の生活は、生きていくのが精一杯であり、イスラエルの攻撃に怯える毎日です。日本政府は、どちらかといえば、イスラエルよりの政策をとって、パレスチナの独立に消極的であり、石油資源の範囲内でつき合っているに留まっています。ガザの子どもたちに行動に、改めてハッと思うのは、日本の日常ではほんとうに他者の痛みへの共感どころか、無関心が広がり、逆に他者の痛みを快感とするようなみじめな錯誤がひろがっていることです。日本の子どもたちに罪はなく、そのような日常を形成してきた大人に責任があり、この私もそうした手綱の一端をにぎっています。とくに赦せないのは、東北へ出かけていって「ガンバレ!」とかいって、短期間でひきかえす自己満足の激励行動です。彼らは、したり顔で現地ではTPPへの反対を訴えながら、東北の主力産業を壊滅に追い込む協定をむすぶという破廉恥きわまる偽善的なふるまいに及んでいます。いったいなぜ、こうした恥ずべき人格が形成されているのでしょうか。英国在住の経済学者・森嶋通夫氏は、2055年の日本を予測して、55年で社会の中核をになっている現在の20歳前後の若者たちの人格構造から推測し、全体を考えないで自閉的に行動し、自分で考えぬく独創的な構想力を形成できていない若者から、2055年の日本は崩壊するという結論を出しています。こうした主観主義的な分析には問題もありますが、根元にある問題の本質の一部を指摘しているように思います。
 グローバルになる地球のなかで、日本のみが唯一内向きのナショナリズムを煽動して、自閉的な人格に追い込んでいるのは、アベなんとかという首相の極右ナショナリズムとネオ・リベラリズムの醜いむすびつきです。日本の子どもたちが、世界にむかって凧を揚げて励ますのではなく、人が揚げている凧を引きずり降ろすような倒錯に陥っているのは、ここに最大の原因があります。凧揚げは子どもたちのこころをオープンにし、はるか彼方の空や未来への想像力を喚起しますが、日本の子どもたちが歓声を挙げながら凧揚げする姿がじょじょに消えていったのはなぜでしょうか。(2013/3/14)

棄民国家・日本の崩壊
 大震災にかかわる自殺が、81人(内閣府統計、2月22日)にのぼっています。アルコール依存症や持病の治療をやめるなど自暴自棄になって命を落とす「絶望死」が増えていくと予測されます。日本列島は幾多の天変地異に見舞われ、天武の時代の巨大地震、陸奧大震災(869年)、富士山3大噴火、浅間焼けと呼ばれる浅間山大噴火、大飢饉、明暦・明和・文化の大火災、関東大震災は死者・行方不明10万人を超える未曾有の大災害となりました。災害復興は人間の復興であるのもかかわらず、またぞろゼネコン対象の公共事業が目白押しとなっています。企業栄えて、人間が滅ぶ−阪神・淡路と同じことがまた繰り返されようとしています。重点は親しい人を亡くした人たちや放射能に汚染された人たちのPTSDからの解放です。かっては地域に保健婦さんが駐在して、日常的に住民の健康を守る制度がありましたが、1997年の行政改革で廃止されてしまいました。駐在保健婦制度は、戦前期の厚生省の「埋めよ増やせよ」という人口政策確立要綱(1942年)によって、警察官駐在制度をモデルにはじまり、出産指導や公衆衛生にとりくみ、スクーターで家庭訪問をおこない、地域住民の生活管理カードをつくり、しだいに住民自身が健康問題に取り組み、世界でも屈指の地域保健衛生システムを構築してきましたが、政府は1997年の行革でアッサリと廃止してしまいました。もし東北大震災で、駐在保健婦制度が機能しておれば、被災住民の保健問題は大きく支えられたはずです。
 いまNHKから姿・TVから震災の被害を癒す美しい歌が流れて参りますが、こうした善意の結晶のような歌は、一時的に痛みを洗い流すような効果を生みますが、仮設住宅の現実に戻れば、自分たちは見捨てられたという底知れぬ絶望を生むように思います。被災した人々は、無垢の善意の同情を期待しているのではなく、自力で立ちあがるたしかな手だてこそがいま、この瞬間にほしいのです。あの歌はほんとうに被災者のこころに向けられているのでしょうか・・少し疑問に思います。
 福島の放射能汚染水を貯蔵する容量1000トンの巨大タンクは、2日半で満杯となり、後2年で限界に達するため、東電は海洋放水を秘かに考えています。4号機は燃料棒の取り出しにかかりますが、おそらく膨大な放射能をまき散らし、人類が初めて経験する最も危険なプロセスとなりますが、1〜3号機は冷却不能で燃料棒が溶け出して制御不能となり、5,6号機と第2原発は廃炉手続きさえ進めていません。いま福島原発から大量の放射能が大気や水中に放出されています。事故から2年を経てもこの実態であるなかで、事故は「収束」しているのでしょうか。下請原発作業員の被曝データはどこかへ消えてしまい、許容量を超えた棄民労働となっています。16万人の故郷を追われた福島の人々の帰郷は、除染計画目標の達成がわずか1%であり、2017年度まで延ばされることとなりますが、仮設住宅は来年5月に閉鎖されます。政府はこうしたなかでふたたび原発を再稼働するといっています。日本の崩壊が迫りつつあります。

 「津波で夫を亡くした。浜に戻らなければ助かったのにと、2年経っても納得できない。仮設に一人でいると、頭がぼーっとして、『何でこんな所に』と思う。TVで『復興』や『希望』という言葉を聞くと、置いていかれた気分になる(黙りこむ・・・)。国は復興、復興と云うけど、ぜんぜんだっちゃ。おらのことなんて見ちゃいねえ」(女川町仮設住宅、入居1年目で自殺を図った72才女性)
 「復興の議論から人間が置き去りになっている。私もね、つい最近、自殺しようと思い詰めていたんです。津波を思い出すと、身体がふるえっちゃ。安定剤を切らせないのよ。自分は空手の先生をしていたこともありますから、耐えられると思っていました。でも違ったんです。政府の無策がひきおこす”絶望死”への注意が必要だ。国は希望の灯を灯すどころか、一つひとつ消そうとしている」(石巻市仮設住宅、山上勝美さん、52才)
                                       (2013/3/10)

どこかに美しい街はないか? ニューヨークの崩壊が示すもの
 アメリカ東部最大の都市ニューヨークは、ウオール・ストリートのオフィス街が金融恐慌で崩壊し、住宅街はホームレスがさまよい歩く荒廃した街となって、ローマ帝国末期の状態となっています。今年1月にホームレス状態で路上で生活する人は1日平均5万135人に上り、そのうち子どもが2万1034人であり、同市の青少年人口の1%に達しています。アメリカ全土ではホームレスの数はわずかに減っていますが、ニューヨークはホームレス人口がこの1年で19%、ホームレスの子どもは22%増加しています。02年と比較すれば、それぞれ73%、61%増加しています。NY市では90年代からホームレスに対する公的住宅の支援がおこなわれてきましたが、05年に廃止し、08年の金融危機と住宅ローンの崩壊で、低・中所得層が一気に家を失い、NYの住宅事情は壊滅的な打撃を受けました(NYホームレス支援連合報告書)。他方では資産家たちは郊外で武装して守られるゲイテイッド・コミュニテイに暮らしています。ネオ・リベラリズムがもたらしたカジノ資本主義と自己責任原則の行きつく果ての惨状を呈しています。

   6月  芝木のり子

  どこかに美しい村はないか
  1日の仕事の終わりには1杯の黒麦酒
  鍬を立てかけ 籠を置き
  男も女も大きなジョッキをかたむける
  (略)
  どこかに美しい人と人との力はないか
  同じ時代をともに生きる
  したしさとおかしさとそうして怒りが
  鋭い力となって たちあらわれる

                        (2013/3/8)

両腕のないバレリーナ
 イタリアの女性バレリーナであるシモーナ・アトウゾーリさんのエレガントな踊りの姿には胸がうたれるものがあります。彼女は両腕なしで生まれ、幼時からダンスと絵画の勉強を始め、スカラ座のエトワールであるロベルト・ボッレと共演し、06年のトリノのパラリンピックのオープニングで踊り、12年のサンレモサンレモ音楽祭でも踊りました。両腕がないということを武器にするレベルをはるかにこえた芸術的な舞手です。彼女はみずからの半生涯を次のように語っています。

 「私は2人の素晴らしい両親から生まれた、両腕なしの赤ちゃんだった。両親は何らの悲劇性もなく、深い愛情と楽観性で私のあるがままの姿を受け容れました。母が初めて私を腕の中に抱いた時に、どのような思いをしたのか詳しくは知りません。あの瞬間から両親は私を全身で愛し、私の”両腕”に代わることを決めました。私たち一人ひとりが各人異なっていることは、なんと素晴らしく貴重なことでしょう。私の腕の代わりでもあった母は、6ヶ月の病との戦いの後でこの世を去りましたが、その看病を通して、私は一人でもやっていける、羽ばたくことができると自信を持てるようになりました」(『コリエレ・デラ・セラ』)

 日本では先天性四肢切断で両手両足のない乙武洋匡さんが知られていますが、彼は早稲田卒業後に街づくりプランナーや小学校教師として活躍し、2人の子をもうけ、ロックバンド<ZETTO>のボーカルとしても歌っています(『五体不満足』参照)。たしか東大の福島智さんも盲聾者として障害者のコミュニケーション理論を研究しています。こうした人々は、激しい努力の末にチャンスに恵まれて活躍しており、ハンデイをのりこえて自己実現をめざす生き方はかえって大きな励ましを健常者に与えます。彼(女)らに共通しているのは、なにかを突き抜けた自然な明るさで、自らのハンデイを個性の輝きとして積極的に受けとめ、前進していこうという姿です。そこには同情を期待するような気持は微塵もなく、おおらかに障害を個性としてうけとめる「みんな違ってみんないい」というノーマライゼーションの思想がごく自然に浸透しています。
 ちょっとした差異をめざとくつかんでイジメに走るみにくい世相からみれば、奇跡のような清浄の世界があります。こうした誰もが特別扱いされない世界が現実にあり、そうした生き方を貫く人が実際にいることは救いです。世界が差異を理由に差別に転化し、「追い出し部屋」に閉じ込めて、誰かを排除して生きるしかないとすれば、これほどに不幸なことはありません。平等が理念的に語られるのではなく、日々の生活の隅々に無意識のうちにゆきわたる世界は、気がつかないうちにじょじょに進んでいるように思います。世界はすてたものではない、まだまだ生きるに値する可能性があると気づかされます。(2013/3/5)

哀しい朴演説
 韓国の朴大統領は、3月1日の「3・1独立運動記念式典」で次のような内容の演説をおこないました。3・1独立運動とは、日本の植民地支配下の朝鮮で起きた独立運動で、ソウルのパゴダ公園で独立宣言文が読みあげられ、約200万人が独立万歳!を叫ぶ民衆運動となって全国に広がり、日本軍によって7500人以上の死者が出た事件です。朴大統領は、この事件を記念して次のように日本に呼びかけています。

 「歴史は自己省察の鏡であり、希望の未来を開く鍵だ。日本は歴史を正しく直視し、責任をとる姿勢をとらなければならない。韓国と日本がつらい過去を一日も早く治癒し、共栄の未来にともに進めるように、日本政府は積極的な変化と責任ある行動をとらなければならない。歴史に対する正直な省察がなされるとき、共同繁栄の未来もともに開ける。加害者と被害者という歴史的立場は千年の歴史が流れても変わらない。日本が歴史を直視し、責任ある姿勢を示したとき、両国間に固い信頼が重ねられ、真の和解と協力も可能になる。両国の未来の世代まで歴史の重荷を負わせてはならない。われわれの世代の政治指導者の決断と勇気が必要なときだ。・・・・」  

 じつに堂々たる品格のある演説であり、日本政府の卑しい低劣な演説とははるかに異なる格調の高さがあります。ドイツの過去の記憶にも匹敵する質をもっており、演説起草者スタッフの知性の高さがうかがえます。日本政府の演説がなぜ低劣かというと、精神生活を支える知的認識が貧困であるということに尽き、いまは過去の遺物となった修身の教科書に手本を求めるなど、依拠すべき信念体系を確立し得ず、重量感ある歴史そのものへの深い洞察がないからです。
 しかし朴演説には、韓国の近現代史の哀しい光と闇が隠されています。朴大統領の父親は、朴正煕(日本名・高木正雄)という軍事独裁者であり、日本の陸軍士官学校を卒業して日本軍人となり、祖国の独立運動を弾圧した民族の裏切り者であり、戦後は軍事クーデターによって独裁者として君臨し、多くの民主運動家を拷問にかけて虐殺した人物です。私の大学時代の知人である徐勝氏(立命館大学教授)も、ソウル大学留学中に逮捕され、拷問を受けて苦しさに絶えかねて灯油を浴びて自殺を試みました。格調ある朴演説の背後には、こうした血塗られた韓国現代史の闇の世界があり、彼女は父親の独裁を漢口の奇跡と呼ばれる高度成長によって肯定し、基本的には同じ路線を歩んでいます。歴史の闇に消されていった犠牲者たちは、どのような思いで娘の軌跡を見つめているのでしょう。娘の朴氏は父親の恨みを買って、暴漢からナイフで刺され、いまも顔に鋭い傷跡が走っています。たしかに娘は父親とは独立した人格であり、父親の罪責をどこまで負うかは議論があるでしょうが、少なくとも父親の犯罪を謝罪し、いまも反共法で一生牢獄に閉じ込められている無実の囚人たちを無条件で釈放しなければならないでしょう。従って朴演説は、独裁者の娘としての自己自身に対する再審を呼びかける逆説的な意味を含んでいます。
 日本は娘の朴氏の大統領としての公的な立場と、個人の人格を厳格に区別して遇しなければなりませんが、少なくとも日本の変革をめざす立場の人は、朴氏の父親を免責する位置に加担してはならず、ある距離を置くことが求められます。朴演説にあるように、「加害者と被害者の歴史的立場は千年の歴史が流れても変わることはない」のですから、韓国内において加害者であった人物の娘の大統領就任を無条件に祝賀することはできません。こうした点で日本のある革新政党の委員長が、歴史の過去の責任から離れて、就任式典に参席して祝意を捧げるなどという行為は、歴史の許すところではありません。こうしたふるまいは、歴史の記憶を風化させ、現実へのマキャベリステックなふるまいを蔓延させていきます。(2013/3/2)

もっとも反道徳的な者が道徳を強制する非対称性の破れ
 なんと安倍ナントカという首相の諮問機関である教育再生実行会議は、イジメ対策の筆頭に「本質的な」解決策として「道徳の教科化」をうちだしました。国家権力が道徳内容を規定し、全国民に強制することは、市民の内面の自由を蹂躙してしてこころを支配する近代市民社会では許されないものだという初歩的な原理さえ分かっていないようです。思考することは100%市民の自由であり、何を生きがいとするのか、という価値観も絶対に介入できないこころの領域に、泥足で踏み込んで従わせるファッシズムの論理です。
 もし「道徳科」ができれば、政府が価値観の内容を学習指導要領で決定し、教師は5段階評価で子どものこころを相対評価し、あなたのこころは優秀だとか劣っているか成績評価をして、こどもに知らせます。こどもは争って5を求め、表面的なポーズを繕って教師の顔色をうかがって、偽善的な歪められた人格を身につけていきます。大津市の中学校は、市内で唯一の文科省の道徳境域推進指定校として、「イジメのない学校づくり」にとりくみましたが、自死に到った生徒の学年は逆にイジメが横行しても、教師はみて見ぬふりをしました。なぜなら、イジメを認めれば道徳教育推進指定校として失格を意味するからです。こうして学校全体が、みて見ぬふりをする偽善的な雰囲気が浸透していきました。あわてた大津市は、今度は条例で、イジメをみたら密告する条例をつくり、江戸時代の5人組のような相互監視システムを導入しました。大津市の第3者委員会は、「道徳教育や命の教育の限界」を報告書で指摘し、文科省の事業は破産したと宣告しています。報告書は「ますます競争原理と効率を求める方向に進んでいる社会のあり方」にイジメの根元があると指摘し、「学校間格差と受験」などでストレスを溜め込んだこどもたちのいらだちからイジメがうまれるとしています。企業が「追い出し部屋」をつくって社員をいじめ、生活保護受給者をバッシングしていじめている大人社会のモデルが
子どもの世界にジワジワと浸透し、日本社会全体がイジメ社会になっているのです。
 安倍ナントカは、沖縄県民や福島県民をいじめまくり、「追い出し部屋」をつくる会社に経営合理化補助金を支給して煽り、TPPでは日本の農業と医療をいじめまくって恥じませんが、みずからがもっとも反道徳的な振る舞いをしながら、他者に道徳を語るという偽善的な行為の権化となって、なんの羞じらいの意識も持っていません。いま道徳教育が必要なのは、安倍ナントカ自身ですが、それも不可能でしょう。なぜなら彼の大脳辺縁系は相当に痛んで歪みきっており、脳医学では修復不可能だからです。「水に落ちた犬は棒で叩く」しかありません。(2013/2/28)

日本そのものが「追い出し国家」となった・・・!?
 日本の会社が「追い出し部屋」と呼ばれる部署をつくって冷酷に退職に追い込んでいます。パージする社員のリストラ計画を作成する労務課の社員も徹夜作業で、明日は自分を追放する計画を自分でつくる痛ましい悲喜劇を生んでいます。大手ではベネッセ、パナソニック、ソニー、NEC、朝日生命、ノエビア、セイコー、東芝などが報道されていますが、これらの企業は不買運動のターゲットとなり、もはや未来はありません。ベネッセの場合をみると、配属されると電話と名刺を奪われ、ダンボール箱の片づけやペットボトルの運搬などの単純作業を命ぜられ、すさまじいことに自分を受け容れてくれる部署を自分で探す社内就職活動をし、社内失業者として扱われ、みじめさで我慢できなくなって自主退職の道を選ばざるを得ない状況におとしいれます。人間の尊厳を奪い尽くして、気に入らないペットを処分するように消していく経営は、もはや野獣の世界でしかありません。最高裁判決では、10回以上の面談による退職強要は違法だそうですから、厚労省も9回までの退職面接は野放しにしています。いったい自分の職場の同僚が、哀しい後ろ姿をして会社を去っていくのを見て、残った社員はどう感じているのでしょう、経営者は平然と冷酷に嘲笑っているのでしょうが。企業のなかで横行する嫌がらせとイジメの文化は、次第に人間的な良心を麻痺させ、大人社会に蔓延するイジメは子ども世界に浸透し、学校の教室から追い出して自殺に追い込むサデイステックな頽廃をもたらしています。
 沖縄の美しい大地は米軍に占領されて、我が物顔にオスプレイが飛びまわり、安倍とか云う首相は米軍に媚びへつらいながら、沖縄県民を追い出し部屋に封じ込んで、沖縄県は米軍のものだから今すぐに出て行けと云っています。福島県では、原発のほうが大事だからとして、県民を原発の追い出し部屋に放射能を充満させて住めないようにし、16万人を追放することに成功しました。こうして日本の国と社会そのものが追い出し部屋と化し、日本列島に住めるのは一部の輸出大企業と原発企業、日本政府が提供する豪奢な自宅に住む米軍の兵士たちのみとなっていきます。追い出し計画に加担している多くの人が、自分も明日は追い出されるという恐怖におびえ、蜘蛛の糸にすがって他人を必死に蹴落とす修羅の姿となって呻いています。
 安倍ナントカは、食と農、医療、知的財産権などすべての経済主権を米国に売り払うTPP協定に参加し、米国企業が日本を食い荒らす植民地に転落させようとしています。日本列島は米国の多国籍企業のみが住める追い出し国家となり、日本の安全な農産物を食べたい人や、皆保険制度で安心して病院に行きたい人、日本で自主開発した技術で製品を作りたい人たちは、日本列島に住む資格はないとして追い出されますが、いったいどこへ住めばいいのでしょう。星条旗にひれ伏して、涙金をせびる乞食の生活になるのでしょうか。安倍ナントカは、日本史の教科書に21世紀初頭に出現した亡国の売国奴と記載されます。米国と刃を交えて靖国に眠る「英霊」たちに哀悼の誠を捧げる安倍ナントカは、祖国を裏切って星条旗に売り払った売国奴として、A級戦犯から唾を吐きかけられます。
 いったい安倍ナントカの精神構造はどうなっているのでしょう。少しばかりの精神分析を試みてみましょう。この人物は、伝統的な保守極右の家系に育ち、権威主義的な父親の影に怯え、母親への甘えのなかでしか安定を実感できない環境のなかで、オイデイプス的なコンプレックスを蓄積し、父殺しの幻影を抑圧して自らを成長させてきました。こうして深く刻みこまれた歪んだ思考を客観化して受け容れ、新たな自分の人格を開発することに失敗し、抑圧されたコンプレックスを父親に同一化する倒錯したアイデンテイテイを構築しました。こうした精神の持ち主は、他者の痛みへの直観的な共感の神経系は育たず、みずからを幻想の理念を実現する使命の持ち主と錯誤することでしか、生きがいはありません。安倍なんとかの表情とまなざしをよく観ると、どこかに不安をただよわせながら、なにかにすがりついて生きようとする倒錯神経症の患者によく似ています。こうした患者のモデルは、芸術家の途を絶たれて失格者として世を生きざるを得ないルサンチマンを、権力への意志に託したアドルフ・ヒットラーにあります。自分に敬礼をしながら行進する大群衆の一糸乱れるぬ集団の美学に酔いしれながら、権力の欲望に溺れていきます。同時に常に忍びよってくる「裸の王様」でしかないという不安と恐怖は、誰かを敵としてでっち上げ、そこに全力を集中して打倒をめざす虚妄の強さとなって投影されていきます。安倍ナントカの振る舞いは、こうした精神分析で部分的に説明できますが、その本質的な解明はできません。
 安倍ナントカなんとかという個人は、安倍ナントカ的な日本のシステムそのものを個人的に体現しているのであり、現代日本の社会そのものがもはやシステム限界に逢着して、パラダイム・チェインジをなしとげなければ崩壊するという局面にあることを告げています。安倍なんとかはこうしたシステムの根元を分析し、打開するプランニングができる能力も勇気もありませんから、とりあえずは身近にいる強力な星条旗の親分に媚びへつらって、ヨシ、ヨシ云うことを聞けば面倒見るよ−という言葉にすがって生きのびるしかありません。しかし星条旗は、自分自身の将来が中国やインドとの連携にしかないことが分かりきっていますから、日本をしゃぶるだけしゃぶって、不要となればいつでも冷酷に切り捨てるふるまいに容赦はありません。おそらく安倍ナントカもこうしたことを分かっているにもかかわらず、キャン、キャンと子犬のように鳴きながらすがりつかざるを得ないのであり、ここに日本のほんとうの悲劇があります。
 どうすればいいのでしょうか。日本の成熟した実力はそれほどにあわてることなく、生活を維持していくに十分なちからを持っていますから、互いに人間を大事にしながら、信頼し合えるシステムに切り換えるなかで、手をつないで前へ進んでいく状態をつくりだすしかありません。企業においてはすべての社員が解雇の不安が無くなって仕事に集中でき、学校ではイジメが無くなって学習に集中でき、病気になれば心配なく医者にかかれ、輸入食の途絶の不安から解放される生き生きした農業、自分たちの開発した技術が自分たちのものとなる知的財産など、革命なんて大変動なしでBHNが営まれる社会です。こうして生き生きとした活力が生まれ、経済も社会もより豊かに発展していきます。日本の企業が溜め込んだ内部留保から労働分配率を少し(1%ほど)配慮すれば、企業経営の不安なく移行できます。なぜこのような転換ができないのでしょう。オオカミが来るぞ、国際競争力が落ちるぞ、などの作為された幻想の神話のちからがあまりに大きいからです。”王様は裸”であり、裸でない王様はいないのですが、それでも王様に逆らうことは怖く、いつも水戸黄門の葵の印籠を待つようになります。しかし水戸黄門はいませんし、葵の印籠は自分自身の心のなかにしか育ちません。”ここがロドスだ! ここで跳べ!”と言われる前に、自分で跳ばねばならないのです。そうすれば、追い出し国家の扉は開かれ、安倍ナントカはすごすごと退散するでしょう。いや安倍ナントカも哀れな犠牲者の一人ですから、相応の責任をとって許されることになるでしょう。 まだまだ寒い2月が過ぎていきますが、卒業式は近く、桜のもとでの入学式もやってきます。日本の社会も早く卒業式を迎えて歪んだシステムに別れを告げ、新しい入学式の準備に入らなければなりません。(2013/2/25)

我が亡き後に洪水は来たれ!
 日本の労働力市場の崩壊が深く静かに進んでいます。総務省発表の数字の背後に日本の悲しい怨嗟のうめき声が聞こえて参ります。人間を踏み台にして営まれるシステムに未来はありません。この数字一つ一つが、救いを求める悲鳴を発しているようです(総務省・2012年労働力調査詳細統計、2月19日発表より)。

 雇用者総数 5154万人(前年比9万人減)
 うち正規雇用労働者 3340万人(12万人減)
   非正規労働者 1813万人(2万人増、調査開始来最高、男性19,7%、女性54,5%、男女計35,2%)
    うちパート・アルバイト 1241万人(12万人増)
      契約社員・嘱託 354万人
      派遣社員 90万人
 完全失業者(失業期間1年以上) 107万人(15−24才13万人、25−34才26万人)
 離職した完全失業者 204万人 (うち人員整理27万人、倒産離職21万人、前職が正規58万人、前職が製造業20万人)
 年収200万円未満雇用者 1782万人(うち非正規雇用1369万人、76,8%)
 週間就業時間35時間以上非正規労働者年収 
  男性 100万ー199万円34,5%、200万ー299万円32,4%
  女性 100万ー199万円57,0%
                    
 この数値を見て、涙をうかべ怒りが湧き起こってくる人が多ければ、日本にはまだ救いがあり、わが身を振り返ってホッとしたり、自己責任と冷ややかに切って捨てる人が多ければ、日本は滅びます。(2013/2/20)

No Licence No JUDO! なぜ日本女子柔道の黒帯は一本の白線が入っているのか!?
 「資格がなければ柔道はだめ」ー英国の柔道場にはられている英国柔道連盟の標語です。欧州の柔道では、指導者資格制度をパスした者しか指導ができません。フランスの柔道指導者国家試験(ブルベルダ)は、県・国・ナショナルチームの指導と5段階の試験で、解剖学・生理学・精神教育学・法律・柔道理論・実技・歴史が課せられ、70,80点以下は不合格で浪人する受験生もいます。ところがお家元の日本の柔道には指導者の資格制度はなく、全柔連の幹部が「お前やれ」の一言で、一般教養も生理学やコーチングの知識もない者が監督になります。日本柔道では、柔道を修業すると自動的に人格も高潔になり、人間ができるという前近代的な精神主義に汚染され、選手は目上の監督に絶対服従で主人と奴隷のような関係になります。日本柔道の選手の表情は、獰猛で知性が無く、大学時代に授業に出て、新聞や本を読むという知的生活を奪われ、体罰や暴力を内発的に身体化し、殴ることしか能力がなく、選手を強姦して恥じない犯罪者が監督として君臨します。但し筑波大柔道部などは徹底した科学的指導で、暴力や体罰により指導は一切なく、それでも世界と五輪チャンピオンを9人も排出しています。
 欧米の試合を見ると、選手とコーチや監督が大声で議論しているシーンが普通ですが、日本の試合では「バカヤロー、なにをやってるんだ」という言葉の暴力が横行しています。単なる経験者のシゴキという名の非科学的な、暴力的な指導が横行し、大脳に障害をもたらす重大事故が相次いでいます。1983年から29年間の死者は死亡事故118件、障害が残る事故は275件にのぼっています。これはもはや障害事故ではなく、傷害事件であり、指導者は過失傷害または過失致死で逮捕され、裁かれねばなりませんが、ほとんどは事故として処理されています。部活動の指導者が加える体罰は、権力者の暴力、虐待に他なりません。
 それにしても全柔連の男女差別はすさまじい。最高決定機関である理事会の理事23人、幹事3人に女性はゼロであり、都道府県代表からなる評議員会57人も女性はゼロです。日本の女子柔道をリードしてきた山口香氏(筑波大準教授、JOC理事)は柔道界の前近代性に批判的で排除されています。昇段試験における男女差別もすさまじく、講道館の内規では5段の要件は男子20才以上、女子27才以上であり、6段は男子27才以上、女子33才以上となっています。現在の柔道のトップ選手は、男女とも10歳前後から柔道を始め、柔道歴は同じなのに、なぜ女子に6,7年のハンデイをつけなければならないのでしょう。強化委員会で女子のコーチの発言には無言の圧力がかかり、ものが云えない雰囲気があります(増地筑波大女子柔道部コーチ)。国体青年男子は47都道府県が出場しますが、成年女子と少年女子は16,18チームしか出場枠がありません。男子は「○○6段」と呼ばれますが、女子は「○○女子6段」とわざわざ女子の言葉は入ります。日本の女子柔道の黒帯は一本の白線が入り、国際柔道連盟から「医者は男でも女でも医者だろう、帯で差別するな」と厳しく叱責されています。昨年の選抜体重別選手権終了後の五輪代表発表に、全柔連幹部はフジTVの要請に答えて、負けた選手の表情を中継させるという尊厳を踏みにじるような行為をおこない、会場全体が凍りつきました。選手をさらし者にして恥じない無神経をさらけだしています。
 選手が代表選手の選出方法と結果に疑問がある場合は、日本スポーツ仲裁機構に訴えて中立の立場から仲裁を受けることができます。00年のシドニー五輪で競泳の千葉すず選手が代表選考で落ち、国際機関のスポーツ仲裁裁判所に提訴して日本でも設けられました。仲裁は訴えた者と訴えられた者が同時に受託する条件があり、各競技団体は訴えられた側が自動的に応じる自動受託条項を採択していますが、全柔連のみが採択していません。柔道の世界で選手が指導者に物も言えない雰囲気があるのは、選手選考に不利になることが怖いからです。

 さて、子どもの時に受けた体罰は、子どもの成長期の脳を萎縮させ、感情や意欲に関わる前頭葉の一部は19%、集中力と注意力に関わる前帯状回が16,9%、認知機能に関わる前頭前野外側部が14,5%ほど、体罰を受けなかった人より小さくなります(ハーバード大学医学部調査)。前頭葉は、思考や自発性、感情や理性の中心で、人間性の核心であり、本能的な欲求や衝動をコントロールする機能が影響を受け、犯罪を誘発します。体罰を経験した者が自分も体罰をふるうようになるのは、脳科学の必然です。スポーツ指導者の体罰は、脳科学的には、自発性とやる気を削ぐ逆効果をもたらします。虐待や体罰で、脳は大量のストレスホルモンを分泌し、脳の発達を止め、以前に受けた体罰の記憶が残って鬱状態となって脳の萎縮が始まります。桜宮高校バスケット部主将は、顧問の体罰を受けて急性鬱状態となり、自死に到りました。子どもが鬱になりやすい敏感な時期は、5−7才の時期と15−17才の時期であり、この時期の脳はとりわけストレスに弱く、容易に心が折れ、現代の少子化のなかで兄弟間葛藤の経験がない子どもは、親の過干渉のなかでとくにストレスに弱い脳になっています。
 仕事や成績に対する高すぎる要求はストレスを高め、仕事の裁量権や自由度が低く、上司が権威的でサポートがないほどストレスが高まります。現在の日本の職場での競争原理と業績評価、非正規労働の不安と過労は、日本歴史史上かってないストレスを蓄積させ、精神病理学的な症状を多発させ、とくに若者たちの表情から精彩を奪い、ボロボロの状態に陥れています。精神病理学的に、短期の業績を追い求めるネオ・リベラリズムの経営は人間を荒廃させ、そのモデルのアメリカでは銃による無差別殺人などの凶悪犯罪を誘発させています。勝ち組といえども、いつ転落するか分からない不安を抱え込んで、他人を蹴落とさなければ自分がふり落とされるというスパイラルにおちいっています。もはや、アメリカと日本は未来のない滅びが約束されている国に転落しています。
 選手の自立性なしに強くならないスポーツほど、体罰の指導は少ない傾向にあります。とくにスタンドの大歓声で、指導者の指示が選手に伝わらず、瞬時の判断が要求されるサッカーのようなスポーツでは、体罰による脅迫的指導は逆効果となります。サッカーですら、日本の選手はゴール前での果敢なシュートの判断力が弱く、決定力がないのは、選手の自立度が低く、ゴール前でシュートできるのに他の選手にボールを回すというシーンがよくみられます。目立つ者を排除し、つねにまわりを気にして生きてきた日本文化の負の側面が反射神経にしみついているからです。
 ある研究会が1986年におこなった東京、埼玉、茨城の小中校の教師580人対象の調査では、体罰の絶対否定を決めた学校は校長など管理職が主導した学校と、職員会議の創意で決めた学校の2つのタイプに別れ、管理職主導の学校では体罰の絶対否定ではなく、原則否定の教師が63%、職員会議で決めた学校では絶対否定が73,6%となっています。どんなに優れた命題であっても、教師が自発的に決めたかどうかで大きく異なり、学校運営における民主主義が問われています。
 自立性のない文化は、強力な指導者への依存を深め、正しいから権威があるのではなく、権威があるから正しいという倒錯した意識をもたらし、社会にひろがれば独裁に安らぐ全体主義を自分から進んで求めていくようになります。AKB48に熱狂する若者たちは、日常にある疎外感と不充足感を無垢の清らかな処女イメージに投影させて、救いを求めているのであり、同時に橋下ナントカに投票します。では希望はどこにあるのでしょうか。希望とは希なる望みであり、希望がないところに却ってほんとうの希望がうまれるというパラドクスにあります。問題の在処を知った者が、一歩前に踏みだすときにしか道は開けません。そうした希望をフランクに語りあう小さな集いから始まって、街頭にあふれでる行進が生まれます。街頭での行進が姿を消していく国ほどに危うい国はありません。そこには互いが気持を語りあえる親密な関係がなくなって、互いにタコツボを掘って閉じこもる荒涼たる風景があり、微笑しながら人を支配する抑圧的な寛容がひろがり、体罰や暴力以上の呪縛をもたらします。いま日本はギリギリの生存を確保する末期的な症状にあり、逆に云えば夜明け前の闇はさらに深い状況にあります。ここがロドスだ、ここで跳べ!と宣せられても、もはや跳ぶ気力も残っていない疲弊に打ちのめされています。だからこそ、現代の魯迅が登場するチャンスが潜在的に準備されています。後世は21世紀初頭の日本が、崩壊かシステム転換かの選択の時代であったと歴史の教科書に記すでしょう。No Licence No JYAPAN!(2013/2/16)

我ラ世ニ遅レ不要ト言ハレタリ・・・
 倉本聡の演劇『明日、悲別(かなしべつ)で』が全国公演を展開中だそうだ。戦後の傾斜生産方式で戦略産業として繁栄した炭坑町が、エネルギー革命であっという間に斜陽産業となって閉山してヤマを追われる坑夫たちと、原発事故で福島を追われた人々を重ね合わせ、国家戦略に翻弄されて棄民される人々の悲哀と怒りを告発するシリアス・ドラマだそうです。炭坑の坑内の壁に刻まれた言葉は、その痛切な表現です(「天声人語」2月11日参照)。

 我ラ世ニ遅レ不要ト言ハレタリ ヨッテ此処を去ル 文明我レラヲ踏ミ石ニシ高所ニ登リテ 踏ミ石ヲ捨テル 踏ミ石ノ言葉既ニ聞クモノナシ

 なんという哀しい怒りの言葉でしょう。この言葉を刻んだ坑夫の無念の気持がこめられた告発の言葉です。戦後の高度成長を支えた坑夫たちは、故郷を追われて全国に散り、復興住宅で今度は重化学工業の使い捨て労働力となり、いま首都圏に膨大な電力を供給して、大都市の繁栄を支えた福島の16万人の人々は、 全国に散在して帰るあてのない生活を送っています。人のいのちを鴻毛のように軽んじてきた歴史に、いつ終止符を打つことができるのでしょうか。
 今日よりは明日は良くなるだろう、いま努力すればきっと報われるだろう、いま勉強しておけば必ず役立つだろうなどという明日への希望はとっくに消え伏せ、むしろ日本はもはや終わりではないかという不気味な不安がしのびよっています。巨大な市場の圧力が若者たちの全身を蝕み、切れば血が噴きだすような熱い心臓は消え伏せ、あたりをキョロキョロ不安げに見渡して業績評価を気にしながら、携帯のデイスプレーに癒やしを求めてさすらう息苦しい時代です。シニカルな無関心が浸透し、すべてはどうでもいいという呪われた時代となっているかのようです。相手を追い落として競争するしか生き残れない残酷な世にあって、せめて棄民されることのない必死の営みに翻弄され、誰も確信を持って未来への希望を語ることはなくなりました。はたして夜明け前の闇はもっとも深いのでしょうか。
 現代の棄民は若者たちに集中し、明日のない非正規に明け暮れる日々の喧噪のなかで、なんとかなるよーとつぶやきながら、このままやっていくしかない時代閉塞の現状は、啄木が歌った時代の再来のようです。すべてをあきらめて、いさぎよく屈伏する時なのでしょうか。いや、ミネルヴァのふくろうは夕闇とともに必ず飛びたつのです。闇深ければ、一隅を照らす動きがこの日本列島のあちこちで拡がっています。いまは分散しているこの潜在的な希望の光は、やがて巨大な奔流となって湧きい出るに違いありません。人を棄民して恥じない者たちの仮面を引き剥がして剥きだしにし、嬌笑する時代がくるでしょう。現代の戦争は、背広とネクタイで武装して闘われる意識の戦争ですから、「知は力なり」のほんとうの実験場となっています。人を棄民するシステムを見抜いて、パラダイムを変えていく知の武装が求められます。強い表現のようですが、要するに身近にいる人とフランクに語りあえば、シンドイのは自分だけではないというつながりが生まれ、ではどうしたらいいのかという前方への話し合いがうまれます。地をはうような陣地戦(グラムシ)の時代です。もはや知っている者は、一歩踏みだす、その一歩から道が切りひらかれていくのは、いつの時代も同じだと思います。(2013/2/11)

福島を忘れるな! フランスもドイツに続いて原発からの撤退を始めた
 フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)は、58基の原子炉が稼働し、電力生産の75%を原発に依存するフランスで、国際原子力機関(IAEA)の原子力自己評価尺度(INES)のレベル7(チェルノブイリ、福島事故)がどこかの原発で発生した場合の影響の試算を発表し、「影響は破局的で、国家に深く永続的な爪痕を残し、被害額は4300億ユーロ=55兆円で国内総生産の20%、放射性物質による汚染地域からの避難民は10万人に達し、輸出と観光客の減少、国境を越えた汚染の長期化がすすむ。レベル6(スリーマイルの1ランク上)では、被害額が1200億ユーロ、避難民は1万人に達する」と政府に警告し、オランド大統領は原発依存度を50%にまで引き下げ、フッセンハイム原発を2016年までに廃止すると発表しました。フランスの方向転換に対し、日本はどうでしょうか。
 世界でも希な地震列島である日本では、原発事故の発生確率はフランス以上にはるかに高く、人口密集地域に立地する日本ではフランスをはるかに上回る被害が発生します。ところが福島事故で、東電は国会事故調の1号機の非常用復水器の地震による破壊調査を意図的に妨害するという信じられないふるまいに及んでいます。福島の避難者は、フランスの推定を上まわる16万人という数に達し、いまだに緊急事態宣言は解除されていないにもかかわらず、政府は事故収束宣言を出し、、東電は賠償を打ち切っています。いまだに福島原発からは大量の放射能を放出し続けており、汚染された冷却水を海洋に垂れながし、ふたたび地震が起きれば、おそらく首都圏3千万人が非難することは確実です。
 ところがアベなんとかという首相は、「これからつくる原発は福島とは違い、津波対策をすれば安全だ」として、新たに増設するなどとうそぶいています。事故原因も確定的に究明できないまま増設し、電力企業の当面の利益とひきかえに、日本列島を壊滅に追い込む「あとは野となれ、山となれ」「我が亡き後に洪水は来たれ」というニヒリズムが蔓延しています。ある原子力村の幹部は、「原子力は、最終的には電力会社の責任で動かすものだ。数人の地震学者の意見で何兆円、何十兆円にも影響が及ぶことを決めていいのか。電力不足で死者が出るかも知れないのに。日本原電がつぶれると巨額の損失が出て、税金か電力料金で負担するしかないが、それでもいいのか。日本のエネルギー自給率はわずか4%で、海外の供給源が日本の足元を見て高くふっかけてくる。貿易収支赤字はもとより経常収支の赤字も招くだそれでいいのか」と日本経済破滅論で脅迫し、アベなんとかはそれに媚びへつらっています。
 いま日本列島にある54基の原発は、私も含めて高度成長期の原子力開発の未来性を幻想してきた日本の「進歩」の思想の虚妄を象徴する施設として、廃炉・解体後に外観を永久保存して負の記念碑とし、まだ生まれ来ぬ未来世代に詫びる証しとしなければなりません。取りかえしのつかない不可逆性の罪をもたらすような行為を、二度と繰り返さない決意の記念碑として、原爆ドームと同じように保存しなければなりません。
 いま日本は、国民の所得が減り続け、経済が停滞・後退する成長しないなかで、新たに原発を増設し、沖縄の全市町村長のオスプレイ撤去の建白書を無視し、株価と物価をあげるために狂奔し、世界でも例のない例外国家に転落してしまいました。日本は、システムそのものを基本から立てなおす転換が求められています。いまNHKの番組で、福島から非難した人が、「私たちのことを忘れないで、覚えていて下さい」と泣きそうな顔をして呼びかけています。(2013/2/10)

フーン、パリの女性はズボンの着用を禁止されていたのか?
 フランス政府は、1800年11月17日に施行された女性のズボン着用禁止条例の無効を宣言し、パリの女性は晴れて罪に問われることなく、自由にパンツ・ファッションを楽しむことができるようになったそうです(時事通信、2月6日)。エッ! あの人権と民主主義の国でこんなアナクロニズムの禁止令があったなんて! 1800年の条例は、女性に対し男性と同じ服装を禁じることで、特定の職業への進出を制限するねらいで、女性が男性のようにズボンをはきたい場合は、地元警察の許可を得るように規定し、1892年と1900年の自転車や馬に乗る場合に限って着用を認めるように緩和されましたが、条例そのものは現在まで残っていました。パリの女性は1789年のフランス革命のときに、貴族が好んではいたキュロットパンツノ代わりにズボンをはく権利を求めましたが、それは実現しませんでした。
 1789年のフランス革命の有名な人権宣言の正式名は、「人間と市民の権利宣言」ですが、これは実態としては「男性と男性市民の権利宣言」であり、女性はすべて排除されていました。コンドルセが女性の市民権を主張しましたが認められず、フランスの女性の参政権が実現したのは、じつに第2次大戦後の1944年であり、日本とほぼ同じでした。このようにフランス女性の市民権の承認が遅れたのは、『ナポレオン法典』(1804年)が婚姻女性の法的無能力を是認し、女性は第2級市民でしかなかったからです。
 しかし、ファッションの歴史からみると、男性がズボン、女性がスカートという固定化されたファッション規範は、男性=労働主体、女性=家事労働・育児主体という社会的な分業の性的固定化の表現であり、女性はスカートの強制のなかで社会的労働から排除されて、家庭内に固定される性別の役割分担が埋めこまれてきました。女性はコルセットで身体が変形するような苦しいファッション(日本では振り袖)によって、男性のまなざしの鑑賞の対象となり、男性の公的分野に進出しようとした女性はジョルジュ・サンドのように男装せざるを得ませんでした。芸術で女性ヌードのアトリエ・デッサンに、女性画家の参加が許されるようになったのも、ごく最近です。男性が独占していた職業への女性の進出を抑えるために、女性のズボン着用を禁止したことは、おそらく男性のギルド的な職業の防衛の意味もあったのでしょうが、それにしても、世界のファッションをリードするパリ・コレのお膝元のパリで、女性のズボン禁止令が今もあったとは驚きです。(2013/2/7)

愛媛県警捜査マニュアル(被疑者取調要綱、適性捜査専科生対象)は、なにを示すか?
 2006年に流出した愛媛県警の警察学校の講義用に作成された捜査マニュアルは、密室捜査で冤罪がつくられる過程が赤裸々に示されています。

 ○粘りと執念を持って「絶対に落とす」という気迫が必要
 ○調べ室に入ったら自供させるまで出るな
  ・被疑者の云うことが正しいのではないかという疑問を持ったり、調べが行きづまると逃げたくなるが、そのときに調べ室から出たら負けである
 ○被疑者はできる限り調べ室に出せ
  ・自供しないからといって、留置場から出さなかったらよけい話さない
  ・否認被疑者は朝から晩まで調べ室に出して調べよ(被疑者を弱らせる意味もある)


 すごいですね、江戸期以来の自白偏重の実質的な拷問の勧めに他なりません。「被疑者=推定無罪」とか、「100人の有罪の者を取り逃がそうとも、1人の無実の者を有罪とするな」ーという近代刑法の思想などは吹っ飛んでいます。捜査の基本は、証拠にもとづいて容疑者の矛盾を暴き、犯罪の真実に迫っていく冷徹な思考と行為の過程であり、執念といったパトスはそれを基礎から支えるミッションでしかありませんが、愛媛県警の捜査は被疑者を恐怖と疲労困憊におとしいれて、有無を言わさぬ自供に追い込んでいく前近代的な非科学的な捜査以外の何ものでもありません。
 こうした捜査では、一般的には強面の取調官と優しそうな取調官がペアーをくみ、最初は徹底的にハードな取り調べから入り、ときには柔道場に連れて行って柔道の練習と称して痛めつけ、クタクタになって取調室に帰ると、代わりに優しそうな取調官がお茶でも一杯飲め、とかいってホッとさせ、夕暮れが迫って寂しさがただよう頃に、「お前のオッカサンが草葉の陰で泣いているぞ、全部しゃべって楽になれ、いましゃべると罪は減るぞ」などといいます。多くの無実の者がやってもいないのに自白するのは、だいたい夕暮れ時です。
 あるいは長時間にわたって、取調官とともにいると、奇妙な一体感情が生まれ、被疑者は取調官にすべてをまかせよう、この人は自分のことを考えてくれているなどと思いこんで協力に至ります。戦前期までは徹底して非情な拷問による肉体的苦痛で自白を強要しましたが、現代では冷酷無比と人情、ハードとソフトをいかに組みあわせて、被疑者を自白に導くかがプロの取調技術です。
 いま法制審議会による取調可視化が議論されていますが、昨年4月から9月に可視化試行で取調を経験した取調官へのアンケート結果は次のようになっています(1116人対象)。
 録音・録画の有効性について、大きな効果がある24,3%、ある程度効果がある67,2%、効果がない3,9%、分からない4,6%で、90%を超える取調官が効果を認めています。ところがこの会議の捜査側委員である最高検検事は、「全面可視化は凶悪犯罪や組織の背景にいる真の犯罪者を野放しにする危険性がある」との驚くべき反対意見を出しています。今までの捜査で、組織犯罪(とくに政治犯罪)の背後にいる黒幕を隠蔽してきたのはむしろ検察であったのですから。ようするに第3者の検証に耐え得ないような前近代的な捜査なしに、捜査はないという日本の捜査水準の貧困が露呈しています。
 精神的、肉体的なプレッシャーなしに真相は明らかとならないという捜査思想は、体罰という身体暴力なしに強くならないという反人間的な日本型スポーツと同じであり、いつまでも無実の者を有罪とする冤罪と、体罰による死者や自死者などの犠牲者が出ることに、なんの痛みも感じない倒錯した人格を示しています。(2013/2/4)

民主主義は、それ自体では機能しない−ドイツ・メルケル首相のナチス政権把握80周年記念演説から
 1月30日のナチス政権把握80周年記念特別展「ベルリン1933−独裁への道」式典が、首都ベルリン市内の旧ナチス秘密警察(ゲシュタポ)本部跡地で開催され、ドイツ首相・メルケル氏は開幕式で次のように述べています。

 「国家社会主義(ナチズム)の進展は、エリート層やドイツ社会の大多数の人々が加担、支持したことで可能となった。マルクス、フロイト、トーマス・マン、クルト・トウホルスキーなどユダヤ人作家や共産主義者、平和主義者等の作品の焚書に多くの学生や学者が加わったことが示しているように、ドイツ国民はナチス犯罪に恒久的な責任を負っている。人権や自由、民主主義は、それら自体では機能しない。人間的な社会を構築するためには、自身と他者に責任を持ち、互いに尊敬し合い、気を配り合う人々が必要だ。過ちを繰り返してはならない

 首相がA級戦犯を慰霊している神社に参拝して尊崇の念を捧げ、従軍慰安婦の戦争犯罪はなかったとし、天皇制を復元し、戦争国家に向かう改憲を宣揚している東アジアの島国とのなんという非対称性を示しているのでしょう。ドイツ首相も保守系のドイツ国民を代表していますが、ここにみられる歴史認識の差異にはため息が出るような落差があります。とくにメルケル氏が、戦後責任を全面的にみとめ、「ドイツ国民は恒久的な責任を負っている」としていることは驚きです。日本でもし、首相がこうした発言をしたなら、熾烈なバッシングを浴び、極右のテロを覚悟しなければならないでしょう。ただし、現代のドイツがNATOによるユーゴ空爆や、イラク戦争への米軍加担など戦後犯罪を繰り返してきたことへの言及はなく、ここにドイツ保守派の限界があることも指摘しなければなりませんが、とにかくも、第2次大戦の過去の罪責にはきっぱりと向きあって克服するという合意が埋めこまれていることは称賛に値します。
 なぜ日本はこうした無残な歴史認識をいつまでもひきづり、さらには過去の伝統への回帰にのめりこんでいくのでしょうか。戦後民主派は、市民が自ら立ちあがって王政や独裁を倒す市民革命の経験をもたなかったことに源流を求めますが、そうした未完の近代論はハーバマスのようにドイツでもおなじです。戦後民主派は、西欧をモデル化して日本の後進性を語ってきましたが、戦後は西欧から一転してアメリカ・モデルへの賛美に展開し、そうした他者モデルへの奴隷的な依存が現在の日本の惨状をもたらし、保守派の日本モデルへの回帰となって伝統回帰をもたらしています。民主主義への日本的な道というのがあるはずであり、西欧モデルの日本への適用ですべてを語るというスタイルを払拭することが求められます。以下続く。(2013/2/1)

植民地従属国とはなにか?
 国家主権を宗主国が把握し、主権を喪失した国を植民地従属国とすれば、日本は限りなくこの定義に近いにもかかわらず、実態の意識は独立があたかも常識のように蔓延し、その乖離と非対称性がこれほどに際だっている国はありません。日本列島に外国軍基地が張りめぐらされて制空権を失い、外国兵の犯罪が事実上の治外法権にあり、沖縄は事実上の外国領土に等しい状態にあり、日本政府の中枢がCIAのエージェントであることは公然の秘密です。福島第1原発の事故の最中において、米太平洋軍統合司令部が日本政府の中枢に参画して、事故処理に当たろうとしたことはそれを浮き彫りにしました。「美しい国」を宣揚する「極右の超国家主義者」(『エコノミスト』)と名指されたアベなんとかは、こうした祖国の隷属を冷笑しながら、靖国に参拝する姿を屈辱とも矛盾とも思わない精神的破綻を露呈しています。またまたここに来て、日本の醜悪な植民地の実態を露呈する事実が明らかとなりました。
 砂川事件のときの最高裁長官が、事前に判決内容をマッカーサー大使にお伺いを立てるという奴隷のようなふるまいを演じていたことが明らかとなりました(ジャーナリスト・末波靖司が2011年9月に米国公文書館で入手)。砂川事件とは、米軍立川基地の拡張をめぐり、東京地裁の伊達秋雄が米軍駐留は憲法9条2項に反するとした伊達判決を出したものです(59年3月)。最高裁がこの判決を破棄する過程をみてみますと、マッカーサー大使は藤山外相に高裁への控訴をとびこして最高裁への跳躍上告を迫り、田中最高裁長官は事前に大使と「非公式の会談」をおこない、次のように述べています(米政府解禁文書より)。

 「最高裁が来年の初めまでには判決を出せるようにしたい。東京地裁の伊達裁判長が憲法上の問題について判決を下したのはまったく間違っている。15人の裁判官の幾人かは、手続き上の観点から、他の裁判官は法律上の観点から、また他の裁判官は憲法上の観点から問題を考えていることを示唆した」(マッカーサー大使の米国務長官宛て極秘電報、59年11月5日) 

 田中耕太郎の信じがたい卑劣なふるまいに言葉もありません。事前に判決内容の基本を外国大使に伝えて了解をとり、判事の意見など審理内容をもらすなど、完全に国家公務員法違反であるばかりか、スパイとして外国大使の了解を求めるなど司法権の独立を自ら蹂躙する醜悪な行為は、もはや植民地従属国の裁判に限りなく近づいています。この極秘電報の1ヶ月過ぎに、最高裁判決が出ていますから、米政府は日本の最高裁判決の内容を事前に把握し、了解を与えていたことになります。重大な主権侵害を自ら演じた田中長官は訴追されるべきであり、立川事件の審理はやり直さねばならないこととなります。星条旗にひれ伏して、親分に従うヤクザのようなふるまいは、現在もなお、この列島にうずまいており、日本の文化と精神構造にはかりしれない歪みをもたらしています。日本のあらゆる社会の分野で、盲目的に権力と権威に追随し、主体の思考を放棄して他者の頭脳に判断を委ねる文化が浸透し、上位への媚びへつらいは下位への垂直的な移譲となって蔓延しています。日本が独立性を奪われていることは、各分野への波及効果をおよぼし、企業や学会での権威主義、学園やスポーツ界での暴力的体罰と本質的に同じ構造を誘発しています。犯罪を集団的に隠蔽し、仲間内で加害者を守る行為のシステムは、日本の国家権力の中枢が星条旗に媚びへつらうシステムの拡散現象でしかありません。こうした醜悪なシステムの浸透する個々の場で、尊厳に対する蹂躙への抗議の反対がごく自然に起こらなければ、日本はすでに死に体です。柔道の日本女子代表メンバーが、監督の暴力を告発する必死の行動に踏みきった行為は、日本のスポーツ界を再生する崇高な再構築の行為であることを無条件に認めねばなりません。日本の大地と空を踏みにじって体罰を加える外国軍は無条件に告発されねばなりません。日本の大地と空と海を放射能でノーマンズ・ランドと化す原発原理主義を推進する人々は、他者の生命を奪う殺人犯として無条件に投獄されねばなりません。もはや日本は終わりではないかというシニシズムに抗して、声を上げる最後のときが近づいています。(2013/1/31)

アベノミクスは早くも破産したー日本は国家的破綻を迎える
 政府と日銀は2%の物価上昇を達成するまで、無期限の日銀券増発という狂気のような共同声明を発表しました。現在市中に供給されている通貨発行量は、GDP比で26%に上り、米国16%、ユーロ18%とくらべても異常な発行量です。まるで子どもの買い物が少ないのは、小遣いが少ないからだと、親が勝手に輪転機を回してお金を子どもに渡すような話であり、誰もそんなお金は信用せず、売らなくなることは目に見えています。親が仕事をして稼いだお金を子どもに渡すなら正常ですが、誰が架空のお金を信用するでしょうか。現状は十分すぎるほどにお金があるのに、失業と非正規就業で収入が少なく、誰も買わないから物が売れなくてデフレが続き、企業の投資先がなくなって内部留保を銀行に溜め込んでいるだけです。超天文学的な借金国家となっている日本で、さらに国債を増発して日銀が買い取れば、日本国家は破綻します。
 アベノミクスは国際為替相場を大混乱に導くとして全世界から猛烈な批判を浴びて、国際的な不信感をかっています。ドイツ連邦銀行総裁は、「アベノミクスは中央銀行の独立に深刻な干渉を行い、中央銀行の独立性を脅かしている。例えば報道の自由と司法の独立性を侵害するハンガリーと同じように、日本では新政権が中央銀行に大きく干渉し、大胆な金融緩和を要求して独立性を脅かしている。日本政府の政策の帰結は、為替相場の政治化だ。これまでは国際為替相場は通貨安競争なしに危機をくぐり抜けてきた。その継続を切に望む」と真っ向から批判しています(21日)。米国自動車業界は、「アベノミクスは通貨安競争を招く近隣窮乏化政策だ」と批判し、国際協調を破壊して自分だけ得をしようとする日本を批判しています。イングランド銀行総裁は、「日本など一部の国が自国通貨切り下げを講じており、各国があらそって通貨安をめざす通貨戦争が起こる懸念がある。世界的な不均衡を是正するためには、貿易赤字国の内需を抑制し、黒字国の内需を増やさねばならない。こうした調整をしなければ、自国通貨切り下げを通じて輸出振興をはかる国がますます増える」(22日)と日本に警告しています。アベノミクスは国際的に完全に孤立してしまいました。
 アベノミクスの影の主導者は、おそらくタケナカなんとかというネオ・リベラリストなのでしょうが、彼こそが日本経済のそれなりに機能していたシステムを破壊して、現在の大不況を招いた元凶なのですが、政府の日銀介入という政策こそ、みずからの理論と真っ向から矛盾する政策をうちだして恥じない研究者としてのモラル・ハザードを剥きだしにしています。要するに、物価が2%上がる前に何か買っておこうという駆け込み需要しか期待できないのですから、まるでギャンブルのような政策です。タケナカなんとかは、カジノを誘致してギャンブルを流行らせれば、景気は回復するといっていますから、まるで経済を博打のようにみています。デフレ大不況の最大の原因は、国民の実質所得が1997年比で102万円も減少し、その減少分が企業の内部留保260兆円となって溜め込まれ、消費と設備投資の循環を断ちきったところにあります。ここにメスを入れない限り、大不況からの脱出はありません。
 政府は日銀に雇用責任を負わせる日銀法改正で、日銀を脅迫し、日銀総裁は屈伏してしまいましたが、日本銀行史に残る最悪の選択をした総裁として記録されるでしょう。世界史上空前の赤字を赤字を抱える国家財政と、経常収支の赤字を抱え、円は通貨としての信頼を失い、日本国家は破綻します。このまま進めば・・・。(2013/1/24)

これが「美しい国日本」なのか−自己責任論の惨憺たる姿
 「健康で文化的な最低生活をいとなむ」生存権(憲法第25条)は、人間が生まれながらにしてもっている奪うことのできない基本的な人権であり、ナショナル・ミニマムの最後のセイフテイネットの砦が生活保護の制度です。昨日の厚労省報告案は、生活保護の手前にある貧困者には就労を優先する仕組みを導入し、扶養能力のある親族者が扶養を拒否する場合の説明責任を求め、光熱費・食費という根幹の保護扶助費を10%削減するという驚くべき内容となっています。昨年初めの札幌市の姉妹孤独死事件は、福祉事務所が「まず働け」として保護申請を拒否したことが原因であり、精神的に追いつめられた姉妹は、逆に自立への就労意欲を失ってしまい、この世に絶望して餓死に至ったのでした。親や兄弟に知られたくないと保護申請をためらう人にとって、親族の説明責任の強要はさらに絶望を深めて生活を悪化させるでしょう。大不況のなかで非正規と半失業が常態化し、生活保護以下の収入しかない人がふえているのを理由に生活扶助費をカットすれば、非正規と半失業のもとで必死にがんばっている子育て世帯は致命的な打撃を受けます。住民税の非課税、就学援助、保育料などの福祉基準はすべて生活保護基準をベースにしているからです。
 これが一将功なりて万骨枯る、弱者を追いつめて恥じない「美しい国日本」の実態であり、19世紀型救貧思想の再版としての自己責任論の醜い姿です。「就労可能な人が就職できない場合は、本人の望まない職種や場所での就職を迫り、低額であってもいったん就労させる」ことを基本とする案は、明らかな強制労働の強要であり、労働市場全体の水準を引き下げてさらなる貧困を誘発します。さらに支給された保護費の支出状況を調査し回答の義務を負わせることは、自由使用の原則を蹂躙し、受給者の生活を国家が完全に管理することになります。現在の生活保護の捕捉率(基準未満収入世帯の受給率)は約10%という異様な低水準であり、生活保護を受給しない年金受給者の17%は年額50万円未満という飢餓水準にあり、彼らは行き倒れ、餓死、治療なしの病死がいつ起きても不思議ではない情況にあり、救済基準は飢餓水準に近いのです。生活保護の利用を門前払いしてきた抑圧は、利用者に自分は駄目な弱者だ、親族からつまはじきなどのラベリングをうみ、生活保護を回避して耐え続ける貧困者を大量につくりだしてきました。しかしこの大不況で、生きるためには恥を忍んで受給する人たちが増え、さらにバッシングを呼ぶというスパイラルをうんでいます。もしこのまま生活保護受給者が増えれば、生活保護を受けないでいる人たちが怒り出し、その批判が受給者に向かううちはいいのですが、もし政府に向かえば大変だという恐怖が政府に怯えを呼び、保護基準の切り下げという攻撃的政策となっています。
 こうした前時代的な救貧思想のアナクロニズムへの逆転の背景にはなにがあるのでしょうか。最先端の社会脳科学は、人間が社会生活をいとなむ大脳の機能を次々と解明していますが、社会的な認知機能には、他人の心の痛みを自分の心の痛みとして感じる共感や同情の機能、他人のために自分の利益を考えずに行動する利他性の機能、自分の言動を振り返って反省する自己認識の機能、集団で協力して1つのことを成し遂げる協調性の機能などが生まれながらに備わっており、こうした社会的な認知の機能によって人間は他の動物にはない素晴らしい文化を形成してきたことを明らかにしています。そうした機能をになう大脳の領域はほぼ解明され、前頭葉内側面の基底部、頭頂葉内側面、側頭葉内側部にあります。おそらく報告書を出したメンバーは、こうした大脳の領域がなんらかの原因で侵されて欠損し、他人の心の痛みを自分の心の痛みとして感じる共感の機能がいちじるしく損傷を受けていると思われます。
 ではなぜ彼らはこうした特定の領域が損傷を受けるに至ったのでしょうか。大脳の発達機能は潜在的には自己複製遺伝子として組み込まれていますが、生育する外部環境のなかでさまざまの影響を受けて発達が阻害される場合があります。認知症はなんらかの原因で前頭葉基底部の機能が低下したことによって発症します。報告書の作成者たちは、おそらく生まれてからの生育過程で、自己責任の競争原理のなかで成長し、集団的な協働の脳神経系の発達が阻害され、他者の痛みへの共感をつかさどる前頭葉の基底部が損傷しているものと思われます。こうした損傷が極大化すれば、他者の不幸に快感を感じるようになり、他者を虐めないではおれない神経が形成され、ゆがんだサデイズムにいたります。コイズミとかタケナカ以降の日本は修羅の競争システムの地獄のような悪無限にありますから、外部の競争環境と自分の欠損した神経系が相乗効果を生み、はてしない富と貧困の非対称性に無感覚となるばかりか、弱者や貧者を見ると同情よりも憎しみを感じるように歪んでいきます。

 こうした競争システムのモデルはアメリカ発であり、銃による無差別殺人が横行し、祖国のために命を賭ける兵士の自殺が激増するという非対称性の世界がひろがっています。2012年に自殺した現役米兵は史上最悪の349人(!)にのぼり、アフガン戦線での死者229人をうわまわっています。海兵隊は48人で50%増加し、未遂者を含めると179人という過去最悪の数字です(ワシントン・ポスト、15日付け)。こうした自殺者は、多くが祖国の競争原理の敗者として前線におもむき、虚構の大義のもとで殺人者となる無残に絶望してPTSDを発症して自死にいたっています。
 死者6434人、家屋全半壊約47万世帯の被害を出した阪神・淡路大震災から18年経ちましたが、仮設住宅と復興公営住宅での被災者の孤独死は1011人にたっしました。仮設・公営住宅の多くは、抽選でバラバラになってコミュニテイが破壊された孤独のなかで、見守りのスタッフはほとんど非正規の職員で、断熱性がないすきま風の吹くなかで、仕事を失い生きる希望がなくなり、高齢と病気の中でアルコール依存となり、水道と電気を止められ最後は衰弱して餓死していきます。
 「男性は餓死に近い。枕元に酒のパックと履歴書があり、冷蔵庫は自治会が配ったリンゴだけだった」(97年、神戸市中央区仮設住宅)
 「死後2週間の男性は風呂上がりの裸のままでうつぶせになり、うじがわいていた」(07年、神戸市北区復興県営住宅)
 「女性(53)は真夏にもかかわらず料金滞納で市に水道を止められて衰弱死した」((97年、神戸市中央区仮設住宅)
 住宅は抽選で用意するから、あとは自己責任で自力再建せよーという国と自治体の棄民政策の結果であり、おなじことが東北大震災で繰り返されています。これが大脳神経系の共感領野が損傷した極右ネオ・リベラリストの唱える「美しい国日本」の真実の姿です。(2013/1/17)

銃を持たないと生きられない国とはなんだろうか?
 昨年12月のコネテイカット州の小学校での乱射事件で26人(うち20人が児童)が殺害された米国では、銃規制をめぐる動きが活発となっています。先日のニュースでは、家庭にある銃をスーパーの金券と交換する運動のそばで、銃器販売会に殺到する市民の姿が報道され、規制対象となりそうな重機関銃をあらそって買い求める市民の姿が映しだされ、亀裂の深さを実感させられました。オバマ大統領のめざす銃規制は、購入者の身元調査が中心で、半自動小銃のような軍事用兵器の規制さえ対象に入らず、拳銃の禁止などとてもではなく、ほとんど規制の実質的な意味はありませんが、それでも全米ライフル協会の猛烈な反対にさらされています。なぜ米国は銃で武装しないと生きられないような野蛮な国になったのでしょう。
 経済学者ジェフリー・サックスは「米国はヨーロッパ人が先住民や奴隷を力で支配してつくった征服社会だからだ」と説明していますが、では同じ征服社会であるカナダでは銃所持が禁止され、銃がなくても安全な国になっているのでしょうか? 武器を携帯する権利は17世紀から18世紀の英米を中心とする欧州で、市民が自由を獲得し、それを守る集団的権利として肯定され、特定の集団が銃を独占する常備軍ではなく、市民が武装する人民軍や国民義勇軍を組織することが優先されました。ところが米国のみがこの伝統を放棄し、憲法修正第2条で銃保持の意味を逆転させ、一人ひとりの人間は互いにすべて敵であり、誰もがみずからの財産を盗もうとする者に警戒する権利をもつと規定しました。こうして武器を携帯する権利は、圧政から自由を守る人民の抵抗権から、個人の財産を守る権利へと転換し、自由(正義・平等・連帯)をもとめるフランス革命の理念はアメリカでは消えてしまいました。
 財産権の防衛という個人の自由へと自由が狭まれていったアメリカでは、人間への観方を根本的に変えてしまい、人間は本来的に悪であるという悲観的な人間観を生みだし、人間の本性にある他者との抗争を食いとめるためには、武器を持った個人のみが自由を実現できるのであり、「もしも仮に人間が天使だったら、政府など必要はないはずである」(ジェームズ・マデイソン)というホッブス的な考えに頽廃していきました。ここから銃所持は市民の自由を守る基本的な人権であり、銃規制は政府による個人の自由への不等な介入であるという主張が根強い支持を受けるようになります。こうした財産権を至高の自由とするアメリカの自由観は、富裕層や大企業への課税強化への反対につながり、財産権を脅かす対テロ戦争へのネオコン的な単独行動主義と一国覇権主義をもたらします。
 こうした銃の自由所持は互いに殺し合う悪無限の地獄の惨状をもたらしますから、アメリカを除く世界の国々は、銃を所持する権利を特別の集団(警察)のみに限定し、銃を持たない市民の安全を市民社会全体で守ろうとするシステムに切り替えていきましたが、アメリカの根強い利己主義から生まれる他者への不信は、こうした市民的な意識の成熟を生むことに失敗してきました。だからおそらく、アメリカ自身がみずからの歴史をのりこえて、フランス革命的な連帯の市民社会への転換をめざさない限り、米国の銃社会はなくならず、乱射による大量殺害はこれからも続いていきます。とても残念なことですが、問題はアメリカ国内にとどまらず、銃の論理が国際的にアメリカナイズし、暴力の連鎖を誘発していることです。
 そしてさらに問題となるのは、日本の首相がアメリカの単独行動主義と握手して重武装する戦争国家をめざしはじめたことです。自民党の改憲案第98条は、「わが国に対する外部からの武力攻撃、内乱などによる社会秩序の混乱、地震などによる大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、内閣総理大臣は緊急事態の宣言を発することができる」とし、改憲案第99条で「(緊急事態宣言のもとで)内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができ、・・・何人も国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない」としています。これは戦前期の緊急勅令などの非常大権による独裁に他なりません。さすがに議会の停止までは云っていませんが、実質的に議会は機能を停止します。かってヒトラーが選挙で多数を得て合法的に独裁を実現したファッシズムの歩みを繰り返そうとしています。かって戦前期に北一輝が天皇大権による軍部クーデターを企てた論理を憲法に制度化しようとしています。つい最近までの日本では、このような改憲案は、赤尾敏のような一部街頭右翼の子どもじみたスローガンでしかありませんでしたが、いまや極右も赤面するような超国家主義が日本政府の中核を握ったのです。
 悪夢のようなファッシズム独裁国家の時代が、一度目は悲劇として、2度目も悲劇として訪れようとしています。非常事態のもとでは、このようなサイトは閉鎖され、私も逮捕されるでしょう。どうしてこのような潮流が政府の実権を握ってしまったのでしょうか。さまざまの複合的な原因が考えられますが、バブル崩壊後の大不況のなかで、1929年の世界大恐慌のドイツに近い変化が起こっており、選挙による代議制のデモクラシーが機能マヒにおちいり、強力な独裁による一点突破に虚構の救いを求める心性が醸成されつつあるように思います。K・シュミットのような非常事態を打開する国家権力の発動の理論が受容される基盤がじょじょに浸透しています。2人に1人にのぼる若者の非正規の追いつめられた失望が出口を求めて殺到して憎しみに転化していくようになれば、「われわれは豊かにならんがために貧しくなった」(ヘルダーリン)という大惨事の時代が到来するでしょう・・・もうこれ以上は申しません。「知ることに果敢であれ(dare to know)、果敢である術を知れ(know how to date)」というカントの言葉が重い意味をもつ時代となりました。(2013/1/16)

人をなめるとは?
 「なめる(舐める・嘗める)」を広辞苑でひきますと、@舌の先でなでる。ねぶるA味わう。玩味するB(辛いことや苦しいことを)十分に経験するC(炎の舌先が触れて)焼き尽くすD(「なめ(無礼)の動詞化で)相手又はことを頭から馬鹿にしてかかる。みくびる。−とあります。さすがに新村出氏は日本語の多様な意味を網羅してすごいですね。今日はD無礼の典型的な事例を紹介したいと思います。
 米国海兵隊は、昨年10月に沖縄県民の反対もものかわ、MV22オスプレイという戦闘ヘリ12機を宜野湾市の普天間基地に配備し、今年の夏には更に12機を配備しますが、驚いたことに今度は米空軍が嘉手納基地に空軍仕様のCV22オスプレイ8機を配備する計画を発表しました。米空軍特殊作戦司令部(AFSOC)の作戦計画では、2010年米会計年度に嘉手納基地の第353特殊作戦軍(353SOG)へ配備するとしています。普天間の場合は既存のCH46ヘリとの交替ですが、嘉手納には特殊戦闘ヘリは存在せず、単なる負担の増大となります。CV22はMV22に比してはるかに事故率が高く、被害額200万$以上のクラスAの事故率は10万時間あたり13,47で米軍機では最悪であり、被害額が50万−200万$未満のクラスBの事故率は31,4にも達しています。CV22は特殊部隊の投入と回収を任務とする最も危険な戦闘ヘリであり、MV22と合計して30機を超えるオスプレイが日本列島をすさまじい戦闘訓練の場と化し、かならず日本人の死者が発生します。
 これほどに沖縄と日本を侮辱する米国のふるまいの背後には何があるのでしょうか。広島と長崎に原爆を投下した米国のレイシズムとオリエンタリズムが、絶えることなく現代にも連綿と流れていることを意味します。米空軍長官は国防総省での11日の記者会見で、質問に応えて薄笑いを浮かべながら、日本への配備にYESと答えていました。私はこの薄笑いに米国の醜悪なレイシズムの象徴をみる思いでした。まさにそこには、「なめ(無礼)」の動詞化した「相手を頭から馬鹿にしてかかる。みくびる」卑しい心性がにじみ出ているように感じました。イラク兵の捕虜を全裸にして、犬をけしかけて痛めつけて嬌笑しながら記念撮影するイラク派遣米女性兵士の醜い心性と同じです。
 日本列島の空港は、市民のいのちとくらしをまもる消防防災ヘリとドクターヘリが離着陸する飛行コースと、米軍機の低空飛行訓練コースが入りくんでおり、オスプレイの垂直離着陸訓練は最も危険な衝突事故を誘発します。しかも米軍機の訓練は事前通告が不備で、しかも予定コースを離れて勝手に飛んでいますから、とくにオスプレイの事故率の高さは脅威となります。米本土では市民の反対運動で配備と訓練ができない戦闘ヘリの唯一の実験場が沖縄と日本列島になっているのです。米兵が星条旗のための死を覚悟して働くのは、あなた方の自由であるかも知れませんが、他国の無辜の市民を犠牲にして訓練することに痛みはありませんか。日本政府の皆さんは、自国の市民のいのちを犠牲にして外国軍に忠誠を尽くすみずからの姿に恥じらいを覚えませんか。民族の尊厳を蹂躙されてなお媚びへつらう者は、売国奴といわれても仕方がありません。自衛隊の存在の正統性はここでは問いませんが、祖国の防衛にいのちを賭けている自衛隊員の皆さんは、外国軍の指揮下にあるみずからの軍隊に疑問を感じませんか。航空自衛隊の皆さんは、福島原発に決死隊として突入を命じられ、上空から水を投下して大量の放射能を浴びています。こうした「崇高な」自己犠牲に献身しながら、日本列島を外国軍が気ままに低空飛行訓練をして、日本の無辜の市民のいのちを犠牲にする姿に、おそらく深い疑問を感じていると思います。23才でフィリピン戦線で戦死した竹内浩三は、次のような詩をつくってこの世を去りました。ひょっとしたら、いまの日本は大量の浩三をうみだそうとしているのではないでしょうか。

   骨のうたう(第3節) 竹内浩三

 白い箱にて 故国をながめる
 音もなく なんにもなく
 帰っては きましたけれど
 故国の人のよそよそしさや
 自分の事務や女の身だしなみが大切で
 骨は骨 骨を愛する人もなし
 骨は骨として 勲章をもらい
 高く崇められ ほまれは高し
 なれど 骨はききたかった
 絶大な愛情のひびきをききたかった
 がらがらどんどんと事務と常識が流れ
 故国は発展にいそがしかった
 女は化粧にいそがしかった       
 (2013/1/13)

アメリカ市民意識の虚構−考えてみれば、これほどの戦争犯罪はない
 2003年の3月にブッシュ政権がはじめたイラク戦争は、戦争目的であった「大量破壊兵器」が存在しないことが明らかとなって、明確な戦争犯罪でしかありませんでした。一方的な侵略行為を訴追できない国際社会の虚構は、考えてみればこれほどに恐ろしいことはありません。それに加担した日本政府の犯罪についても、日本ではなんら再審することはなく、米国の国連を無視した単独行動主義を事実上追認するという現代史の闇となって審判を免れています。戦争犯罪に時効はありませんから、ブッシュと日本政府は必ず国際法廷でいつの日か裁かれるでしょう。膨大なイラクの死者たちは、決して米国と日本を永遠に赦さないでしょう。日本を除いてイラク戦争の再審が始まり、米紙ハフィントン・ポストは1月に実施した世論調査でアメリカ市民のイラク戦争観を伝えています(1月7,8日実施 1000人米国成人対象)。

 米国が03年に戦闘部隊をイラクに派遣したのは誤りだったと思うか? そう思う 52% そう思わない 31% (*開戦時は73%が支持)
 米国にもたらした利害を考慮すると、イラク戦争は戦う価値があったか 価値があった 27% 価値がなかった 55%
 次期国防長官が直面する重要な課題を1つだけ挙げると イランの核兵器保有 31% 軍事費の規模 23% イスラエル・パレスチナ 9% 北朝鮮 8%

 この世論調査は米国の意識の特徴を如実に示しています。この調査結果を報道した日本の新聞は、不支持論が上まわったことに共感を示しているようですが、問題はアメリカ市民の3割が今なお、イラク戦争を支持し、戦う意味があったとしている点です。アメリカ市民の3人に1人がこうした戦争肯定、しかも侵略を肯定している意識にあることを、世界は冷静に見抜く必要があります。状況次第では、米国はイランと北朝鮮を一方的に攻撃する単独行動主義に踏みきる基盤があるように思います。第2にこの新聞社が「米国の利益があれば戦争を肯定する」という設問を何らの問題意識なくおこなっていることがさらに重大な問題をはらんでいます。その基底には、自国の利益になれば戦争を辞さないという正戦論があり、戦後世界の戦争否定の到達点にまったく無知である意識があります。こうしたアメリカ市民の意識の基底には、おそらく9.11の衝撃が埋めこまれ、あたかもイスラムや東アジアの文明そのものを異質な敵対的な文明とするオリエンタリズムが浸透していることがあります。社会科学としては失格のハンチントンの文明の衝突論が現実に浸透しています。
 それにしても米兵がイラクで行った捕虜虐待や、グアンタナモ基地への幽閉は現在どうなっているのでしょう。戦争テロリズムを煽動する黄昏の帝国を支える市民意識は、自国の醜い行為には想像力を働かせないでしょう。このままいけば、イラン侵攻か北朝鮮攻撃の充分な可能性があり、国防軍となった自衛隊がその先兵として前線に立つ日がくるでしょう。アングロ・サクソンの戦略は、アジア人をしてアジア人と戦わしめよ−ですから、日本は大義なき不正義の米国の戦争ではじめて血を流すことになるでしょう。300万人の日本人の命と2000万人のアジア人の命を犠牲にした、かっての戦争の記憶がいまほどに問われていることはありません。(2013/1/12)

戦争テロリズムを煽動する黄昏れの帝国
 最近の米国の政府系シンクタンクの日本に対する攻勢は、たそがれゆく覇権帝国・米国の追いつめられたヒステリー症状をあらわにし、おそらく黄色人種へのレイシズム的偏見に満ちたあがきであり、そこには戦後世界の平和システムの基軸となっている国連の秩序を無視する星条旗の独善があり、それに媚びへつらう隷属国家・日本への転換を展望しています。

 「安倍は日本の集団的自衛権の行使を約束した。これは日本領域への直接攻撃に関係ない危機において、日本が米軍支援のためにより多くのことを行うのを許すものだ。それは米日同盟をNATOや米豪同盟の方向に進めるだろう。9.11後、NATOと豪州はただちに条約を発動して米軍支援を提供したが、日本はインド洋での給油活動やイラク人道支援という限定された次善策を見つけねばならなかった」(戦略国際問題研究所CSIS日本部長、2012年12月18日)

 こうした血を流す同盟関係への転換は、日本の総選挙以前から執拗に日本政府に向けて発せられ、米国の覇権能力の衰弱を日本の加担によって切り抜けようとする米国の追いつめられた内実をさらけだしていました。他国の憲法解釈にまでイチャモンをつける内政干渉に恥じらいの意識はありません。もし日本が米国の内政に介入したら、烈火の如く怒るような行為です。

 「米国起案の日本の憲法は概して、より緊密な米日防衛協力の妨害物になっている。支配的な9条の憲法解釈が、第3国に対する米国との戦闘協力の集団的自衛を禁じているからだ」(米議会調査局CRS報告書、2012年5月4日)

 さらにはこうした干渉が日本国内に影響を持ちはじめていることを自画自賛しています。おそらく日本国内の改憲勢力の伸長と、改憲プランが着々と進んでいることを評価しているのでしょう。しかしこれは明らかに、米国の日本国内でのロビー活動が成功していることを示しています。

 「日本の集団的自衛権の禁止は、日米のより効果的な2国間の計画立案と協力への妨害物であるが、最近の日本国内の政治的雰囲気は漸進的な方法でそうした制約を緩和する方向で動いている」(米国防総省委託によるCSIS報告書、2012年6月27日)

 こうした動向の中心的人物がアーミテージであり、この人物はネオコンサーヴァテイブの主導者として、米国の「ならず者国家」化を推進してきた確信犯です。彼はイラク戦争時に、ショウーミーザフラッグ!と言って日本を脅迫した人物であることは記憶に新しいでしょう。

 「集団的自衛権の禁止は米日同盟の妨害物になっている。両国の軍隊が、平時・緊迫時・危機・戦時という安全保障の全領域を通じて全面協力し対応できるようにすることは重要な権限付与であろう」(第3次アーミテージ報告、ジョセフ・ナイとの共同、2012年8月15日)

 安倍政権の誕生を見越して、さらに要求はエスカレートし、海外戦闘での交戦規定の制定すら求めるようになり、自衛隊を米軍の奴隷軍として活用する露骨な意図を示すようになりました。日本の国内政治をコントロールして、おそらくはCIAと協力しながら親米政権を誕生させ、解釈改憲を迫り、ジュニア・パートナーとして活用しようとしています。

 「米国は日本の政治的変化を利用して同盟を深化させるべきだ。米政府は日本が危機に際して同盟諸国を防衛できるように集団的自衛の見解について制限の少ない解釈をするよう求めるべきだ。日本軍が海外展開でより効果的な貢献ができるように、より現実的な交戦規則を採用すべきだ」(ヘリテージ財団、2012年11月14日)

 おやおやこれは、日本が戦前期に朝鮮や中国に迫った軍事管制権の移譲を要求したのとよく似ています。要するに日本は米帝国の植民地国家に他ならず、傭兵軍として米軍に参加するヤクザの親分のような論理です。一見すると、米帝国の強力な覇権を示しているようですが、じつは衰弱するたそがれ国家の追いつめられた最後のあがきの表現です。ASEANを中心とするアジアの平和共同体の潮流に危機感を抱き、太平洋の覇権を維持する米軍の財政的な基盤が崩壊しつつあることを反映しています。安倍ナントカという首相は、右翼ですら恥ずかしいと思う媚びへつらいをみせて、ポチ公のように吼えながら尻尾を振って親分に頭をなでなでして貰おうとしていますが、これほどに卑しい人物は戦後日本歴史でも珍しい卑屈さを露わにしています。東アジアと世界は、日本の首相の尊厳を捨て去った惨めな姿を冷ややかに軽蔑しながらみていますが、歴史の屑籠に捨てられた亡霊のようなアナクロニズムはとどまることを知らず、暴走していきます。安倍政権がなにをやるかはすでに米国がシナリオを描いており、彼は下手な役者としてそれを演じるに過ぎないのです。安倍ナントカは、自分自身が星条旗からも蔑まれていることに無知であり、そのゾッとするような惨めさに気づいた時に、茫然自失して気を失うでしょう。(2013/1/10)

橋下とかいう大阪市長の暴走−桜宮高校事件の裏にあるもの
 大阪市立桜宮高校のバスケット部主将(17)が、顧問教師に体罰を受けた翌日に自殺しました。自殺前日の体罰は部員22人が目撃し、それ以前にもビンタや叩くなどの体罰を受けているのを部員38人が見ていた。主将が残した顧問宛の手紙には、「体罰がつらい、他の部員が同じことをしてもしかられないのに、自分だけがしかられる、主将が続けられるのか悩んでいる」とありました。2011年には同校のバレーボール部の顧問が体罰で停職3ヶ月の懲戒処分を受けており、バスケット部の顧問の体罰情報も大阪市総務局の公益通報制度にもたらされていましたが、市総務局→市教委→校長→運動部顧問全員聴き取りで、全員がNOと答え、校長も市教委も体罰はなかったという結論を出しました。ここに市教委は校長を守り、校長は顧問を守るという日本的集団主義の負の側面があざやかに浮かびあがります。顧問は府警に対して体罰を認め、「主将なので発憤させるために厳しくした」と答え、市教育長は「非常に厳しく指導して部の成績を上げている」と顧問の指導を評価しています。
 体罰とは「身体に対する侵害(殴る、けるなど)、肉体的苦痛を与えるような懲戒(長時間の正座、直立)」であり(文科省定義)であり、2011年度は全国で404人が懲戒処分を受け、08−10年度では「指導死」(評論家・武田さち子の定義)による自殺が5件に上っていますが、これらはいずれも氷山の一角であり、子どもの間のイジメと同じく、学校は体罰が横行している状態にあります。しかし大阪市の推移はいくつかの特異な実態を浮き彫りにしています。第1に、なぜ大阪市立高校という公立校に「体育科」が設置され、熾烈な競争主義のスポーツ活動が公教育で行われているのかという特異な問題があります。先進国でスポーツが専門学科として設けられ、公教育の対象となるのは、おそらく日本的な現象であり、先進国のオリンピック選手は体育とは異なる専門を先行しながら、地域やクラブでの市民スポーツで育ちますが、日本では公教育に位置づけられて独特の世界がつくられていきます。体育系大学出身の体育科教師が、公式戦での勝利を競う業績主義にからめとられて我を忘れた軍隊的な指導を傾注します。生徒もつくられた目的意識にのみこまれて、必死に部活を中心に学校生活を送り、そこでのミスと叱責は真面目な生徒ほど自分の全人生の否定と受けとめます。こうして「厳しい」指導というスタイルが神聖化され、親の一部も巻き込んで、子どもに対する「体罰」という名の暴力と暴行が半ば公認され、もしくは賛美されていきます。これは日本特有の一般的な特徴ですが、大阪にとくにそれが目立つのはなぜでしょうか。
 ここで第2の大阪の特異性が浮かびあがってきます。驚いたことに、大阪府警捜査1課がすぐに桜宮高校がある豊島署に課員を派遣し、捜査の最前線に躍りでました。大津の場合には、警察権が学校現場に介入するのは少し遅れましたが、大阪府警は間髪を容れずに踏み切りました。では大阪府警は、暴行強迫容疑で顧問を逮捕するのでしょうか。どうもそうではないようです。それは、橋下とかいう大阪市長が、ただちに学校での緊急事態の指示命令権を教育委員会から市長に移す条例案の準備を指示したからです。戦前のファッシズム教育への反省から、学校と教育は政治と行政から自立するという原則を定めたのですが、橋下とかいう市長はここに攻撃を集中し、みずからの理想とする「独裁」(自身の言葉)の具体化の手段として利用しようとしています。ここに大阪の危険な特異性が見られます。
 第3は、大阪府と大阪市は、教育権を現場からうばい、業績主義による競争原理を取りいれて教師の激しい競争を組織し、教育現場で教師が互いに協力するという文化を根こそぎ消し去って、教師たちは互いに垂直統合の構造のなかで、抑圧を下位に向ける痛ましい状況がつくりだされました。こうして大阪の教員試験の希望者は激減してしまいました。教師は権力から放射される抑圧の移譲をどこに向けるのか、その鬱積した気持は最も愛さねばならない生徒に向けられていきます。子どもたちはより弱い仲間へ発散するイジメの構造が起こります。どこにも発散できない子どもたちは、ペットか最悪の場合は自分自身に向けていきます。こうした抑圧の移譲による垂直的な支配の構造のトップに橋下とかいう市長がそそり立っています。
 結論的にいえば、バスケット部の主将を自殺に追い込んだ構造そのものが問題であり、その象徴的な犯罪者として橋下ナントカという市長がいるのです。彼の体罰観をみてみましょう。

 「口で言ってきかないなら手を出さなきゃあしょうがないでしょう。どこまで教育と見るかは家庭と地域のコンセンサス」(大阪府主催討論会で、2008年10月)
 「もみ上げつまんで引き上げるくらいはいい。胸ぐらつかまれたら放り投げるくらいまではオッケー。蹴られた痛さ、腹をどつかれた痛さが分かれば歯止めになる」(市教育振興基本計画有識者会議、2012年10月)
 「正直僕はクラブ活動でビンタをすることはあり得ると思っている、きちっとルール化できていないことが問題だ、全国大会をめざす桜宮高校の体育科では、保護者も含め、ある程度まで教育的な指導だという暗黙の共通認識があったのではないか。にもかかわらず教育委員会が体罰禁止とか、手を挙げることは絶対にあり得ないという、うわべっ面のスローガンだけで事にあたっていたことが事件の最大の原因だ。体罰をどこまで容認するかというルールづくりが必要で、これは議論にでると思う。手を挙げることを前提とするルールを作るのか−ということになるでしょうけど、それはそれでまたそのときに批判を受けながら議論していけばいい」(桜宮事件の記者会見、2013年1月10日)

 こうした構造が空気のように文化に埋めこまれてしまうと、個々の粗暴な暴走者が警察権の対象となって処理され、頂点に君臨する独裁者が問題の解決者のようにふるまって英雄化される虚構が完成します。ほんとうにバスケット部主将のいのちを悼むのであれば、橋下ナントカという市長はみずからを恥じて市長の座から去るべきでしょう。しかし橋下ナントカという市長の盟友である安倍首相は、さらなる競争と統制の教育を推進するようですから、学校現場の惨状はますます深化し、自滅の道を歩んでいく可能性が濃厚です。しかしおそらくその前に、ミネルヴァの梟は飛びたち、抑圧の構造は劇的に逆転し、橋下とか安倍ナントカは破局を迎えるに違いありません。(2013/1/9)

福島と沖縄は見捨てられたのかー棄民国家・日本の姿
 東日本大震災と福島事故から1年10ヶ月が過ぎようとしているいま、避難住民の生活はさだまらず、多くの人が生業を失って路頭に迷い、原発被災地の除染は請負業者が汚染物を川に流すなどの手抜き除染のモラル・ハザードにあって回復の見込みはありません。セシウム半減期30年を基準に町への復帰を考える自治体も現れてきました。いったいいま、福島県はどうなっているのか、データでみてみましょう。

  避難者数 約15万人(県外避難者数5万8000人)
  県民健康基本調査(3月11−25日の個人別被曝線量調査) 問診票回収率23,1%(2012年12月27日時点)
  28市町村住宅除染計画 完了戸数13%(2012年11月末日時点) *但し仮置き場が決定していない地域は計画戸数に算入していない
  政府直轄除染地域除染開始数 11地域中4地域のみ
  2012年産コメ全袋検査数 約1200万袋中1002万3700袋実施(2012年12月29日時点)
    放射性物質基準値(1kg100ベクトル)超過率0,0007%
  漁業操業再開 全面自粛続行(ミズダコ、スルメイカなど10魚種の試験操業のみ実施)
  観光客総数3521万人(38,4%減少、2011年11月30日発表、2012年統計なし)

 福島県知事は12月県議会で原発事故をはじめて「人災」とみとめ、防災行政を「自助・共助」ではなく、「公助」とすることを表明しましたが、年末に福島を訪問した安倍ナントカという首相は、福島県民の前で原発再稼働と新設推進を表明し、福島県民の神経を逆なでしました。こうして福島を含む日本は、第2次福島事故をひたすら待つ状態となったのです。

 いま沖縄はオスプレイの墜落事故をひたすら待つ最悪の状態に陥れられていますが、安倍ナントカという首相は2013年度予算編成に自衛隊へのオスプレイ(1機100億円)導入調査費1000万円を計上するという沖縄県民の顔をぶん殴るような恥ずべきふるまいに及んでいます。沖縄で窮地に立つ米国を後押しして、米国に媚びへつらう姿は、もはや右翼の資格すらありません。もともと自衛隊は1990年代初頭に海上救援のためにオスプレイ導入を検討しましたが、下向きに噴きだす気流が強すぎて救助要員が活動できず、救難には不適と判断されて導入を断念するという経過があり、オスプレイは軍事技術として失格であり、相次ぐ墜落事故で異常性をさらけだしました。オスプレイの日本全土への配置は、日本列島を我が物顔で飛びまわる米軍機の墜落事故をひたすら待つという末期的な事態をもたらします。
 福島と沖縄の県民の命よりも、電力会社と米国の利益に媚びへつらう安倍ナントカという首相は、国民の生存権を犠牲にする棄民国家をつくりだそうとしています。いっさいの公共性を失って暴走する統合失調症患者の行きつく先は、官邸ではなく精神病院です。安倍ナントカという首相を支持して裏切られた右翼の皆さんは、祖国の尊厳をかけて先輩たちがおこなった「一人一殺」の「崇高」な行為を覚悟しているのでしょうか。(2013/1/7)

安倍ナントカは早くも終わったのか−Yes,we remember the facts
 日本の安倍ナントカという首相が、07年6月米紙「ワシントン・ポスト」と2012年11月4日のニュージャージー州地元紙「スターレッジャー」に、日本軍従軍慰安婦を否定する意見広告を出して全世界の軽蔑と怒りを浴びています。アジア・太平洋戦争中に、旧日本軍が組織的に各地の女性を慰安所に閉じ込めてレイプを繰り返したことは、「人道に反する罪」としてすでに国際連合も「当時ですら奴隷制を禁じた慣習的国際法に明らかに批判していた」と認定し、日本政府に犯罪者の処罰と被害者への補償を勧告し、米国議会も「日本政府による強制的な軍の売春である慰安婦制度は、20世紀における最大の人身取引事件の一つであり、身体損傷や死、自殺をもたらした集団強姦、強制中絶、屈辱、性的暴力など、その残酷さと絶望は未曾有のもの」として日本政府の公式謝罪を要求する決議をおこない、その後もオランダ下院、カナダ下院、欧州連合、フィリピン下院、韓国国会、台湾立法院など7つの国と地域が同じ決議を採択し、国際的には決着がついています。これを受けて日本政府も「お詫びと反省−慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送について旧日本軍が直接或いは間接にこれに関与した」とする河野官房長官談話(1993年)を発表して謝罪しています。安倍ナントカ自身も、囂々たる国際的な非難を浴びて、みずからも「極めて苦しい状況に置かれたことに申し訳ない気持でいっぱいだ」と日米首脳会談で当時のブッシュ大統領に慰安婦が人権侵害であったことを認めて謝罪しました。慰安婦に謝罪しないで、米国大統領に謝るのも、原爆投下の謝罪を求めないで米国に媚びへつらう恥ずべき姿ですが、少なくともこの段階では安倍ナントカはみずからの罪をみとめたのです。
 ところが、歴史の審判に逆らってまたまた亡霊のように姿を表した安倍ナントカは、「女性がその意思に反して日本軍に売春を強要されていたとする歴史的文書は発見されていない。慰安婦は性的奴隷ではなく、彼女らは当時世界中のどこにでもある公娼制度のもとで働いていた。官憲が家に押し入って人さらいのようにつれていく強制性はなかった。狭義の強制性を裏づける証言はなかった」とむしかえし、侵略戦争と植民地支配を謝罪する村山談話と従軍慰安婦を謝罪する河野談話を見直すとしています。
 さっそく米紙ニューヨーク・タイムズは1月3日の社説で安倍を真っ向から批判し、「犯罪を否定し謝罪を薄めようとするいかなる試みも、日本の野蛮な戦時支配を受けた韓国、中国、フィリピンを憤激させるだろう。安倍は韓国との緊張を掻きたて、強力をさらに困難とするような深刻な間違いで、彼の在職期間を開始したいと思っているように見える。安倍が村山と河野の謝罪の談話をいかに改訂するのかは明らかではないが、これまで自国の戦争時の歴史を書き直したいとの願望を隠そうとはしていない。安倍の恥ずべき欲求は、北朝鮮の核兵器問題での地域の協力を危うくし、そのような修正主義は過去の偽造ではなく長引く経済停滞の改善こそに集中すべき国を窮地に陥れるものだ」とのべ、ロサンゼルス・タイムス(12月31日付け)も「自虐的歴史教育の転換を求める文科大臣は、謝罪への逆行」と非難しています。こうしたアメリカの非難は、みずからのヒロシマ・ナガサキへの原爆投下の大量虐殺の戦争犯罪や戦後ベトナムからイラクにいたる戦争犯罪への自省を全く欠いている点で、天に向かって唾するもので他国を批判する資格はなく、また対中国・北朝鮮戦略の基軸となる日米韓軍事同盟を安定させる視点が見え隠れする点で限界がありますが、ともかくも戦後の国際的な歴史認識の到達点を反映はしています。
 英誌『エコノミスト』(5日付け)は、「安倍氏の恐ろしいほどの右よりの閣僚選びはアジア地域にとって悪い兆候だ。新政権の真の性質は、保守ではなく過激な国粋主義者たちによる内閣だ。閣僚の多くは戦争時の日本の残虐さをほとんど否定し、多数が靖国参拝議員の会や慰安婦記述の抹殺を狙う議員の会の構成員であり、右翼団体を支援してきた議員だ。安倍氏は、憲法や戦後の平和主義を推進し、愛国心を軽視してきた教育法を修正したいと望んできた。少なくとも参院選までは安倍氏は慎重に進む姿勢を国外に示すが、しかし安倍氏自身の国粋主義者としての本能や自民党内の過去の亡霊を押さえ続けることは難しくほとんんど不可能だろう」としています。
 韓国・東亜日報は「歴史に関する周辺国の批判を正面突破しようという安倍『脱亜』構想は、軍事大国化のための制度整備を急ぐ方針で、東アジアの緊張は新年早々から高まる」とし、朝鮮日報は「安倍は戦犯の存在自体を否定する極右的な歴史観をもっており、安倍談話は事実上村山談話を否定する内容となる」とし、韓国日報は「右翼の歴史認識に基づく新しい談話は、経済に力を集中するために右翼の本性を隠してきたことにたいする党内の不満勢力を意識している」としています。韓国日報の社説は、ミス・リーデイングであり、安倍ナントカは党内極右勢力を配慮したのではなく、みずからが皇国史観の極右の確信犯に他なりません。
 なぜ安倍ナントカという首相は、過去に懲りたはずの惨めな失敗をまたふたたび繰り返すのでしょうか。どうも彼は本気で自分が瓦解しても、日本を「美しい」大日本帝国の再版として復活させる決意を固めているような気がします。おそらく過去の惨めなふるまいを正面突破する覚悟で、いっさいのリアルな政治判断を振り捨てて猪突猛進する覚悟を決めたのではないでしょうか。これは精神的錯乱状態におちいった者によくみられるファナテイックな自己美化と判断停止であり、日本を道連れにしても滅びゆく美学を体現したいのです。これが歴史修正主義に見られるノスタルジックな過去への郷愁の姿です。歴史修正主義の本質は、無辜の娘を陵辱するような父祖の犯した犯罪行為は子々孫々に至るまで民族の血となって受け継がれ、永遠に罪人となって生きるという本質主義的な民族観にありますから、民族が救われるためには最初の父祖の行為をなかったことにするしかありません。しかし子や孫のなすべきことは、親や祖父母が犯した行為を率直に認めて謝罪し、二度と繰り返さない生まれ変わった民族として姿を表す以外にありません。これが戦後ドイツの「歴史の記憶」という道であり、ともかくも戦後日本はこの道を歩んできたのです。多くの日本の市民たちが、友好と平和の道を求めて、アジアの市民たちと一生懸命に交流活動をくり広げてきました。こうした戦後70数年の努力を水泡に帰する安倍ナントカのふるまいは、じつはアジア・太平洋戦争で命を落とした日本人300万人とアジア人2000万人の命にもう一度泥を塗り、侮辱する行為なのです。日本がこれからも東アジアで生きのこり、東アジア共同体という輝かしい共存の道を歩んでいくための道をみずから閉ざす自殺行為に他なりません。安倍ナントカは、みずからも靖国神社に神として祭られて尊崇の対象としてあがめられる幻想にのめりこんでいる政治的な精神統合失調症の末期の錯乱状態にあります。だから私たちは憐れみをもって彼を遇し、もう一度だけ治療のチャンスをあたえて正気にもどすしかありませんが、自省の能力を完全に欠いた救いがたい人物は水に落ちた犬と同じく徹底的に棒で叩くしかありません。安倍ナントカは早くも政治的生命を絶たれたのです。(2012/1/6)

 追記)ニューヨーク市議会に、従軍慰安婦に多くの人が巻き込まれ、残酷で人道に反する罪に当たり、日本政府に対して歴史的な責任を認め、女性たちへの公式な謝罪を求める決議案が提出されることとなった。2人の上院議員は「米国は日本という素晴らしい国の同盟国で友人だが、過去の罪やあやまちは忘れてはならない。安倍首相の訪米時にそのようなメッセージを伝えたい」としています(NHK、2013年1月7日)。ニューヨーク市議会(1月16日)に提案された決議案「韓国系米国人社会が世界中に”慰安婦”として知られるようになった人々に賛辞を呈する記念碑を寄贈したことを称讃する決議案」の概要は「日本政府は1930年代から第2次大戦の間、アジア各国から約20万人の若い女性を軍の性的奴隷として捕らえるよう公に命じた。慰安婦制度は日本政府による強制的な軍のための売春であり、その残虐さと規模において前例がない20世紀最大の人身売買事件の1つである。元慰安婦が自分たちのことが正しく認識され、日本政府が謝罪するように求めてたたかっていることを称讃し、支持する。米連邦下院決議の勧告に同調し、日本政府が歴史的責任を受諾して、こうした犯罪について将来の世代を教育するよう促す」となっています。ニューヨーク州ナッソー郡にあるアイゼンハワー公園にある退役軍人記念広場には、退役軍人記念塔を中心に、ホロコースト記念碑を初め、米国奴隷制記念碑、1915年〜23年のアスマン・トルコによるアルメニア人虐殺記念碑、1845〜49年のアイルランドのジャガイモ飢饉など多数の記念碑があり、そこに設置された慰安婦記念碑の碑文には、「慰安婦として世界に知られた、1930年代から45年まで大日本帝国政府の軍隊によって性的奴隷とされるために拉致された20万人以上の女性と少女を記念して。彼女らが人道に対する憎むべき罪の犠牲になったことは、知られないままであってはならない。彼女らが受けた人間の尊厳の重大な侵害を忘れてはならない」とあります。日本が恥ずべきことは、NY日本領事館の総領事が市長を訪問し、「慰安婦は自ら進んで兵士に奉仕した」として撤去を要請し、見返りに桜の木と図書館への蔵書の寄贈を持ちかけたことです。いままで各種の記念碑に、加害者とされた国の政府が撤去を求めたことはなく、日本政府だけが要求し、危機感を感じたNY州が2つ目の慰安婦記念碑設置をバーデン郡に決めました。

 「日本の安倍は憲法の平和条項として世界的に有名な9条改定を表明した。自民党は権威主義的で軍国主義的な日本の土台をつくろうと企てている。06年に政権についた安倍は、今回と同じように改憲の野心を持ちながら1年で崩壊したが、歴史は自動的に繰り返すものではない。世界中の人権擁護団体は、自民党の改憲に対して世論を動員しなければならない」(ワシントン・ポスト1月11日付け)
 「日本は安倍ではない”明治維新”を必要としている。右派と超国家主義の政治家が日本政府を支配し、軍国主義国家の復活の可能性を引き起こすのではないかとの恐れが出ている。安倍は安倍は日本を良くするための重要な変化をもたらすことはできない。それができるのは日本国民だけである」(ジャカルタ・ポスト、1月9日付け)

新しい年に・・・・・
 振り袖を着てのハレの日の風景はなくなってしまい、新しい年に希望を持つことにはある意志が必要なようです。公園では凧揚げが一つだけはるか上空にひるがえり、かすかに希望を求めるかのように、陽光の正月も過ぎようとしています。皆さまはいかが年末年始をお過しになられたでしょうか。息子夫婦とはじめて過ごす大晦日は、美輪明宏のヨイトマケの唄を観ようと思ったのですが、酔っぱらっていつのまにか寝てしまいました。「さて新しい年が来た。俺たちの時代が来た。/我等何をなすべきかではなく、如何になすべきかの時代だ」(小林多喜二、1928年1月1日付け日記)という気迫ある気持で正月を迎えた80数年を過ぎて、「何をなすべきか、如何になすべきか」はさらに複雑な経験のレベルで問われているように思います。
 もし人生を初期、中期、晩期に分けるなら、初期は誕生と起源の瞬間であり、所与の与えられた環境のなかで成長し、中期は「第2の誕生」といわれる思春期をへて成熟へと移行する輝かしい時期であり、いわば「旬」の季節です。ここでその人の生きる意味が決まると云われます。そしていよいよ、人生の最期を迎える晩年が参ります。人生の最後の時期をどう生きるか、そこに晩年のスタイルがあります。歳をとってそれなりの知恵もつき、現実と和解し円熟した平穏が訪れるとされます。しかしよくみると、西欧では悲劇と喜劇にかかわらず、劇的な最後(イエスのような)を遂げる人が多く、アジアは釈迦に代表されるような安らかな最後が多いように思います(”コレガ定めじゃ”とゆっくり手枕でなくなった)。という文章を書き始めましたら、窓の外は粉雪が舞い始め陽に照らされてキラキラと光っています。
 それにしても晩年にはいろいろなふるまいがみられるようです。驚異的なエネルギーを発揮して想像力の極限を切りひらくような有終の美を飾る人もおれば(シェイクスピア、バッハ、レンブラント)、妥協を拒んで気むずかしくなり、さらには高齢と体調不良で怒りと錯乱におちいり、まわりを困惑させて去っていく人もいます(イプセン、ベートーヴェン)。この第2のタイプは、いわばエグザイル(故郷喪失者、亡命者)であったがゆえに、疎外された傑作を残しています(≪荘厳ミサ曲≫。サイードは「晩年のスタイルは、芸術が現実を優先せず、みずから辞することのないとき生じる」といっていますが、これは芸術家に限らず、すべての人にあてはまるでしょう。現実と妥協して安らかな諦念のうちに過ぎていく静謐な晩年は、すべてをやり遂げた人にとってのみ許される境地であり、世俗の人は無気力となって消えていきます。私の祖父母は生涯を汗水垂らして精一杯田畑を耕して、無名のうちにこの世を去っていきましたが、私は彼らの生涯を深い哀惜と敬意を持って記憶しています。ロスタイムを含む終盤戦をどう戦うかがスポーツの勝負の分かれ目であるように(昨日の筑波大と東海大のラグビー準決勝はまさにそうでした)、晩年の最後の時期をどう生きるかが最後の決定的な意味を持ちます。そのようして、自分の魂を受け継ぐ次世代の人に、誇りを持ってバトンを渡すことができるように思います(箱根駅伝のように)。
 問題はこうした晩年を生きる機会を得ている者は少数であり、多くの者が人生の誕生と起源、成熟を生きる機会そのものを奪われていることです。第3世界ので飢えて去る子どもたちを横目で見ながら、自らの晩年を位置づける者は何か決定的なものが欠けており、ここにサイードのオリエンタリズム批判の限界があります。だからこそ、晩年の第2のタイプ、妥協を最後まで拒んで気むずかしくなるスタイルに興味が湧いてくるのです。年老いて少しは耄碌しても、晩年にふさわしい円熟した安らかな精神は、周囲に安心と憧れを与えるでしょうが、彼をとりまいている現実との交渉はありません。偽りの希望と捏造された自己陶酔の諦観がどこかににじみ出てきます。年末に私の友人が65才を超えて出家の道を選びましたが、私はなにか寂しく思うのです。瀬戸内寂聴のような出家の道もありますが、多くはヴィスコンテイのような滅びの美学の世界を思いうかべるのです。
 ”これが人生だったのか!よし!さらば今一度!”(ニーチェ)・・・ニーチェの思想そのものに賛同するわけではありませんが、なにか元気が湧いてくるちからがあります。というわけで、私の晩年のスタイルは、初期のドキドキするようなイマジネーションの世界に立ちもどって、ふたたび歩みだそうとする姿に共感を覚えます。とはいってそれは、良寛のような幼子のピュアーなこころにたちもどって、幼児と戯れるということではありません。初期から中期にいたる目標と約束を裏切らず、終盤戦を生きるスタイルです。てなわけで、世界と自分のこの1年がどうなるか、楽しみです。(2013/1/3)

正月を追い出し部屋で迎える人がいるのか!
 いよいよ今年も大晦日を迎えました。皆さまこの1年はいかがでしたでしょうか? 窓の外は冬の陽光があふれ、葉を落とした木々の梢がしずかに屹立しています。遠くから灯油の販売車が”たき火だ、たき火だ、落ち葉焚き、あ〜たろうよ、あたろうよ””と流しながら走っていきます。あ〜ついに今年も終わったのだ・・・と幾ばくかの感慨を催しながら、歳をとるにつれて思い入れは薄くなっていくようです。大晦日や正月などの1年の区切りは、物理的な時間の流れとして地球の公転以外のなんの意味もありませんが、そこに人間の生きていく経験が刻みこまれていくと、時間の区切りは特別の心情が込められる感覚的な時間となります。歓喜の悦びや慚愧に堪えない後悔、明日への希望と不安がない交ぜとなる凝縮した時間に転化します。歳をとるに従って、まなざしは過去へ向かい、過ぎてきた時代のアレコレがノスタルジックによみがえり、まるでベンヤミンのような後ろ向きになって前へ進んでいくような感じになります。
 それにしても今日の朝日新聞の一面記事にはびっくりしました。おそらく東北や福島の2年目の被災地を伝える記事と思いきや、なんと「追い出し部屋で社内失業」という題字が踊っています。いま企業内で社内失業状態にある人が465万人(10%)にのぼり、指名解雇はできないので、「いま君の仕事はない」と上司から云われた正社員を一部屋に集め、応援の単純作業がなければすることがなく、終業時間を待つしかない状態に置いて、心が折れそうになった頃に退職願を自主的に書かせる仕組みです。追い出し部屋は表面的には、事業・人材強化センター(パナソニック)、キャリア・ステーション(ソニー)、、プロジェクト支援センター(NEC)などきらびやかな名前ですが、実際はかっての旧国鉄の草むしりをやらせた人材活用センターとおなじ解雇促進組織です。こうした社内失業者を狙いうちにする人材サービス会社が急成長し、「雇用調整と人材適正化」などのセミナーを催しながら、「余剰社員の最終処分場」としての機能を果たしています。セミナーでは、「商品は自分なんですよ。自分を磨いて売り込んで下さい」(朝日生命保険)と、まさにマルクス『資本論』も真っ青となるような労働力商品価値説を説いています。
 電機関連の企業は、派遣や請負だけでなく、ついに正社員におよぶリストラを大々的に進めながら、内部留保を溜め込む戦略に踏みきっています。パナソニックは、創業者・松下幸之助の家族共同体企業の理念を裏切って、自ら崩壊の道を選んだようです。パナソニックやシャープが倒産の危機に瀕しているのは、朝日新聞がいう製造業の国内回帰の間違いではなく、逆に技術も人材もフルセットで東アジアの生産請負会社への海外委託生産に踏み切り、急速に技術が流出して競争力を失ってしまったからです。しかも政府は、国際競争力強化を旗印に、リストラを推進する会社に雇用調整助成金を補助してリストラに協力し、失業手当のみを支給するという政策をとってきました。パナソニックとシャープの本社がある大阪は、府内の就業者の45%が非正社員となり、生活保護受給率は大阪市で1千人あたり56人と群を抜く多さで、大阪経済は沈没し、大阪財界はもはや大阪を見捨てて他地域と海外に行ってしまいました。大阪市民のルサンチマンが、強力な指導者崇拝の心情をうみだし、橋下現象となったのはなんの不思議もありません。
 新政権は社会保障改革と称して真っ先に生活保護基準の生活扶助を切り下げようとしていますが、最後のセイフテイネットを破ってしまえば、生活保護基準に連動する最低賃金も医療保険も介護保険、年金も一気に切り下げられ、大量の貧困層が生まれてきます。
 これが2012年の大晦日にひろがる日本の姿です。率直に言って希望がないことを認めなければなりません。もともと、希望とは、希なる望みです。この惨状から目を逸らすことなく、ある覚悟をもって新しい年を迎えねばなりません。闇が深ければ深いほど朝は近いという幻想に逃げることもできず、危機の裏の顔にはチャンスと書いてあるという気休めも捨てることとなります。いよいよすべての人が本気になって、自分の頭でヴィジョンを考えぬくしかありません。東北大震災の後で、日本の最高の知性といわれる人を集めて、政府が組織した復興構想会議は惨憺たるプランを立案して、東北を大混乱におとしいれました。もはや水戸黄門の葵の印籠を待ちこがれて、みじめな状態を我慢する時代は過ぎました。
 いま背後からショパン≪革命のエチュード≫が流れてきます。祖国ポーランドがロシアの侵攻を受けて、首都ワルシャワが占領された時に、ショパンは暴動に参加することができず、泣きながらこの曲をつくりました。いま、日本のどのような人も、自分の≪革命≫を作曲する時にあるように確信します。国際競争力のモンスターよサヨウナラ、アメリカ・モデルよサヨウナラ、人間を辱めるシステムよサヨウナラ、正月を追い出し部屋で過ごすような日本よサヨウナラ、私たちは私たちの道を行く決断をする・・・・。2013年は、明治維新、戦後民主化に次ぐ第3の変革期の予感がしてまいります。(2012/12/31)

夕闇が迫る前に、ミネルヴァの梟を飛びたたせねば!
 第2次安倍内閣の中心メンバー6人は「戦後レジームからの脱却」をかかげる「創生日本」という極右議員グループ出身です。このグループは、「戦後ただの一度も憲法を改正できずにきた。このような『戦後レジーム』からの脱却を何としてでも成し遂げなければならない。国民一人一人が、真・保守主義の根本理念のもとで、皇室を戴き、歴史と伝統を有するわが国に対して自信と誇りをとりもどす」としており、まるでA級戦犯で絞首刑となった東条内閣のルサンチマンと恨みを晴らすようなアナクロニズムあふれる極右的な理念を掲げています。戦前の天皇制絶対主義を「美しい国」とし、アジア・太平洋戦争の罪責を正当化する歴史修正主義は、装甲したトラックの大音響で街宣する右翼と同じです。しかしこの人たちは、日本の無辜の娘たちが米兵に陵辱されても星条旗に媚びへつらう醜い姿をさらけだしており、民族の尊厳を至上とする真正右翼からみても右翼の資格を失った唾棄すべき存在です。こうした惨めな姿を糊塗するために、ときどき「竹島」への上陸というようなパフォーマンスを試みて、韓国政府からヴィザ発行を拒否されるなど児戯的なふるまいに及びます。
 いまインドでは22分に1人がレイプされる女性への性的暴行が頻発していますが、沖縄では米兵による暴行や住居侵入が同じようなペースで起こっており、治外法権で立件できないなかで闇に葬られています。昨日28日も米兵が住居に侵入し住民を脅していますが、夜間外出禁止令などどこ吹く風で、この事件は午前4時頃に起こっています。もはや沖縄は米国への人身御供として見捨てられたのであり、これが「美しい国」ニホンの哀しい姿です。米国のコネテイカット州での小学校での銃乱射事件にみられるように、米国では銃による武装感覚が日本とまったく異なり、米兵はそうした常識で日本で行動しています。米国ではすでに6州が教師が武装して授業をする条例が提案され、すべての学校への武装警官の常駐がすすんでいます。ユタ州では教師への無料の射撃訓練プログラムが実施され希望者が殺到しています。こうした武装社会の論理を日本に直輸入し、国防軍の設置と徴兵制の導入をめざす安倍ナントカという首相の「美しい国」とは、血塗られた殺し合い国家に他なりません。
 しかし極右グループの思潮は、展望を見失って漂流する日本の不安をつかみ、ソフトな形で浸透しています。いまNHK・FMのブラスバンドの番組が流れていますが、昨年は自衛隊音楽隊の「軍艦行進曲」を名曲として流し、今年は信時潔「海ゆかば」を流しました。「軍艦行進曲」は一時私が狂ったパチンコのBGMでしかありませんでしたが、いまや戦前期日本を代表する音楽となりました。アジア・太平洋戦争期に「君が代」に次ぐ第2国歌に指定された「海ゆかば」は、信時潔の芸術的力量を最大限に発揮した荘重な鎮魂曲であり、学徒出陣の神宮外苑の雨の中で大合唱され、会場は深い感動に包まれました。驚くべきことに、信時潔の音楽的創造を回顧する記念音楽祭が11月に東京の津田ホールで催され、私も参加したのですが、若い混声合唱団が心を込めて会場を圧する歌声を響かせました。私は、終了後に合唱団員としばし対話し、戦争宣揚歌について聞きましたら、若い女性団員は音楽芸術作品として素晴らしいと云っていました。松下竜一などの右翼評論家は、「君が代」に代えて、「海ゆかば」を国歌とする主張を恥じらいもなくくり広げています。
 美術では、戦争画を領導した藤田嗣治の戦争宣揚画が反戦画として再評価され、国立近代美術館では米国から返還された「巨匠」たちの戦争画がローテーションで展示されています。驚くべきことに、同じ部屋には中国戦線で餓死した靉光の戦争批判を込めた≪眼のある風景≫と正対する形で展示されています。国立近代美術館の無神経な展示思想は、日本の芸術をめぐる貧困をさらけだしています。私は、信時潔や藤田嗣治の芸術的力量のすばらしさを認めますが、戦争システムの中で歪んでいった哀れな犠牲者とはみなしません。信時は自らの行為を恥じて戦後は沈黙し、藤田は日本を離れてフランスへ行き、レオナルド・フジタとなりましたが、芸術を含めての日本の戦争責任と贖罪は未完であり、それが現在の第2次安倍内閣に結果しています。
 こうした動向はほとんどメデイアで報道されることはなく、日本のメデイアはある方向へ世論を誘導するバンドワゴン効果を極大化しながら、吉本劇場型のソフトな報道ファッシズムと化していますが、そこにみられるファナテックな報道操作はまるで国家総動員システムを煽った戦前期の報道に酷似してきました。総選挙で秋葉原の街頭演説に集まった市民のなかから、「ぶっつぶせ!朝日新聞!」の合唱が起こったそうですが、もはや朝日は民主主義の側にはありません。なるほど、ナチス型のファッシズムはこのように進んでいくのかーと実感させられるような現代史のシミュレーションがおこなわれています。第2次「東条」安倍内閣は市民社会との矛盾を深めながら、これから暴走を繰り返し、最終的には国家基本法を改定するゴールに向かって突きすすんでいきますが、それは自らの墓を掘る痛烈なしっぺ返しを受けるでしょうか。おそらくこのままいけば、第2次フクシマ事故が起こり、日本列島は最後の崩壊に直面します。ミネルヴァの梟はせまりくる夕闇とともに飛びたちはじめるとヘーゲルは云いましたが、すべてが終わった後に真実が明らかになるというのでは取りかえしはつきません。夕闇が迫り、夜のとばりが降りる前に、ミネルヴァの梟を飛びたたせねばなりません。(2012/12/29)

日本は軍事ファッシズム国家への転換点を迎えたのだろうか!?
 2012年は現代史の教科書に、戦争国家への転換の画期となった年と記されるのだろうか? 年末の総選挙では、国防軍と戦争を約束する公約を掲げる政党が「圧勝」し、いよいよ国家システムの原理を平和から戦争へと切り替える時代が始まりました。あたかもヴェルサイユ体制を打破するナチスが、第1党に躍進した1932年の再版のような下からの支持を得た大衆ファッシズムの爆発のような光景がくりひろげられています。当時のナチスが288議席を獲得し、その他の極右政党も進出し、対照的にリベラル民主派が退潮を示した状況と酷似しています。ヒトラーは、宣伝の基本を、要点をしぼった強力なスローガンを何度も繰り返せば、強い他者に依存する心情の女性のような大衆を効果的に組織できると述べていますが(『わが闘争』)、日本でも似たような宣伝戦がくりひろげられ、大不況下で見通しがもてない没落する小市民層の心情をつかんだかにみえます。ヒトラーが、旧ソ連の対外的な脅威を煽り、内なる敵としてユダヤ人に攻撃を集中して、ルサンチマンを発散させたように、日本は領土問題で対外危機を煽りました。ファッシズムの大衆心理の法則的な力学が、まるで社会実験のように実証されています。日本の内部にいると、この異常性を実感するのはむずかしいのですが、世界からは異常国家のイメージで受けとめられています。欧米や東アジアのメデイアは次のように伝えています。

 「2度目の首相就任が確実となった安倍氏の政治方針は、優先事項が軍事拡張と平和憲法の改定にあることを示している」(ワシントン・ポスト、12月16日付け)
 「安倍氏は対中タカ派であり、特使が北京を訪問した」(ニューヨーク・タイムズ、12月16日付け)
 「安倍氏の政策は、大型公共事業や金融緩和にくわえ、福島事故にもかかわらず原発容認を約束しているが、これは過去の自民党政権が失敗に終わったものであり、新鮮味がない」(BBC放送、12月16日)
 「安倍氏は日本の戦争放棄の根拠である平和憲法、とりわけ第9条を修正し、尖閣諸島に自衛隊ではなく、通常の軍隊を送ろうとしている。日本の再武装や靖国神社参拝を掲げる政治姿勢は、日本に何の利益ももたらさないだろう」(ル・モンド、12月15日付け)」
 「16日の日本の右派による圧勝は、東京と北京の間の間の緊張をいちだんと高め、西太平洋全域の戦略的不安定化を強める」(ル・モンド、12月18日付け)
 「自民党の安倍は憲法の平和条項をなくそうとしている。日本軍の強制売春を認めた河野談話を撤回し、過去の右翼へ逆戻りしようとしている。日本の有権者は中国には腹を立てているが、民族主義的な日本は望んでいないはずだ。維新が日本の核武装などの極右的な要求をかかげるなかで、安倍氏も右翼的な言明をするようになった」(南ドイツ新聞、12月17日)
 「戻ってきた右翼である安倍晋三は、憲法を改悪し国防軍を創設することや日米同盟強化の政策で、人々を憂慮させている」(新京報、12月17日付け)」
 「日本の実権を再び握った安倍は、60年以上施行されてきた日本の平和憲法をいまだかってない挑戦にさらしている」(
 「安倍氏が慰安婦の強制連行を求めた河野談話や、植民地支配と侵略の誤りを認めた村山談話を修正すれば、韓国・中国、日本の関係に一大波乱をひきおこすだろう」(朝鮮日報、12月17日付け)
 「当選議員の75,6%が憲法9条改定に賛成し、衆議院の3分の2を超えて、憲法改訂の発議ができる条件に達したことが、周辺諸国を憂慮させている。日本国民の中で平和を待望し、戦争に反対する声は依然として主流だ」(人民日報、12月18日付け)

 歴史はほんとうにこのように進んでいくのでしょうか。歴史が歴史を裏切るということを、これほどに実感させたリアリズムは戦後史では希有のものです。なぜ市民はなだれをうって極右政党に投票したのでしょう。それを解く1つの視角として現在の社会心理を見てみたいと思います。市場原理主義の信仰は、自己選択・自己決定・自己責任という虚妄の「自立した自己」を設定して、野蛮な競争を組織しましたが、不思議なことにその内実はKY(空気を読む)という順応主義にあり、ひたすら集団の大勢に自分を適応させて、自己を表明することが激しいイジメ(迫害)をうけるという二律背反をもたらしました。自立した自己を確認できるのは、自己責任のレベルだけに追いやられ、自分がうまくゆかないのは自分が悪いからだという心情が蔓延し、真面目で誠実な者ほど自分を責めなければならない状態に追いつめられました。自分がうまくゆかない状況は自分が悪いのですから、状況を変える力が自分にあるという気持が起こってくるはずはありません。追いつめられた自分が向かう先は、弱い自分を救ってくれる超越的な存在です。それはドラッグによる一時的な陶酔の世界か、新興宗教のような小さな神々か、とにかく弱い者同士が手をむすんで癒やし合う小さな共同体です。しかし、むしろ弱い自分が向かった先は、自分よりさらに弱い他者を見いだして攻撃を集中し、つかのまの強さを味わう快感となりました。こうして企業や学校で陰惨な他者攻撃とイジメがはじまりました。これは良心の痛みをともなう行為でもありますから、より誠実な者は、激しい競争と他者攻撃をくり広げながらも、自分自身を呪うようになります。ますます追いつめられた自己が向かう先は、こんな汚い世の中を一刀両断する強力な「維新」のメッセージを発するカリスマ・リーダーとの自己同一化による突破です。今回の総選挙で若いリーダーを擁する極右政党が急進した背景には、こうした社会心理があるように思います。 
 しかし、カリスマ・リーダーの本質はボランテイアではなく、自分自身の権力への意志にありますから(今こそ独裁を!ー橋下)、自分に拍手を送る民衆を心のなかでは軽蔑しながら、劣情を煽りたてて権力の手段とします。遠からず民衆は裏切られるのです。こうした権力と民衆の関係にあるパラドックスを表面化させない最後の手段が、外部に設定した敵に対する攻撃の連帯感であり、つまり対外戦争です。あるいは内部にある敵に対する総攻撃です(ユダヤ人、外国人)。これは最終的な破局の道であり、いま日本はこのもっとも危険な道に踏み込もうとしています。
 ではほんとうの、まっとうな方向はどこにあるのでしょうか。よくみると、今次の総選挙で圧勝した政党は、得票数は前回より伸びていないばかりか、減少しています。極右政党の全有権者に対する絶対得票率はじつに比例区で15,99%に過ぎません。いつに懸かって極右政党の圧勝は、小選挙区制というゲリマンダーにあったのです。今次総選挙の小選挙区の死票は過去最高の約3730万票であり、じつに56、0%にのぼっています。仮に衆議院全議席480を比例得票率で配分しますと、自民294→133,維新54→98,民主57→77,公明31→57,みんな18→42,共産8→29,未来9→27、社民2→11、国民新党1→1となります。つねに3000万票、50%前後が死票となる選挙制度は選挙ではなく、合法的な独裁であり、市民が馬鹿馬鹿しくなって40%が棄権するのは当たり前といえるでしょう。東京新聞は都内25小選挙区の当選者の主張と世論調査の非対称性を比較し、原発ゼロ59,8%→28%、消費税増税反対55,6%→12%、9条改憲反対41,4%→16%と、世論とは異なる議席が議会に生まれているとしています(12月17日付け)。
 深層にある市民意識は、不安を抱えたまま、じつはそれほどに極右を支持した訳ではありません。だから、市民意識にほんとうにフィットする対案を正確に提起するならば、市民の理性が作動していきます。だれも自分の子どもを戦場に送りたくはなく、放射能に怯える未来をいやだと思います。極右と市民の間にある本質的な二律背反が露わになっていけば、理性の道の未来が開けます。最後に笑う者がもっともよく笑うのです。(2012/12/18)

日本は核武装する国家になるのか!?
 米政府の情報機関である国家情報会議報告『世界潮流2030』は、東アジアで核兵器の拡散が起き、日本が核武装する可能性があるとしています。米国が経済的衰退や孤立主義の台頭で、東アジアへのコミットを弱めた場合、米国の関与低下を補う核兵器の保有をめざす国があらわれるとして、その筆頭に日本をあげています。その根拠は、きたる総選挙で勝利が予測される政党の公約に、国防軍と集団的自衛権にむけた改憲と、極右新政党の核武装のための原発シュミレーションに置いています。いまこれらの政党は、選挙戦のまっただ中にあって、市民の反発を恐れ、候補者が国防軍移行を訴えることを禁句としたそうですが、こうした欺瞞の戦術はかってのナチスの宣伝戦略に他なりません。
 まさかこのような極右的潮流がまともに議論となるような状況になるとは、筆者の想像を超える現代史の展開ですが、思いおこせば社会の閉塞と行きづまりの時にあって、対内的な危機を対外的な危機に転化してナショナリズムを宣揚する戦略は、いつの時代でも追いつめられた支配の常套手段であって、別に驚くべきものではありません。問題は極右がメデイアを動員して、こうした雰囲気をファナテックに煽りたて、市民意識を包摂していくところにあります。対外的なナショナリズムは、同時に対内的な反対意見の排除につながり、積みかさなるルサンチマンをマイノリテイに対する攻撃を組織します。それは、極右政党の党首であるイシハラなんとかという人物の下劣な言説に象徴的にあらわれています。

 ああいう人っていうのは人格あるのかね(都立府中療育センター視察で重度心身障害児に、1990年)
 文明がもたらしたもっとも悪しき有害なものはババアなんだそうだ。女性が生殖機能を失っても生きるってのは無駄で罪です((『週刊女性』2001年11月6日号)
 ごくつぶしだ(フリーター青年に対し、2006年3月都議会)
 子どもを育てるためには体罰が不可欠だ(戸塚ヨットスクール校長に、2012年5月)
 不法入国した3国人の騒擾事件さえ予想される(陸上自衛隊観閲式、2000年4月)
 シナ人であろうが韓国人であろうが、外国人がガタガタいうことはないんだ(靖国神社参拝後、2003年8月15日)「
 いい巡り合わせというか、天の声だ、津波は天罰だ(東日本大震災で、2011年3月11日)
 戦後の悪しき習い性の典型だ(脱原発の世論に、2011年9月都議会)
 東京湾に原発をつくればよい、鋸山(千葉県)でもつくったらいい(2012年3月都議会)
 ばかものども(東京五輪に反対する人に、2011年9月知事と議論する会で高校生を前に)
 立ちんぼのストリートガールに女衒が、あの男をひっかけてこいと、握手するようなもんだよ(IOC委員へのアピールについて、同上)
 ぼくは命がけで憲法を破る(2004年12月8日)
 日本は核兵器に関するシミュレーションぐらいやったらいい、これがひとつの核抑止力になる、世界で核兵器を持たない国の発言力は
 圧倒的に弱いじゃあないか
(2012年11月20日)
 憲法9条があるから多くの同胞がさらわれて殺されても抗議して取り返すことができない(2012年12月12日)
 この国はずっと米国の妾でやってきた。下手すると今度は隣のシナの妾になりかねない(2012年12月4日)
 日本人だけが近世になって有色人種でたったひとつだけ、近代国家を作った(2012年12月13日)

 これだけ近現代史に無知と偏見を抱く人も日本にはいないでしょう。彼は一度大学入試センター試験を受けてみたらどうでしょう。近代人権に対する侮辱的な発言は、それだけで卑しい人格を剥きだしにして、哀れでしかなく、ドイツでは公民権を剥奪されて公職から去るしかありませんが、日本ではメデイアを含めなんという批判の貧しさなのでしょう。日本に残存する醜悪な前近代性とファッシズムの残りかすには、赤面の他はありません。この人物が核武装を主張しているのですが、広島・長崎市長はいったいどのような想いで聞いているのでしょう。アナクロニズム丸だしの精神構造は、それはそれで分析に値し、早急に精神病院で精神分析を受ける必要があります。戦死した竹内浩三は、「日本が見えない」と歌って戦地に向かいましたが、70数年を過ぎて日本は浩三に顔向けできない国に転落しつつあります。(2012/12/11)

 さてもさても、このイシハラなんとかに媚びへつらいながら、輪をかけた卑しい心性を恥じらいもなく示しているのが、ハシットラーとかいわれる大阪市長です。一段若い世代にあらわれた極右として少しは分析する意味はあるかも知れませんが、どうもここには大阪独特の風土性もあるようで、どこか吉本劇場の極右版のような感じがします(吉本さんが怒るかも知れませんが)。では、チンピラ・ヤクザの番長のような彼の下劣な品性剥きだしの言説をみてみましょう。

 (日本人による中国人の買春について)ODA(政府開発援助)みたいなものですよ
 (従軍慰安婦について)風俗業はいまでも存在する
 (学力テストの市町村別結果公表について)あのクソ教育委員会が、過度な競争が生まれるからと発表しない
 (私立高校生との懇談で)私学が高ければ、なぜ公立にいかなかったのか!自己責任に反対する奴は日本から出るしかない
 (カジノ誘致について)ちっちゃいころからギャンブルを積む重ね、勝負にしならないと世界には勝てない、風俗街やホテル街を全部引きうける
 (教育について)教育とは2万%強制ですよ、思想や良心の自由なんてクソガキが考える必要はゼロ
 (民主主義について)いまの日本に必要なのは独裁ですよ
 (大阪市長選について)市の職員は負けた時は一族郎党がどうなるか覚悟を決めておけ! 民意を無視する職員は大阪市役所から去ってもらう
 (思想調査について)問題はない、市職員は国民に命令する立場であり、市長の顔色をうかがわないで誰の顔色をうかがうのか
 (核武装について)日本も核兵器を持つべきだ、核廃絶だけを叫んでもなにも動きません

 いま日本はファッシズムへのシミュレーションに実際にふみきりつつあるプレ・ファッシズムの初期段階にあります。まるで1930年代のワイマール末期のドイツの雰囲気に似ています。大不況と中間層の没落、強烈なメッセージを発する指導者願望、社会全体に蔓延する閉塞感とシニシズム等々・・・しかし決定的に違うのは、ドイツでは極右とともに左翼リベラルが急進して伯仲状態になったのですが、日本では左翼リベラルが退潮し、極右は戦うことなく一気に独裁を実現する可能性があることです。表面的には、ナチス期よりはるかに危険な状況にあります。こうした事態は、すでに戦前期の日本が雪崩をうって軍部ファッシズムになだれ込んでいった事態の再版のように見えますが、果たして2度目は喜劇となるのでしょうか。戦時期に上映されたチャプリン『独裁者』を観た作家・高見順は、「連戦連勝のヒトラーを揶揄するとは何ごとだ、『独裁者』は天に唾を吐く如き行為だ」と罵倒したそうですが、ここには左翼から転向して『故旧忘れ得べき』を書いた転向作家の哀れな末路があります。おそらくこれからの日本には、アレコレと自己弁護しながら、多くの高見順が出現してくるかも知れません。なにかを変えてくれそうな指導者待望の心情は、結局は全員が崖から転落していくことを歴史は証明しています。チャプリン『独裁者』のシナリオの最後の6分間の最初のシナリオは、平和のメッセージを聞いたナチスと民衆がダンスを踊るファンタジックな6分間のシーンであったそうですが、チャプリンはヒトラーのパリ入場のニュースを聞いて、翌日にシナリオを書き換えて、あの有名な演説にしたそうです。チャプリンは戦後のマッカーシズムでアメリカから追われて亡命しましたが、高見順のように転向することはありませんでした。いま、イシハラなんとかやハシットラーとダンスを踊ろうとする人がふえているようですが、おそらく2度目は喜劇として終わるでしょう。終わらせなければなりません。(2012/12/12)

日本は、プレ・ファッシズムにあるのか?
 今日から12月に入って、師走を迎えようとしています。なんと時間の過ぎていくのが早いのでしょう。年末をひかえて、世の中は忙しそうですが、こうしたなかで日本の帰趨が問われる選択の時期が迫りつつあります。昨日の党首討論では、維新のナントカという元都知事が、支離滅裂な発言で、醜態をさらして恥じるところがありませんでした。彼の壊れた精神構造を現在の日本の状況のなかできちんと解明する必要があると痛感します。みずからが立ち上げた政党の選挙公約に明記してある原発のフェイドアウトや解雇規制の緩和と最賃制廃止を知らず、原発は核開発の前提となるから、廃止できないと答え、公約を書き直させると言ったのには、そのいい加減さに驚きました。党首がみずからの党の公約を読んですらいない、それを一存で書き換えさせるというのですから、政党の初歩的な原則すら理解できていない独裁者の発想です。他者に公然と言語を発して約束することの人間論的な意味すら、身体化していないこの人物が、文学を語り、芥川賞の選者を務めてきた日本の惨憺たる実態をこれほどに浮き彫りにしたことはないでしょう。彼には、ハンス・ヨナス『責任の思想』を読ませる必要がありますが、おそらく彼の錯乱した頭脳では理解できないでしょう。面白いのは、維新とかいう政党のタケナカという顧問について、「俺は好きじゃあないんだよ。あれが、こういうものを(公約)書いている。(小泉改革と同じになるんでは?という問いに)まったくそうですよ、あまりタケナカを信じるなと云っているんだ」(自由報道協会記者会見 30日)とうそぶき、維新という政党がパーテイとしての最低限の条件すらないことを暴露していることです。イシハラとかいう人物の精神構造は、浅はかな右翼によくみられる自閉した偏見にまみれた老人性痴呆症とみていいでしょう。
 しかし、彼が大阪市のナントカという市長とタッグを組んで、ポピュリズム的なパンとサーカスの饗宴の主役を演じている現状ほどに、痛々しく荒涼たる風景はありません。党首討論では、日本ではリベラルと左翼が弱体化しつつあるのはなぜか?という記者の質問も出ていましたが、このジャーナリストは官邸前とか沖縄の10万人集会などは、日本の現代史に無関係の泡のような存在にしか見えないのでしょうか。メデイアの時代認識の頽廃もまた、劇場型の演出に加担する加害者としてふるまっています。泡のような政党とメデイアの乱舞は、大衆的なファッシズムの前期形態と見なすことができるのでしょうか。ここにはナチスの台頭期と本質的に共通する歴史の再版があるのでしょうか。ナチスのような右からの現状打破のふるまいは、左翼やユダヤ人に対する攻撃とともに、強烈な反資本主義のメッセージを発し、没落する中間層をつかまえましたが、現在の日本の貧困格差の深化のなかで、トラウマを深化させている若者や都市中間層の気持を維新はつかんでいるのでしょうか。ナチスは資本主義批判に向かいましたが、日本では公務員などの「安定した」小市民層に攻撃を集中していますので、対象は異なりますが、維新のパーテイのメンバーはほとんどは旧保守党出身であり、大衆的基盤がほとんど無く、パフォーマンスのみで訴えている点も異なります。しかし、ナチス党員の約半数が30歳以下の若者たちであり、維新に歓呼を送る層の多くが若者であることは共通しています。
 ナチスは街頭での非合法的な一揆主義に失敗し、反資本主義と反ユダヤを掲げて議会に進出し、最後は反共主義によって保守資本層をつかんで独裁権力の樹立へといたりましたが、維新は最初から自治体の支配権を握り、メデイアを駆使するパフォーマンスと公務員攻撃によって大衆的な支持を集めるという経過をたどっています。ナチスと維新の権力への接近の形態は異なりますが、共通しているのは大不況を突破できない民主主義の頽廃への苛立ちと、青年層のフラストレーションを扇情し劣情を組織する点で共通しているように思われます。上からの権威主義的な反動による社会意識の席巻という点でも共通していますが、ナチスが下からの強力な大衆運動とのベスト・ミックスを実現したのに対し、維新はもっぱらカリスマ・リーダーのメデイア・パフォーマンスに依拠しており、ここに維新の致命的な弱点があるようにも思います。あたかも、多くの人気タレントが1、2年で姿を消していくような危うさがあります。しかし、今回の総選挙で一定の進出を果たすならば、ナチスと同じように伸長する可能性もあります。ワイマール民主主義が、わずか14年で命脈が尽きたのは、長い帝政にあって民主主義が成熟していなかった限界にありますが、決定的な弱点は変革のイメージ戦略の構築に失敗した点にあります。ナチスの時代よりもはるかに、多様なメデイアが発達し、イメージ操作の技術が進んでいる日本では、戦後60有余年の民主制の定着はありますが、戦後の燃え上がるような民主主義への希望と熱気はもはやなく、腐敗と空洞化が深化しているなかで、イメージを越えた知性的な判断が帰趨を決する時代となっています。逆に、考えることがめんどくさい、シンドイとか言う感性が蔓延してくれば、ファッシズムへの予期せぬ展開が待ちかまえているかも知れません。
 維新に未来がないことは、破産した市場原理主義と新保守主義が奇妙に共存する戦略から明確なのですが、カウンター戦略の有効性は、すべての分野での民主主義の再構築を現実的なイメージとして提案できるかどうかにかかってきます。解雇規制を緩和し、最低賃金制を廃止して奴隷労働を蔓延させ、核武装して第2次日中戦争をめざすなど、幼稚で戯画的なアナクロニズム方向が大まじめに、恥じらいもなく提起されているのをみれば、これほどに日本の民主主義が頽廃しきった時代はありません。しかし、最後に笑う者は誰かということはあまりにはっきりしています。あまりにばかばかしい局面にありますが、歴史はやはり民衆が動かしていくということが逆説的に証明されるでしょう。それにしても、これほどに日本が国際的に冷笑を浴びている時代はありません。各国のメデイアの論評をみてみましょう。

 「民主・自民の2つの主要政党は、集団的自衛権の行使に向け、憲法の柔軟な解釈を制度化しようとあけすけに議論している。こうした動きは、戦後の平和主義から離反し、真の地域大国になるようにとの米国からの要求に抗してきた日本国民のこれまでの経過からして、重大な変化だ」(ニューヨーク・タイムズ、11月26日電子版)
 「在沖米兵の不祥事が日本の選挙に影響している。沖縄県民の強い批判でオスプレイ配備が米軍の思い通りに進んでいない。安倍総裁は自衛隊の増強、憲法改正を主張しているが、米兵の犯罪や不祥事で反対派が勢いづくかもしれない。」(タイム、11月28日)
 「日本が世界第2位の経済大国の地位を中国に明け渡す中で、内向きのナショナリズムが台頭しかねない。危険なのは、ナショナリズムの高まりが大衆迎合的な政治を招き、日本が近隣国を敵に回すことだ」(フィナンシャル・タイムズ、ジョセフ・ナイ寄稿、11月28日
 「自民党が教科書検定基準の近隣諸国事項を修正すると公約に掲げたことは、歴史の後退だ。この条項は、日本みずからが近隣のアジア諸国との間に起きた近現代史の歴史的事実を扱う際、国際理解と国際協力の立場で配慮するとした独自の検定基準であるが、それを廃棄することは政権獲得時に露骨に歴史を歪曲するという考えだ」(東亜日報、11月19日)
 「安倍総裁が軍事力増強の方針を打ちだしていることは、韓国はもちろん中国にも大きな衝撃を与えるだろう。帝国主義で周辺国に膨大な被害を与えた植民地支配と戦争責任を否定するなかで、攻撃的な軍事大国に進むということであるためだ。東北アジアに軍備競争を触発して、地域安定を害する危険性が大きくなるのだ。」(中央日報、11月23日)
 「自民と維新の支持率が高いことは、二大保守政党が選挙の足を引っ張っている。日本の政治の右傾化が激化している。経済の低迷が続き、領土問題で隣国との関係が悪化していることが、国内の民族主義や保守的傾向を刺激している」(新京報、11月30日)
 「日本の右翼の精神は80年前の幻想の中にとどまったままだ。日本が右翼に引っ張られて、軍事大国化の孤独な道を進めば、必ず周辺国の抵抗にあい、不幸になるのは日本自身だ」(環球時報、11月22日)
(2012/12/1)

崩壊するアメリカ帝国に媚びへつらうジュニア・パートナー
 現役米兵の2012年の自殺者が11月11日までに323人となり、最悪だった09年の310人をすでに上まわって過去最悪を記録しています。内訳をみると、陸軍168人、海軍53人、空軍56人、海兵隊46人とすべての部隊で過去最悪の数字に迫っています。いかも陸軍では、除隊した州兵や予備役から114人が自殺しています(米国防総省発表)。自殺未遂を含む数はこの数倍に上るでしょう。最大の原因は、イラクやアフガンへの派兵による精神的ストレスであり、自殺者の3分の1は派兵経験のない若い失業兵士です。前線へ向かう出撃基地である沖縄での米兵の暴行事件の背後には、希望を失った兵士たちのストレスが沈積し、無辜の日本の市民への発散があります。
 行きづまった米軍は、各地で無人機を飛ばして攻撃し、すでに3000人以上を殺害しています。対テロ戦争で民間人を殺害する虚妄の戦闘に耐えきれない人間兵士のPTSDによる自殺を避けるためです。テロ容疑者の暗殺リストが作成され、秘密裡に攻撃をおこない、無関係の民間人の犠牲者など国際法違反はどこ吹く風で、攻撃現場で救助活動を行うレスキュー隊も無差別に殺傷し、パキスタンでは04年ー12年半ばで民間人犠牲者数は474人ー881人に上っています(スタンフォード大カバラロ教授)。暗殺リストによる無差別攻撃は、今も横行するKKK団の残虐なリンチに似ています。一方的にテロ容疑者と規定して殺害するのは、一般刑法の推定無罪の原則に反し、救助者の殺害などはニュルンベルグ裁判の人道上の罪に当たる残虐行為であり、米国こそが、世界最大のテロ国家に転落しています。
 これから無人機はオスプレイに積載されて、沖縄から飛びたつことになります。これがアメリカ帝国の自国の兵士の死傷を免れる人道的な戦闘であり、野放しでアジアの空を飛びまわる無人機は、有色人種を第2級市民とするレイシズムを象徴しています。日本政府は、自国の婦女子への陵辱を容認し、市民の命を米兵に差し出し、ジュニア・パートナーとなって媚びへつらう醜い姿をさらし、ともに滅んでいくのでしょうか。(2012/11/20)

チェルノブリの低線量汚染地域は、明日の福島の姿なのか!?
 低線量汚染地域とは、チェルノブイリ事故(1986年)の被曝線量が100ミリシーベルト以下の地域を指しますが、事故後に生まれ育った第2世代(31万9322人)のうち、慢性疾患を持つ子どもたちは1992年(事故後6年)21,1%→2008年(事故後12年)78,2%(!)に増加しています(ウクライナ政府2011年4月発表)。140km離れた人口6万5000人のコロステン市は、年間0,5ー5ミリシーベルトの被曝線量が見込まれる地域ですが、同市の小中高一貫校の485人対象検査では、甲状腺などの内部疾患48,2%、肉体発育障害22,1%、目の障害19,2%、正規の体育の授業が受けられるのはわずかに14人(!)だそうです(馬場朝子・山内太郎『低線量汚染地域からの報告』NHK出版)。IAEA(国際原子力機関)は、放射性物質による一般住民の健康被害と認定するのは、小児の甲状腺癌だけであり、慢性疾患は除外しています。では、なぜこれらの地域で慢性疾患が急増しているのでしょうか?
 ひょっとしたら、これは福島の10年後の姿を示しているのでしょうか、それともチェルノブイリが例外的なケースなのでしょうか。福島第1原発事故で事故後4ヶ月間での外部被曝(23万4千人調査)は、飯舘村25ミリシーベルト、県北で7ミリシーベルト(1人が11ミリシーベルト)、10ミリシーベルト以上の被曝が約120人で、18才未満の子どもの9万6千人の40%(!)に結節や嚢胞が見つかり、甲状腺癌は2人となっています(福島県調査)。政府の空間放射線予測では、福島避難地域で150ミリシーベルトをこえる地域が点在し、10年後に50ミリシーベルトとなり、20年後も居住制限区域が残るとしていますが、チェルノブイリでは0,5−5ミリシーベルトの地域ですら、上記のような実態なのですから、福島の将来予測については精細で確度の高いデータによる健康対策が求められます。福島事故発生から1年8ヶ月が過ぎましたが、いまなお16万人(!)が見通しのない避難生活を強いられ、子どもたちの10年後、20年後にどのような障害が現れるのか予測がつきません。率直に言って、筆者の情報量では答えを出せません。少なくとも放射能による健康被害を小児甲状腺癌に限定するIAEA基準は、早急に再審が求められます。以下続く。(2012/11/18)

日本軍が40万人殺した証拠を出してもらいたい。支那人が支那人を殺したんだよ
 もう誰の暴言かはお分かりでしょう、いうまでもなくいま、暴走老人で老醜をさらしている元都知事の野合記者会見の公式の場での発言です。もはや無知ゆえの傲慢さにつける薬はなく、閻魔大王の前で醜態をさらして、命乞いをするしかありません。こういう連中にかまっている時間は、もはや日本にはなく、決着をつける時がやってきました。アメリカ帝国の崩壊が忍びよってきています。9日発表の米国勢調査局の統計では、アメリカの貧困レベル以下で生活する人は4970万人、全人口に対する貧困率は16,1%に達しています。この基準は、低所得食糧支援(フードスタンプ)など政府の救済策を加味して、税金を差し引いた新しい算出方法で、4人家族の貧困ラインは公式統計の2万2811j(181万円)にたいし、住宅ローンがある持ち家世帯2万5703j(204万円)、借家世帯2万5222j(200万円)となっています。18−64歳の勤労人口の15,5%、65歳以上高齢者の15,1%、18才未満の子どもは18%であり、人種別ではヒスパニック28%、アジア系16,9%、アフリカ系25,7%であざやかに貧困は非白人系に集中しています。さらに社会保障がなければ、貧困率は高齢者で54,1%、全体では24,4%に跳ね上がり、フードスタンプがなければ17,6%にあがります。現在の不況下と年明けの財政の壁で、来年以降の社会保障を維持することはむずかしく、アメリカの貧富の両極分解は極点に達し、財政も生活も破綻し、国家も崩壊します。しかし、もはや米国を救うちからは世界にはありません。
 国連人口基金(UNFPA)『2012年版世界人口白書』(14日発表)では、途上国で出産可能年齢にある女性8億6700万人のうち、近代的な避妊手段を利用できるのは6億4500万人で、2億2200万人は放置状態で、年間8000万件の意図しない妊娠、3000万件の計画外出産、4000万件の妊娠中絶が発生しています。毎年2000万件の危険な中絶が行われ、そのほとんどは途上国で、300万件は18才未満の少女に集中しています。強制的な家族計画から、女性が責任を持って選択するセクシャル・リプロダクテイブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)は崩壊し、持続可能な開発を実現するための先進国の支援は大不況下で不可能となっています。先進国の内部で貧困という第4世界が出現し、第3世界の貧困が相乗して、このまま放置すれば世界は破局に瀕します。
 日本ではどうでしょうか。全労連という組合の婦人部調査(2011年)では、女性労働者の83,1%が生理休暇をとらず、非正規雇用の女性労働者は90%を超え、正規雇用の女性労働者も8割を超えています。なぜとれないのかをみると、非正規では就業規則がない20,8%、無給となる15,1%で、非正規は労基法から排除されています。正規雇用では、人員不足や多忙45,6%が最も多く、40歳前半では50%を超えています。若い人ほどがんばる傾向があり、いざ結婚しても子どもができない身体になっています。生理休暇の存在を知らない人が10%弱にのぼっています。警察庁調査(15日)によると、過去5年間に暴力団から脅かされて不等な金品や契約をに応じた企業が18%にのぼり、不当な要求を受けた企業が12%(337社)で、うち13社が要求にすべて応じ、49社が一部応じています。支払った金額は100万円未満49社、1000万円未満7社、1000万円以上3社、残り3社は現金以外と無回答です(12年7月実施、全国1万社対象、2885社回答)。日本の暴力団が野放し状態となっているのは、警察が内務の治安に重点を置き、一般犯罪を軽視し、捜査と検挙率が極端に低下し、また暴力団と手をむすぶ腐敗が深化し、捜査能力が衰弱して証拠のでっち上げや冤罪をうむ状態に陥っているからです。
 先進国では、過重労働と不安定就業によって少子化がますます進行し、途上国では貧困によって人口爆発が起きるという恐るべき非対称性がすすみ、どちらでも治安は極端に悪化しているなかで、政治の世界は保身に明け暮れて離合集散をくりかえし、統治の世界も崩壊しつつあり、メデイアもポピュリズムを煽って退廃番組を垂れながし、全体としてのシステムそのものが融解しつつあります。地球から約100光年彼方にある惑星が、軌道を外れて浮遊しているそうですが(フランス・グルノーブル天文台、14日発表)、むしろあてどもなく浮遊しているのは、地球という惑星であり、漂流する地球からみれば、他の惑星が浮遊しているように見えるのです。宇宙誕生から43億年、太陽膨張で地球が消滅するまで後43億年、生命はおよそ半分を過ぎていますが、あと残された半分の生命を生きる人類に、いったいなにを残そうとしているのでしょうか。日本は決定的な分岐点に立っています。(2012/11/16)

日本IBMに未来はあるか?
 IBMの創始者トーマス・ワトソンは、ニューヨーク州の農家に生まれ、ピアノやミシンの行商から始め、第1子の出産をひかえた40歳で、経営者に嫌われて解雇され、事務機器会社を立ち上げました。創業の理念は@個人の尊重A世界でベストのサービスBすべての仕事の完璧であり、これが世界最大の巨人企業に成長する契機となりました。会社は社員に特別な責任を負い、社員は尊厳を以て遇せられ、どのような不況時にあっても、1時間たりともレイオフによる失業者をを1人も出しませんでした(ワトソン・ジュニア)。おそらくここには、みずからがレイオフされた辛い体験があったからだと思います。
 ところがいま孫会社の日本IBMでは、ある日突然に労働者を呼びつけて解雇通告し、IDカードを取りあげて職場から閉め出すという、信じがたいロックアウト解雇がくりひろげられています。そこには労働契約法第16条の解雇の3要件など歯牙にもかけない主と奴の醜い弁証法が野放しとなって横行しています。日本IBMの大歳とかいう元社長は、これを日本の先端的な人事改革と称し、毒味して日本の他の企業に波及させるとしています。もともと日本IBMは、競争的人事管理で神経を病んで休職する社員が続出していましたが、IBM本社の経営理念から言えば、日本IBMの経営者が最初に規律違反として処分されるでしょう。日本IBMは創業の原点に立ち返った時に、輝かしい企業文化を築くことになるでしょう。しかし、日本の電気・情報産業は、IBMの「毒味の成功」を受けて同じような野蛮な方法で、13万人リストラ計画(トップはパナソニックの4万人解雇)を推進しています。下記は、システム・エンジニアAさんの悲痛な証言です。

   5月から7月まで11回もの面談で退職を強要されました。4m四方の窓のない狭い部屋に入れられ、「仕事を続けるのは難しい」と
  100回くらい言われ、不安や不眠で適応障害になっても強要は続きました。死ぬことを考えるようになり、上司から、「職場には残れ
  ないよ。残れると思った?」といわれた時は、涙が溢れてきて、「自殺しろと言うんですか?もう苦しめないで下さい」と叫んでいました。


 上司は「死ぬことはやめとけよ」と冷然と言い放って、部屋を出て行きました。この上司は、部下を追いつめて快感を味わうサデイストではなく、おそらく生き残りを賭けた会社の経営に献身する崇高な使命感をもっているのでしょうが、その歪みきった心性はもはやサデイスト以上の倒錯した死刑執行人へと頽廃しています。かっての南京で女性を陵辱しては、死の恐怖を発散した旧日本兵の動物的な心情と同じです。こうした光景は、日本の電気・情報企業のあちこちに浸潤し、痛々しい荒廃がひろがっています。競争の圧力と解雇の不安におびえて、必死で今日を生きている追いつめられた者と、それを猟犬のように追いかけ回す悲惨な現場は、日本の企業文化史上かってなかったものです。同じような大量解雇の現象は、三井三池炭坑の時には、総資本と総労働が真っ向から対決する様相を呈しましたが、いまでは首切られていく同僚を横目でみながら、必死でデイスプレーを見つめる荒涼たる光景が広がっています。日本の電気・情報産業が壊滅的な危機に瀕しているのは、技術も人材も部品もセットにして東アジアへの委託生産をおこなうフルセット型委託生産戦略によって、もはや日本企業の比較優位が失われたからであり、その責任は経営陣にあります。経営責任をとらない企業が、社員を無軌道に解雇する企業には未来はありません。
 フランスのオランド大統領は、プジョー・シトロエン(PSA)の8000人解雇計画に対し、「受け容れられない。再交渉すべきだ。政府はそのままにしておくつもりはない」と経営者を批判していますが、日本政府は「個別の案件にはコメントできない」として野放しにしています。女性が陵辱され、墜落するヘリコプターが飛んでも、「日米安保で仕方がない」とする精神風景と本質的に通底しており、21世紀初頭の日本列島は、もはや累々と横たわる死体を見ても、平然としている異様な姿と化しつつあります。(2012/11/14)

ファッシズムは、秘密への欲望を肥大化する
 いま日本で、特別管理秘密に指定された国家秘密をあつかう国家公務員は、6万4361人に上り(12年6月末現在)、11年末の5万3162人から1万人以上に急増しています。この公務員を選別する秘密取扱者適格性確認制度(09年開始)は、当該者の配偶者や家族を調査対象とし、病院歴や金融機関への借金など、本人の同意なく第3者機関に紹介し、不適格者を洗い出しています。身辺調査の具体的な調査項目は開示されず、身辺調査された公務員や不的確と判断された公務員数はおそらく膨大な数に上っていると推定されます。病歴や借金の有無などのセンシテイブ情報は、行政機関個人情報保護法で無断で取得することを禁止されていますが、政府が身辺調査を行う法律がないままに、無断でプライバシーを侵害する調査活動をしているとすれば、日本はかなりファッシズム国家に近づいています
 いま提出されようとしている秘密保全法案は、国が指定する秘密を漏らせば、公務員であろうが民間人であろうが、処罰の対象とするものであり、国民の知る権利やアクセス権は根底から形骸化されます。沖縄返還時の日米密約などの最高機密はおろか、政府が法治の正統性を裏切る秘密の暴走は、市民のまなざしから遮断され、メデイアの取材活動は萎縮し、政府の脱法活動が野放しとなっていきます。国家公務員への諜報活動は、さらに地方公務員へ波及し、さらには市民一般へと拡大し、恐るべき監視国家が完成します。逆に政府への密告の義務がくわわって、市民の相互監視が進み、もはや家族でさえ互いに戦々恐々となるのは、崩壊したKGBやシュタージの戦慄する惨状が示してきたことです。自分が国家から監視されているという意識は、誰よりも早く誰かを告発して自分を守ろうとする意識を生みだし、互いに疑心暗鬼となって、恐るべき密告社会が出現します。この構造は、学校でのイジメの構造とよく似ています。
 一部の自治体のイジメ防止条例では、こどもたちがイジメを報告する義務を課し、一方では教室に監視カメラをセットして校長室から監視するなどの学校が現れています。しかし、監視が強まれば強まるほど、イジメの技術も高度化し、身体的な特徴から始まるイジメは、隠語や子どもの世界だけに通じる暗号が使われ始め、例えば「ブタ!」を「B」と言い換え、何人かに「B1」「B2」「B3」とあだ名を付けたり、「死ね!」を「S!」などと別の言葉に言い換えて、雨あられと降りそそぐようになりますが、教師にはもはや分からない独自の世界が構築されていきます。いじめる側の子どもも、どこかで同じ言葉を浴びせかけられていますので、そのトラウマはより強化されて、より弱い層へ発散されていきます。
 このサイトも誰かに監視されているかもしれませんが、そうした疑惑の悪循環ほどに、支配にとって都合のよい循環はありません。こうした悪魔のサイクルから脱出する唯一の道は、監視や秘密そのものが、恥ずべき反人間的な行為であるという文化が市民社会に埋めこまれていく以外にありません。誰かが高笑いして、他の誰かを支配している構造ほどに醜いものはなく、高笑いしている者もまた、いつか倒されるという不安に駆られて、より支配を強めるという悪魔のサイクルをうみだし、ついにはすべてが大音響のなかで崩壊していくしかないのです。市民が主権者である民主主義の国で、膨大な国家秘密が存在すること自体が倒錯した反民主主義にほかなりません。(2012/11/9)

なぜ、救急車は米軍基地に向かったのか?
 沖縄県読谷村で起きた米兵による中学生暴行事件で負傷した米兵は、なぜ救急車で米軍基地に直行したのでしょうか? 消防隊の独自の判断なのでしょうか、それとも米軍の指示によるものでしょうか、刑事事件を想定していたなら、捜査権の及ばない米軍基地ではなく、日本の病院に収容すべきであり、いまからでも沖縄警察は身柄引き渡しを求めるべきでしょう。ひょっとしたら防衛省の指示だったのでしょうか。米兵による集団性暴行に続く暴力事件は、沖縄の怒りがもはや限界に達し、日米同盟派が多い沖縄県議会でさえ、軍事基地の全面撤去を決議しました。こうした動向に、ニューヨーク・タイムズはすばやく反応し、次のように報道しています。
 「沖縄の怒りが、米国との安保同盟を脅かすところまで高まるかもしれないことを、日本の政府当局者は恐れている。相次ぐ米兵の事件は、沖縄に憤激を呼び起こし、オスプレイの配備ですでに高まっていた緊張状態をさらに悪化させ、米国とそのもっとも緊密なアジアの同盟国との関係を込み入ったものにしている。沖縄県民の反対は、海兵隊のオスプレイ配備に制約をもたらすまでにいたっている。日米同盟の維持を県民の懸念より優先する日米両政府の姿勢にもかかわらず、沖縄県民は抗議の声を上げ続けてきた。沖縄県が求める地位協定の見直しに、米国防総省は抵抗するだろうが、米政府は沖縄県民の正当な懸念に、より機敏に対応しなければならない。日米両政府が彼らの抗議を真剣に受けとめない限り、県民の怒りは和らぐことはない」(11月3日付け)
 なんとまあ、日本の新聞報道をはるかに超える「公正」な報道ではありませんか。残念ながら、日米同盟そのものへの問題提起はありませんが、すくなくとも地位協定の改訂を支持するというリベラルの姿勢はうかがえます。もし米本土に外国軍基地があり、アメリカ市民への暴行があれば、おそらく大統領は責任を問われて辞職に追い込まれることでしょう。この記事では、「沖縄の怒り」であり、「日本の怒り」とはしていません。同じような事件で、韓国は全国民が怒りの声を上げ、米韓地位協定は改訂されましたが、日本政府はなんらそのような姿勢は見せていません。日本の植民地化は、韓国以上に深く日本を浸蝕しています。中学生暴行事件の翌日には、日本政府は平然とオスプレイの本格飛行訓練の開始を通告しています。この訓練は日本列島の全域で行われますから、どこで墜落事故を起こしても不思議ではありません。本日5日には、米軍1万人、自衛隊3万7400人を動員する日米共同統合実動演習(キーンソード2013)が16日までの日程で開始され、中国軍を想定する演習がおこなわれますが、その演習内容は全面非公開となっています。中国軍との戦闘を想定した訓練は、日本と中国の開戦をありうべき事態とし、日本の極右的潮流はさかんに挑発しています(前都知事)。
 高橋哲哉氏は、沖縄と福島の二重差別を指摘していますが、こうした差別意識への還元は生産性をもたらすとは思えません。差別意識の追求は、主体の自己反省をギリギリと迫り、かえって差別の構造を強化する効果を持つ場合があります。沖縄の怒りは、沖縄基地の日本列島への平等な分散という隘路におちいり、差別の相対的な解決は実現しますが、基地そのものの本質的な解決にはむすびつきません。この点で、沖縄県議会の基地全面撤去決議は、従来の平等負担論を越える画期的な意味をもっているように思います。フィリピンが米軍基地の全面撤去を実現してから、なにかフィリピンの平和が脅威に瀕したことがあるでしょうか。むしろ基地経済から脱出して、観光産業を発展させ、、フィリピン経済の発展に寄与しているようにプラスの効果を持ち、フィリピン海峡の平和は逆に進んでいます。日本は、沖縄の犠牲を日米安保と米軍基地への幻想から解き放つことによってしか、差別への贖罪はありえません。(2012/11/5)

アルゼンチンは、16歳選挙権を導入したのか!?
 こうしたニュースを聞きますと、もはや日本は先進国ではないばかりか、フロント・ランナーでもなく、現代史の最後尾をよたよたよとあえぎながら歩いているような感じです。今や18歳選挙権が世界標準となり、173ヵ国が実施しているなかで、116年前につくった20歳成年の民法に固執している日本は、後ろに進む後進国のイメージしかありません。20歳未満は一人前の判断ができないとして切り捨てて子ども扱いする国は、世界ではもはや日本のほかごく少数の国に転落しています。他方では、犯罪についてだけは成年者と同じ刑事罰を適用するという厳罰主義を適用するのですから、管理社会の抑圧的寛容すら投げ捨てる野蛮を示しています。
 国連・子どもの権利条約は、18才未満を児童とし、子どもに影響を及ぼすことについて、意見を表明する権利と集会・結社の自由を認めています。日本政府はこの条約を批准しながら、日本の子どもたちを実際にはこの条約から排除し、子どもと成年への管理と抑圧を強め、青年の自立を阻害しています。青年の非正規労働率はもはや2人に1人となり、自殺率が死亡理由のトップとなるなかで、これほどに青年が元気をなくした時代はなかったのではないのでしょうか。現在にあって未来を探り、未来を代表する本来の青年の姿は、どこにあるのでしょう。倒幕の明治革命をリードした人たちがほとんど20歳代であった、かっての日本の輝かしいイメージは現在ではノスタルジアの対象でしかありません。
 しかしあのかっては、独裁と軍部クーデターが相次ぎ、経済破綻でIMFの管理下におちいったアルゼンチンで、どのような変化が起こっているのでしょうか。2003年に女性大統領が登場して、米軍主導の核武装とミサイル計画、新自由主義と市場原理から訣別する大転換を果たし、アルゼンチン社会は大きく民主化の方向に踏みだし、富裕層優遇政策を貧困層救済へ切り替えてから、経済は回復軌道に乗り、民度が一気に上昇していきました。16歳選挙権の議会審議では、「青年たちはなにが起きているかを理解しているし、みずからの現在と未来の建設に参加したいと思っている。16歳選挙権はアルゼンチン民主主義の地平を拡大する」という趣旨の議論がくりひろげられています。こうした、日本ではいつか形骸化した議論が真摯に展開できる文化が着実に育っており、未来への希望を感じさせます。軍事独裁で3万人を超える青年が虐殺された惨酷な体験がベースにあり、息子を失った「5月広場の母親たち」などのねばり強い運動がついに芽吹いて花を開きつつあるように思います。
 新自由主義と市場原理の惨酷な痛みにあえぐ点では、日本もアルゼンチンと本質的に共通しています。日本では軍部クーデターのような野蛮な軍事支配はありませんが、ポリテイークと社会の混迷はむしろアルゼンチン以上の精神的荒廃をもたらし、人間が互いにいがみ合う惨状を呈しています。もし弁証法の論理が働けば、闇が深いほどに朝は近いと云えるでしょうが、漆黒の闇は深く、かすかな曙光すら浮かびあがってくることはなく、逆にかってのアルゼンチンのような独裁とポピュリズムの潮流がひろまる逆説にあります。絶望の虚妄なるは、希望の虚妄なるに同じであり、希なる望みのなかにこそ、真の希望があるように思います。遠い中南米のアルゼンチンはみずからの煩悶をもって、この答えを出しつつあるように思います。(2012/11/4)

福島の人々の神経を逆なでする復興予算5億円の原発輸出流用はなにを浮き彫りにしているか?
 政府は、敦賀原発を運営する日本原子力発電のベトナム・ニントウアン第2原発建設の掘削と航空写真撮影など調査費5億円をプレゼントし、すでに実施中だそうです。原発輸出のプラントメーカーや被災地域の協力企業に経済効果が及ぶからだと説明しています(経産省原子力政策課)。日本列島をノーマンズランドと化して制御不能となって暴走する原発を、他国に輸出して地球の大地をも破壊する行為は、市場の論理に呪縛された狂気でしかありませんが、それはおいても復興予算を原発輸出に回す神経は想像をはるかに超えた人間的頽廃があります。東北大震災の被災者の医療・介護の負担軽減措置を9月末に冷酷に打ち切って、トヨタや日立に復興予算をバラマキ、自衛隊情報保全隊の携帯やカメラを購入し、原発輸出に予算を回すなど、復興政策そのものがハゲタカ資本に蹂躙されています。なぜ私たちの税金を民間企業への投資に回すのでしょう。東日本大震災以降に体調を崩して亡くなった震災関連死者数は、2303人に上り、うち福島県在住者が1121人と約半数に上っていますが、なぜ福島県が突出しているのでしょうか。これから甲状腺癌を発ガンする福島の子どもたちの医療はどうなるのでしょうか。
 30日にニューヨークなどを直撃したハリケーンは、ニュージャージー州のセーレム原発の冷却水循環ポンプの6つのうち4つを機能停止に追い込み、2基のうち1号機が手動停止にいたり、オイスタクリーク原発は冷却水の取水口の水位が異常に上昇し警戒宣言が出されました。インド西部のラジャスタン原発では、今年の6,7月に放射性物質が漏出する事故が相次ぎ、作業員40人以上が放射性物質トリチウムを吸う事故が2ヶ月連続で発生し、IAEAが29日から調査に入っています。諸外国の作業員の被曝作業管理は厳格性をきわめていますが、日本はすでに破綻しています。東電福島第1原発では、労働者が付けている警報付き電子式個人線量計(APD)と積算型個人線量計(ガラスバッジ)のデータが誤っており、高線量の場所でAPDを付けていなかったり、警報設定値を高く設定して鳴らないようにし、最悪の場合は鉛で線量計を覆って作業させるなど、東電と元請37社は常軌を逸した作業を強制しています(厚労省30日調査報告)。労安法違反で告発した関電工の2次下請の作業員(46)は、福島第1原発の電源を喪失した3号機タービン建屋地下の配電盤にケーブルを敷設する緊急作業で、高濃度汚染水の溜まり水の恐怖のなかで数時間作業し、最大で180ミリシーベルト被曝し(国の基準は1年間で100ミリ)、被曝は自己責任として解雇されました。これほどに破綻しているした現場管理を外国に輸出することに、何の恥じらいも覚えない神経は、彼らの大脳神経系が極限まで歪んでいることを示しています。さらには、原子力規制委員会が28日に発表した放射性物質の拡散予測図が6原発で誤っており、1方位ずつづれており翌日に訂正しました。これも外部からの指摘があって発覚したことで、もし指摘がなければ自治体は架空の避難計画を立てて住民に指示することとなります。日本の原発技術と現場管理の崩壊は、目を覆わしめるものがあり、日本はもはやプロメテウスの火を操作するにはあまりに無能なレベルにあります。
 なぜこのような統治そのもの危機が誘発されているのでしょうか。いうまでもなく市場原理主義の利潤の極大化指向に包摂されて、大地に生きる人間たちの協同の生命活動の基盤が壊れたからです。09年の国連総会は2012年を「国際協同組合年」に指定し、ゆきづまった市場原理を制御して克服し、終わりなき貧困を撲滅する新しい経済モデルのミッションを宣言しましたが、日本政府も賛成した2012年・国際協同組合年は、日本では「新しい公共」と読み替えられ、政府の責任を放棄する自己責任による「絆」路線を打ちだして、日本にあった協同の契機は破壊され、惨憺たる惨状を呈しています。「絆」は、政府の逃亡を免罪する代名詞に過ぎなくなり、かえってミーイズムの風潮を強め、追いつめられた者の断末魔の助け合いにしかなりませんでした。マンションの一室で平気で人を殺めて金を手にする惨状が生まれています。統治の側は自己保身の離合集散をくりかえし、もはや統治は市民のルサンチマンを煽るポピュリズムに堕し、内部の矛盾を外部に発散する排外主義とファッシズムが横行するようになりました。日本が戦後営々とつくりあげてきた市民社会にかろうじてあった生活の協同のシステムが、根こそぎ流されてしまいつつあります。おそらく戦後日本史で、生活の内在的な意識をふくむシステム全体の全般的な危機が、これほどに深化した時代はないように思います。ファッシズムか民主主義か、かって1930年代にハードな形で迫られた選択が、装いを変えて貨幣信仰とモラルをめぐる姿となってあらわれているのではないでしょうか。(2012/11/1)

他国の政府の審議に介入する、この恐るべきテロリズム国家!
 10月24日の朝日新聞に、米戦略国際問題研究所の所長へのインタビュー記事が掲載されています。日本政府の「2030年代に原発をゼロ」をめざすエネルギー・環境戦略の閣議決定に介入してストップさせた理由についてアレコレと答えていますが、その理由以前に驚いたことは、他国の政府の会議に介入して指示することそのことにある主権に対する問題意識がゼロであることです。もしこれが逆に、日本が米政府のホワイトハウスの会議に介入して指示すれば、大統領は主権侵害として烈火のごとく怒り、外交断絶にいたるかも知れません。米政府の介入に屈従して媚びへつらう日本政府の態度も、もはや主権を持つ独立国のものではありませんが、ここにはっきりと日米がイコール・パートナーではなく、植民地的な支配・従属関係にあることが浮き彫りとなっています。なにしろ、日本政府の中枢にCIAのエージェントがいると、取りざたされているのですから、もはや驚く方がおかしいのかも知れません。
 さて米国はなぜ、日本の原発ゼロに反対するのでしょうか、彼が述べる理由からなにが浮かびあがってくるでしょうか。原発ゼロは天然ガスの火力への依存を強め、エネルギー。コストが増大して日本経済を駄目にすると親切に忠告していますが、ほんとうの理由は核不拡散体制が崩壊することにあるとしています。つまり世界の核兵器の所有で米国の核優位の体制が崩れるからだといういうことです。なぜ崩れるかというと、日本の原発は潜在的核兵器開発能力の威嚇によって、アジア・太平洋地域の核兵器のバランスが保たれ、日本の原発ゼロは中国の影響力を増大させるとしています。インタビューでは、ここで核兵器のことをたんに「核」と表現して、軍事色を弱めようとしていますが、要するに原発は軍事的な意味をもっていることが分かります。日本の改訂原子力基本法も、こっそりと「安全保障に資する」という目的を挿入しましたが、これが重大な意味をもっていることを示しています。原発が稼働しなくても、電力は余っていることが明らかになっている現在では、原発の目的は核兵器開発そのものに直結しているのです。日本列島にトランジットする米軍は自由に核兵器を持ち込む密約があるように、これさえも驚く方がおかしいのかも知れません。
 さらにインタビューでは、放射性廃棄物の処理について、米国はコンクリートに閉じ込めているので問題はないとして、恐るべき無知をさらけだしています。今後は再処理のための国際機関をつくればいいとしていますが、消失に何十万年も要する再処理後の放射性物質についてはなんのコメントもしていません。米国の国際戦略がこの程度のレベルで議論されていることにゾッとするような不気味な脳天気さを覚えますが、なぜこのように米国の知的レベルが頽廃してしまったのか、解明すべき問題としては大いに興味を喚起させます。ドイツの原発廃棄を最大級の表現で攻撃していますが、ここにも米国シンクタンクの知的頽廃が浮き彫りとなっています。”我が亡き後に、洪水は来たれ!”、これが彼らの醜悪な本質に他なりません。
 最後に米政府は、ドイツ政府の原発廃棄決定の審議過程には、少なくとも公然とは一切介入していません。なぜ日本政府の会議には介入するのでしょうか。この背景には、第2次大戦で米政府が欧州戦線での原爆投下作戦を計画できず、日本列島に2発落として威力を誇示したこととつながっています。彼らは同じ西欧文明の白人には原子爆弾を落とすことは考えられず、アジアの黄色文明には気軽にできたのです。欧州駐留の米軍の現地での犯罪が極端に少なく、アジアに駐留する米軍の犯罪が、とくに性犯罪のテロリズムが野放しであることとも通底しています。私は、ナショナリズムや人種的な観点から米国を批判することは避けたいのですが、米国自身にある人種主義は目を覆うべき醜さを呈しています。さらに恐ろしいことは、こうした人種的な文明の差別構造は、日本国内の差別構造に転化し、沖縄の少女が幾ら陵辱されても、日本列島全体が怒ることはありません。日本の原発の多くが、被差別の同和地区に立地していることも同じです。米国とそのジュニア・パートナーである日本政府は、史上最大のテロリズム集団に堕しているといえるでしょう。(2012/10/29)

美しいバラにはトゲがある、美しいチョウには毒がある
 沖縄や南九州の南国を代表するツマベニチョウは、羽根の先が鮮やかなオレンジ色をしているモンシロチョウの仲間であり、人を死亡させるほどの巻き貝と同じ種類の猛毒をもっています。鳥などの天敵から身を守るためであり、ほんらい毒を持たないチョウも、ドクチョウの色を真似て身を守ろうとします。人間も人を惹きつけるためのさまざまの色香を駆使し、それに迷って身を滅ぼしたりします。ピュアーな白は純潔を意味し、死や厳粛を意味する黒は妖しい魅力を放って、それぞれに人を魅惑してひきつけます。日本の現在を象徴する色は何色でしょうか? 生き生きと成長期にある時代は明るい色を選び、退潮期にある社会はダークな色を装います。日本の高度成長期のビジネス・ファッションの色は明色系で、いまサラリーマンのスーツはほとんど黒色系です。おそらく、日本の現在を象徴する色は、灰色か黒でしょう。黒はすべての色を吸収しながら、暗黒街を生きる色であり、ヤクザの正装は不気味な黒一色ですが、同時に男性のフォーマル・ファッションは黒と白の(場合によっては銀色が交じり)非対称性と非日常性を際だたせます。従って黒はどん底の色であるとともに、未来の希望に逆転する可能性を潜在させている両義性を含んでいます。言い換えれば純白は、文字どおり純潔をあらわして、特攻隊のマフラーや鉢巻きになったように、死を美化して人を滅ぼすものであり、またあらゆる色に染まっていく多義性を潜在させています。こうして白か黒か選択を迫る社会は不幸な社会であり、3原色を多様に融合させた多色系の社会こそ、生き生きと個性が脈うっています。かってブラック イズ ビュイーテイフルとして、黒人解放運動がくりひろがられましたが、白人との二元的な対立はいまもって消えることはありません。
 美しいチョウに毒があるように、多彩色は繊細な個性を躍動させると同時に、裏には危険な躍動をはらんでいます。秋たけなわの今、日本の自然はもっとも美しい色を漂わせて、感歎すべきパースペクテイブをくり広げていますが、その向こうには灰色と黒の厳しい冬が待ちかまえています。こうした日本の自然を、ある野党の党首は「美しい日本」と言いあらわして耽溺していますが、彼の言辞の裏にはみずからがつくりだした醜い黒色の日本がひろがっています。澄みきった日本の秋空には、オスプレイがのたうち回って飛びまわり、地上では猛々しいソルジャーが日本の女性を陵辱しています。警察庁警備局捜査1課の資料によると、1989年から2011年までの23年間で、米兵による強姦検挙件数は55件(67人)にのぼり、うち沖縄県29件(33人)、神奈川県12件(18人)、長崎県12件(8人)と米軍基地がある3件に集中し、短期駐留の独身兵が覆い海軍と海兵隊が多数を占めています。ています。とくに沖縄県は1972年から2012年9月までで127件(144人)にのぼっています。これは警察の検挙件数であり、不起訴となった発生件数ははるかに多く、泣き寝入りの件数はさらに多いでしょう。まるで、敗戦後の占領期に売春婦を米兵に斡旋した日本政府の慰安所設置のように、現在は日本全体が米兵のための女性提供所と化しています。一方では米陸軍の自殺は、12年10月で140件で米兵の大義なき戦闘のストレスは極点に達しています。米兵のストレスとPTSDは、暴力となって女性に向かうか、自分を殺める自殺へと向かっています。
 東京ドーム153個分を占め、住宅地のど真ん中にある米軍横田基地の夜間と早朝の飛行を差し止めを求める住民の訴訟を、イシハラとかいう都知事は「エゴでナンセンス」と攻撃し、領土問題で「日本は支那との戦争の覚悟せよ」と挑発し、「フランス語は言語として劣等だ」とののしり、この人物は人を傷つけたり、人の気持ちを逆なですることを平気で垂れながしています。おそらく大脳神経系の言語中枢に問題がありますが、彼が芥川賞の選考委員なのですから、日本の文学も地に落ちていることはまちがいありません。フランス大使は、「五輪精神はすべての差別と相容れない、それを理解できない人物が五輪招致などおこがましい」と痛烈に批判していますが、これで東京五輪の可能性は消えてしまいました。カネまみれの復興予算が被災者を無視して乱費され、被災地は悲しみに打ちのめされています。福島第1原発3号機のタービン建て屋から、15日には90gの汚染水が漏出し、1立方a2万8000ベクトルの放射性セシウムが垂れながされ、第2原発沖合2kmから捕れたドチザメからは1kgあたり1430ベクトルの放射性セシウムが検出されています。しかし、もはや新聞で報道されることはありません。東北で加工した魚は売れないので、秘かに他の地方で加工して産地名を変えて売り出しています。でも政府は、大飯原発を再稼働し、制御棒が効かないMOX燃料の大間原発の建設を再開しました。日本列島とそこに生きる人たちを虐待し、破滅に追い込む資本の暴走は最後の破局に向かって突きすすんでいます。
 国連総会第1委員会(軍縮・安全保障)35ヵ国が発した核兵器の非人道性と非合法化を求める共同宣言を、日本政府が拒否したことが全世界に驚きをもたらし、「ショッキングだ、核兵器使用の直接の結果を知っている日本が拒否することは痛ましい」(核兵器廃絶国際キャンペーン副議長、10月23日)と批判しています。なにしろ日本は、潜在的な核兵器保持能力を世界に示すために、原発を再稼働している国なのですから、いかに国際標準から離れているかを歴然としています。
 世界経済フォーラムは、世界135ヵ国の男女平等度を雇用機会・賃金、学歴、健康・長寿、政治参加の4分野で評価し、総合ランキング上位4位までを女性の社会進出が定着している北欧が占め、日本は識字率と初中等教育で第1位ですが、行政職と企業幹部で女性が少ないなどで101位となり、先進国では最下位となっています(ドイツ13位、英国18位、カナダ21位、米国22位など)。教育水準トップの日本は、女性を排除する恥ずべき性別格差トップ国となっています。女性蔑視の家父長制的な男性優位の国を、「美しい国」と呼んで憚らないナントカというと野党党首は世界からの冷笑を浴びています。
 犠牲はなにも発言できない無垢の子どもたちに集中し、2011年度の児童虐待相談件数は過去最高の5万9862件(速報値)にのぼり、心中以外の虐待死45件¥51人のうち、3歳以下が43人(84,3%)で、主たる加害者は実母が58,8%、実父が13,7%です。日本列島は、互いにいのちを合い喰む修羅の地獄となって、かけがえのない命がはかなく散るにまかされています。「美しい日本」がここまで汚され、不気味な沈黙のなかであちこち悲鳴がこだまし、汚れちまった哀しみに包まれています。日本列島は平安末期の末法の世にに匹敵する漆黒の黒色に染められています。私たちは、ある野党の党首のように靖国神社に行って頭を垂れるべきなのでしょうか、それとも金曜日の夜に首相官邸前に立つべきなのでしょうか。たとえ世界が滅びようとも、わたしは今日りんごの木を植えるべきなのでしょうか、たとえ世界が滅びようとも正義は行われるべきなのでしょうか?(2012/10/22)

 追記)都政を投げだして新党結成を表明した都知事は、記者会見で「国政の矛盾の最たるものは、占領軍が一方的に与えた醜い日本語でつづられた憲法であり、いまの若者にシャンとして貰うためには、自衛隊でも、警察でも、海外協力隊でも、連帯責任を負って無償行為を経験した方がいい」と、現行憲法の破棄と徴兵制導入を公言しています。こうした亡霊のような言葉が、公的な発言としてなんの批判もなく報道される日本の現状は、もはや統合失調症の狂気に堕ちているといるとしか言えません。彼は政治家以前に、3文小説家として大衆小説を書いた方がいいでしょう。(2012/10/26)

アメリカはネコで、沖縄はネズミ、ネズミはネコの許す範囲でしか遊べない
 米軍が沖縄を占領した1956年に、米兵がうそぶいた言葉です。1972年の復帰から今年の9月までの40年間で、米軍人や軍属が沖縄で検挙された刑事事件は、5790件、5698人で年約150件、2日半に1回の割合で起こっており、うち性暴力は127件、144人ですが、これは氷山の一角であり、立件されず泣き寝入りとなった件数はおそらく数倍に上るでしょう。55年の由美子ちゃん事件では6歳の少女が拉致され、嘉手納基地内で繰り返し暴行をうけ、遺体はゴミ捨て場に捨てられました。当時の米太平洋軍司令官は「レンタカーを借りる金があれば女が買えた」とうそぶいています。今回の暴行された女性は泣き寝入りせず、みずからの尊厳を毀損した米兵を告発したのです。フィリピンやグアムで同じような犯罪を起こせば、軍法会議で厳罰に処せられますが、日本では罰せられることはなく、いつのまにか帰国し日本は米兵の犯罪天国となっています。今回の事件について、日本の森本とかいう防衛相は「たまたま外から出張してきた米兵が起こした」と教育が足りないだけだとし、外相はフランスまでわざわざ出かけて、サッカーのGKカワシマをフクシマと揶揄したTV局に抗議していますが、米軍にはなにも言っていません。おそらく彼らの本音は、こうした事件は植民地軍に避けられない女性への暴力なのでしょう。かっての旧日本軍も、朝鮮では宮廷を襲撃して、王妃に暴行を加えて殺害し、アジア全域で現地の女性を従軍慰安婦に動員して、恥ずべき暴虐の限りを尽くしたのですから。日本政府の本音は、主人に媚びへつらう奴隷としては、自分の国の娘たちが陵辱されても、なんの感受性も働きません。なぜなら、日本政府の中枢には米国CIAのエージェントとして米政府のスパイとなっているメンバーがいるからです。米政府の公開されたCIA公文書(1955年8月11日付け)では、読売の正力松太郎は「ポダム」という暗号名で、彼の腹心の部下の柴田英利は「ボハルト」という暗号名で、貴重な情報源となったとしています。その他、有力なCIAのエージェントとして岸信介(米国務省の重要な工作対象)、佐藤栄作(CIAの資金提供をうけたとされる)、児玉誉志夫などがおり、現在では小泉純一郎や前原誠司が取りざたされています(有馬哲夫『原発・正力・CIA』新潮選書、2008年)。この真偽のほどは検証できませんが、日本政府の言動をたどればあながち否定しきれないように思います。もはや沖縄が日米同盟の人身御供になっているにもかかわらず、政府は形式的な抗議で済ましているようです。政府のみならず、安倍とかいう野党の党首は、沖縄の女性が暴行をうけている日に、旧日本軍のA級戦犯の慰霊のために靖国神社に参拝し、「英霊に対して申し訳ない」と詫びるアナクロニズムの極致を示しています。この極右政治家は、みずからの民族の娘の純潔が踏みにじられても、なんの痛みも覚えていないようです。これが彼の言う「美しい国」の内実に他なりません。
 いまや「歩く凶器の米兵と空飛ぶ凶器」(抗議集会のプラカード)に蹂躙される沖縄の人たちの犠牲は極限状況にあり、その怒りは臨界点に達し、コザ暴動のような暴発をもたらすか、基地そのものを撤去する日米安保条約の破棄を求めるにいたるでしょう。もしそうでなければ、沖縄県はかっての琉球王国のような独立国家となる道を選ぶしかありません。それほどに沖縄の人々のルサンチマンは深いでしょう。いま背後のNHK・FMから、ダ・カーポの”いいことだけ考えよう”という美しい旋律が流れてきますが、これほどに本土の意識偽善を示す音楽はありません。ここにあるおめでたい無知の感性は救いがたいものがあります。最近のNHK・FMは、軍艦行進曲や戦時歌謡を堂々と名曲として流すようになりました。(2012/10/18)

 補記)「『私たちの苦痛を長引かせるな』と戦時中の性奴隷たちが今も謝罪を待っているー日本の敗北後ほぼ70年経った今も、『慰安婦』のあつかいが韓国との関係につきまとっている。領土紛争に巻き込まれた地域はふたたび日本軍国主義の遺産に直面している。反日感情による怒りや反応の背景には、第2次大戦中の残虐行為への長引く憤りと、日本が深い反省を十分に示していないことにある。野田首相はアジアの女性に性奴隷を強制したことを証明する資料がないと発言し、自民党の安倍総裁は河野談話の謝罪見直しを求めている」(英紙・ガーデイアン10月18日付け)。世界は日本の行為をこのように論評していますが、日本は非人道的なイメージでとらえられており、なんとも恥ずべき印象を世界にばらまいています。国内で外国兵から自国の娘たちが陵辱をうけても、毅然たる名誉回復の主張がとれない態度は、みずからの海外での犯罪に責任をとらないふるまいと結びついています。人間の尊厳に対してこれほどに破廉恥な態度を示す日本は、国際的にも冷ややかな蔑みのまなざしを浴び続けることでしょう。こうしたふるまいの責罪を次世代に負わせてはなりません。(2012/10/21)

フル・マラソンで研究費を調達する山中教授のノーベル医学・生理学賞受賞から見えてきたもの
 ヒトの細胞が受精卵から分裂し、体細胞に分化する前の幹細胞を皮膚の細胞から人工的につくりだすiPS細胞は、再生医療の無限の可能性を切りひらきました。皮膚の細胞に山中因子と呼ばれる4つの遺伝子を組みこんで、体細胞を幹細胞へと初期化する驚異的な大発見です。この研究費を調達するために、山中教授がみずからフルマラソンに出場して賛同を募る姿をTV映像をみて、なんだか悲しくなりました。これほどに日本の基礎研究に対する資金の貧困を見せつけた映像はないでしょう。日本の国立大学と研究機関のすべてが、10年前に独立行政法人化し、政府からの交付金はズタズタに削減され、しかも短期的な成果主義で業績を評価する竹中構造改革が、日本の基礎研究の条件を恐るべき貧困に導きました。最近の日本のノーベル賞受賞者の多くは基礎研究部門であり、そのレベルの高さは研究者の血のにじむ個人的な犠牲の上になりたっていることを示しています。野田とかいう首相は、どのような思いで受賞を祝う電話をしたのでしょうか、恥ずかしくないのでしょうか。山中教授は記者会見で、謙虚にこの問題を訴えていましたが、山中教授の業績の背後には、有期雇用の将来の不安におびえながら、研究に従事する無数の若手研究者が存在していることを忘れてはなりません。
 さらに重大なことは、iPS細胞の前におこなわれてきた受精卵を壊してとりだしてつくるES細胞(胚性幹細胞)の問題です。赤ちゃんになるかもしれない受精卵を壊さないと、体細胞に成長させられないES細胞の研究は、人の生命の芽生えを人工的に摘みとっているのです。山中さんは、ES細胞を使う研究では、顕微鏡で見える受精卵と「自分の娘の顔が重なり合った」として、受精卵の利用を拒否して、iPS細胞の発見の道を開いたのです。しかし今までES細胞のための受精卵を研究者に提供してきたのは誰なのでしょう。おそらく女性の卵子を人為的に摘出して人工授精し、研究者に受精卵を提供するシステムが存在しているに違いありません。生殖医療の技術的進歩は、こんな技術は朝飯前であり、赤ちゃんをつくるための人工授精ではなく、壊すための医療実験に受精卵をつくっているのです。先端医療の分野はなにか暴走しているようであり、こうした暴走を規制する法制度も確立しているようにはみえません。
 日本は自然と生命を尊重するような文化を育んできましたが、どうも科学の前にはいのちを無感覚に軽んじて恥じない傾向があるように思います。福島原発事故とその後の経過は、命よりも原発が大事だとするおそるべき野蛮な文化が埋めこまれているような気がします。この瞬間にも高濃度放射性物質を浴びながら、事故処理にとり組んでいる被曝労働者のいのちなどどこ吹く風で、再稼働と増設を煽動する人たちがいます。iPS細胞の研究者は、難病に苦しむ多くの人の命を救うために、日夜苦闘していますが、一方では日本列島をノーマンズランドにする原子力研究に生涯を捧げている研究者もいます。科学と倫理の問題が根底から再審されています。(2012/10/11)

大日本帝国憲法の復活ーこの歴史的錯誤のアナクロニズムの底にはなにがあるのだろうか?
 東京維新の会なるものが、現行の日本国憲法を無効とし、戦前の帝国憲法の復活を求める都議会請願に賛成したというニュースは、あまりに戯画的で一笑に値いしますが、どうもそれでは済まされな薄気味悪さも感じます。おそらくこの請願の論理は、現行憲法はGHQによる押しつけで無効であるから帝国憲法は生きているというところにありそうですが、こうした制定過程論はもはや歴史的に決着がついていますので、ただ請願者の無知を示しているに過ぎず、議論の対象とはなりません。問題は、請願理由に「我々臣民としては、国民主権という傲慢な思想を直ちに放棄」すべきだし、天皇制絶対主義を至高とする反民主主義的思想にあり、こうした天皇制原理主義が登場している社会的な基盤がどこにあるかということです。橋下ナントカという大阪市長も、「現行憲法破棄は理屈上は成り立ち、・・・地域のグループが自らの責任で活動することに党本部はあれやこれや云わない」として、事実上公認しています。
 民主主義はすべての思想の自由を擁護しますから、民主主義そのものを否定する思想の自由も認めるアンビラレンツなリスクを抱え込んでおり、ナチスもまた民主主義を通して独裁を実現しました。戦後ドイツは、この危険を防ぐために、憲法の基本を否定する思想の表現とナチスを肯定する表現そのものを規制していますが、日本では特別公務員の憲法遵守義務をうたいながら、それを否定する思想の表現は自由です。東京維新の会の都議メンバーは、自らの主張が現行憲法の規定によって守られている受益者であることに気がつかないようです。それにしても、このような極右の思想が公共圏で市民権をもって登場しつつあるのは、日本の危機が相当に深化していることを示しているように思います。
 システムが機能不全となって液状化し、将来への展望が見えなくなり、あらゆる価値観が相対化されて、なにを信じていいのか分からない不安がしのびよると、個人の思考は狭められてなにか超越的なものへの依存をもたらします。それはカリスマ的な指導者であったり、神であったり、来世であったり、国家、或いはすべてを忘れさせてくれる強烈な音楽や麻薬であったり、つまり弱々しい自分を忘れさせてくれるものです。東京維新の会は天皇という存在に向かいます。そうした心情は、中東で伸長するイスラム原理派の心情とよく似ており、”アッラー!アクバル!”の唱和のなかに、なんともいえない高揚の昇華がうまれます。これが個人の心情のレベルにとどまっていれば、市民社会は破壊されないのですが、イスラム原理主義が武装してテロ行為で意見を他者に強要したり、日本の次の総選挙で改憲を争点に戦うと野党の新党首が述べるようになると、問題は公共レベルのシステムをゆるがしはじめます。
 いま日本では、街頭宣伝カーで大音響で流され、パチンコ店のBGMにすぎなかった曲が公共の場で強要されるようになり、それに唱和しないものは口元をチェックされて処罰されるようになりました。こうした極右の公的生活への浸透は、かってのナチスの街頭行動のアレゴリーにみえますが、なにかに救いを求めてさまよう心情をとらえる可能性を持っています。ナチスの突撃隊のメンバーの多くは、失業と生活難にあえぐドイツの不良青年層であり、彼らは失われたゲルマンの神話の復活に生きるエネルギーを見いだし、死をも恐れない戦闘士に変貌しました。現代の日本で派遣切りにあえぎ、イジメに辟易する若者たちが、救いを求めて強烈なメッセージを発するリーダーに希望を見いだすのは、至極当然な経路です。90年代初めのバブル崩壊から、失われた10年とか20年が云われてきましたが、もはや”失われた30年”に突入しようとしています。日本はいよいよ、民主主義が試される分岐点に近づきつつあります。かって三島由紀夫が自衛隊本部に突っ込んで割腹死した時には、マンガチックなハプニングに受けとめられましたが、今こうした劇的な表現はひょっとしたら崇高なイメージをもたらすかもしれません。今日はアジア最初の共和国である中華民国が成立した双十節です。(2012/10/10)

世界遺産の候補地であるヤンバルの絶滅の次には、なにが来るのか!?
 ヤンバルとは、生物多様性に富む沖縄本島北部のにひろがる森である山原をさし、絶滅危惧種のヤンバルクイナをふくむ16種の天然記念物が生息しています。ます。米軍の環境レビューによれば、オスプレイはここで年間3864回の訓練を実施し、着陸基地では年1260回の訓練を予定しています。オスプレイのホバリング(空中停止)によるエンジンから排出される200度以上の熱風と下降気流は、ヤンバルクイナが生息する範囲(雄が10ha、雌が14ha)を直撃して営巣を破壊し、コノハチョウとフタオチョウの絶滅危惧種も地上に叩きつけられ、危機にさらされます。ブロッコリーの森の大半は照葉樹林であり、太陽光から身を守るために葉っぱは油で包まれていますが、オスプレイの強烈な熱風と下降気流でゆであがり、落ち葉が発火して森は炎に包まれます。ヤンバルは沖縄の水源地であり、ここが壊滅することは沖縄に生きる人間の生命圏を壊滅させます。オスプレイは生態系を破壊しながら、人間の生存を奪い尽くします。オスプレイの飛来を心配そうに校庭から見あげる沖縄の子どもたちの姿は、未来の世代からの声と受けとめなければなりません。野田とか森本いう人物の平然とした姿は、「自分が何をしているのか分からない」イエスの処刑人に似ています。イエスは彼らを許しましたが、現代は許すことはできません。既に米軍は1959年の小学校への墜落事故で市民18人を殺害し、人道に反する罪にあたる戦争犯罪をおこないながら、「平和のうちに生存する権利」(憲法前文)を根こそぎ奪っています。日本政府は、統治能力を失い、国民の命をさしだして米軍に媚びへつらっています。もはや日本は最低限の主権を喪失した植民地従属国に転落し、世界の軽蔑のまなざしを浴びています。もはや政府が市民をいじめて恥じない国なのですから。沖縄はフクシマと同じように遠からず、人が住めないノーマンズ・ランドとなるでしょう。
 文科相の調査(10月1日発表)では、今年の4月から半年のイジメ認知件数は7万5000件に達し、11年の7万231件を半年で越えるというイジメ大国の実相を示しています。子どもの生命や身体に脅威を与える深刻なイジメは250件であり、もはや日本の学校から生命の安全はなくなっています。政府が先頭に立って、日本列島の市民をいじめているのですから、、大人のイジメを見ている子どもたちがマネをすることは当然です。こうしてオスプレイは日本列島のイジメを象徴するシンボルとなっており、日本列島全体が人の住めないノーマンズ・ランドと化そうとしています。なぜ日本列島は、このようなミゼラブルな姿になったのでしょうか。
 国連難民高等弁務官は、多発する紛争で2011年には80万人を超える人々が難民となって国境を越え、1日当たり2000人以上が流浪の民となり、2012年では既に70万人が難民となっており、世界の難民総数は4200万人に達し、もはや国連の人道支援活動は限界に直面していると警告しています(10月1日、国連難民高等弁務官事務所執行委員会報告)。この背景には、世界の軍産共同体が最大限利潤を求めて、紛争地に莫大な武器を輸出し、紛争を煽っているからです。イスラエルの国際法違反の東エルサレム占領から45年を経て、20万人のユダヤ人が入植し、パレスチナ人30万人が土地を奪われて難民と化そうとしています。入植地をむすぶ道路と鉄道建設によってゼネコンは巨大な利潤を実現し、イスラエル軍の武装力強化で米国の軍需企業は笑いがとまりません。同じようにオスプレイの配備は、日本列島の安全ではなく、米国の軍事産業の武器売却に他ならず、もはや沖縄県民は世界の難民に包摂されようとしています。もはや日本列島からすべての米軍基地をなくすことしか出口はないのです。
 世界銀行『世界開発報告』(10月1日)では、欧州債務危機などで世界の失業者数は約2億人にのぼり、その40%は25才未満の若者で占められ、学校にも行かず仕事もしない、職探しもしないニートが世界で6億2100万人に達し、05年比で20年までに6億人分の雇用を生まなければ世界全体が貧困化するとしています。しかも世界の就業者数30億人のうち、15億人は日雇いの非正規労働であり、低賃金の長時間労働にあえいでいます。ここにあるネオ・リベラリズムの惨禍は、民需の市場を狭隘化して経済の軍事化をますます強め、全世界に武器がばらまかれ、紛争を誘発させる悪魔のサイクルをもたらしていきます。こうしてオスプレイは、世界の失業と難民の氾濫を象徴するネオ・リベラリズムの悪循環を象徴しています。世界は「精神が錯乱して思考も行動もしどろもどろの」七転八倒の修羅にあり、ものごとが混乱して筋目もない状態のようになっていますが、事態そのものは極めて簡単なことです。失敗したネオ・リベラリズムと軍需企業を規制する一歩を踏みだすすこしの勇気を持てばよいのですから。(2012/10/3)

外側からみると真実がいっそうよく見えることがあるーワシントン・ポスト電子版の21日論評について
 ゲームに熱中している当事者よりも、まわりで観戦している人のほうがより最善手が見える岡目八目が、この記事では証明されていると言えましょう。ワシントン・ポスト電子版(21日付け)は、「日本は(領土問題をめぐり)じょじょにだが右傾化への重大な変化のまっただ中にあり、第2次大戦後のどの時期よりもこの地域内で対決色を強めている」とし、集団的自衛権の行使と憲法9条改正の動向を詳細に伝えています。とくに沖縄県ー台湾ー尖閣諸島をふくむ第1列島線上にある与那国島にはじめて自衛隊の地上部隊を駐留させる自衛隊配備計画を紹介していますが、私もこの計画にはさしたる関心は抱かず、はじめてこの報道でその意味を知ることとなりました。さらに記事は自衛隊員の息子が日米同盟を基軸とするタカ派の首相となり(野田)、自衛隊は領海侵犯者に威嚇射撃ができるようにすべき(石破)、油断していたら領土は略奪されるとおどす(石原)、憲法9条を改正して集団的自衛権を行使する(橋下)などの言辞を紹介しています。たしかに他にも「総理在任中に靖国参拝できなかったのは痛恨の極み、従軍慰安婦はでっち上げだ」(安部)、「靖国はすべての人が神として祭られ、陛下がご親拝くださるのが日本国と兵士の約束で、それを実現するのが政治の使命だ」(石破)、「憲法改正を実現し天皇を元首、国防軍、緊急事態条項、家族の尊重を明記する」(町村)など、数年前では政治的に孤立して猛烈な批判を浴びる言辞が平然と垂れ流される事態となり、「いまの保守は保守のなかの右翼だけになってしまった」(河野元総裁)と保守派が嘆くような極右勢力が跋扈しています。この保守野党は「日本国憲法改正草案(4月)、「国家安全保障基本法案」(7月)と立て続けに国防軍と天皇の元首化、集団的自衛権の行使を次の選挙で問いかけて成立させると公言していますから、単なるプロパガンダではなく制度的に実現される近未来の姿となるでしょう。
 なぜこのような極右の空気が日本を覆うようになったのでしょうか。ここでも岡目八目の観察力が事態の真相をつかむことになります。長期の大不況と生活不安の深化のなかで、システムそのものがゆらいで瓦解する危機の状況がさらに不安を醸成し、破壊的な言辞と対外ナショナリズムの宣揚による求心力しかシステムの維持の方向がなくなっています。破壊のなかに何か新たな創造を期待する幻想がふくらみ、破壊的なアジテーションを唱える強力なイメージを持った指導者崇拝にのめりこむポピュリズムのなかで、わずかに残っている理性的な思考さえも吹き飛ばされていきます。ワイマール民主主義のもとで圧倒的な人気を獲得して、選挙によって選挙制を否定する独裁を実現したヒトラーを彷彿とさせる状況があります。これは日本がはじめて経験する「下から」のファッシズムであり、多数の大衆の支持を擬制的に実現するために抵抗は非常に難しくなります。しかも日本は戦後ドイツと違って、過去の記憶を次世代に継承することに失敗していますから、現在の中国反日デモにある過去の侵略の罪責の意味が理解できず、不信感を煽られて敵対の心情がかもしだされていきます。
 日米同盟とネオ・リベラリズムの幻想から脱出して、イコール・パートナーとして東アジアと連携していくのか、米国のジュニア・パートナーとして「ワン!ワン!と吼える忠犬ポチ公として生きていくのか決定的な選択の時期が近づいているようです。(2012/9/25)

 (追記・自民党新総裁についてー外国メデイアの27日付けコメントから)
 「安倍氏は従軍慰安婦についての河野談話の見直しを主張したり、平和憲法の改正を主張する極右勢力の意向をもっとも忠実に具現する政治家だ」(韓国MBCTV)
 「安倍氏が新総裁になったことで北東アジアは荒波を避けることが非常に困難となった、安倍氏は極右傾向の大阪市長との連携に積極的だ」(東亜日報)
 「今後自民党の外交安保の党論が右傾化一辺倒に流れる見通しが支配的だ」(韓国YTN)
 「安倍氏らの右派陣営は日本は侵略戦争で謝りすぎだと強調し、河野談話の変更や平和憲法の改正をするならアジアの隣国を友人とすることはできない」(新京報)
 「安倍氏の戦後体制の清算は隣国との摩擦や衝突をうみ、国内政治の逆襲は近隣外交の逆流となるかもしれない、警戒が大切だ」(京華日報)
 「民族主義者安倍氏は、もと首相として失敗した人物で候補者のうちでは最も好戦的だ、安倍氏の強烈な民族主義的傾向によって既に損なわれている中韓との関係はさらに緊張する」(ワシントン・ポスト)
 「安倍氏は首相時代よりもさらに右寄りとなっており、首相になれば靖国参拝や侵略戦争の謝罪を撤回する意向を示している」(ニューヨーク・タイムズ)
 「外交政策のタカ派である安倍氏がふたたび権力の座に就こうとしており、対中強硬派で有名で日中関係はさらに先鋭化する」(南ドイツ新聞)
 「尖閣問題が安倍氏を当選させることに貢献した、平和憲法を改正するタカ派であり、民族主義で一致する大阪市長と組もうとしている」(フランクフルターアルゲマイネ)
 「安倍氏は領土問題、歴史問題で最もタカ派であり、もし首相になれば中韓両国の懸念をひきおこす」(ガーデイアン)
 「安倍氏は憲法9条の改正と従軍慰安婦で極右の主張をくり広げてきた、第2次大戦での日本の敗北を省みず、遺産の修正に専心してきた、慰安婦問題に対する日本の謝罪を後退させた」(ガーデイアン)

B61−12とオスプレイは、日本の植民地意識にあるオバマ幻想の虚しさを赤裸々に示す
 B61−12核爆弾は、広島型原爆の50分の1から24倍までを自由に爆発規模を選択できる超高性能の電子型核爆弾であり、小さな爆発力で効果を極大化する精密誘導装置を備えています。たとえ核爆発がなくても最大の威嚇力をもち、しかも攻撃対象に最も効果的な破壊力を発揮する「使える核爆弾」として開発され、2010年代末に欧州に配備される予定です(おそらく沖縄にも)。B61−12は、日本のスーパーコンピュータ「京」」を抜いて世界最速に躍りでた米国の「セコイア」(米国核安全保障局開発)が、かってない精度でシミュレーションしてつくりだしました。計算に必要なデータは、事実上禁止された地下核実験にかわって、強力なX線発生装置をつかった未臨界核実験で収集されています。古くなった核爆弾は廃棄されるのではなく、次々と部品を入れ替えて最新鋭の核爆弾に改造され、所定の動作が問題なく作動する実質的な新型に再編されています。これがソ連崩壊後に「核兵器のない世界をめざす」とはなばなしく平和の使徒としてデビューしたオバマの実際の姿です。
 新型の垂直離着陸輸送機のオスプレイも本質的には同じです。米国環境政策法(EIS)による環境影響評価は、住民の意見公募によって草案を作成し、軍用機を含むすべての航空機の安全管理はすべて連邦航空局(FAA)が統括し、軍部は独自の権限を持ちません。ニューメキシコ州のCV22オスプレイの低空飛行訓練計画は、墜落の恐れや騒音、観光と先住民居住区への影響を懸念する住民の声によって大幅に縮小しましたが、それでも懸念は消えずついに無期限延期となりました。ハワイ州では、MV22オスプレイ配備に伴う着陸計画に対し、海洋漁業局が絶滅危惧種のハワイアンモンクアザラシへの影響を警告し、国立歴史公園は強烈な吹き下ろしによる遺跡への影響を心配する意見があり、海軍省は訓練計画を撤回しました。米国内ではおこなえない飛行訓練を自由に実施できる国として、東アジアの島国が選ばれました。この国の政府はすべて主人の命令に従ってくれるのです。
 日本の環境影響評価は、道路やダム、鉄道、飛行所建設などの大規模工事に限定され、航空機の飛行や機種の変更は対象外となっており、オスプレイへの住民の意思表明のチャネルはなく、訴訟を起こすしかありません。オスプレイ配備に伴う日本の環境への影響を審査した米政府大統領令・国防総省指令「環境レビュー」は、環境に影響があっても日米政府の免責を規定しています。米国では禁止された計画が日本で実施される二重基準は、眼を覆うばかりであり、日本はダブルバインドの地獄におとしいれられています。日本の航空法では、日米安保条約と日米地位協定第3条が優先し、米軍機の飛行ルートや低空飛行計画について国内法の適用ができないという治外法権の異様な状態にあり、「乗組員は訓練航法経路を定期的に見直し、検証する」(日米合同委員会覚書)となっており、パイロットが自由に操縦して飛びまわるようになっています。これは米国の同盟国でも異常な治外法権であり、ドイツでは米軍とNATO軍との地位補足協定(ボン協定)46条で、米軍の低空飛行訓練はドイツ国内法に基づいて米独間で個別の協定を結ぶように定められています。
 日本自然保護協会レポート(7月)は、オスプレイの6つの低空飛行訓練ルートが自然環境保護法で定められた自然保護地域の上空を通過し、絶滅危惧種であるイヌワシ、クマタカ、ライチョウの生息域があり、とくに現在650羽しかいないイヌワシの生息域の12%(12県、895メッシのうち106メッシュ)の地上60mを飛べば、イヌワシの繁殖は阻害され、重要な自然環境は不可逆的な打撃を受けます。ところが環境庁はこの事実を知りながら沈黙を続けています。
 日本政府は60年安保改訂時に米政府と事前協議の屈辱的な密約をむすび、米軍の装備の重要な変更で事前協議の対象となるのは、核兵器の日本への持込や基地建設などであり、非核兵器は対象としないとして日本の拒否権を放棄しています。この密約によって、62年の米軍三沢基地の軍事スパイ衛星(ANNA)の地上局(追跡装置)設置について、米国防総省は「日本政府の拒否権に対して米軍は強力に対抗する権限を有する」と回答し、今回のMV22オスプレイの配備に関して森本防衛相は「日本政府の是非を言う権限はない」と屈辱的な言辞を弄しているのです。森本氏自身が安保の抑止力幻想に全身を侵された虚偽意識の持ち主であり、そうした判断をする知性を持っていない人ですが。ちなみに彼は原発はエネルギーだけではなく、大事な抑止的機能(核爆弾のこと)であるから、捨てるべきではないと公言してはばかりません。日米安保条約の抑止力を認める人も、こうした治外法権の屈辱には耐えがたい侮辱を覚えるのではないでしょうか。国際法は占領下の戦勝国の特権を認めていますが、独立国家への治外法権は恥ずべきふるまいとして禁止しています。かっての明治政府は、江戸幕府が締結した欧米諸国との不平等条約の改訂に血涙を流しましたが、いま日本はそれをはるかに上回る治外法権のもとで大地を蹂躙され、日米原子力協定の脅しによって原発を再稼働したように、もはや生命圏をすら失おうとしており、しかもその犠牲は沖縄に集中しています。もともと沖縄は琉球王国という独立国家でしたから、日本国から独立して米国との対等の関係に立とうとする動きが起こっても不思議ではありません。もはやいっさいのアメリカ幻想は捨て去らねばならず、日本は最初からやり直すしかありません。そうした時に、米国と東アジアとの共同体のイコール・パートナーの関係の展望が開けるでしょう。(2012/9/23)

このめくるめく富の蓄積に世界は沈黙するのか
 米国の最富裕層400人の資産合計は前年比13%増の約1兆7000億j(136兆円)、平均資産は最高の42億jになり、米国経済全体の8分の1(!)にたっし、トップはビル・ゲイツ660億j(5兆2800億円)、2位は世界最大の投資持株会社バークシャー・ハサウエイCEO460億j、3位はソフトウエア大手オラクルCEO410億jとなっています(『フォーブズ』2012年9月12日)。富める者がますます富み、貧しき者がますます貧しくなるというマタイ効果の極大化が進んでいます。なぜなら富裕層の資産は米国経済の不況と非対称的に増大し、貧富の格差を増大させているからです。ナオミ・クラインは米国経済を惨事便乗型資本主義といいましたが、人の生き血を吸いながら太っていく米国システムの異常性がこれほど際だっているとは想像を超えるネオ・リベラリズムの暴走です。ローテイーもまた驚愕して正義論を再検討せざるを得ず、孔子もまた、「君子は道を憂えて、貧を憂えず」(『論語』衛霊公篇)などとノンビリしたことをつぶやいてはおられないでしょう。
 カネは交換経済の手段に過ぎないのですが、いつのまにか物神化してカネがすべての価値を決める基準になってしまいました(マルクス『資本論』)。交換経済のツールでしかない貨幣は、かっては貝殻などをもちいたため、貝ヘンの漢字はすべて金銭と関係がある字となっています。たとえば、財、貫、販、貸、貯、買、費、資、賃などなど・・・そしてカネがない状態を貧といい、カネがある状態をさして貴というまでになっています。貴とは、人間的な豊かさをいうのではなく、貝(貨幣)がある状態をいうのです。
 貧の最大の被害者は世界の無辜の子どもたちであり、これはネオ・リベラリズムのいう自己責任では絶対にありませんから、ネオ・リベラリズムとローテイの理論は破綻しているのですが、驚くべきことにオランダの慈善団体キッズ・ライツは、フィリピンの路上生活を送る13歳の少年にボランテイア活動をしたとして国際平和賞(賞金1020万円)を授与して称えています(時事8月20日)。この賞は子どもの権利向上に寄与した未成年者に贈られ、プレゼンテーターはノーベル平和賞受賞者である南アのツツ元大主教だそうですが、これほどに富める国の哀しい偽善を赤裸々に示した例もありません。途上国の1次資源を略奪的に収奪しながら高度経済成長を続けて、貧困におちいるおびただしい子どもたちをつくりだしながら、他方で憐れみの祝福を贈る構図はキリストが最も忌むべき行為として軽蔑し、キリストはこうした地上の偽善と貧富への抵抗者として処刑されたのです。この挫折を崇高な犠牲に転化して、天国への道を説いたパウロの罪は万死にあたいするといえるでしょう。ここを基点に世界史は狂い始め、一国の八分の一を独占する富裕者が天国への道を独占して恥じない奇怪な世界がうまれ、放射能を垂れながしながら人間の居住を奪い尽くして、なお貨幣の蓄積に狂奔する異常な日本の電力資本の人格がつくりだされたのです。アメリカとそれに追随する東アジアの島国は、カネと放射能に汚染された道を彼らは自分が何をしているか知らない」ままに暴走し、世界史の終焉に向かっています。イエスをみずからの処刑人の無知を理由に赦しを与えたのですが、現代では無知のそのものが自己責任であり、犯罪です。現代の無知は、知ろうと思えば知ることができることを、自分から放棄して眼を閉ざすことから生まれています。(2012/9/21)

この恐るべき歴史にたいする責任の非対称性の悲劇!
 旧日本軍が1938年2月から43年8月にかけて、中国・国民党政権の首都重慶に対し、218回の無差別爆撃をくりかえして死者1万人をだした行為に対し、生存する被害者15人(最高齢91歳)が重慶市高等裁判所に、日本政府の謝罪と賠償を求める訴訟を起こしました(9月10日)。訴訟の目的は「日本政府に自らが犯した犯罪行為を歴史を直視させ、正視させることにある」(弁護団)としています。
 ベルギー首相は9月9日におこなわれたユダヤ人追放70年追悼式で、第2次大戦時にベルギー在住の5万6000人のユダヤ人のうち、2万5000人が強制収容所に送られ、生存者はわずか1200人であったホロコーストへのベルギー政府の加担を謝罪し、「当時のベルギーはもっとも忌むべき犯罪に加担した、ユダヤ人大虐殺に協力したことに痛惜と遺憾の意を表したい」と述べ、ベルギーの責任に対する決議採択を上院に求めました。
 韓国の李大統領は、天皇の訪韓条件として日本の植民地期の独立運動家への謝罪を求めていますが(8月14日)、この発言に対し、日本共産党委員長は「不適切な発言だ。いまの天皇は憲法上、政治的権能を持たず、その天皇に植民地支配の謝罪を求めるということそのものがそもそもおかしい。日本の政治制度を理解していないということになる。日本政府に対して植民地の清算をもとめるというなら分かるけど、天皇にそれをもとめるのはそもそも筋が違う」とのべています(9月2日ラジオ番組)。彼の論理によると、戦前期の絶対主義天皇制の下では天皇の責任はあるが、現行憲法の国民統合の象徴天皇は責任はないということですが、では昭和天皇は戦時期までの責任はあるが、戦後憲法では免責されるということになります。いったい天皇が過去史にまったく謝罪することなく、韓国訪問をすることを歴史的行為としてどういう意味があるのか、歴史に対する世代を越えた責任の問題が捨象されています。朝鮮半島に対する日本の罪責は、憲法上の規定とは無関係に存在する歴史的責任の問題ではないのでしょうか。先記したベルギーでは、立憲君主制の下でベルギー国王自身が政府と並んでホロコーストの責任を謝罪して赦しを乞うていますが、ここに彼我の責任をめぐる決定的な非対称性があります。それは太平洋戦争期の日本本土空襲の最高指揮官であるルメイ米軍司令官に、「ヒロシマは仕方がなかった」と述懐し、戦後自衛隊育成の功を賞して勲一等旭日大授章を授与した戦後天皇制の構造を浮き彫りにしています。
 一方で産経新聞は、実教出版版・高校日本史A(2012年検定合格)の「政府は国家・国旗法によって国民に国旗掲揚と国歌斉唱を強制するものではないとしたが、一部の自治体で公務員への強制の動きがある」という部分を攻撃し、それを受けた東京都教委は採択する都立高校に執拗に電話をかけ、横浜市教委は同じく実教版の「日本の侵略加害の事実を記述する教科書を『自虐的』と避難する立場の人々が執筆した教科書があらわれた。この教科書の採択をめぐって各地に大きな市民運動が起こった」を問題視し、複数の高校の採択申請を無視して教委事務局が勝手に他の教科書に差し替えました。実教版の記述は国旗・国歌法と育鵬社版をめぐる事実経過を忠実に記しているのみであり、検定も通過しているのであり、また高校教科書は現場申請を踏襲するという慣習システがあり、両教委の行為はあきらかに教委の権力を逸脱した違法な特別権力関係の行使の恐れがあります。いまや教科書選定は事実上国定に近くなり、事態はすでにプレ・ファッシズム様相を呈しています。(2012/9/11)

無辜の乳幼児を虐待する国が東アジアにある
 乳幼児は成人への絶対的な依存のなかで安らぎ、他者に対する1義的な信頼をみずからのものとして埋めこみながら、すこやかな成長の機会を即自的に与えられて、ついには自立してみずからも生命の再生産に参入していく存在であり、その本質はモノとしての手段価値の対極にある無条件の尊厳の意識の生成に他なりません。人類史がとぎれることなく続いてきたのは、早すぎる出産を支えてきた当事者である親とその背後にある社会的諸関係の総和としての子育ての知恵でした。乳幼児の無辜の生命を毀損することは、人類史の想定しない非存在の事象であり、部分的に歪みをもたらす子育てはさけることはできませんが、戦争や原始的な貧困をのぞいて(間引きなど)、子どもの生命そのものを毀損することは人類史では起こりえないことされてきました。子どもを間引く場合も、親は極限の悲哀の感情にうちのめされてわが子を手に掛けたのです。
 警察庁発表の児童虐待状況(9月6日)によりますと、今年上半期(1−6月)の被害児童数は昨年同期比56%増の252人、逮捕・送検された保護者は同56%増の255人で、統計のある00年以降で最多となったそうです。事件として対応した248件のうち身体的虐待175件、摘発数180人(実父71人、実母39人)であり、実母による身体的虐待は3歳以下が4割を占め、最多は0歳児の10人(死者3人)であり、性的虐待が68件(養父と継父27人)、育児放棄(ネグレクト)は5件で全員が3歳児以下で2人が死亡しています。児童相談所へ通告した被害児童数は、摘発しないものを含めて昨年同期比38%増の7271人(!)で、うちうち子どもの目の前で配偶者に暴力を加える心理的虐待が3634人で半数を占めたとしています。警察庁は、出産後のストレスが虐待につながるとしていますが、これはいつの時代にもあることで、なぜいま児童虐待が急増しているのかの説明にはなっていません。
 同じ紙面で警察庁は、今年上半期の児童ポルノの摘発数が昨年同期比20%増の764件、摘発者数も612人で過去最悪となったとし、被害児童数は596人(うち小学生以下319人)で、身元を特定した小学生以下の40人のうち8割が無理矢理身体を触られる状況が撮影され、インターネットのファイル共有ソフトが使用された事件は252件でこれも過去最高となったとしています。共有ソフトはShareaza(シェアーザ)など11種に上っています。
 文科相調査・2011年度問題行動調査では、イジメ認知件数6万9000件(小学校3万3000,中学校30000,高校6000)であり、学年別では中11万5000件で、イジメ認知率48%にのぼっています。自殺指数は前年比44人増の200人で過去25年間で最多となっています。警察庁統計の自殺数は353人で、学校が警察から詳細を知らされなかったり、事故死にしてほしいとの遺族の配慮で150人以上の開きが出ています。イジメ認知件数は前年度より7400件(約10%)減少していますが、自殺数が増えているという質的な変化があります。
 率直に言ってこれらの事象は、摘発ないし通告された件数に過ぎず、闇に隠れた実態はさらに惨酷なものと予測され、イジメや自殺とならんで日本が先進国でもっとも無残な反人間的な疎外の現象が広がっていることを示しています。他者を虐めることでしか快感が得られなし惨状がひろがっているのはなぜでしょうか。森田洋司『いじめとはなにか』(中公新書)は、被害者・加害者・観衆(はやしたてる)・傍観者(みてみぬふりをする)の4層構造を指摘し、内藤朝雄『いじめの構造』(講談社新書)は加害者の全能感を現実化する群生秩序(群れの勢いによる秩序)などの現象学的な分析を試みるが、ここには苛められる者の単独者としての苦悩の分析が欠落する客観社会学の致命的な弱点があり、こうした構造がなぜもたらされるかの本質的な解明がありません。あるいは学校文化の変貌を指摘し、空気を読む・やさしい関係の過剰な絡みあいと閉塞感をいいますが(小浜逸郎)、こうした解釈学的な人間関係論の分析は、学校システムそのものの行政が主導した質的な変動を捨象しています。注目されるのは、日本と並んでイジメが激しい英国やオランダでは、中学生になると傍観者が減って仲裁者(止めに入る)が増えるのに対し、日本のみは逆に傍観者が増加するという非対称性にあり、日本の体制順応の非規範的な文化が浮かびあがることにある。体制順応と日和見の文化をつくりだしているのは、大人社会の反映そのものであり、たとえ世界は滅びても正義を貫く自立した市民意識の成熟が決定的に希薄であることを示しています。その源流は市民革命の不在にあり、かっての太平洋戦争期の戦争犯罪の免責など日本システムは責任感覚の欠落を招いて周辺諸国の軽蔑をかっています。
 わたしは、いままで、こうした事象の基底にある本質的な因果の構造を、市民革命が未成のままに、日本的な集団主義とネオリベラリズムの相容れない緊張のはざまに生まれた不安と抑圧の移譲とみなしてきましたが、こうした解釈がもし正しいとしても、もはや解釈の時は過ぎ、いたいけな生命を救う実践の時にあると考えます。危機の状況に真正面から向きあう緊急避難的な強制措置が声高に叫ばれています(警察権力の介入、厳罰的可罰主義、市民相互の監視システムの導入など)。残念ながらこれらの措置は、ナチス的な力と威圧による押さえ込みで、一時的に事象は潜在して表面から姿を消していくでしょうが、さらに陰惨な事象を招き、鬱積された抑圧が暴発することは歴史の示すところです(健康で清浄なナチス・ドイツの抑圧された影は、ホロコーストに発散されました)。
 なぜ大人たちや子ども同士が無辜の子どもを弄んで虐待するのか、それは大人自身が置かれている社会的なシステムそのものにあるという認識が、自身の深度で共有されていくかが決定的な意味を持ちます。大人が生きている社会から希望が失われ、その不透明な行き場のない意識の歪みが、無垢のピュアーな子どもの精神と触れあって、みずからの歪みがさらに増幅されていき、それを解消するためにみずからの鏡となっている子どもを攻撃することでなんとか平衡をつくりだすという頽廃の連鎖がつくりだされていきます。では大人から希望を失わせたものは何か、それは無限の競争の罠に取りこまれて互いにオオカミとなる社会のなかで敗者となって転落していく不安と恐怖に他なりません。ひとことで言えば、「小泉純一郎」というという固有名詞に代表される勝者のシステムであり、それを翼賛して煽りたてたメデイア文化に頽廃の根源があり、彼らの罪は万死に値します。この根源に迫らないあらゆる緊急避難の措置は、システムの犯罪を隠蔽し、さらに増幅させていく結果に終わるでしょう。21世紀の初頭がこのままに推移していくことはできません。以下続く。(2012/9/7)

朝日新聞・渡辺論説委員は更迭した方がいいのでは・・・
 朝日新聞夕刊の8月16日付け「窓」欄の渡辺論説委員の「原発事故と刑事責任」は、責任理論のあまりの劣化に目をおおわしめるものがあります。原発被災者の東電と政府関係者の業務上過失致死傷罪の告訴について異議を申し立てています。理由は、立件が困難で、事故原因を特定できる見とおしも立っていないからと言うのですが、主たる論点は原発などの高度で複雑なシステムが相互に関連する巨大技術は多くの人が関わるので個人の刑事責任は問えないというものです。黙秘権や情報提供を渋るなど、検察の関与は全体像を見えなくするマイナスの作用を与えるのだという。黙秘権や情報隠しがあれば、ますます犯罪の強度は上昇するので、被災者は救われるのではありませんか。こうした責任回避論は、戦争犯罪でよく見られた論理で、巨大な犯罪では組織やシステムの中で個人は歯車でしかなく、個人は命令に従うしかなく、集団責任は問えるが、個人責任は問えないとするニュルンベルグ裁判でみられた免責論の再版です。組織に転嫁して個人責任の免責を求める論理は、歴史的に破産し、たとえ上司の命令であれ、自らの良心に反するならば拒否すべきだというのが巨大な組織犯罪に対する歴史的に定着した責任論です。渡辺氏は、こうした歴史的な責任論の国際標準にほとんど無知であり、これが哀しいかな、朝日新聞の知的水準であるのです。組織の集団責任と個人責任を厳然と区別し、東電の組織責任を問うと同時に、組織の成員の個人責任を明らかにしてこそ、犯罪の防止となるという歴史的に定着した定義をも無視する議論を平然とおこなっています。渡辺氏のような個人責任免罪論は、欧米からみれば、異様な論理にみえるでしょう。スリーマイルやチェルノブイリでは、開発責任者と政府担当者は投獄されているのですから。
 なぜこのような免責論が垂れながされているのでしょうか? 歴史的事象に対する日本の異様とも見える特殊な免責論の伝統が原発事故にも適用されています。アジア・太平洋戦争の責任論は、原理的には1億総懺悔に象徴される前近代的な集団責任であり、処刑された1部のA級戦犯をも崇高な犠牲者として追悼してきた日本の異常な論理にあります。みんなが涙を流して済みませんと謝るのですが、結局誰も客観的な責任はとらないという構造です。東電首脳は記者会見で頭を下げただけで、いつのまにか系列メーカーに天下りして終わっています。これは、朝日新聞のようにかっては原発推進のキャンペーンを張りながら、事故が起こると掌を返したように反原発に転じる転向の論理を追認し、朝日新聞の自己責任は免罪されることにつながります。朝日新聞は原発報道の自己検証を続け、そこには一定のジャーナリズムの自己批判の誠実性がうかがえますが、論説委員レベルでこのような被災者の告発に対する揶揄的な主張を展開するようでは、その欺瞞性が二重に露わとなり、そこには1億総懺悔の残滓しかうかがえないことになります。今回は、あまりに哀れで戯画的な朝日新聞の論説体制が露呈されています。まさかこれが朝日新聞の社論とは言えないでしょう。(2012/8/17)

いま、なぜベネズエラが注目されるのでしょうか!?
 ソ連型社会主義の崩壊後に、もはや社会主義は有効性を失い、歴史の終わりが喧伝され、現存社会主義とされる中国やベトナムその他は一斉に市場経済に舵を切りました。ところがいま中南米中心に社会主義指向型の政府が選挙で多数を得て、予想を上回るような勢力圏を形成しています。中南米諸国の多くは、大土地所有制のもとで軍事独裁の歴史があり、そのあとは米国型のネオ・リベラリズムが席巻してきましたが、ここにきてなぜ左翼的な政権が誕生しているのでしょうか。その先頭を切っているのが、ベネズエラのチャベス大統領ですが、いったいチャベス政権の下でどのような政策が展開されているのか、中南米をモデルにして先進国の将来を考えることは短絡的ですが、何らかの示唆はあるかもしれません。というのも、軍事革命型ではない、選挙で多数を得た社会の変革は、かってインドネシアやチリ、ニカラグアなどで失敗しているからです。
 チャベス政権がいま推進している政策をみると、農地改革、識字・教育運動、無料医療運動、大住宅計画(2017年までに200万戸建設)などで、とくに住宅建設で2012年の第1四半期のGDPは5,6%の伸びを示し、政権発足時の1999年比で貧困人口は40%から26%に減少し、ジニ係数は0,46から0,39に改善されています。しかし今なお、平均世帯所得5区分の下位2区分の層が人口の80%を超えています。住宅建設の象徴が、首都カラカス郊外の「社会主義都市」(完成予定18年、2万世帯、10万人規模の人工都市)であり、現在は69棟に1008家族6214人が家賃無料で居住しています。水、電気、ガス、銀行、小学校、無料診療所など社会インフラが整備されていますが、総合病院はなく、都心部への移動はミニバス30台しかありません。しかし、大住宅計画に必要な鉄筋はすべて国産でまかなえるようになっています。
 ベネズエラの多くの基幹企業は、90年代に民営化されましたが、08年以降から国営企業にもどされています。非石油部門の国営基幹企業15社と、南米最大の鉄鋼メーカーシドール社が集積するガイアナ市では、国営化によって民営時代の労働者1万4500人のうち派遣や下請労働者が3分の2以上占めていましたが、派遣を正規にして正規が1万1675人になり、02年の新労働法で3年間の猶予期間を経て派遣は禁止されます。しかし、中央銀行の報告では、国有化された企業のほとんどは生産が低下し、ガイアナ市の基幹産業は麻痺状態に陥りました。アルミ最大手ベルナム社の生産は半減し、5年間賃上げはなく、アルミ生産に必要な炭素電極を生産するカルボナーラ社も麻痺状態で給与は未払いとなっています。ヒルトン・ホテルも国営化以降は、支配人が次々と交代し、荒廃しつつあります。
 40万以上の中小零細製造業の9割を組織するベネズエラ製造業者連盟によれば、機械設備など40%以上が未使用となり、過去13年間で5000以上の製造業者が閉鎖に追い込まれたとする。生産の障害の主な理由は、政治・社会の不安、外貨不足、原材料不足、物価統制にあると企業アンケートは答えています。価格統制は03年から基礎食料品に適用され、2011年から当局のコスト計算によって利益を規制する公正コスト価格法が実施されています。為替は過大評価されたドル固定制で、当局は企業の申請を受け、輸入するための外貨を割り当てるが、実勢コストに合わない価格設定や、外貨割り当ての不足による中間資材不足が生じ、生じている。価格統制と外貨割り当ての遅れによる生産意欲の低下→生産減と廃業→モノ不足と闇市場の横行によるインフレ→政府による必要物資の緊急輸入という蟻地獄のスパイラルが誘発されつつあります。

 なぜこうなったのでしょうか。ガイアナ市では反政府派の技術者200人以上が一斉に退職し、施設のメンテナンスと酷使が続き、外貨割り当ての許可が大きく遅れ、輸入資材が不足したこともあります、国営企業の経営を統括する経営委員会(基幹産業相任命)が専門能力のない人が多く、官僚主義に流れ、労組幹部も給与未払いを口実に既得権に固執する傾向が生まれました。経営に参加した労働者の社会や国への責任と貢献の意識が未熟であり、経営そのものが未経験の分野であったのです。「国民とともに進む国民のための社会的企業」という目標に向けての、経済的なインセンテイブが問われています。
 生産力が低下するなかで社会政策による政府支出は増え続け、主要な財源は世界第5位の輸出高を誇る石油資源ですが、それも後5年程度で持続不可能となると予測されています。そのなかで中国は、石油で返済するという条件ですでに300億$以上の混合融資(jと元)を供与し、ベネズエラの将来の収益の先取りをしています。こうした債務急増によって、中国依存度はさらに深まると予測されています。
 しかし生産力の低下と価格統制によって、この数年は25%を超えるインフレとなり、公定価格と実勢価格は大きく乖離し、価格統制の誤りが明らかとなっています。政府はインフレの原因を投機と物資隠匿としていますが、全分野で通年に渡って投機が続くことはあり得ず、明らかに価格統制に問題があります。通貨の公式レートは1米ドル=4,3ボリバル・フエルテ(BF)ですが、市中のレートは1米ドル=8BFで違法な両替が横行しています。マグドナルド・ハンバーガーセットは55BFですが、公定レートでは千円以上、8BFなら約550円で、闇レートの方が明らかに実勢価格に近づいています。だから通貨の段階的な切り下げが必要です。インフレに合わせて、最低賃金が引き上がられ、中南米最高と自賛していますが、それは公定レートの場合です。通貨の過大評価は、安易な輸入を誘発して国内製造業を停滞させ、1次産品である石油出への依存をますます高めます。
 チャベス政権「社会主義ボリバル計画」は、「社会主義への過渡期と参加型・主人公型民主主義の急進化のプログラム」を推進していますが、その重点は資源主権の確立のための反帝国主義と中南米の地域統合に置かれ、米国を中心にした多国籍企業の激しい抵抗を受けています。
 ベネズエラは米国と多国籍企業からの自立をめざす輝かしい実験国家となっていますが、その社会主義は基幹産業の国有化なのか、労働者が担う企業経営とはイデオロギー教育でカバーできるのか、国有企業のもとでの労働者の経済的なインセンテイブとはなんなのか、明らかに中国の市場型社会主義とは異なる道を指向している点で、その帰趨は開発途上国の21世紀社会主義にとって大きな意味をもっていると同時に、途上国の地域経済統合の戦略が有効かどうか問われています。今後のベネズエラを含む中南米がどう進んでいくのか、よく研究し吟味する必要があります。(2012/8/12)

猛暑の夏に、ハシズムの系譜を考える
 いまはなやかにくりひろげられているロンドン五輪は、大不況下にあって混迷している日本のみじめな状況の対極にあって、なにか日本選手の活躍も祭りの後の虚脱した気分が漂います。このなかで大阪の「改革運動」は着実に進み、次第に全国に波及していく予感が漂います。ここで、大阪の橋本現象の現代的な必然性を考えてみましょう。彼には、どこかシニックな戦闘性と情熱がありますが、シニックとはギリシャ語のKyom(犬)であり、まさにそれは野良犬のような戦闘性にあります。情熱パッションの語源は、ラテン語のpassio、つまり受難であり、彼はあたかも自分が使命を持った受難者のごとくにふるまっています。こうした破壊への情熱は、ファッシズムの心情とよく似ており、ファッシズムとは「起こらなかった革命に対する反革命」とも言われますが、民主党に抱いていた改革の幻想が裏切られた市民のルサンチマンを一気に引きつけています。いま民主党は、次々と変化する状況を把握し、なにが起こっているかを理解する知性すら失って迷走しています。シーザーからヒトラーにいたる多くの独裁者は、例外なく激しい偏頭痛に悩まされていますが、少なくとも彼らには頭脳があったのですが、はたして橋本氏はどうなのでしょう。彼はいま大声で罵詈雑言を浴びせては市民の注目を浴びていますが、その言辞はいままで保守の右派が言いたくて言えなかったことをあっけらかんと言っているに過ぎません。このような橋本氏の人格が形成された生育過程には興味がありますが、それは週刊誌に任せましょう。少なくとも命令することそのものに無上の悦びを感じ、権力のために権力を欲する独裁者の片鱗がうかがえます。カネのためにカネを欲する人々が彼を後援し、カネがなくて改革を求める人たちが彼を支持しています。「魚が餌をとるのではなく、餌が魚をとる」かのように、市民の一部が彼に向かって殺到しています。
 しかしリーダーが民衆と一体のものとなる火花が飛び散ったその瞬間から、独裁者の権力は急激に拡大し、もはや手遅れとなる事態は1930年代の時代でした。力強く変革のメッセージを垂れながす若きリーダーに誇りを感じ、自分の弱さが解消されていくようなカタストロフィーを味わうのがファッシズムの支持者です。大阪は中小企業と中小商店が群生し、独特の大衆文化が形成され、いままでの既成権力にも民主党の改革にも愛想を尽かした市民意識が沈殿され、吉本新喜劇がイジメ笑いを主要な芸として視聴率を上げているのは、こうした市民的な基盤があります。延々と続く議会の演説や、つくっては消えていく委員会に飽き飽きし、論理以前のもやもやした原始的な不満の心情がひろがっています。残念ながら、日頃から人のいいなりになりやすい、山本周五郎のような世俗の世界の暗示にかかりやすい受け身の誠実な庶民意識とも重なります。大阪の貧困指数は全国トップであり、行き場を失った失望の心情が出口を求めてさまよっています。最悪の形態は、公務員を中心とする中産階級に攻撃を集中して、バッシングする「パンとサーカス」の劇場にはけ口を見いだす光景が見られます。
 橋本氏は、知識人にありがちな教養に訴える方法ではなく、大衆が自分の声を代弁してもらっているような強烈な打撃的手法で訴えかけ、時には愛人問題で躓きながら逆に庶民性をアピールしようとしています。とにかくいまの閉塞状況を打破して、統治してくれる人なら誰でもいい、青二才の弁護士でも勇敢にやってくれるならそれでよいという市民意識を無視することはできません。民主主義(デモクラシー)は、デモス(民衆)のクラトス(力)なのですから、メデイアが視聴率を神のようにあがめるのと同じように、数は力なのです。橋本氏は、こうした民衆の心性を見抜いているからこそ、より攻撃的な言説をふりまいて支持を拡大しますが、彼の根底には大衆が望むことは所詮うまいものを喰って楽しむことという大衆観があり、それは誰かをいじめて楽しむ心情と結びつく場合がありますから、彼はつねにいじめの対象をつくりだしてそれを攻撃する手法をとります。
 彼はいまなにかを破壊して、新しいシステムをつくりだす政策を繰りだす創造的破壊のイメージ戦略をとっていますが、それは民主党が採用したネオ・リベラリズムのもっとも野蛮な形態の二番煎じでしかありません。こうした暴力的なイメージの政策は、決して新しいシステムをつくりだすことはなく、じつは育ちつつあるほんとうの変革(反原発と日米安保に象徴される)を胎児のうちに殺してしまうのです。創造的破壊は、創造的な中絶にほかなりません。だからこそ、大阪財界は安心して橋本氏に任せておくことができるのです。原発で異論を唱えれば、呼びつけて一夜のうちに意見を変えさせます。おそらく彼は、整形外科的なメスをふるって、ある程度大阪財政の危機を建て直し、大阪経済の活性化に少しは成功するでしょう。しかしその中身は社会的弱者の累々たる死体が足下に横たわり、カジノ特区に浮かれる富裕層の歓楽街がひろがっている凄惨な光景です。
 こうして大阪現象は、単なる地方大都市の一時的な地域現象ではなく、これから一気に全国にひろがる現象であることは間違いなく、すべての人が選択を問われる決定的な瞬間がやってくるでしょう。以上はイニヤッツイオ・シローネ『独裁者になるために』(岩波書店)参照。(2012年8月6日)

ロンドン五輪のまつりのなかで・・・
 1965年9月30日にインドネシア軍内部の左派将校が起こしたクーデター未遂事件を契機に、当時のスハルト将軍が指揮する陸軍が、インドネシア共産党などを対象に数十万人を虐殺し、300万人の党員がいた共産党を壊滅させたのが9・30事件でした。インドネシア国家人権委員会が、今年の7月23日に「大虐殺は人権侵害で、人道に反する罪」とし、政府の公式謝罪と被害者への補償、和解を勧告する調査結果を発表したのを受け、検察当局は責任者の訴追の検討に入りました。50年弱をへて歴史の真実が明らかとなり、被害者の名誉回復と和解の作業がはじまったことに、あらためて強い感慨を覚えます。まだ学生だった私は、この事件に関心をいだきましたが、まだみずからの問題とはとらえ切れませんでしたが、行方不明者家族の会の人たちは、この間に沈黙することなく、営々と過去の歴史の発掘にとり組んできたのです。しかし、インドネシアの軍事独裁政権を育てあげてきたのは誰でしょうか。
 北インドのスズキ自動車工場の暴動で、警察は100人の労働者を逮捕し、他の労働者は逮捕を恐れて逃亡し、工場は壊滅しています。工場単位の労組設立をめぐるストライキがあり、常勤労働者(月収1万5千ルピー)以外の請負・契約労働者(月収7千ルピー)の驚くべき賃金格差があり、殺害された人事部長の侮辱的なカースト攻撃の発言を契機に、一気に暴発しました。契約労働者たちは、4m四方の窓や水道のない悪臭が漂うタコ部屋に3−4人が住みこみ、まさに「インド以下的低賃金」で強制労働に従事しています。殺人や放火は許されませんが、背景にはスズキの前近代的なカースト制度と契約労働というネオ・リベラリズムの醜悪な労働条件による利潤極大化政策があります。こうしたスズキの海外生産戦略はまさに新植民地主義的な収奪そのものであり、それを許してきたインド政府と日本の責任は免れません。おそらくスズキに対する全世界的な不買運動が起こるでしょう。こうしたインドの開発独裁政策を育てあげてきたのは誰でしょうか。
 インドネシアとインドの事例は、いうまでもなく歴史的には大英帝国の植民地主義の悪しき遺産があります。ロンドン・オリンピックの開会式のイヴェントは、農業国→産業革命下の労働者の悲惨→福祉医療革命→IT革命へと進むイギリスの近現代史を象徴的にうたいあげ、ヴィートルズの平和のメッセージを流して実に感動的でしたが、もう一歩踏み込んで大英帝国の過去の悪しき遺産に触れたならば、世界はもっと深い感動に包まれたでしょう。

 7月20日に起きたコロラド州オーロラ市の映画館(「バットマン」上映中)の銃乱射事件では、12人が死亡し60人近い負傷者が出ました。容疑者の男性(24才)は、ライフルとショットガン、拳銃2丁と銃弾6千発以上で武装していました。コロラド州は、自分が脅威を感じたら、先に相手を撃ってもよいとする州法があり、普通の市民が自動小銃を自由に買うことができます。映画のバットマンは、両親を強盗に殺害され、それを契機に犯罪撲滅運動にとりくみ、人は殺さない・銃は使わないを大原則で活動していますが、なんともはや皮肉な事件です。アメリカのネオ・リベラリズムは、まさに銃でいのちを守る究極の戦闘社会となっています。7月27日に6年越しで全会一致に近づいていた国連・武器貿易条約(ATT)は、最後の土壇場でアメリカが方針転換して採決を流産させました。アメリカ国内での銃規制につながることが、全米ライフル協会の反対にあったからです。こうして死の商人による紛争地域への銃の密輸は相変わらず野放しとなりました。アメリカの自由は、人を殺す自由だけは手放したくないのです。ここにアングロ・サクソンの偽善が浮き彫りになっています。

 大阪市職員の政治活動を制限する条例が27日に可決されました。日本国憲法の思想良心の自由や表現の自由の枠外に公務員を置くのですから、大阪市の公務員は市民権の重要な部分を奪われることとなりました。7月27日は戦後日本のファッシズムが、地方都市から始まることを告げる重要な画期となりましたが、国連自由権規約委員会は「表現の自由や公的な活動に参加する権利を不等に制限する法律を撤回せよ(08年)」と日本政府に勧告していますから、日本は国際標準に背反する先進国でも異様なファッッショ国家となりました。ロンドン・オリンピック開会式では、ビートルズ「カム・トウギャザー」がながれ、”ただ一つ言えるのは/とにかく自由にならなきゃいけないってことだ”と大合唱が起こりましたが、大阪のナントカという市長はどういう気持で聞いていたのでしょう。

 ロンドン・オリンピックは26競技302種に204ヵ国・地域、1万900人が集う史上最大の祭典となりましたが、女性の参加を認めなかったサウジなどもついに女性選手がベールを被って参加し、アラブの春を象徴的に示しました。イスラムの女性のベールやブルカは、女性を男性の視線から隔離し、社会の性的秩序を守るものとして強制されていますが、経済進出を果たした女性たちが、自分たちの社会的な位置を守るためにあえてみずからベールをつけるようになり、かっての単純な差別の象徴ではなくなり、女性が堂々と公的な場で活動するためのファッションとなりました。こうした過渡期の意味の変容のなかから、ほんとうのファッションへの自由へと進んでいくに違いありませんが、日本では透明のベールを被らなければ女性は働けない実態がある点では、イスラム圏と本質的には同じです。女性の採用は非正規の一般職であり、たとえ総合職であっても厳然たるガラスの天井がそそり立っています。日本の女性たちは透明のベールを被らされているのです。

 昨年の3・11の福島原発の爆発数日後の14日までに、風は海に向かって吹きました。もしこの風が海ではなく陸に向かって吹き、また風そのものが吹かなかったなら、いまの福島や関東はまったく違った惨状を呈していたでしょう。この偶然がなかったなら、いまわたしたちは放射能から逃げまどうノーマンズ・ランドになっていました。つい70年ほど前に、この国は神風を本気になってあてにし、見るも無惨な敗戦を迎えました。もともと神風などはないということを肌身に滲みて感じたにもかかわらず、原発を神風と思うような神話に身をあずけています。いま日本は、2度目の原発の災厄を待ち、オスプレイの墜落を待っている状態です。野村證券は、東京電力の公募増資情報を機関投資家に横流するインサーダー取引をして、ヘッジファンドと汚い利益を稼いでいました。福島原発の事故は、証券会社にとっては、利益をあげる闇取引の絶好のチャンスとなったのです。

 これから2週間はロンドン・オリンピックの熱い報道のなかで、猛暑の夏は盛り上がり、そのどさくさで消費税は成立し、汗を滴らせながら除染に励む東北や鉛で覆った放射能測定器を身につけた作業員が働く原子炉は忘れ去られていくでしょう。この国は、監督がヤクザにカネをはらわないとチームが優勝できないシステムに頽廃しています。祭りの後の虚脱のなかで、日本は取りかえしのつかない事態を目にして、呆然とするでしょう。神風は吹いたことはなく、将来も吹くことはないのです。(2012/7/29)

虚偽意識に呪縛された日本は、もはや潰れつつあるのか!?
 人間はさまざまの試行錯誤を通じて、無限に対象の真理に接近し、対象を制御してみずからの生存の水準を発展させていく理性的な存在とし、ここに動物との最大の差異があるという人間観がいまや根源的に問われ、再審に付されつつあるような気がします。つまり動物は、本能としてみずから狂うことはありませんが、人間のみがみずからは意識することなく、狂う存在であるということが、現在ほど露わになっている時代はありません。狂気に至らずとも、正しいとする錯覚を点検して、吟味することなく、正気と思いこんで転落のスパイラルに落ち込んでいきます。600万人をガス室で殺したナチスの想像を絶する半世紀前のドラステイックな行為、2000万人のアジア人を殺害した旧日本軍の行為は、その当時は正常な意識と思いこまされた狂気の極限にうまれました。こうした行為に手を汚したくないとして、アウトサイダーの立場を選んだ人びとのみが、自分自身の頭で考えていたのですが、多くの人は時代精神の呪縛の力に巻き込まれてファナテックな加虐にのめりこんでいきました。みんながそうしているときに、自分だけが別の道を行くことは、とても勇気が要ることであり、それが上官の命令であれば拒否することは恐怖であり、まさに悪は麻痺した凡庸さのうちに遂行されました。いったん完成した方程式に別の変数を入れることは死を意味したからです。こうした全体主義のシステムは、最初はある懐疑を伴って眺められていましたが、決定的な瞬間に大多数の価値観を転倒させ、もはや自分自身が制御できない暴走のエンジンの歯車か部品になっていきます。
 いま日本では、100万人以上のうつ病患者と1998年以降毎年3万人を超える自殺者、行旅死亡人(無縁死)3万2千人、2万件をこえる中校のイジメが発生し(いずれも公式統計)、病的な極限状態が続いているにもかかわらず、そうした事態に馴馳する狂気の日常がくりひろげられています。独りぼっちで誰にも看とられることなく、この世を去り、遺体の引き取りを拒否する遺族が増えるなかで、家族に代わって遺品を整理する特殊清掃業という新しいビジネスが増えています。どのような人の生命も、唯一の一回性の尊厳にあるとする常識とされていた価値は、いつかほころんで浸蝕され、もはやどのような未来への志向性と希望をともに語ることは絵空事のに思えるような競争の罠に絡めとられていくようです。
 活動期に入った活断層が張りめぐらされた世界有数の地震列島である日本で、非科学的な安全神話の虚偽意識に呪縛され、大飯原発は再稼働した後に活断層の再調査をするという統治者の非常識がまかりとおり、停止中の原発を含めておそらく福島を上まわる大惨事が近づいています。政府主催のエネルギ政策に関する仙台と名古屋の意見聴取会では、電力会社社員のヤラセ発言が相次ぎましたが、22日の大阪市の意見聴取会でも原発依存度20−25%を支持する表明者のうち2名が関西電力社員であることが暴露され、政府は慌てて入れ替えました。前方展開の侵略機能を強化するオスプレイが、市民のいのちを犠牲にする抑止力神話の虚偽意識に呪縛されて、地上20mの飛行訓練をするために、この列島に強制配備されようとしています。こうして大地はゆれ動いて倒壊し、放射性物質のノーマンズランドをつくりだし、空からは殺人兵器が頭上に墜落してくる恐怖の日常となっています。ヨハネ黙示録の最後の日は、おそらく日本列島からはじまって、全世界が最後の審判に服する時がしのびよっています。
 ネオ・リベラリズムの虚偽意識はついに労働契約の根幹に及び、政府・国家戦略会議フロンテイア分科会は、先日には40才から50歳の定年制をうちだしましたが、ついに「期間の定めのない直接雇用契約(終身雇用)」の原則を廃止し、「有期を基本とする雇用契約」への大転換をうちだし、日本から正社員を一掃し、非正規雇用と金銭解雇の自由を提案しました(7月6日報告書)。「国家戦略」などというおどろおどろしい軍事用語を使う神経そのものが、民主主義的なセンスの欠落を示していますが、現在の日本の荒廃した労働市場の惨憺たる実態にほとんど無関心であるのは、市場の貨幣信仰に呪縛された虚偽意識の頽廃の極致に他なりません。なにか滅亡に向かって突っ走るフロイト的な「死への欲動」の潜在的無意識が、暴走を始めたかのようです。ナチスの暴走は、まだ労働の健康と明るい希望をアーリア民族に限って追求していましたが(「労働を通じて喜びへ」)、現在の日本の暴走は人間のいのちをマネーに捧げて犠牲にすることを当然とする倒錯にあり、ナチス以上に反人間的な様相を呈しています。
 あなたのまわりで、上司の理不尽にものを云う同僚はいますか? 誰かが特権的な権威をもってその人にはなにも言えない雰囲気はありませんか? 強そうな人に媚びへつらう人はいませんか? 「放射能で死んだ人は一人もいない」という企業に呪縛された人はいませんか? イジメをなくすにはガードマンや警官を学校に常駐さすべきだという人はいませんか? いじめられる側にも何か問題があるという人はいませんか? 生活保護は怠け者を増やすという人はいませんか? ヤクザに金を払って野球の監督をしている人に拍手している人はいませんか? 病院死を減らして自宅死を増やせば医療費は減るという人はいませんか? 原発を再稼働しなければもったいないという人はいませんか? 東北復興の遅れは現行憲法に問題があるからだという人はいませんか? 首相官邸前に集まる人たちに組織の旗はないといって称賛している人はいませんか?
 こうして何ごともないかのように、見て見ぬふりをしながら過ぎていく日常の悪の陳腐さが、虚偽意識となってうめこまれ、ついには取りかえしのつかない巨悪の大惨事となるDデイが近づいているようです。「希望の虚妄なるは、絶望の虚妄なるに同じ。もともと道はない、多くの人が歩き出すことによって道は自ずから道となる」(魯迅)とする虚偽意識からの解放のみが、Dデイを反転させる契機となることを告げています。(2012/7/23)

日本社会の炉心が溶融しつつある
 大津市の中学校2年生のイジメによる自死をめぐるインターネット上のバッシングは、日本の一部にある醜悪な歪んだ心性と、明日をも知れない不安とルサンチマンの深い闇が渦巻いているように思われます。訴えられた加害者とされる生徒の実名や顔写真、すでに他校に転校したとか、両親の経歴などおびただしいプライバシーが暴露され、当該中学校の社会思想的傾向をあばきだして、反民主主義的なファッシズムの方向へ誘導するなどファナテックな様相を呈しています。なにか、炉心が溶け始め、格納容器が破壊されて、日本列島にセシウムがまき散らされる原発事故のような光景です。中学校への爆弾による脅迫は、その極限のすがたです。ネオリベラリズムによって地域共同体と日本的集団主義が崩壊し、剥きだしとなったナルシズムが暴走し始め、ネズミの大群が互いに蝕みあいながら、怒濤のように海に向かって突進し、海の藻屑となっていくような感じです。日本はいままで経験したことがないような崩壊の危機が忍びよっているような気がします。
 明治以降の日本は、埋めこまれた地域の分厚い共同体と集団主義の地盤のうえに、選択と決定の民主主義を制度としてとりいれ、驚異的な経済発展を遂げてきましたが、冷戦崩壊後のネオリベラリズムのアメリカモデルによって、選択と決定に競争と自己責任が加わり、いままであった共同の心性が根こそぎ破壊され、互いが互いにオオカミとなる修羅の世があらわれつつあります。あらゆる共同体のなかで、イジメの関係のなかでしか生きていけないシステムがむきだしの姿をあらわしつつあるように思います。

 1998年10月に自死した堺市の中学校教員・佐藤和子さん(当時51才、仮名)の勤務する中学校では、喫煙、器物損壊、恐喝が横行し、自身も生徒から暴行を受け、授業用のプリントは紙飛行機となって飛び、徹夜状態で指導した2泊3日の宿泊学習後に、うつ病で3ヶ月の休職が必要と診断されましたが、教頭は「休まないでください。ぎりぎりでやっているから、これ以上休まれると支障が出る。がんばってください」といわれて勤務を続け、さらなる生徒による器物損壊と授業妨害で、緊急入院し、ついに自死にいたりました。公務災害認定請求では、家族の証言だけでは証拠能力がないという裁判所に、同僚教員が8ヶ月間で20件の対教師暴力の事実を証言し、公務災害が認定されました。賽の河原で石を積むような辛い毎日の連続が、彼女を死に追いやったのです。
 宮城県登米市の中学校英語教師・大泉博史さん(43)は、授業妨害や給食に生徒が睡眠薬を入れたり、黒板や学級日誌に「死ね!」と書かれるなどの暴言が頻発し、08年2月に授業に乱入してきた生徒を指導した後に、校舎から身を投げて自死しました。数日前までに書かれた日記は次のように記されています。

 1月30日 自分に負けて自殺します。ここにきました。それがすべてです。すべてに自信を失いました。
 2月 6日 おれは生きたい。ここから立ち直り、戦いたい。せめて自殺などせず、卒業生を送りだしてあげたい。
 2月 7日 今日で限界です。もがいた結果です。これまでご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
(この日自死)

 移動1年目で「疲れた」と口走るようになり、2年目をも3年目も3年の担任と分かったときに、夏休み前から毎朝吐き気を催すようになり、9月中旬から「死にたい」と口走るようになり、年明けからは毎日カレンダーをみて、「卒業まで後、何日」とため息をついていました。子ども同士や子どもの教師へのいじめ、教師同士のイジメなど、のびのびと笑顔と知的探求に溢れる学校共同体は、いまや陰惨な暴力の共同体となっています。他者に対して鈍感な強い者が生きのこり、繊細で誠実な者から先に犠牲になっていく動物の檻の惨状です。残念ながら、大津市と堺市、宮城県の中学校には、いづれも事実そのものを解明する初歩的なアプローチが弱く、外部に対ししてガードをかためる傾向が強く、組織を守る負の親密圏が構築されていました。大泉さんの公務災害は認定されず、自死は自己選択とされ、責任は無限の本人に求心していきます。おどろくべきことに、大津市の事件では、文科相もみずからの行政への自己検討もなく、憮然として調査への介入を示唆するだけです。学校共同体から、なぜ本来の親密圏の健やかな関係がなくなったのでしょうか。学校の運営システムは、軍隊や警察のような命令ー服従の特別権力関係となり、民間企業の目標管理システムで業績査定がおこなわれ、教師はたがいに競争の敵対関係に貶められ、生徒をめぐる問題も自己責任となって、指導をめぐるフランクな話し合いは姿を消しました。水平的な人間の関係と集団的なチームワークが不可欠の学校は、いまや重層的なタテの垂直統合の構造へと転落しています。その主要な責任は、文科省の行政そのものにありますが、現在ではトップ・ダウンの大阪現象がルサンチマンを溜め込んだ市民の喝采を博しています。責任はつねに下方へ移譲され、不満もまた下方へ移譲されて、最も弱い層へむかって放射され、犠牲は最下層へ集中します。
 大阪現象のメイン政策となっている「維新八策」は、民主主義を根底からくつがえすウルトラ・ネオリベラリリズムと極右思想(憲法改正の武装国家)がむすびついた醜悪なプロパガンダでしかありませんが、坂本龍馬「船中八策」のメイン政策は「万機公論に決すべし」ですから、さぞかし龍馬は、あの世で口をあんぐり開けて、目を白黒させているに違いありません。

 クリントン米国務長官は、9日の記者会見で「旧日本軍の従軍慰安婦問題は、重大な人権侵害であり、被害者に心からの同情を表明する。慰安婦という表現は誤りであり、強制された性的奴隷という表現を使用すべきだ」と述べていますが、アメリカ帝国の数々の国際犯罪を横に置けば、アメリカ独立革命から埋めこまれている民主主義的心性が一定のレベルにあることを示しています。しかし、それはWASPの限界をもっていますが。クリントンの言辞を言いかえれば、「イジメは、重大な人権侵害であり、被害者には心からの同情を表明する。イジメという表現は誤りであり、強制された刑法犯罪であるという表現を使用すべきだ」とすべきでしょう。つまり、いまもって「従軍慰安婦」という旧軍の言葉を使って恥じない日本は、刑法犯罪を「いじめ」と言いかえて隠蔽する本質的に共通した差別と抑圧の思考方法に呪縛されているのです。(2012/7/11)

いま、日本中が自殺の練習をさせられているのでは?
 大津市の中学2年生のマンション転落死は、いままでのイジメ自殺とは質が違う。中学校の全校アンケート(860人対象、8割回答)では、「昼休みに毎日自殺の練習をさせられていた」「他の生徒が自殺のやり方を練習しとくように言っていた」(15人回答、うち実名3人、未来名12人)とし、「お金を持ってくるように脅していた」「キャッシュカードの暗証番号を教えろといわれていた」「動物の死体を口に入れられた(13人)と、他の生徒からの恐喝や金品の要求を受けていたとし、「万引きしないと殴る等と脅されたと聞いた」(15人)など万引きの強要を受けていたとされる。市教委は、記者会見で、「生徒が教室やトイレで繰り返し、殴られたり、成績表を破られる等のイジメを受けていたが、イジメが自殺の原因かどうか断定できない」と主張し、告訴された3人の同級生は「イジメではなく、あそびだった」と争う姿勢をみせている(朝日新聞7月4日付け夕刊)。
 事実の全貌は判明していませんが、生徒のアンケート内容を前提に考えますと、自死の練習をさせるという点で、明らかに従来のイジメのレベルを超えています。文科省のイジメの定義では、「子どもが一定の人間関係のある者から、心理的・物理的攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもので、イジメか否かの判断はいじめられた子どもの立場に立っておこなう」としていますが、市教委と学校の態度はこの基準に忠実であるとは思われません。もし「昼休みに毎日、自殺の練習をさせられていた」のが事実なら、加害者の意識がどうであれ、明らかに殺人罪を構成しています。担任教師は、プロレスの技をかける暴力行為を見て、「隣にいたが止めなかった。笑ってた。『あまり、やりすぎんなよ』って話した。まわりに他の教師もいた」と複数の生徒が家族に直接証言している(朝日新聞7月6日付け夕刊)。
 残念ながら、現実のイジメに対する教師と生徒、生徒相互の関係、学校全体に弛緩した痛々しい風景がひろがっています。おそらく学校では、教師相互の陰湿なイジメがあるでしょう。この担任教師の姿勢に非難を集中させるならば、生産性はないでしょうが、自戒も込めていえば、この担任教師は、いっさいの暴力を許さないという勇気がなかったというべきでしょう。いま日本の社会の隅々に、いわねばならないこと言う勇気への情熱が衰弱しています。私も含めて。市教委の聞き取りを拒否している生徒がいるようですが、それはなんらかの共犯意識をいだいているのでしょうか、イジメは伏魔殿のような心理の深い闇が交錯する世界であり、一方ではあそびの延長でしかないアッケラカンとした世界です。大阪市長は警察権力にゆだねる厳罰主義を主張するでしょうが、それはますますイジメを陰湿化するしかなく、加害者も出口を求めてもがいているか、あるいは発達神経の欠損をかかえています。イジメは、大人の社会がおちいっている自らの醜い姿の反映に他なりません。

 子どもが大人の世界を反映しているならば、いま日本全体が自殺の練習をさせているような状態が蔓延していることを示しています。国家による消費税による恐喝と金品の強要、TPPは万引きに近く、大飯原発再稼働は毎日24時間の自殺の練習に他なりません。ネズミの大群が海に殺到し、海岸が来ても、もはや自分で止めることができず、海のなかへ突っ込んで溺死していくありさまのようです。追いつめられた中学生は、残念なことに飛び降りてしまいましたが、いま日本全体が飛び降りようとしているか、海に向かって殺到しているように思います。南相馬市の斉藤さん(63)が被災者の助言として次のように言っています。

 「大飯原発の再稼働が決まったと聞き、南相馬市民としてひとこと周辺住民にアドバイスしておきたいことがあります。まず線量計を購入する、前日と違っているか知るだけですから、精度は関係ありません。間違っても行政が配布する積算線量計などに期待してはいけません。そして予備のガソリンは最低2缶買い置きし、車は毎日夕方満タンにすること。一人が長時間運転しなくても済むように、運転できる人を増やしておく。150km以上離れたところに、避難できる場所を方向別に複数確保することは勿論です。複数のルートを調べ、走って確認しておくのがよいと思います。高齢者とペットのいる人は、体育館は避難場所とは云えません。避難は1年以上と覚悟し、必要な荷物はすぐに持ち出せるようにし、置いた荷物は盗まれると覚悟した方がいいです。大事なのは原発から自宅の方向と距離を把握し、毎日、風向きと風速を確認し、原発作業員の友人を複数持ち、何かあったら情報が届くように、体制をつくっておく。これが私と妻がこの1年で得たノウハウです」(朝日新聞7月2日付け「声」)

 何とも哀しいアドヴァイスです。ひとたび事故が起これば、住民は棄民となり、みずからのいのちは自分で守るしかないのです。しかしこうして必死で生きていける人は、壮年男子のみであり、女性と子ども高齢者、障害者は死を覚悟しなければなりません。大津市の中学生は、最後の尊厳をあのような形で守るしかなかったのです。日本列島は、自殺の練習者であふれています。まさにヨハネ黙示録の世界ではありませんか。(2012/7/5)

福島原発事故は、チェルノブイリ事故とほとんど同じ経過をたどったのか!
 1986年のチェルノブイリ事故は、同じ黒鉛型の80年のクルスク原発事故の教訓が生かされていたら、開発計画は中断されており、2011年の福島事故は、07年の新潟中越地震による柏崎刈羽原発の放射能漏れ事故の教訓が生かされていたら、予防対策がとられていたかもしれない。福島事故を、想定外の大津波の襲来に帰すれば、何の学習効果もないのです。チェルノブイリでは、国家の最高指導者から原子炉運転員に至る「嘘でかためられたピラミッド」で、事故が隠蔽され、平常どおり戦勝記念日の準備に忙しい市民への避難命令は遅れてしまった。福島でも、政府スポークスマンは、「直ちに健康に影響はない」として放射能汚染図さえ示さず(SPEED)、放射能の拡散している方向へ、住民を誘導しました。チェルノブイリの放射能拡散を最初に正確に指摘したのは、スウエーデン政府のセシウム分布図であり、ソ連政府はデマ宣伝として退け、福島では米軍情報が政府によって無視されました。
 ソ連政府は原発は完全に安全だとする神話から、批判派は刑務所に収容され、精神病患者として扱われましたが、日本でも同じように批判派は差別と迫害の対象となりました(少しソフトな手法でしたが)。チェルノブリでは、最初は水をぶっかけ、次いで砂を大量に投下し、最後には鉛で遮蔽しましたが、この巨大な重量に原子炉は耐えられず、メルトダウンに至りました。原子炉関係者は、対策が分からず、行き当たりばったりで試み、最後に燃える物がなくなって鎮火したのです。福島でも、水から始まって海水に至る同じ手法で、メルトダウンを最後まで認めず、チェルノブイリと同じように秘密主義が貫かれました。ソ連の事故が世界に明らかとなったのは、国際原子力機関(IAEA)が強行に抗議を申し入れたからですが、それも4ヶ月も経ってからでした。同じ秘密主義でも、日本とソ連が違ったのは、ソ連では政府よりも共産党が絶対的な権力を持ち、すべての情報は共産党に集中され、共産党から政府に命令が出る鉄のシステムがあったのですが、日本では緊急時の指揮系統が定まらず、原子力村関係者が右往左往し、結果的に東電が独走する実態になったことです。
 メルトダウンが起きたのは、1979年のスリーマイル、86年のチェルノブリに次いで福島が3度目でしたが、チェルノブリの放射能汚染が全欧州におよんだのは、黒鉛型原子炉には格納容器がなく、核爆発の防護がまったくできなかったことです。福島は格納容器でベントした分が大気中に出ましたが、逆に底に溜まった高濃度冷却水がいま地下に浸蝕しており、この規模が予測できず、表土を除染しても、福島の大地はノーマンズ・ランドとなる危険があります。
 しかし、チェルノブイリと福島の最大の違いは、ソ連政府と原子力関係者の最高幹部たちはすべて公職を追われ、直接の責任者たちは裁判にかけられて有罪で下獄していることです。ただし、現場責任者にトカゲの尻尾切りのように転嫁されて、ほんとうの責任は回避された面があります。ところが、福島にいたるや、政府と東電の当事者たちは誰も責任を追及されず、関連会社に天下ったり、いままでどおり高給をはみみながら、公職に就いていることです。ソ連はその後は、黒鉛型原発をすべて廃棄しましたが、日本ではまた再稼働するという狂気の行為におよんでいます。ここにあるチェルノブイリと福島の違いは、日本がもはや、核と原発を管理する能力と資格を失っていることを証してあまりあるものがあります。社会そのものが、メルトダウンしているのでしょうか。以上は、ジョレス・メドヴェジェフ『チェルノブイリの遺産』(みすず書房、1992年)を読んで。(2012/7/4)

福島原発海外視察団を案内して・・・
 福島県南相馬市では、震災と原発で936人の犠牲者が出ていますが、うち地震と津波の死者が631人、原発事故による緊急避難と長期避難が305人(32,6%)であり、もし原発がなければ、305人の命は助かっていたかもしれません。全村避難となった飯舘村は政府の遠方避難案を拒否して、転職や転校をしなくても済む生活基盤を維持することができるように、村から1時間以内の地域を必死で探し、村民の9割を避難させました。いま村に帰りたい人が、約60%に達し必死で除染作業を行っていますが、それは汚染された草を村の広場に移すだけで、除染ではなく、移染にすぎません。放射線量を量るモニタリングポストは、毎時1,885マイクロシーベルト(年換算9,7ミリシーベルト)を示し、福島原発1−3号機の6月の放射性セシウム放出量は毎時1000万ベクトルであり、1号機原子炉建て屋地下の放射線量は毎時1万300ミリシーベルトであり、全身に浴びれば40分余で死に到る高濃度であり、この放射能汚染水が地下に漏れだしている量は把握できないという深刻な実態です。たとえ数年後に帰村できたとしても、残留放射能の恐怖におびえる生活が始まるのです。南相馬や飯舘村は、いままで農民たちが必死で有機栽培にとり組むモデル農村でしたが、有機栽培のための表土は、農家が長年にわたって、工夫をこらしてつくった栄養素が集積している部分であり、これをすべて削りとるのは身を切られるような痛みをともないます。
 先日福島原発の海外視察団を案内して現地に向かいました。視察団のメンバーは呆然とした表情で、荒涼たる風景を眺めながら、つぶやいていました。「私は、自由な経済活動をすれば、神の見えざる手が働いて、すべてうまくいく、レッセ・フェーレ!レッセ・パッセ!と『国富論』でいったが、あれは間違いだった。自由な経済活動は結局強者の横暴を招いてしまった」(アダム・スミス)、「私は、自由にすれば人間はすべてオオカミとなって戦うだろう、だから絶対権力が必要だと『レヴァイアサン』でいったが、あれは間違いだった、福島の被害者が互いに助け合う姿は人間がオオカミではないことを証している」(T・ホッブス)、「私は、人間が自然法則を知って支配するようになれば、生産力は無限に発展し、いつか自由時間のパラダイスがくると『資本論』でいったが、あれは間違いだった、人間は自然と共存しなければ生きていけないのだ」(K・マルクス)、「私は自由とは必然性の認識であると『反デユーリング論』でいったが、あれは間違いだった、必然性が強制の隠れ蓑となって自由をさまたげることを知った」(F・エンゲルス)などなど、悲喜こもごもに語っていました。私は、K・マルクス氏に、「あなたの『資本論』は聖書と並ぶ世界的なベストセラーで、よほど印税が入ったでしょう」と聞くと、彼は「いや、私の時代は著作権制度がなくて、最後まで私は貧乏だったよ」と苦笑していました・・・ここで目が覚めました。なんと、梅雨の世の一場の夢であったのです。
 福島事故は、いままで人類が積み上げてきた理論を根底から再審することを迫っているように思います。市場原理も社会契約もマルクス主義も、すべて資本と科学と社会システムの再構築に向けて、すべての権威を疑い、根元的な問い直しをおこなう時にあるように思います。(2012/7/2)

美しい古里は一変し、絶望で命を絶つ人があとを断たない・・・
 過日の東電株主総会で、福島原発の女性被災者はしぼり出すような声で、被災者の惨状を語り、「東電は大企業としての誇りを持って、賠償と除染を実施し、社会的責任を果たすよう望む」としめくくると、会場はヤジもなくなって静まりかえりました。しかし、脱原発や料金値上げに反対する議案をすべて否決した総会は、冷酷無残な回答を女性被災者に返しただけでした。企業の社会的責任の公共性の機能が、根底から失われていることを示す象徴的なシーンでした。東日本大震災と原発事故で、転校した小中校・幼稚園生は2万5516人に達し、東北3県から他県へ転校したのは1万4263人で、とくに福島県がその大部分を占め、福島県は人間の姿が消えていく荒涼たる廃虚となって、ほぼ半永久的にノーマンズ・ランドになろうとしています。こうした惨状をよそに、東電は福島原発2号機の存続と、柏崎原発の再稼働をめざしており、幹部たちは業務上過失致傷罪もものかわ、誰ひとり責任を取らず、一斉に関連会社に天下っています。なぜ検察は、彼らを逮捕して調べないのでしょう。
 日本の国土の一部がノーマンズ・ランドと化しても企業を防衛する人間たちが、一切の恥の感覚をなくして無責任の極致にある、これが冷厳な日本の現実であり、いま私たちが生きている世界にほかなりません。大震災直後であれば提案することさえできなかった消費税という大衆課税が、いともアッサリと成立していく唖然とするような奇怪なポリテイークも、本質的に東電と通底しています。福島事故を過ぎ去った過去のように報道する日本は、恐るべき忘却の名人であるばかりか、原子力基本法に核兵器開発の道を開く改正を施していく惨事便乗のふるまいは、もはやこの日本列島から人間が生存する条件を根こそぎ奪い尽くして、地獄の惨状をさらにふかめる終末を予感させます。
 なぜかくまでに根底から市民社会のモラルが崩壊しているのか、ひとことで言えば貨幣と企業の物神崇拝に全身を浸蝕された資本の論理がつらぬいており、もはや人間的な感性など歯牙にもかけない究極の疎外がひろがっています。危機が深まれば深まるほど、オルタナテイブへの逆転のチャンスともなるという歴史の論理は過去のものとなったのでしょうか。29日の首相官邸前の原発再稼働に抗議する行動に自発的に集まった20数万人(!)の市民たちは、こうした終末への予感に震える内面の不安と怒りのほとばしりであり、戦後日本史では画期的な直接民主主義の発露でした。TVの映像からは、乳児を抱いた若い母親が多く、子どもの命すら守れなくなった日本の現状に、追いつめられた者の叫びが流れて参ります。政党や労組など中間組織の動員ではなく、市民たちがほとんど自主的に姿をあらわした点で、なにか歴史の転換がもたらされるような深い印象を残しました。民主主義デモクラシーとは、民衆(デモス)のちから(クラトス)であって、選挙による代表制などは副次的な意味しか持たないにもかかわらず、これほどに代議制と市民社会の乖離が深まったことはないのですから。
 戦争で狂死した三重の若い詩人である竹内浩三は、”日本が見えない”とうめくように歌って、この世を去っていきましたが、この詩人の無念に対する応答の責務を果たす最後のチャンスのような気がします。(2012/6/30)

日本型責任感の崩壊
 今度巨人戦があったら、巨人ベンチのある座席へいって、巨人の監督に「あなたはヤクザに金を払って、なおベンチで指揮を執っているとは恥ずかしくないのか!?」と聞いてみたい。不倫話の始末に元ヤクザに脅迫されて、1億円を提供して隠してきた行為は、明らかに球界からの永久追放に値する刑法犯罪ですが、逆にナントカという元球団役員がリークしたとして抗議文を送るという破廉恥な行為におよぶモラル・ハザードになんの自責の念もないのだろうか。巨人球団は、先に選手に闇の契約金を支払って問題となったが、これもうやむやになっている。それにしても、プロ野球憲章にもとづいて球界に責任を持つ日本野球機構とコミッショナーは、いったいこれらの破廉恥行為になんの調査もおこなわず、見逃しているという信じられない状況にあります。もはや巨人球団は一旦解散して新たに出なおす局面にきています。これは、まさに東京電力の責任感覚とほとんど同じレベルにあります。
 東京電力福島原発事故最終報告書は、欺瞞に満ちた自己弁護と責任転嫁にあふれ、これほどに見苦しい企業コンプライアンスの崩壊は見たことがありません。M8クラスの巨大地震と想定を超える15mの津波がくることは東電社内がすでに予測していたにもかかわず、国の統一見解がなかったとして、海水注入の遅れも首相が了解しなかったからだと全て政府に責任を転嫁しています。1号機の非常用復水器がいったんは動いたのに、止めてしまったのは、プラント状況を踏まえた対応だったと逃れています。しかし最も恥ずべきことは、原子炉建て屋が爆発した1,3,4号機から放射能が出たのではなく、格納容器が破損した2号機から出たとしている点です。しかし2号機から放出された経過説明はいっさいなく、すべてを津波という自然現象に責任を転嫁し、裁かれるべきは地震と津波だとしている点です。もしこうした論理が許されれば、今後のあらゆる原発事故は自然を主犯として裁くことになります。福島原発の現状についてはほとんどメデイアの報道がなくなり、現在の原子炉内部は最も危険な状況に放置されています。さらに許されないことは、福島以外の東電原発の再稼働を提案し、そのための財源として停止中の原発の燃料費負担を理由に、電気料金の値上げを市民に迫っていることです。
 こうした巨人軍と東電の企業行動は、日本の企業倫理が根底からゆらぎ、企業の存立そのものを否定するような深い疑惑を市民社会にもたらしていることです。その根底には、経営の論理が神の論理となって、市民社会のシステムそのものを歯牙にもかけない暴走状態があります。これは、水俣の市民たちを地獄の苦しみにおとしいれて恥じなかったチッソの企業倫理が、現在においてもなんの学習効果もなく企業を呪縛していることを意味します。経営の論理に、スポーツやエンジニアの高度な専門性が包摂され、公共性が吹っ飛び、われ亡き後に洪水は来たれという野蛮が日本の終末となってしのびよっています。市民たちは、アン・モラルの圧倒的な力の支配と大不況のなかで、いったい日本はどうなるのだろうかと不安を強めながら、問題を一気に両断するポピュリズムの独裁に誘引され、擬似的な保守革命を準備しています。これは1929年の世界大恐慌をうけて崩壊に瀕したナチス・ドイツのヒットラー崇拝に酷似しています。日本は、おそらく戦後最大の危機に直面し、すべての市民が自らの選択を迫られる時期が近づいています。言いかえれば、日本型責任構造の崩壊のあとに、市民型責任構造を埋めこんで根づかせる最後のチャンスとも云えましょう。(2012/6/25)

醜悪な市場原理の破産
 アメリカの刑務所では、非暴力犯は1晩82ドルし払えば、設備が完備した独房にはいることができ、小学校では生徒が本を1冊読むと2ドル支払い、メジャー・リーグの実況中継では、選手がホームに生還すると、アナウンサーが「セーフです!安全と安心!○○生命!」と叫ぶ。病人や高齢者の生命保険を買って、生きている間は掛け金を払い、死ぬと死亡給付金を受けとる金融商品が開発されています。超高齢化社会を迎える日本では、年間死亡者数が120万人から160万人に激増し、終末期の医療と介護サービスが格段に増えますが、日本政府は「死亡1ヶ月前の医療費は年間9千億円であり、住宅などでの死亡割合を現状の2割から4割に引き上げれば、2025年の医療給付費は5千億円削減できる」(厚労省・社会保障審議会資料)として、在宅死を勧めています。人間の最後の瞬間をどの場所で終わるかの選択は、すぐれて人間の尊厳にかかわる問題であり、効率性原理にゆだねることは冒涜に他なりません。政府の役割は、本人と家族の意思や介護と終末期をささえる質の高い医療とケアマネイジメントをつくりだすことにあるのであり、貨幣価値を先行させてはなりませんが、市場原理がどこまで蝕んでいるかをありありと示しています。 
 こうした貨幣価値による動機づけが、いかに社会を蝕んで頽廃させていくかは、輸血用血液に象徴的にあらわれます。英国など輸血用血液を献血でまかなうシステムの国では、輸血用血液の確保はうまく機能しているのですが、売血に依存する米国などでは確保が出来ず破局に瀕し、輸血用血液は患者の自己調達となっています。市場原理が、社会の連帯と共通価値を崩壊させ、たがいに人がオオカミとなる野蛮に転落させています。おそらく日本の原発の再稼働と消費税も、貨幣への物神崇拝システムが、政府を蝕んでいることにあるでしょう。(2012/6/17)

刺青禁止令は日本をどこへ導こうとしているのか!?
 大阪市の何とかいう市長が、市職員の刺青調査をおこない、入れている職員を配置転換し、消すように求めるそうだ。日本に刺青を嫌悪する特殊な文化が形成されてきたのは、刺青が権力支配のツールとなってきたからです。縄文期の仮面からはすでに痕跡がうかがわれますが、『日本書紀』では刺青は刑罰の一種と記されていますが、それ以降は江戸幕府の彫り物禁止令がでるまで自由でしたが、”身体髪膚之を父母より受く、不敢毀損孝之始也”という儒教的な身体観から、刺青が普及することはなく、博徒や侠客などの特殊な集団のパフォーマンス的なサインとして利用されてきました。こうして日本は刺青や美容整形には一般に抵抗感を持つ文化が形成されるようになったのです。明治政府もまた1873年に刺青禁止令を出しましたが、戦後の1948年に政府は表現の自由の憲法上の規定から、刺青禁止令を廃止し現在に至っています。
 ところが戦後の生活の変容のなかで、ギリシャ以降の”健康な精神は健康な身体に宿る”という近代的な身体規範がゆらぎ始め、臓器移植、性転換、美容整形や技術による身体変工など身体改造をテーマとする文化が氾濫するようになりました。こうありたい自分と実際の自分が乖離している現状を身体を変えたり(ピアシング、ボデイビル、シリコン注入など)、身体を装う(マニキュア、ペインテングなど)ことによって乗りこえようとするようになりました。あるいは、フランスの芸術家・オルランは、自分の顔を10回整形し、ビーナスの顎、ダイアナの目、モナリザの顔、プシケーの鼻、エウリケのの唇を人工的につくりだして、既成の女性美のパラダイムに挑戦するような芸術表現もあらわれます。つまり現在では、身体変工はドロップアウトしたアウトサイダーの文化ではなく、あるいはナチスがユダヤ人の腕に番号を彫り込む支配の手段ではなくなって、市民の文化的な自己表現のファッションの面が強くなり、身体の自己決定権の表現として、権力が介入することはなくなりました。わたし自身は、こうした文化を全面的に肯定することはできませんが、それを権力で規制することは市民社会では許されないことだと思います。
 今回の大阪市の場合は、福祉施設の職員が子どもを威嚇するために、自分の刺青を誇示して脅迫した点に問題があり、それは威力業務妨害のハラスメントであり、刺青そのものの問題ではありません。職員は古典的な刺青観を権力行使のツールとして利用し、脅迫した点で、職務執行専念義務違反です。しかし、大阪市長はそれを利用して、職員の身体の自己決定権と表現の自由を侵犯する調査をおこない、人事上の制裁を加えるのですから、あきらかに基本的な人権を侵害しています。この市長は、前にも君が代への斉唱違反を理由に処分をおこないましたが、こうした一連の行政執行は、市長自身が憲法擁護義務に違反する犯罪の要件を構成しています。しかしほんとうに怖いことは、こうした専制的なふるまいが、不安社会に沈殿するルサンチマンを煽って、バッシングを動員し、市民的な自由の領域をつぎつぎと狭めていくことです。大阪市の市長は、最終的に憲法改正を展望していますから、こうした強権的なふるまいを積み重ねっていって、自らの独裁へのみちを開くパフォーマンスとして利用しています。ナチスの健康ファッシズムとしての刺青禁止令は、つぎにくる公然たるファッシズムの序章に他なりませんでした。(2012/5/17)

雁風呂や一つくべ足すたびに風  未知子
 日本で越冬する雁は、途中、波間で休むための木片をくわえて、海原を渡ってくるそうだ。そして春になって故郷に帰る時に、木片が残っていれば、それは故郷へ帰れなかった雁の数を示すことになる。青森の人たちは、彼らを悼むために、木を焚いて風呂を沸かして偲ぶという。雁風呂とはそうした青森の伝説をもとにした季語となっている。以上は櫂未知子氏のエッセイによる。
 なにか哀しくも心温まる、東北らしい話しで、宮沢賢治を思いおこします。私の子どもの頃にも、初夏になるとツバメたちがやってきて、軒下に巣をつくり、親鳥が必死になってエサを運び、ひなの子どもたちがチチッと鳴きながら、一生懸命についばんでいた光景を思いだします。ある日、巣が壊れて落下してしまい、親鳥も子どもも姿を消してしまいましたが、それを見て胸が痛んだ記憶があります。いま春を迎え、東北地方は桜が満開で、梅や椿、水仙やチューリップがいっせいに花を開き、田植えの真っ最中であり、今年も東北地方には多くの渡り鳥が飛来し、虫たちも這いだして、懸命に子育てにいそしんでいる様子が目に浮かびます。生きものたちは、セシウムのことなどお構いなしに、せっせとエサを運んでいますが、汚染された餌を食べているひなの子どもたちがどうなっていくのかを考えると、なんと残酷なことでしょう。福島の浜通りは、生態系そのものも壊れてしまったのです。福島原発から放出されたセシウムは、全体のわずか2〜3%だそうですから、残された98%のセシウムがどう処理されるのか、暗然たるものがあります。事故直後の最悪の予測では、50〜60%のセシウムが放出される可能性もあったそうですから、東北から関東は全滅していた可能性もあります。
 宮城県の12年1〜4月の労災死傷者数は、803人で前年の49,8%に増加し、ほとんどが復旧作業中の事故だそうです。浪江町が実施した子ども向けアンケート(小1〜中3、1217人対象、回収率71,7%)では、86,6%が故郷を遠く離れて暮らしており、家族がバラバラになっている子どもが49,4%にたっし、放射能のせいで病気にならないか不安だとする子どもが35,7%に達しています。福島の子どもたちは、運動会や遠足、プール遊びなど戸外活動は禁止され、毎日自分の放射能を測定しながら生活しています。このアンケートは、浪江町復興ヴィジョン策定のために実施されたのですが、はたして日本は子どもたちの痛切な声にこたえているのでしょうか。子どもたちのいのちを犠牲にしながら、再稼働に暴走する姿の異常を異常と思わない極限の異常が日本列島を覆っています。まるで、木片を口にくわえないまま、あてどもなく漂流している渡り鳥の姿ではありませんか。(2012/5/14)

朝日新聞を襲撃して燃やしちまったら、日本は良くなりますよ(!?)
 久しぶりに戸塚ヨットスクールの名前を聞いたと思ったら、なんんともはや下劣な品性丸だしの発言でした。11日に都庁で開かれた「子どもの耐性をいかに培うか」というテーマの会議でのものです。このスクールは1980年から82年に体罰を含むスパルタ訓練で4人が死亡し、傷害致死と監禁致死罪で校長が懲役6年の刑に服役し、学校は閉鎖されたものと思っていましたが、まだ開校しているのですね。しかも刑期を終えた後も、訓練生の死亡事故と負傷が続発しているのですから、いったい文科省はなにをしているのでしょう。この会議の発言録を見ると、ファッシズムの心情が丸だしで、人間は軍事的な訓練で「耐性」を強くするのが教育だとしています。「耐性」とは、「病原菌などが一定の薬物に抵抗して生きていく性質」((旺文社『国語辞典』)ですから、人間は病原菌のように強くなれーということであり、悪性を強めれば生きていけるというわけです。

 「子どもを育てるには体罰が不可欠だ」(都知事)
 「教育というのは男がやるべきであって、女が口を出してはいかん」(戸塚校長)
 「文部省の役人を全部首にしようやないか」(戸塚校長)

 なんともはや極右丸だしのアナクロニズムの発言のオンパレードですが、こうした発言が行政の最高執行者から平然と垂れながされ、横行しているのが日本の現状であり、大手マスメデイアもほとんど報道せず、見逃されています。ある規範を先験的にすべての市民に強要して、反対派を異端として排除するのがファッシズムだとすれば、日本の市民社会はかなりそうした土壌に浸食され、異常の異常性に無感覚になっているところに、ほんとうの恐ろしさがあります。こうした土壌のうえに、大阪現象のようなポピュリズムが一定の支持を得て、市民社会そのものを壊し、自ら首を絞めていくのです。しかもネオ・リベラリズムのモダンな装いと奇怪に結びついて、競争を煽り、自己責任の「耐性」を身につけない者をゴミのような敗者として、抹殺していったのがナチスの強制収容所です。現代の日本は秘密警察の恐怖によって、ファッシズムが浸透しているのではなく、ソフトでフレンドリーな微笑をもって近づいてきますから、余計に浸透力は根強いのです。もはや日本は市民社会のシステムが壊れつつあり、強制収容所の囚人たちの意識と似ています。しかし、一方では放射能で汚染された地域の人たちが竜巻の被害を受けた地域へ救援に駆けつけ、瀬戸内寂聴さんをはじめとする人たちがハンガーストライキで原発の再稼働に抗議の意志を示しています。
 ほんとうはファッシズムをめざす人たちは、市民の市民的な感覚が怖く、戦々恐々として市民の動向を見つめているせめぎ合いの状態にあります。このせめぎ合いがどのように推移していくのか、日本の未来が決定されます。ほんとうに怒るべき時が近づいているように思います。(2012/5/12)

もったいない! 
 東電新社長は8日の記者会見で、「原発の再稼働なしは、もったいない」と言ったそうですが、「もったいない」はいまやエコロジーの世界語となっていますが、この人は日本語を知らないで不用意に使ったのでしょう。「もったいない」とは、「@神仏、貴人に不届きであるA過分のことで畏れ多い、ありがたいBそのものの値打ちが生かされず無駄になるのが惜しい」(『広辞苑』)のうちのBの意味で使ったのでしょうが、16万人を追放して生態系を破壊し、広島型原爆の160倍のセシウムをばらまいて国土を荒廃させた原発の値打ちなどどこにもありません。ここには経済の論理に神経系を支配され、貨幣の奴隷となっている醜悪な精神構造がさらけだされており、電力を安全に供給するという公共性の感覚がみじんもありません。あれだけの取りかえしのつかない事態が起これば、ふつうの人間はその歴史的な背景をたどったり、存在の意味を問い直す自省の念へと向かうはずですが、そうした市民社会の基礎的な感覚すらないのです。彼にとっては、16万人のいのちよりも、原発が生みだす貨幣のほうが大事なのであり、まるでヴェニスの商人のシャイロックのようなカネの亡者にほかなりません。いやシャイロックは、抑圧され辱められたユダヤ人のルサンチマンの復讐の意味がありますから、東電新社長はシャイロックすら驚愕する化け物のような守銭奴です。
 東電の新事業計画は、福島事故の原因究明や事故収束の見とおしもないままに、柏崎刈羽原発を13年度から再稼働させ、事故処理の負担を家庭向け電気料金の10,28%値上げで市民に求めるとしていますから、ここには事故の因果性をめぐる最低限の科学的判断をも拒否する、恐るべき無責任さが露呈されています。現実の事態の変化に柔軟に対応する思考が姿を消し、原発を神のように崇めて媚びへつらう神経は、人間がある先入観に侵された時に、どこまで転落していくかを示しています。原発廃止に転換したドイツの思考との差異の根源はどこにあるのでしょうか。おそらく、多くの犠牲を出しながら市民革命をへて近代の市民社会を形成してきた西欧と、上からや外からの命令や衝撃で経済だけの近代化を進めてきた日本のちがいが浮き彫りとなるでしょう。
 あれだけの事故をもたらした責任を未だ誰ひとりとしてとっていないことに、それほど違和感をおぼえないことも異常な事態です。記者会見で土下座して謝罪する日本的形態は、責任を情緒的に処理する前近代的な形式であり、過てる行為については客観的な責任をとることが近代の初歩的な原則です。たとえ無過失であれ、不作為であれ、自らの行為の結果には、涙を流して謝罪する心情的な次元ではなく、刑法上の責任を自らとらねばならないのです。ひょっとすると、日本では近代市民社会はまだ未形成であり、経済だけが近代化しているとすると、戦後の近代化論争は未完だということになります。
 「もったない」を世界語にしたケニアの環境活動家ワンガリー・マータイさんは、3・11直後に日本の通信社の取材に応えて、「私は・・・原子力を恐れる。・・・恐れは今回の日本の災害で強まった。人類の能力には限界があり、コントロールできないものがあることを理解しなければならない。われわれは自然の力にたいして謙虚になるべきだ」と言っています。昨年の9月に亡くなった彼女の日本に対する遺言です。(2012/5/10)

緊縮の罠からの脱出ーフランス大統領選挙は世界に警告を発している
 非正規労働を野放しにして、なにが何でも財政赤字を削減する緊縮政策が生活と経済を破壊している現状に対し、フランスとギリシャの選挙はNon!の審判をくだしました。緊縮は経済成長を抑制し、投資意欲を減らし、失業者をふやし、結果的に政府財政に悪影響をもたらし、さらなる緊縮を拡大するスパイラルの罠をもたらすことを肌で感じた民衆の異議申し立てにほかなりません。緊縮はギャンブル資本の横行を誘発し、惨憺たる国債の下落と生活破壊をうんだのです。むしろ生産に投資しない企業や金融取引に課税し、雇用創出に努力する企業の税を軽くすることにこそ打開の方向があります(ILO「世界労働レポート2011」参照)。日本の消費税増税は再生産の破壊をもたらし、財政危機をさらに深化させるでしょう。市民には自己責任を迫る財界ネオ・リベラルは、自らは自己責任を回避する巨大な金融所得と証券税制の優遇措置という保護政策を求めるという醜悪なふるまいこそが問題です。
 米国の投資家のウオーレン・バフェットは、大金持ちを甘やかすのはやめようと、いまや大富豪たちが国の将来に不安を感じて、高額資産に課税する富裕税の導入を求めるというパラドクスがうまれていますが、彼こそ正常な神経の持ち主といえましょう。富裕税は雇用にはまったく関係なく、債務削減に巨大な効果を発揮し、最も効果的な再分配効果をもたらします。日本はアメリカに次いで、所得格差が拡大していますから、パフェット・ルールの富裕税の導入はアメリカに次いで増収効果があります。世界史上の革命のほとんどは、庶民層への増税を直接のきっかけとして勃発していますが、このままいけば、日本でも欧米に次いで広範な市民のルサンチマンが爆発する事態となるでしょう。毎年3万人もの自殺者の恨(ハン)はもはやギリギリまでマグマのように蓄積しています。
 脱原発に転じたドイツの議会関係者が、つぎつぎと福島を訪問し、日本の原発政策を検証して驚愕しています。政治的意思があれば脱原発は可能であり、日本政府があいまいな態度をとっているのは、日本国民が事故を忘れて、原発が安全で経済的と考えるまで時間稼ぎをしているのではないか、日本は地熱資源があれだけ豊かで、太陽光発電の採算が原発よりとれるはずなのにーと指摘し、異常を異常とも思わなくなった日本の異常を理解できないと言っています。もはや日本は異常のスパイラルの罠に落ち込んでいるのでしょうか。(2012/5/8)

いってらっしゃい

   今日、お父さんが、
   原発で
   仕事をしなければならなくなった
   ぼくは、
   それを聞いて、 
   心がどきどきした
   2ヶ月帰ってこない
   お父さんが玄関へ行った
   お父さんは
   日本を守るヒーローだ
   ぼくは、
   大きな声で
   「いってらっしゃい」
   と言った        
 ー東京都町田市小学校5年 加賀美昌樹(『子どものしあわせ』6月号)

 おそらく子どもは、自分の父親が日本ではあってはならない施設の仕事に従事していることを知っているのだ。でも父が父であることのゆえに、父を肯定せざるを得ない子の気持をどこかで認めてほしいのだ。こうした悪のサイクルに巻き込まれて、もろともに沈んでいくシステムにあるのが、今日の日本の姿ではないだろうか。この子は明日学校に行けば、周囲から冷ややかなまなざしを浴びて、自分が孤立するかも知れないことを知っているからこそ、あえてどこかに救いを求めたいのだ。
 福島県の15才未満の子どもの数は、昨年同期と較べて1万5494人と、減少幅は前年の2倍近くに減少した。いうまでもなく福島原発事故の放射能を恐れて、県外に避難したことによりますが、住民票を残したままの移動が多く、実際の減少数はさらに多い。しのびよる放射能の危機のなかで、子どもを育てることができないのは親としての当然の気持であり、被曝した子どもたちは将来の甲状腺の発ガンに怯えながら、これから成長していく。「わたしはふつうに子供を産めますか? 何歳まで生きられますか?」という子どもたちの痛切な問いかけに、通常の感性を持つ大人は絶句せざるを得ません。こどもの日に日本の全原発が稼働を停止したのはせめてもの子どもたちへのプレゼントだ。この原発ゼロの日を永遠に続けることが、子どもたちへの罪の償いであり、日本そのものが立ち直る最後のチャンスだ。

 OECD37ヵ国の政治への信頼度調査では、日本は政府への信頼度36位、国の指導者能力の評価31位でギリシャと同じ水準にある。これは自公政権下の08年調査ですが、民主党政権でさらに決定的となり、行き場のない不満が大阪現象となっている。大阪維新の会「家庭教育支援条例」は、親心の喪失が軽度発達障害と児童虐待の喪失にあるとし、伝統的な子育てによって発達障害は克服できるとするアナクロニズム丸だしの方向を打ちだしている。いま発達心理学の乳幼児発達障害研究で、親が悪いとする結論など一笑に付される議論ですが、「新しい教科書をつくる会」の極右の論者の丸呑みの主張を取りいれる異常な集団となっている。おそらく彼らは、毎年の自殺者3万人も親が悪いというのでしょう。彼らこそ重度の発達障害ではないか。50発もの原発を日本列島に張りめぐらせた人たちが、こんどは家庭教育にあれこれと指図ずる戦前型ファッシズムの横行です。たしかに岡田とかいう副総理はスリランカの仏教寺院で、高僧に白い糸を束ねたひもを手首に巻かれて、自分で外してはならないと告げられ、「消費税を上げるまでは」と呟いたそうですが(朝日新聞5月6日付け)、なんともはや政治信念を釈迦に頼むなんて、もはや救いがたい資質です。日本青少年研究所の高校生意識調査では、「現状を受け容れて楽に暮らしたい」高校生が、1980年の25%から57%に増え、「自分はダメ人間」と思う人が13%から36%へ増え、若者から野望や自信が消えていき、未来志向を持たない若者が多数となっているという。作詞家の阿久悠は「タフな教養」を説教しているが、自分のヒットさせた歌が元凶だと気づかない脳天気さは無自覚な共犯者でしかない。希望を持ち、失敗を恐れずに挑戦するという若者の特権を奪ったのは、阿久をはじめとする競争と自己責任を宣揚したネオ・リベラリストたちだ。
 35年前にたったひとりで脱原発を訴えて運動を始めた牧之原市の長野さん(91)は、「私たちがもっとがんばっていれば、もっと大きな声で叫んでいれば、福島事故は防げたのかも知れない」と悔やんでいます。もうこの言葉を繰りかえす猶予の時間はありません。「いってらっしゃい」と子どもに送られて、行くところは原発であってはならない。(2012/5/6)

天皇は火葬を望んでいるのか!?
 厚労省の資料では02年の死亡者107万3,000人のうち、火葬が106万9,000人で火葬率99,6%であり、現在では99,9%と世界最高なのですが、天皇家は江戸期以降350年間にわたって土葬を続けてきました。世界の火葬率は、香港83%、チェコ77%、シンガポール77%、中国51%、米国28%であり(日本環境斎園協会資料)、キリスト教国では復活信仰で土葬が多く、イスラム圏は教義で火葬が禁忌となっており、ほぼ土葬です。日本では火葬を認める仏教の伝来以降、大宝律令(701年)で火葬が奨励され、翌年の持統天皇の火葬をへて、文武・元明・元正天皇と火葬が続きましたが、江戸期に土葬に逆転しました。1897年の伝染病予防法の制定で、自治体によっては条例で土葬を禁止するようになり、ほぼ100%となりましたが、法律で土葬を禁止している訳ではありません。近年は葬送の自由によって、多様な埋葬法がおこなわれるようになりました。
 天皇陵のような広大な土地と莫大な予算を投下して記念碑的に埋葬するのは、王権神授とカリスマの永続を願う神格的な支配にあります。かって旧ソ連を旅行した時に、レーニン廟を見学しましたが、荘厳な薄暗い廟のなかでミイラ化されて永久保存されているレーニンの遺体を目の前にして、複雑な感慨に襲われたことを思いだします。これもカリスマ崇拝による死の最大の利用に他なりません。いずれにしろ、他者の遺体を神のように崇拝するのは生者の究極の暴力であり、政変によってあっけなくミイラではなくなったスターリンのように、遺体への冒涜の歴史は、政治的な力関係によってあっけなく変動します。
 宮内庁は天皇の意向を汲んで、「象徴」にふさわしい葬法を検討するようですが、途中から「人間」になった昭和天皇ではなく、誕生と同時に「人間」であった平成天皇は「人間」にふさわしい遺体処理の権利をもっています。日本では、共和制の経験がないので、いつまでも王政的な思想がメデイアを中心に垂れながされ、昭和天皇の葬儀のような憲法の規定と神道を奇怪に組みあわせる葬法が出現したのです。しかし、火葬をカミの世界に反する葬法と批判する神道原理主義からみれば、平成天皇の希望は画期的な意思表明であり、神道関係者は別の思いでみているのではないでしょうか。
 しかし、さらに奇怪なことは、天皇を「象徴」とともに「元首」にすえる改憲案(自民党)が提案され、「一国を代表する資格を持った首長。君主国では君主、共和国では大統領或いは最高機関の長」(『広辞苑』)として、「天皇を戴く国家」(自民党改憲案)への再編が打ちだされていることであり、平成天皇が個人的に望んでいる方向とは背反すると思われるような動向があらわれていることです。もはや世界でごく少数となった王政や君主制の国際標準のなかで、天皇制そのものの問い直しが求められています。事故収束の見通しが立たず、損害の見積もできない、被害地域を空間的に限定することもできないフクシマ事故の3・11以降、日本はすべてのシステムをリセットして根元的に再審する時代に入ったのです。(2010/5/3)

東北大震災の復興の遅れの根本原因は現行憲法にある!
 改憲派議員が開いた大会で、中曽根康弘とかいう元首相が述べた言葉ですが、なにか哀しいまでのにピンボケした発想です。むしろ震災と原発事故の復興の遅れは、ネオ・リベラリズムの企業誘致型の復興を地元の意向を無視して無理矢理に強行する政府にあり、現行憲法に逆らって空洞化してきた政策にあり、現行憲法の原則を素直に実行しておれば復興の遅れはなかったのです。沿岸漁業の地場産業としての意味を大事にする地元漁協の意向を無視して、漁業を企業化するような方針そのものが間違っていたのです。さらに阪神・淡路大震災の復興の失敗の教訓をほとんど生かしていない無能にあります。こうした事態をすぐに改憲に結びつける発想の貧しさは、功利的なプラグマテイズムでしかありません。ナオミ・クラインは、現代の資本主義を大災害を利潤の極大化の絶好とチャンスととらえる「災厄資本主義」といいましたが、震災と原発事故を政治システムの改編の絶好のチャンスとらえる、災厄ポリテクスといっていいでしょう。
 いま日本がどんなに痛んでいるのか、この極右グループはほとんど分かっていないようです。政府は5月2日に自殺に関する意識調査の結果を発表しています(総理府自殺対策推進室1月下旬実施、全国20才以上男女3000人対象、有効回収率67,2% *筆者コメント:政府調査で60%を超える回収率はいかに関心が高いかを示しています)。

  問)「本気で自殺したいと思ったことがありますか?
    ある 全体23,4%(08年比4,3%増) 20歳代28,4% 30歳代25,0% 40歳代27,3% 50歳代25,7% 60歳代20,4% 70歳代以上15,7%

 50歳代以下では4人に1人が本気で自殺を考え、20歳代は3人に1人に近い高率です。毎年3万人以上が自殺し、未遂が10倍とすると30万人が実際に自殺を試みています。日本の総人口(日本人)は約1億25815千人ですから(2011年総務省統計)、その23,4%である29441千人、約3千万人が本気で自殺を考えたことになります。自殺率(10万人当たり)は24,4で世界6位です。5位までは東欧圏の旧社会主義国で価値観が崩壊して生きる希望を失ったことがありますが、なぜ1人当たりGDP世界第2位の先進国である日本が先進国で世界最高の自殺率に至っているのでしょうか。中曽根とか云う人物はおそらく、国家像が崩壊して誇りを失ったからだと云うでしょうが、20歳代の若者の自殺志向がもっとも高いのは、競争に疲弊して希望が持てず、全年齢層で日本型の福祉社会(まじめに働いて助け合えばなんとかなる)が崩壊したことにあり、現行憲法の目標と実態が乖離していることにあります。その最大の責任は、乖離をリードしてきた中曽根とか云う人物にあります。他者の痛みへの想像力が決定的に貧しいこの人物の神経系は、何とかいう都知事の頭脳にも負けない歪んだものとなっています。おそらく自殺を考える者は、競争の敗者として自己責任でしかなく、生きていく資格のない淘汰の対象なのでしょう。これはナチスの絶滅思想そのものではありませんか。総理府自殺対策推進室のほんとうの意味は、不要な日本人の自殺を推進する対策を本気で考えようということなのです。(2012/5/2)

警戒区域の牛数千頭は安楽死させるのか
 福島第1原発から20km圏内の警戒区域の立ち入り禁止区域に取り残された数千頭の牛の多くが餓死し、いまなお約千頭が生きのこっています。政府は牛を「動くガレキ」とみなし、全頭を原則殺処分(安楽死)させる方針で、柵の中に囲い込んでエサと水を与えず餓死させていますが、あきらかに動物虐待致死罪にあたります。1年を経たこの4月にやっと、飼育継続を望む農家は出荷・移動・繁殖を禁止した上で、すべて自己負担で買うことを認めました。これが人間のために飼育して育ててきた牛に対する政府の措置です。私は、動物の生存権を無条件に保障するデイープ・エコロジーに賛成する者ではありませんが(私は週数回は動物の肉を食べている)、畜産農家にとっては牛は家族そのものであり、安楽死は殺人行為に等しいのです。いままで自分が心血をそそいで育てあげてきたすべてが無意味となった絶望の深さは政府には分からないのでしょう。福島地域が絶望の淵に沈み、「残された希望は、原発被害の生き証人として牛たちともに生きていくしかない」(浪江町の牧場主・吉沢さん)は、あえて残された牛を生かす「希望の農場」プロジェクトを立ち上げ、牛飼いとしての最後の尊厳を守ろうとしています。「牛の寿命が先か、資金が底をつくか、最後まで牛飼いを続けます」と痛切に訴え、被曝牛を研究対象として生かす道や、里山形成に利用する方法などを必死で追求しています。
 これほどに苦闘している畜産農家の背後から襲いかかって、畜産農家そのものの安楽死計画が進んでいます。農水省によるTPPの国内生産への影響は、農林水産分野で4兆5700億円の生産減少と、350万9000人の就業機会の喪失であり、食料自給率は13%に激減するとしていますから、日本の第1産業は壊滅し、東北大震災の復刻戦略そのものが意味を失います。TPPは発効後も4年間は内容が秘匿される秘密協定であり、さらに米国のみはTPP協定よりも米国国内法が優先される特権をもち、事実上米国の植民地協定となります。政府は、原発を大量に再稼働しては爆発させ、国土を無人地帯にし、誰も住めなくなった日本列島に外国から大量の食料を輸入するのです。こうして日本列島全体が福島化し、大阪現象が日本を覆うようになるでしょう。非正規雇用比率は全国平均38%ですが、大阪府はダントツの48%で2人に1人が明日のない労働に身を焦がし、最後の救いを独裁に求めるまでに至っています。TPPで失業した350万人はホームレスとなって日本列島をさまよい歩き、子どもたちは内部被曝で大量の甲状腺癌患者となって人生を閉じるでしょう。高度成長期に造成された日本全国のコンビナートは、いま施設の有効期間を過ぎて老朽化を迎え、液状化する埋立地のなかで全壊の危機を迎えています。あちこちで自動車が暴走をはじめ、死に急いでいるのは、もはや日本の最後の崩壊の始まりが始まっていることを示しています。
 文字通りの危機にあって、首相が「いのちがけでやる」というのが消費税という狂った神経系が蔓延し、我が亡き後に洪水は来たれーという最後の瞬間が近づいているなかで、TVからは大食い競争の嬌声がひびきわたってまいります。システムのメルトダウンで未来への想像力を失った与野党が、一斉に復古主義的な改憲案を提出するという奇怪な状況があらわれ、東とかいう若手哲学者が経産省の官僚と組んで脳天気な国防軍改憲案を刊行してシニカルに微笑んでいます。たしか公務員は憲法遵守の義務があるのではないか。まるで秋葉原の交叉点にトラックで突っ込んで、ナイフで7人を殺害した事件のように、いま日本列島の国民ののど笛をナイフで切り裂こうとする狂った状況がくりひろげられています。
 憲法記念日を迎えて、これほどに日本国憲法の帰趨がゆらいでいる事態は、おそらく戦後史上ではじめてです。憲法前文の平和的生存権と第9条、25条の社会的生存権は、フクシマ後にまったく違った光を放ちはじめたように思います。原発があることで潜在的な核武装の抑止力が生まれるという言辞が垂れ流され、広島原爆の160倍のセシウムが東北から関東にまき散らされ、低線量被曝によるDNA連鎖の崩壊はひろくアジア全域にひろがり、高レベル放射性廃棄物とともにあと100万年は生きねばならない列島とはなりました。食品の放射性セシウムの新基準(1kgあたり100ベクトル)超えた肉や野菜、魚など51品目は、岩手、宮城、山形、福島、茨城、栃木、群馬、千葉、神奈川9県に及び(厚労省4月29日発表)、ほとんどは市場に流通しています。政府は激増する生活保護の受給を食いとめるために、全国の福祉事務所に警官のOBを配置し、窓口の面接で申請をチェックすることを決めました。不正受給自体は増えていないのに、それを口実に受給を押さえるために申請自体を犯罪視する仕組みをつくるという倒錯した恥ずべき方針を導入します。激増しているのは餓死や孤独死であり、警官による審査はますますこうした傾向を強めるでしょう。東日本はほぼ壊滅し、平和的生存権と社会的生存権にプラスして、生存そのものの生存権が問われています。福島のもの言わずして殺戮されていく数千頭の牛たちは、私たち日本列島に生きるすべての人間の近未来の姿そのものです。(2010/5/1)

アドルフ・ヒットラー『我が闘争』が出版されるのか!?
 第2次大戦で5千万人の犠牲者を出したナチス総統アドルフ・ヒットラーの著書『我が闘争』の著作権は、ヒトラーが住民登録していたドイツ・バイエルン州が保有していますが、3年後の2015年に著作権が切れて出版が自由となります。いままでドイツでの出版は禁止されてはいませんが、州当局は「反ユダヤ思想のナチス礼讃につながる」として国内での出版を認めていませんでした。バイエルン州は、ネオナチが宣伝に利用するのを避けるために、学術的根拠のある批判的な注釈を付けて、英語版や若者向け版を含めて出版することを決め、州科学相は「ネオナチがこの恥ずべき作品を利用する恐れがある」と出版の理由を述べています。
 出版物の著作権保護期間が70年(日本は確か50年?)というのもはじめて知りましたが、それにしてもドイツ国内で禁止されていた『我が闘争』が、日本ではいくつかの出版社から堂々と出版されてきた現状との差異に考えさせられます。日本の出版社は多額の著作権料をバイエルン州に支払ながら、出版してきたのでしょうか。これはA級戦犯の著作が無制限に出版されている日本の現状と合わせて、彼我の歴史意識の違いを浮き彫りにしています。『我が闘争』を「恥ずべき作品」とする認知の公共性がドイツには埋めこまれており、日本では表現の自由の名の下で、無秩序に垂れながされている非対称性に考えこまされます。
 さらに過去の罪責をぬぐい去る歴史修正主義の言辞が、ネオナチの台頭などとむすんで、ドイで一定の基盤を持ちつつある状況に対し、過去の記憶を誠実に次世代に伝えようとするドイツの公共性の埋めこまれた定着性が示されています。日本では大都市の首長が「南京虐殺はでっち上げだ」とのべたり、歴史修正派の教科書が公教育に持ち込まれている現状に、、メデイアを含めて危機感はなく、制裁も加えられない実態が横行していますが、これほどに歴史に対する誠実性の意識の違いが浮き彫りとなっていることはありません。むしろ日本では、過去の罪責に誠実であろうとする者は、危険な異端として排斥される傾向すらあり、国歌斉唱の口元を国家が監視するまでにいたり、斉唱を拒否する者は公的に処断されています。グローバルな国際的な良心のレベルから、これほどに背理している現状はもはや未来を望まない史的ニヒリズムの心性の追いつめられた反映でしょうか。(2012/4/30)

引きこもりの子どもたちは、自分の保育園時代の写真やヴィデオを観て涙を流す
 保育園や幼稚園は、子どもの心のふるさとであり、この世に生まれ出たばかりの無垢のいのちが、初めて他者と触れあういのちの出会いと場所として、いつまでも記憶の底に残っています。わたしも、保育園時代に園を抜けだして近くの川で魚採りをしているのを見つかって、自転車で家に連れて帰られた思い出が懐かしくよみがえってきます。息子の卒園式で、一生懸命に卒業の歌を歌う息子の姿を見て、目頭が熱くなりました。
 いま政府の提案している子ども子育て新システムは、日本の未来を担う子どもたちに暗い影を落とそうとしています。児童福祉法第24条の市町村の保育実施義務を廃止し、株式会社の参入で保育を市場原理にゆだねて、利潤の対象とする公的保育のシステムが解体されようとしています。親のお金のあるなしで、保育の内容が変わるメニュー方式となり、教材や体操教室代が上乗せ徴収され、子どもひとり一人が違う保育を受けるようになります。株式会社の参入は、株主配当を最優先する経営の論理によって、人件費を極小化しますから、保育士と職員は定員を削減されたり、非正規雇用へと移行します。
 おそらく子どもたちは、実際の経験のなかで、たがいに鋭く家庭の経済の違いを較べあい、友だちと楽しく学び、遊ぶなかで培われる豊かな心は寸断され、とげとげしい亀裂を骨身に沁みて味わうでしょう。大人の都合によって、子どもたちのこころの風景はすさんでいき、揺籃の子ども時代の輝かしい記憶は失われ、荒んだ雰囲気が成長期の潜在意識に沈積し、成長した後も他者へのまなざしは歪んだものとなっていくでしょう。
 子どもたちはかけがえのない未来を象徴する最大の宝であり、子どもがどう育てられているかはその国の未来を図る最大の指標です。すべての子どもに分け隔てない最良の環境を提供するのは、大人の責任であり、いたいけな子どもの心を引っかき回すような政策は罪万死に値します。なにも知らない子どもたちが、システムによって無残に踏みにじられていくありさまを冷ややかに見つめる大人の心性は、それ自体貧しく卑しい大人の世界を映し出しています。子どもの世界を荒廃に追い込むほどに、この国は劣化して取りかえしのつかない破局を自分の手でつくりだそうとしています。もはや子どもたちは、自分の保育園の時代を寂しく憎しみを込めたまなざしで見つめることになるでしょう。(2010/4/30)

この醜悪な新世紀エヴァンゲリオンの暴走
 2015年に壊滅した首都・東京から移転した要塞都市に、たてこもった中学生たちが巨大人造人間・エヴァンゲリオンを操って、宇宙からのインヴェーダーに立ちむかうアニメは、いまもって主題歌がパチンコ店で流され、原宿ではロゴやグッズが販売され、原初にあった抵抗と革命のモテイーフは、晩期資本主義の市場に包摂されて頽廃の途を歩んでいます。しかしエヴァンゲリオンはその醜い姿をアナクロニズムにくるんで、サンフランシスコ条約60周年の5月3日を迎えて、ゾロゾロとあらわれています。碇シンジはいまこそ初心に立ち返って、原宿の華やかな虚飾のファッションと訣別して永田町に向かわなければなりません。予告どおり、2015年に東京は荒涼たる死の街と化し、インヴェーダーが支配する日本が近づいているようです。
 驚いたことに、与野党を問わず軒並み異常な改憲草案が準備され、ついに一院制を突破口に改憲原案が国会提出されるにいたり、憲法審査会が始動する本格的な改憲の扉が開けられようとしています。各派の改憲案は、国防軍や緊急事態(戒厳令)、天皇の元首化と国体の明確化などほとんど60年前に失効した明治憲法の現代的な再版となっています。こうした伝統への回帰をめざすしかない懐古主義ほどに、未来への想像力の貧しさを示す無能が露呈された時代はありません。いままではラウドスピーかで怒鳴りまくる街頭右翼の宣伝カーの言葉でしかなかったものが、急速に公共の舞台に登場したのは、日本の現実がもはや制御不能な袋小路におちいり、強権的なポピュリズム独裁によってしか切りひらけない悲鳴のあらわれと言っていいでしょう。与野党を問わず統治能力が疲弊し、未来戦略を構築する想像力が疲弊し、超国家主義的な全体主義への依存に追いつめられています。大阪のなんとか言う知事のファッシズム的な「決定する民主主義」というポピュリズムの幻想が、大衆的な支持を拡げている今が絶好の最後のチャンスに映っています。
 しかし世界は、こうした日本の改憲潮流とは逆の民主化の深化の方向にむかっており、日本の異常性が際だっています。中南米から始まったポスト米国支配は、アラブの民主化をへて、東南アジアで民主主義の扉を開き、もはや一国ナショナリズムが前世紀の遺物になるなかで、ひとり日本のみが自閉的な国家主義にのめり込んでいく様は、あたかも中南米とアラブの追いつめられる独裁者の姿に告示しています。グローバル・スタンダードの逆流として、いまやアメリカからさえも、最も軽蔑される国として日本は頽廃した姿をさらしています。こうした改憲勢力のマンガのような野蛮はけっして過小評価することはできませんが、最終的には泥船に沈んでいくタイタニックの悲劇を2度目の喜劇として繰り返すでしょう。新世紀エヴァンゲリオンの真価が問われる時がやってまいりました。(2010/4/29)

覚えておけ、おれ、本気で殴るぞ!
 石原とかいう都知事が朝日新聞記者に恫喝したそうですが、当の朝日新聞が報道していませんので真偽のほどはわかりません。4月24日の映画撮影の現場で、「イエローカードが2,3枚になったら殴るからな、覚えておけ、みんなの前で殴るからな、書かれっぱなしで被害者に甘んじるわけにはいかねえ」と恫喝したというものです(スポーツ報知、スポーツニッポン25日付け)。どうやら23日付けの朝日新聞の記事「都知事は都政に飽きた?執筆と映画撮影で登庁は週2日、もともとわがままだけどさらにわがままになっている」という記事に激怒したようです。しかしこの記事のほうがむしろ事実に近く、彼はみずからの貧しい品性をズバリ指摘されて切れたのでしょう。特別公務員は24時間勤務で、週2日の登庁を含む自宅勤務で全精力を都政に注いでいるのですから、それはそれは怒り心頭に発してもおかしくありません。こうした三下ヤクザのような下劣な品性の持ち主が、都知事をやっている方が、イエローを通り越してレッドカードなのですが、大手メデイアはパワハラ丸だしの脅しに畏縮してなんの報道もしていません。いったい朝日新聞はどうなっているのでしょう。
 大不況で沈積する市民のルサンチマンは、一部で独裁的な強力なリーダーを通して怨念を発散するポピュリズムの誘惑におちいりますが、石原とか云う人物はその代弁者として、下劣な品性をさらけだして恥じないのです。「原発に反対するのはサルと同じだ」とは反原発住民運動を揶揄した彼の発言ですが、ここには地方公務員法の知事の責務についての公共性の理解はほとんどありません。ゼロです。しかしどうしてこのような発想と品性を持つ人物が、現代の日本で育っていくのかのほうに、むしろ興味があります。他者の痛みになんらの想像力と直観も及ばない神経系の成長は、おそらく徹底したミーイズムの形成と人間を垂直の関係でしかみない競争の原理のなかから生成したものといえるでしょうが、その根源はおそらく過去の記憶と罪責を真正面から対峙してこなかった現代日本の歴史感覚がもたらしたものではないでしょうか。自分を人より勝手に上に上げて喜ぶスーパーオリテイ・コンプレックスは、自分を人より下げて悲しむ劣等感とともに、その人の人間形成をかくも無残に歪めてしまうのです。哀れな石原とか云う人物は、無数の犠牲者をつくりだしながら、地獄へと転落していくのでしょう。それほどにこの日本は劣化しているのです。(2012/4/26)

強制収容所化する日本
 この1月以降だけでも、孤立死は札幌市の電気とガスストップによる姉妹(42,40才)の病死と凍死、立川市での親子(45才、4才)の病死と衰弱死、さいたま市での親子(60才夫婦、30歳代息子)の餓死、立川市での母娘(95才、63才)の衰弱死と連続しています。保健婦やケースワーカーの地域での巡回のシステムが崩壊しているのは、社会保障の基本は自助であり、社会保険による共助が補完し、それでも対応できない困窮は限定的公助によるとする厚労省の選別的な方針によるものです。これは明治期の労働能力のない貧民救済である恩恵的政策の再版であり、「社会保障」と原理的に背理する前近代的な政策がネオ・リベラリズムの装いでよみがえったものです。いったい憲法25条の「国民は健康で文化的な最低生活の保障」という社会権はどこへ行ったのでしょうか。札幌市の姉妹は、「懸命なる求職活動」が生活保護の条件として、生活保護の申請を拒否されています。英国の世界的ベストセラーである『ハリー・ポッター』の著者J・K・ローリングは離婚して生活保護を受けながら、出版にこぎ着けています。
 社会に不必要な人は容赦なく抹殺していく発想は、じつはアウシュヴィッツの思想と本質的に同じであり、要らない人はガス室で殺害し、焼却炉で灰にするというものです。ここにはすべての人間は生まれながらにして、自由で平等であるとする近代の初歩的な原理は投げ捨てられています。人間の価値は、たまたま生きているこの社会のシステムに適合できる能力の垂直的なヒエラリヒーのどこかに位置づけられ、天国にいたる蜘蛛の糸をよじ登るちからとして評価されます。蜘蛛の糸の強度は全員をつかまらせるには限界があり、先によじ登る者は下からよじ登っている者を蹴落としながら上るしかありません。最下層にしがみつく者はガス室に入れ、焼却して、中位にいる者がゾンダー・コマンドとなって処理する構造が形成されています。
 いま日本は大きな分岐点に立っているように思います。垂直に伸びている蜘蛛の糸は幻想であり、実は蜘蛛の糸はネットワークのように水平的に張りめぐらされており、それぞれの人が自由に個性を生かしながら、全体が均衡的な安定にある状態へ切り替える絶好のチャンスでもあるように思います。誰かを犠牲にしながら生きるシステムは、実は自分自身も犠牲にしている修羅の地獄にほかならないということに、多くの人が気づきつつあります。それを劇的に示したのが、フクシマ事故であり、国土の一部の空間全体が廃虚に帰して居住不能となり、垂直的な蜘蛛の糸のどこに位置しようと、すべての人がガス室に入るように蜘蛛の糸からすべり落ちたのですた。蜘蛛の糸を必死によじ登ってたどりついたのは、天国ではなく地獄であったことに気づいたのです。蜘蛛の糸が垂直から水平に転回しつつある劇的な瞬間は、劇的であるが故に受け容れるにはとまどいがあり、日本列島は大転換の不安の渦中にまきこまれ、一時的に強い指導者へ期待するポピュリズムがあらわれます。破壊的なメッセージを発して共感を演出しつつ、じつは強者の支配を実現する新しい装いをもって登場しますが、その内実は強制収容所のリフォームでしかありません。リフォームの当初は住み心地がいいようにみえるみえるのですが、すぐに元の姿に回帰していきます。もはや蜘蛛の糸をよじ登っていくスタイルそのものはが間違いであることが明らかとなるでしょう。
 かって”ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために”というパラダイスが宣揚されましたが、これはネットワーク化された蜘蛛の糸ではありません。この言葉は、いっけん人間のネットワーク化された理想状態を意味しているようにみえますが、じつはだれかの”ために”というのはなんらかの抑圧を称賛する垂直的な蜘蛛の糸に反転していきます。正しくは”各人の自由な発展が全体の発展の条件となる”というのが、あらゆる抑圧の形態から解放される人間的な発展を保障するものとなります。そこにはもはや、自己責任の強制収容所の姿はありません。(2012/4/25)

水中文化遺産に指定されたタイタニック
 100年前に大西洋に沈んだ豪華客船タイタニックは、1500人の犠牲者とともに4000mの海底に眠っています。映画『タイタニック』のジェームズ・キャメロン監督は、3月末に太平洋マリアナ海溝の水深1万899mに潜水艇で潜り、魚も棲まない闇の世界から海底の泥を採取して持ち帰り、地球外生命の探索をしたそうです。「タイタニック号の沈没は、人類の記憶のなかに錨を下ろしている」とは、ユネスコ事務局長の言葉ですが、ここにある「人類の記憶」の意味を考えてみましょう。沈没の船内は人類の階級社会の縮図であり、上階の1等室は貴族やブルジョアの豪華な社交場で、下階の3等室は米国への貧しい移民が溢れており、全員が乗れない救命ボートは1等船客に優先され、死亡率の女性の比較では54%:3%と極端な非対称性を示しました。
 二重底の防水壁を備えた不沈伝説の安全神話は、まさに日本の地震列島の原発と同じです。沈んでいく客船に最後まで残ったのは、ボイラー室の労働者たちであり、浸水でボイラーが水蒸気爆発の危機に見舞われると火を消し、停電で大混乱になるとまた火を付けるという作業を繰り返し、ついに全員が死亡しました。フクシマ原発事故で放射能を浴びて必死に作業をした下請の被曝労働者と同じです。タイタニックは、原発事故を推進しながら稼働させる電力資本と荒涼たる大地を追われる住民の日本列島と同じであり、環境破壊を続けながら利潤の極大化をめざす資本と数十年後に甲状腺癌を発症させる子どもたちと、10万年に渡って放射性物質の処理を続ける次世代の非対称的な姿を象徴しています。デイカプリオが主演した映画『タイタニック』は、恋人の苦闘をヒロイックな美談に仕立てあげて終わりましたが、タイタニック号の悲劇は人間社会の悲劇を象徴していたのです。
 なによりも沈没したタイタニック号は、その後に沈没して海底に沈んだ米海軍原子力潜水艦の捜索の過程で、偶然に発見されたものであり、米原潜の破壊された原子炉はいまも海底から大量の放射能を垂れながして、大西洋を汚染し続けています。原潜の放射能を全身に浴びながら海底に眠るタイタニックと1500人の遺体は、いまの地球の姿をそのままに写しだしています。まさに、半永久的に保存するに足るすばらしい水中文化遺産とはいえるでしょう。(2010/4/16)

赤ちゃんが笑わなくなった
 乳児診療をする医者が、診察台の赤ちゃんに聴診器をあてながら見つめても、赤ちゃんは知らんぷりで、眉間に皺を寄せて知らんぷりしていると驚いています。側に立っているお母さんに、「いつものようにあやしてみて」というと、身ぎれいな恰好をしたお母さんは「!?・・・」キョトンとして、赤ちゃんに声を掛けますが、ニコリともしません。赤ちゃんは生後3−4ヶ月で普通は天使のようなすばらしい左右対称の微笑みを浮かべるのですが、最近は考えごとをしているようなシブイ表情をしているそうです。お母さんがあやすことを恥ずかしがったり、あやすことを知らないまま育児をおこなっているのです。大家族の時代では、お祖母さんやおじいさんが「よしよし、いい子だ、いい子だ」とあやして自分もマネをしたのですが、核家族の時代では無言のままに授乳したり、オムツをとりかえています。
 赤ちゃんは乳児期の母親との自然なコミュニケーションのなかで、人との1次的な交流を体験しながら、他者を意識し、自分が包まれている愛情から他者に対する信頼感を培っていくのですが、いま日本から人間的成長の最初のステップで1次的なコミュニケーションが生成していないのです。こうした子どもが思春期になると、いったいこの子はなにを考えているのだろうと不安になるのではないでしょうか。日本に来る外国人がもっとも驚くことのひとつが、日本の母親がほとんど子守歌を歌わないことだそうですが、しかしさらに惨いことは日本では親の子どもに対するDVがふえ、加害者の60%が実母によるということです。自分自身が虐待を受けて成長した母親の多くが、自分もまた加害者となる悪魔のサイクルがひろがっています。
 日本からすでに、優しい穏やかな豊かな心が消えふせ、他者に対する防衛本能をもって成長する人がふえているならば、日本にはどんな未来が待ちかまえているのでしょう。赤ちゃんは母親の胎内にいる時から、心音と話し声を聞いて育ちますから、赤ちゃんは母親の声にもっとも反応し、情緒的な絆がつくられていき、母親との会話を経た言語の習得がすすみます。こうした初発期のコミュニケーションが敵対的なものであれば、その子の一生は他者との警戒的な関係か自閉したひきこもりのなかで推移していると予測されます。貧しくはあっても、すこやかでやさしい家族と地域の文化を育んできた日本の姿はもはや消えていくのでしょうか。
 赤ちゃんが笑わなくなった責任は、母親にはありません。母親と家族が置かれた条件が大きく変貌し、人間らしい関係が失われていった日本の社会関係にあります。阪神淡路大震災では、100万を超えるボランテイアボランテイアがかけつけて一時混乱しましたが、東日本大震災のボランテイアは60万人程度であったようです。原発事故や地方という違いはありますが、根底には日本の社会そのものの亀裂が深まったことがあるように思います。なぜ亀裂が深まったのでしょうか? おそらく競争原理と自己責任のネオ・リベラリズムが蔓延し、共同のちからが弱まっていったからではないでしょうか。先行きに不安を抱える若い人は、時には目の前の競争になんとかたえていくしかなく、時には強力なリーダーを求める大阪現象にのめり込んでいますが、早晩には失望して去っていくしかないでしょう。
 笑わないで大人を見つめている赤ちゃんは、ひょっとしたら、いまの日本の人間らしさを奪いつつある状態を静かに告発しているのではないでしょうか。「こんな日本にして、私はこれからどう生きていけばいいの?」と。(2010/4/15)

ユダヤ教・過ぎ越しの祭に出席しました
 息子の知人であるユダヤ人に招待されて、ユダヤ教最大の祭りである過ぎ越しの祭(於・麻布、アメリカン・パレス、4月13日)に出席しました。東京タワーのすぐ近くにあるこの施設は、旧米占領軍の将校用の迎賓場であったのでしょうか、1等地に壮麗な構えでたっていました。受付にいくと、男性はキッパというユダヤ教独特の頭かぶりを支給されて、頭にのせて会場にはいるのですが、この帽子がすぐづれて落ちるのには弱りました。すでにラビを中心にお祈りが始まっていましたが、会場には100人ほどのユダヤ人たちが祈ったり、歓談したりしていました。入口付近で、エンジニアというユダヤ人(奥さんは東大で心理学を教えている)といろいろな話を英語で交わしたのですが、英語力の貧しさを味わって意思疎通に懸命でした。ユダヤ経済はEUのなかでは成長しており、日本経済の落ち込みに比して、ユダヤ経済の成長に誇りを持っているようでした。私が「キブツの経済は?」と聞くと、エンジニアは顔を歪めて「彼らはコミュニストだ」と吐き捨てるように云ったのが印象的でした。席に着くと、長い黒い髭をした黒づくめのラビがたってなにやら祈りなのか、演説なのかよくわからないなかで、儀式が始まりました。ユダヤ教の経典を、各人が持ち回りで一節ごとにみんなが朗読していきます。英語とヘブライ語が見開きでありますが、ほとんどの人は英語で朗読し、小数がヘブライ語で読んでいました。ヘブライ語を十分に習得していないユダヤ人がいるようです。長い時間が過ぎていきますが、食事は一切手を付けられません。そのうち、ラビがなにかを云うと、質素な食事を指示に従って、ひとつ一つ手を付けていきます。座席は、ラビとその家族を中心にメインテーブルがあり、その他は親しいものを中心に自由に配置され、日本のような上席といった堅苦しいものはありません。
 過ぎ越しの祭は、エジプトで奴隷状態にあったユダヤ人たちがモーゼに率いられて、脱出してパレスチナに至った故事を記念しておこなわれるものだそうで、食事はその時の貧しさを象徴しているのでしょう。パンはイースト菌を入れないので、膨らんでいません。エジプトを脱出する時に、パンを焼く暇がなっかとのことです。最初にワインで乾杯があります。このワインはイスラエル産で非常に甘い味がしました。こうしてラビが語ったり、歌ったりしながら賑やかな食事がすすんでいきます。参加者は、中高年は少なく、子ども連れの若いユダヤ人が多いのには驚きました。子どもたちは自由に会場のなかを飛びまわり、遊んでいます。女の子は彫りが深く、成長すればさぞかし美人になるような感じでした。 
 ユダヤ教は伝統を重んじる原理的なハードなものから、中間的なもの、リベラルのなものの3潮流に分かれているそうですが、それは自分がどのラビを選ぶかで決まるようです。今日のの集まりは、ハードな原理派の人たちだそうですが、和気あいあいとして日本の村祭りのようでした。みんなで肩を組んで円陣をつくって踊っている人もいました。私も誘われたのですが、どうも気後れして辞退しました。酒はワインとジュースのみで、その他は出ないようです。それぞれが、となりの人となにか話をしながら野菜や鶏肉を回しながら、食べています。こうして6時頃に始まった祭は11時ぐらいに終わったのでしょうか。終わりの儀式はなく、三々五々解散していきました。外に出ると、美しくライトアップした東京タワーが目の前にたって、煌々と光を放っています。節電はどうなっているのでしょうか。

 とにかく今宵は、宗教で結びついた堅い共同体の雰囲気をはじめて味わうことができました。ユダヤ人は、ユダヤ教徒であっても必ずしもイスラエル国籍を取得する必要はないのですが、原理派の人たちはイスラエルと一心同体であるようです。こうした宗教共同体は、なによりも神を同じくすることで、理性では説明できない共同意識が生まれるようで、それは1次的で深いものであり、とくにユダヤ人にとっては独特の紐帯であるようです。彼らは強いネットワークを持ち、友人は「ユダヤ教の徳はカネを恵むよりも、職業などを紹介することで評価される」といっていました。いったい日本人の紐帯はどこにあるのでしょうか? 息子の家に帰ると、夜の12時でした。翌日は桜祭りの神田の古本屋街を3時間ほど回って帰途につきました。(2012年4月8日)

ベトナム戦争の枯葉作戦で儲けまくった薬剤メーカーはいま!
 ベトナム戦争で米軍がインドシナ半島でくりひろげた枯葉作戦で、大量に散布された枯葉剤の後遺症でいまも多くの奇形児がうみだされています。日本で分離手術したベトちゃんとドクちゃんの姿の痛々しい姿は、みずからの全身で製造メーカーを告発しています。このメーカーは現在では、遺伝子組み換え(GM)の大豆やトウモロコシなどの種子開発と販売で世界最大のシェアをもつ多国籍バイオ化学企業モンサント社に急成長しています。GM作物にプログラムされた特性は次世代に引き継がれ、契約農家は自家採種と受粉が特許権侵害として禁止され、毎年種子を購入しなければ営農できません。GM作物の花粉や種子が風や昆虫によって運ばれてきたとしても、遺伝子汚染の被害を受けた側の農家が特許権侵害で告発され、断罪されるという倒錯が起こっています。モンサント社は1997年から2010年までに、144件の特許権侵害の訴訟ですべて勝訴し、莫大な特許料を稼いでいます。驚いたことに、同社は種子みずからが次世代の発芽を抹殺するプログラムである「ターミネーター(自殺種子)技術」を開発し、世界中の小規模農家で世代を越えて継承されてきた種採りを不可能に追い込め、永続的な収益の確保を実現しています。
 第3世界の食糧危機で餓死を生みだし、先進国では遺伝子組み換え食品を売りまくり、莫大な利益をあげているモンサント社の企業倫理は地に堕ち、もはや「我が亡き後に洪水は来たれ!」という血みどろの資本の醜い姿をさらけだしています。同社で働く化学者たちのモラルはいったいどうなっているのでしょう。遺伝子組み換え食品を食べざるを得ない先進国の市民には、大量の奇形児や不妊が発生し、人間の遺伝子そのものが壊されています。ここにモンサント社を含むアメリカ企業のネオ・リベラリズムに侵された醜い姿があります。OCCUPY THE  FOOD SUPPILY! STOP MONSANTO!(2012/4/11)

吉本隆明は「戦後思想の巨人」(朝日新聞3月17日付け)であったか?
 3月16日に吉本隆明という評論家が死去し、大手メデイアの多くは「大衆に寄り添った戦後思想の巨人」などと持ちあげています。彼のアクロバテイックな思想的経歴をふりかえってみますと、1950年代に天皇制に屈伏しなかった非転向者を、西欧思想に観念的に殉じたモダニストに過ぎず、裏返しの転向の一形態に過ぎないと攻撃してデビューしました。あたかも踏み絵に抗して殉教した江戸期のキリシタンの死に泥を塗るような恥ずべき言辞でしたが、天皇制ファッシズムと江戸幕府の専制は涙を流して喜んだでしょう。80年代の晩期資本主義のなかで、もはや純文学とサブカルチャーは等価値となり、純文学の意味は失われたとするポスト・モダン的な資本主義礼讃に転じ、反核運動を政治の言葉を倫理に置き換えた「ソフト・スターリン主義」と攻撃し、資本主義が達成した科学のゆがみに抗する反原発とエコロジー運動を歴史への愚かな反動と攻撃し、中曽根康弘と小沢一郎の日本改造計画に賛辞を捧げるに至りました。オーム真理教の教祖のサリン事件を絶賛し、フクシマ原発事故後は放射能の苦しみよりも原発を築いてきた文明が大事だと倒錯した主張(『週刊新潮』1月5・12日合併号)を展開しました。
 こうした吉本の思想的な変節をどのように解析したらいいのでしょうか。彼自身が戦時期には天皇制ファッシズムに熱狂的にのめりこみ、戦後の価値観の転倒のなかで、あらゆる権威的な価値観に疑惑を抱いていった心情は理解できないではありませんが、行きついたところはみずからの主観のみに絶対的に依拠し、外界の客観的な事実を作為的に操作する思考のゲームにのめり込んだ醜悪な意識内在性に転落したように思います。彼はなによりも、あらゆる思想の純潔性に憎しみを覚えるようになったようです。すべては、心的現象がもたらす共同幻想の言語的な表現であるとし、批評の基準は表現行為の客観性にはなく、主観の深い思いにあるとする主観主義的な認識論にのめりこんでいきます。日本が軍事力ででっち上げた満州国を香港と同じ租借地ちし、みずからの転向を「移動」と称して合理化し、核兵器や原発を科学技術の最高の到達点と賛美する歪みきった科学主義への耽溺はその裏返しにほかなりません。奇妙なことに、彼の共同幻想論は、時代の表層のうつろいゆく現象に追随し、コム・デ・ギャルソンのブランドに身を飾ってCMに出演するなど、みるも無惨な思想の頽廃にいたり、六本木にこそ日本の輝かしい進歩があるとするまでにいたります。彼にとって、数km離れた日比谷公園の年越し派遣村は日本ではないのです。
 吉本の思想的な変貌は、近代以降の日本の思想がときどきの欧米の流行思想に追随するみじめなファッションにしか過ぎないことをみごとにしめしています。あなたの身近にも、力関係に応じて、恥じらいもなく立場を変える生き方をしている人を見ることがあるでしょう。そうした人にとって、吉本の思想は自己の変節を肯定できる便利な着せ替え人形としての意味を持ったのです。あまりに漫画チックで思想の初歩的な条件を失った吉本の姿は、かくあってはならないという左翼転向者の反面教師としての役割をはたし、ニーチェ風の攻撃的なニヒリズムとアジア的な神秘と科学主義が入りまじる雑炊のようであり、イジメに狂奔して笑いをとる、憐れにも哀しい「吉本」新喜劇の思想芸人に他なりません。(2012/3/30)

ホームページを再開します!
 昨年の11月21日にトラブルが生じてから4ヶ月になろうとしていますが、悪戦苦闘のすえにやっと再開にこぎ着けました。幾人かの人からどうしたんだ?と声をかけられて、少々焦っていたのですが、なんとか復旧できました。なによりも口惜しかったのは、東日本大震災と福島原発関連の発信が途中で途絶えてしまい、世界とのコミュニケーションが失われて精神的にも空白が生じたような気持になり、もはや再開は無理なのかと落ち込みかけました。福島を中心に広大な空間が居住不可能となるという未曾有の事態におちいり、あまつさせ再稼働の動きがすすみ、日本列島の未来世代に取りかえしのつかない負の遺産を遺そうとしています。私の残された時間と頭脳を精一杯にそそいで、生存のための可能性を考えていきたいと思います。
 庭の桜の樹も芽ばえはじめ、またふたたび春がめぐってこようとしています。寒い冬の時は去りゆき、鳥のさえずりが、いのちの息吹が聞こえてまいります。この空白の4ヶ月で、同僚の幾人かが貴い記憶を残してこの世を去り、残された私は彼らの果たせなかったことの幾ばくかを受けついでいかねばとこころに刻むしかありません。他方では昨年の秋に、ついに私の息子も伴侶を得て新しい人生を歩もうとしています。松明リレーのように、人から人へと炎を消さないでバトンを渡していく営々たる人の世の営みが、とぎれることなく松明は受けわたされていきます。
 背後からユンデイ・リーの演奏するショパンのピアノ曲が流れてまいります。リーのピアノの音はなぜかくも、艶やかに響きわたるのでしょう。私は新しい気持で、めぐりくる春を迎え、二度とはこない時間に私の足跡を刻んでいこうと思っています。ギリシャのアゴラのようなコミュニケーションが繰りひろげられたらと思いますので、みなさまのご鞭撻のほどよろしくお願い申しあげます。(2012/3/29)

第13エッセイ集(2011年8月18日〜11月21日更新)

東日本大震災・福島原発事故関連情報[U]

(11月21日)
○「3.11東日本大震災は想定外ではなく、地震調査研究推進本部長期評価部会で、日本海溝地震は岩手・宮城から福島・房総沖で起きると予測し、被害想定に含めるように主張していた(2002年)。03年の中央防災会議でこの主張は斥けられ、無視された背景には原子力産業の今まで津波地震がないとkロは今後も起こらないという原子力津波部会の主張がある。こうして太平洋沿岸の政府がつくった堤防はほとんど高潮堤防のみで、今次被害の80%は防災会議の予測の2倍となった。今次詩人に四手5−10年の今後はさらなる大地震が予測される。日本列島は牡鹿半島で5m東に移動し、断層に引っ張る力がかかり、ズレをおさえるちからが弱まった。今東京の地下では地震の数が増えたにもかかわらずまったく対応できていない。東海・東南海・南海の大規模地震は今世紀前半に必ずおき、対策を急がねばならない。原発の多くは活断層付近にあり、活断層の調査も過小評価しており、これらの検証なく原発の再稼働はない。日本の海底観測技術はすぐれており、今後5年でどこでどれくらい起きるか明確につかめる。地震学の長期予測があてにならないというのは嘘で、原子力産業が地震学をゆがめてきた」(地震予知連絡会会長 21日)

○「もんじゅは抜本的に再検証し、国民の徹底的な納得が必要。こtれまでは事故対策研究がなく、研究すると原発は危険と誤解される恐れがあった。核燃サイクルの基礎技術は持つべき、もんじゅはダメだが高速増殖炉研究は進めるべき、原発立地交付金は安全対策に限定すべき、エネルギー特別委会計制度の廃止を含め、抜本的に見直すべき」(政府・行政刷新会議 20日)

○「大震災の対応として憲法の非常事態法制は緊急の課題であり、大規模自然災害・有事など国家非常事態の想定にむけた根本問題への明文改憲が求められる」(前原誠司 20日)

○「セシウム134・137(半減期30年)を合わせた1平方bあたり1万ベクトルの蓄積量を超えた地域を「事故影響範囲」とし、それは13都県3万平方km(日本国土の8%)におよぶ。過去の核実験の汚染は差し引く。放射性雲は第1ルートが、2号機から時計回りに関東の広い範囲に流れ、栃木・群馬北部で雨や雪で地表に降りた。一部は秩父、佐久市、奥多摩町、丹沢系の山北町周辺にいった。第2ルートは、15日午後に北西に向きを変え、浪江町の高濃度汚染地域となり、第3ルートは20日に北に向かい、宮城・岩手で21日未明に雨で飛び地状の汚染をつくり、第4ルートは21日に茨城から千葉を通って、都心手前の東京湾を南下し、葛飾が深刻な汚染を受けた。20−23日の放出量増大の理由は不明。(*環境省試算では年間被曝1mSV以上の地域は8と圏1万1600平方km国土の3%)」(文科省18都県汚染マップ *ヘリに検出器を載せ地表1mの放射線を測定するが、ヘリの飛行の幅は3kmでホットスポットは割り出せない。栃木・群馬・千葉・宮城で毎時0,2mSV以上(年間1mSVを越える)の地域が地上検査で発見された。

○「煩悩具足の凡夫・火宅無常の世界は、万のこと皆もってそらごろ・たわごと・真実あることなきに、ただ念仏のみぞまことにおわします」(親鸞『歎異抄』 *筆者注:いま売れに売れているそうですが、中世の災害と戦乱を生き抜く最後の悲鳴、叫びであって、救いの幻想の言葉でしかないが、追いつめられた者のヒュマニテイの哀しみの極限があるともいえる)

○「アフガンの34州のうち14州が干ばつの影響で農産物がほとんどとれず、小麦価格の高騰で90%の世帯が借金を背負い、パキスタンやイランに脱出しているケースがある。住民の大多数は高地に住み、冬季の積雪で援助物資が届かず、200万人以上が飢餓状態に陥る」(オックスファム、セイブ・ザ・チルドレン報告 18日)

○「21世紀の終わりに高緯度地方を除き、世界のほとんどで、20年に1度の猛暑が2年に1度になる頻度が高くなり、その最高温度は今世紀半ばに摂氏1−3度上昇、世紀の終わりに2−5度上昇する。集中豪雨、サイクロン、タイフウ、地滑りと干ばつ、熱波や海面上昇などの極端な現象は、温室効果ガス濃度じょうしょうなど人為的な影響の結果あるが、洪水の頻発との関係は不明。このまま温室効果ガスが抑制できなければ、これらの現象はよりひんぱつする。」(気候変動枠気味条約政府間パネル(IPCC)特別報告 18日)

○「世界の飢渇穀物在庫率(年間穀物需要量に対する期末在庫量の残存比率 FAOの安全在庫基準は17−18%)は、2011年度20,2%、20年度14,9%(1,8ヶ月分)で危険水準にはいる。自国食料優先で輸出を禁止し安定輸入が困難となり、TPPで自国でつくれるのに輸入をする国で世界の食糧事情は苦境に陥る。穀物在庫の減少の要因は、人口増(15年73億人、25年80億人、50年92億人)、肉食化にともなう食用家畜の飼料用作物需要、バイオ燃料用需要。穀物価格の上昇による生産意欲増大はあるが(単位収量の伸びは90年代1,3%)農地面積は拡大せず(02−04年は6,7億ha)、余力がなくなる。穀物在庫の3−4割を占める中国は、大豆yの最大輸入国で、輸出に回すことはない。01−03年の世界飢餓人口は8億5000万人)」(農水省『海外食糧需給レポート』)

(11月20日)
○「震災後大切な事は、がんばれ!という言葉より、いつでも手をさしのべれるようにそっと寄り添うことです。白血病でなくなった弟をがんばってと励まして、最後にもうがんばれないよといわせてしまった苦い体験があります」(尾木直樹『尾木ママの凹まない生き方論』主婦と生活社)

○「最近は東北大震災と原発関連の報道が極端に減少し、TPPとハシシタ、定番のお笑いと料理や音楽番組が主流となった。震災と事故直後の緊迫した状況から解き放たれて、またもとの日常性が回復したということだろうか。しかしこうした光景は、東北や福島の被災者からみれば、もはや記憶のまなざしから消されて、見離されていく印象を受けるのではないか。復興と原発について、本格的に考える段階に入っているにもかかわらず、もはや過去の事象として歴史の物語にしてしまうのだろうか。こうした健忘の能力は逆説的に素晴らしいとも言えるが、それでは阪神・淡路の繰り返しに他ならず、私たちはまた神戸空港をつくり、原発を動かし、遠からず第2の福島がどこかで起こるのを待つこととなるのだろうか」(20日)

○「男なら男らしくしろ! 女房、子どもを泣かすのか!」(「君が代」斉唱時の起立を強要する校長の言葉)

(11月19日)
○「福島第1原発タービン建て屋地下の高濃度放射能汚染水を浄化する処理水に、ストロンチウム90(半減期29年)が1立方cmあたり8万5000ベクトル含まれていた」(東電 18日)

○「福島第1原発の汚染水処理システムは、長さ4kmに及ぶ屋外ホースを引き回し、冬場の凍結による破損を防止する保温剤とヒーターを設置する防止対策を行う」(東電 18日)

○「チェルノブイリ原発事故から20年以上を経て、09−10年にベルラーシに住む550人の子どもの体内の放射性セシウムは、平均4500ベクトル、2割は7000ベクトル以上の内部被曝があり、03年史帽の成人と子どもの脳、心筋、腎臓、肝臓など8臓器すべてにセシウムが検出され、どの臓器も子どもの濃度が高く、甲状腺からは1kg1200ベクトルであった。内部被曝の原因は食品規制の不徹底にあり、子どもを3ヶ月間非汚染地域に移住させて汚染のない食品を食べさせると体内セイシウム量はかなり低減した。事故後3年間の1988年から10年間のブリャンスク州の子どもの血液細胞は、癌や心臓疾患を誘発する活性酸素などのフリーラジカルが通常の2倍となり、免疫細胞は通常の1割以上減少していた。」(ロシア小児血液・腫瘍・免疫研究センター長 18日)

○「泊原発で00年に作業員が建て屋内のタンクで意識を失って死亡したとき、下着とお尻から放射性物質が検出されたが、診察した医師は『放射能汚染と聞いてイヤだと思った』といった。医師が放射能を恐れ、患者を拒むことが起こってはならないと思った。どんなに重症でも医師が被曝することはないことを被曝医療で知っていた。福島にはいるのを全国の医療チームが嫌がり、看護師が泣きだしてしまった。従来の日本のマニュアルでは、全身汚染の除染は、体表面の放射線基準を1万3000cpm(1分間に検知する放射線量)でしたが、これを10万cpmというIAEA初期対応マニュアルに合わせた。日本の基準ではパニックが起こり、2次被害を誘発する。原子力安全委は渋ったが、現場判断でやった。私の医療行為は原発の是非には関係なく、命を救うためにやるだけだ」(19日付け朝日新聞)

○「来春卒業予定の大学生就職内定率は59,9%で過去2番目の低水準、高校生内定率は41,5%で大震災と円高の影響の直撃を受けている」(文科省、厚労省 18日)

○「連合はTPP推進だったが、傘下のフード連合が反対に回ったので情報公開の慎重派に転向し、生協は消費者の選択と安全性のはざまで態度保留、消団連も態度未定。財界と与党中枢と大手メデイアという権力のトライアングルのすべてが賛成に回り、・・・」(斉藤美奈子 『DAYS』2011年12月号)

○「米国の子ども貧困率(4人家族で年収2万2314j=170万円以下の世帯の0−17歳の子ども)は、2010年1575万人(前年比110万人増)で子ども全体の21,6%(前年は20,0%)、うち白人の子ども17,0%、アジア系13,0%、黒人38,2%、ヒスパニック32,3%」(米国製調査局 17日)

(11月18日)
○「福島第1原発1−3号機の原子炉格納容器から新たに放出されている放射性物質の量は、毎時0,6億ベクトル(先月は1億ベクトル)、敷地境界年間被爆量は0,1mSV。格納容器下部温度は、1,2,3号機それぞれ37,68,68度で100度以下となっているが(誤差は20度)、核分裂時のキセノンが発生し、冷却装置が壊れた循環注水システムの誤作動で不安定状態。東電は100度に拘りすぎで、圧力容器底部の温度しか測れないから出しているに過ぎない。」(政府原子力災害対策本部における専門家の意見 17日)

○「詩情あふれる落ち葉拾いの風景が変わった。ゴム手袋やマスクを着用し、素手では触らず、ゴム袋に入れて集積場へ。園芸店から国産の腐葉土は姿を消し、かといって外国産を買う気にはなれない。これからの日本は落ち葉を拾えない国になってしまった」(18付け朝日新聞 声)

○「首都直下型地震は30年以内にM7級が起きる確率を70%としてきたが、3,11でこの想定は大きく狂った。3,11レベルでは1000万人が非難する首都が地震で政府機能が失われたら、立川と埼玉副都心に政府の代替施設が用意されているが、内閣の指揮系統が失われたらなんの役にも立たない。被災地のど真ん中にある首相官邸でみずから被災者となった首相は指揮が執れない。日銀はすべての機能を大阪支店に移し、大阪支店長が日銀総裁代行として指揮する代替機能を整備しているが、政府はなんの対策も立てていない。防衛省が戒厳令でも出すつもりだろうか」(8日朝日新聞)

○「東北最大の製造品出荷額の福島県から企業が流出し、すでに30社が撤退している。国も自治体も安全・安心を保証せず、企業が動くしかない(ゼビオ本社)。取引先が事故を心配して本社に来なくなったので本社移転を模索している。金属部品会社は、工場から80km離れているかと聞かれて50kmと答えたら、取引を停止された。大手証券会社には県内企業から、関東地方のM&Aの対象企業を探してくれとの依頼が殺到している。いわき市は被災者2万人を受けいれており、従業員宿舎用の企業誘致の土地がない。多くの企業は原発から50km圏外を求めるため、補助金土地代の96%を出しても来る企業はない」(18日)」

○「後発発展途上国(LDC)の中期的経済開発は順調ではなく、先進国の経済衰退の影響を受けている。中期経済成長予測は、金融危機前の水準を1,5%下回る5,8%であり、LDC人口は世界人口の8分の1を占めるが、GDPの1%にしか過ぎず、世界経済の2義的な役割しか果たしていない。1人当たりGDPOは他の途上国の40%から90年代半ばに20%いかに落ち込んでいる。LDC人口の53%(4億2100万人)が1日1,25ドル以下で生活する極貧層であり、国連ミレニアム目標達成には、15年に2億5500万人まで減少させねばならないが、15年の予測は4億3900万人で逆に増加する。途上国全体に占めるLDCの極貧層は90年18%が07年36%に拡大したのは、中国の対策にある。09年のLDC輸出の半分以上、輸入の60%以上が途上国相手であり、南南協力が不可欠である」(国連貿易開発会議・後発途上国報告2011年版 17日)

○「中国農村部年収基準1人1274元(1万5300円 1日42円)以下の貧困人口は、2000年9422万人(10,2%)が2010年2688万人(2,8%)に減少したが、国連基準1日1j(77円)、世界銀行1,25jを基準にするとさらに増える。この10年で貧困対策費は念12%増加し、合計2044億元(2兆4500万円)となった」(中国政府・農村貧困対策白書 16日)

○「米軍が住民の自宅を夜間に捜索する夜襲をやめ、アフガン人の身柄拘束を停止するならば米軍の長期駐留を許す」(アフガン大統領 16日)

○「米国が冷戦思考そのままに、指導者や仲裁者きどりで主導権を振りかざし、他国の核心的利益を侵すような放火や火遊びをすることは、アジア地域にとって致命的なマイナスになる」(オバマ大穫る用の豪州海兵隊常駐に対して 国営新華社通信 17日)

(11月17日)
○「原発利益共同体の使用済み核燃料再処理等積立金は5兆円に上り、今後19兆円に膨張する。もんじゅは16年間で稼働したのは250日出で維持費は1日4000万円」(井上衆院議員 16日)

○「福島市大波地区の26eの水田で生産された840kgの米から630ベクトルの放射性セシウムが検出され(暫定規制値500ベクトル)、出荷自粛を要望した」(福島県 16日)

○「北海道は泊原発安全性有識者検討会議を設置して道民の意見を公募したが、原子力安全対策課の課長が、意見公募で来るのは反対意見ばかりで、反対派の主張を打ち消す、地元の意見を出すように北電社員に求め、地元意見の尊重や反対意見は地元の感情を逆撫でするなどの文例を示した」(北電やらせ問題第3者委員会調査結果 10月)

○「われわれ原子力関係者はなぜなぜ安全性にこれほどの自信を持ったのか、原子力で飯を食った者ほど、ひとことあってしかるべきだろう(北村俊郎原子力産業協会理事)。政府は緊急時避難準備区域内に要介護者が立ち入ることを禁止したが、国家はどこまで個人の自由を規制できるのか、必要なときに正しく怒ることが、、この国をもっとましな国にする(佐々木孝)」(17日付け朝日新聞)

○「日本が脱原発を老朽原発の廃炉と新設中止を進めた場合、原発発電比率が3割から2割となり、火力発電用の天然瓦斯輸入が現在300億jが800億j拡大し負担が増大する。日本の原発の再稼働問題は世界の天然瓦斯市場に大きな影響を与える」(IAEA事務局長 16日)

○「7−9月期の非正規労働者雇用率は、35,3%(1729万人 前年同月比23万人増)、15−24歳で46,5%、サービス業70,4%、完全失業者のうち1年以上が38,6%、2年以上が23,2%(うち男性が30,9%)、非労働力人口で就業希望があり求職活動をしていない潜在失業者は469万人で完全失業者と合わせ746万人が実質失業(潜在失業を含めた失業率は11,1%)」(総務省 労働力調査詳細集計 *被災3県含まず15日)

○「EU欧州委員会は、国債信用評価がギリシャ発債務危機を助長したとし、格付け会社は市場が閉まっている時間帯のみ発表を制限し、格付け根拠を詳細に公表し、故意または過失による評価は投資家の損害賠償責任をとる規制強化をおこなう」(15日)

(11月16日)
○「国内では放射性物質に汚染された中古車の流通にはなんの規制もなく、輸出コンテナの中古車は毎時0,3mSV以上の中古車は積めないので国内に、福島ナンバーを外して流通させる。海外への輸出を禁止されたクルマは9月だけで660台。妊婦や子どもがこうしたクルマに乗っているとしたら」(16日付け朝日新聞)

○「原子力が中長期的に一定の役割を果たせるような政府の取り組みを求め、原発の安全性を世界最高水準に高め、原発利用を模索する国々の関心に答え、世界の原発安全利用に貢献する必要がある。発送電分離は電力安定供給と経済性に多大な影響を及ぼす。当面は原発の再稼働が非情に重要だ」(経団連・エネルギー政策提言 15日)

○「専門家の勤めは、知っている知識を正確に伝え、分かりやすく理解してもらうようにし、強制はしない、住民との意見が違った場合は住民の希望を支援するという4原則で行う。東大工学部原子力工学科は日本の原発を推進してきた責任がある。原子力安全委はなんの反省もせず、いいかげんだ」(児玉東大教授 15日)

○「福島第1原発3号機の原子炉建て屋内で1時間当たり870mSVというこれまでの最高値を記録した。被曝限界線量250mSVの20分弱で限度を超す。」(東電 15日 追加:16日には1300mSVを計測 *追加:20日に1600mSVを計測))

○「経費削減、工場の海外展開など個々の経営判断としては合理的だが、日本経済全体としては国内の産業連関の寸断、経済波及効果の国外流出、雇用の減少と個人消費を減退せる合成の誤謬をうみだす」(『2011年通商白書』)

○「労働者派遣法改正案を、製造業派遣と登録型派遣の原則禁止規定を削除し、違法派遣のみなし雇用施行を3年後に延期し、短期派遣の禁止も2ヶ月以内から30日以内に緩和し、残るのは派遣料金と賃金の差額比率の公開のみとする」(民主党 15日 *連合会長「民主党の苦渋の選択として3党修正を受けいれる」17日)

○「私でさえ市立図書館に足を運び、教科書の読み比べをしたのに・・・。教科書を読みもしないで、どうして『どっちがよい』と選択し投票できるのか、不思議でなりません」(八重山の高校生 『八重山毎日新聞』)

○「緊急事態における首相への権限集中、通信の自由と財産権の制限、国会議員の任期延長などの緊急事態法制を推進する」(中山太郎「緊急事態にかんする憲法改正試案」 15日)

(11月15日)
○「ストレステストを運転再開と結びつけるのではなく、地域住民が参加した安全審査の見直しが必要だ。欧州でのフィルター付きベント装置や特別冷却装置の未整備を根本的反省すべきだ。ストレステストは福島原発の検証でおこなうべきだ」(保安院公聴会 14日)

○「もんじゅ研究開発費用は1兆810億95000万円であり、うち830億8500万円の関連施設はまったく利用されていない。」(会計検査院 14日)

○「福島原発緊急作業被爆限度は、専門知識を持つ東電社員50人には、ステップ2の終了後も250mSVを2012年4月30日まで適用する」(厚労相 14日)

○「M8の地震が想定された2002年以降の東電経営者は、危険性を認識しながら対策を怠った不作為の罪で、総額5兆5045億円の損害賠償を請求する」((東電株主42人 14日)

○「福島原発から排出されたセシウム137は、日本列島とその周辺海域に5万6000テラベクトル、列島だけでは1万テラベクトル降下し、西日本まで及んでいる」(米科学アカデミー 14日)

○「いま福島では、県外に出るのかでないのか、県内産の食品を食べれるのかどうか、分裂状態で離婚などが起こり、混沌としている。大型スーパーが壊滅して地場産品を扱う店は営業を続け、市町村合併で地域の自治的な判断が出来ず、旧町村の平等を保つ会議がやたらに増え、前に進まない。地域はバラバラに離れてしまった。」(玄侑宗久 15日)

○「原子力技術は、平和利用にしろ、その技術が進歩するに連れて、兵器としての原子力の可能性は高まる。核兵器保有の潜在的可能性を高めることで日本の発言力は高まる」(1958年東海村を視察して 『岸信介回顧録』1983年)

○「1959年に原研の廃棄物処理場で作業中の20歳の職員が、頭と顔に廃液50立方cmを浴びた。廃液にはセシウムなど1立方cmあはり37ミリベクトルが含まれていたが職員に異常はなかった。原研管理者は、これぐらいの濃度なら飲んでも大丈夫だ。事故としては取り扱わないといった」(15日付け朝日新聞)

○「7−9月GDPは542兆5039億円で年率換算6,0%の高い成長を示したが、これは震災期との比較であり、震災前と比較すると0,0%減少(実質は1,9%減)。サプライチェーンの復旧による生産拡大で輸出が6,2%伸びたが、個人消費は1,0%増でしかなく、震災以降の消費低迷の反動が少し顕れている。自粛によるサービス消費低迷、節電による電力消費減少がひびき、雇用者報酬は0,3%減少し、リストラによる名目GDP上昇となっている」(内閣府7−9月期GDP速報値 14日)

(11月13日)
○「3月11日からの1週間は、次にどうなるか想像できず、死ぬだろうと思うことが数度あった。1号機の爆発状況がまったく不明で、格納容器爆発でコントロール不能のおそれがあった。3号機が爆発し、最後の2号機の原子炉に水が入らず、一寸先が見えなかった。最悪メルトダウンがすすみ、コントロール不能でこれで終わりだという感じがした。高濃度汚染水が漏れ、発電所外に高線量の放射能が出るという異常な状態となった」(東電福島第1原発所長 12日)

○「広島と長崎の記憶が鮮明なときに、日本のような国に原発を建設することは劇的であり、こられの街での大虐殺の記憶から遠ざけるキリスト教徒としてのおこないである」(『原発の闇新日本出版社)

○「日本国内に駐留する米軍軍属の日米地位協定17条の公務中の犯罪について、米軍が第1次裁判権を持つが、1960年歩連邦最高裁判決で軍属を平時に軍法会議にかけるのは憲法違反となり、米軍は公務証明書を発行しないことによって日本に裁判権を事実上委ねてきたが、日本の検察も裁判権がないとして、日米双方で06−10年の4年間で62件の犯罪ですべてが不起訴となり、27件は米軍で処分を受けず、35件が懲戒処分であり、08年からは52人が公務中を理由に不起訴となった。米国内で沖田懲役1年以上の重罪は米国内で裁判するという軍事域外管轄法ができ、米軍は公務証明書の発行を再開したが、日本での犯罪に適用された例はない。2011年1月の米軍属の19歳少年のひき逃げ死亡事故は、那覇地検が不起訴処分とし、検察審査会が起訴相当とした」(13日)

○「米軍はイラク、アフガン戦争の兵士の遺体が紛失し、身元不明の遺体の肉片を業者に委託し焼却処分して遺灰を埋立地に廃棄処分していた」(11月11日)

○「全米で拡大するオキュパイ運動は、平等社会を求める要求の強さを反映する怒りや失望の運動から、新たな政策的要求をめざす第3の政党が出現するチャンスとなっている。労働運動は民主党の基盤であるが、民主党に見切りをつけて第3の政党が出現する可能性がある」(ロバート・ジェンセンテキサス大教授 13日)

(11月12日)
○「TPPより農地の除染が先だ。出荷ができていまはホッとしているけど、福島産の米は外食産業に流れるんじゃあないか。私はかって日本1の養蚕農家だったが、93年のウルグアイ・ラウンドで海外産の安価な絹が入ってきて、取引価格が10分の1以下となり、政府補償でも生活はなり立たず、米・野菜・椎茸の複合農家に転じたが、TPPはまた同じことの繰り返しで、なにが国益だ」(福島県二本松市 安斉さん 11日)

○「原子力安全委は09年に審査会委員と電力会社との関係の内容を2年以上公開せず、今回朝日新聞の指摘を受けて公開したが、電力会社から講演料や研究費を、うけとり、大学に所属しながら原研開発機構に加わっていた委員の存在が発覚した」(12日)

○「東電第1原発から放出して地上に落ちた放射性物質が泥に付着し、地面の乾燥で土ぼこりとなって風に巻き上げられてふたたび飛散している」((茨城大・東大研究チーム 11日)

○「自主避難にともなう損害は、不安感が相対的に高い子どもや妊婦にたいする賠償を重視する方向で一致し、事故直後の大量被曝を回避する避難第1期と、一定期間経過後の低線量による健康被害を懸念した第2期避難を区別して賠償する方針を確認した」(文科省原子力損害賠償紛争審査会 10日)

○「原子力政策とその必要性を知らせるPA(パブリック・アクセプタンス 社会的受容)は、一般的には広報・宣伝を意味するが、経産省の原子力推進者(荒木由紀子)は『知った上でまさに受けいれてもらうことが必要なのである』と説明しており、この洗脳的発想は推進派の執念をしめしている」(12日)

○「海洋中に出たセイシウム137は事故から3週間経っても、まだ減少していない。海水1立方メートルあたり原発排水口付近で100万ー5千万ベクトル、沿岸で5万ベクトル、30km沖合で千ー5万ベクトル、過去の体験核実験でのレベルより数桁と遥かに高く、86年チェルノブイリ事故で黒海やバルト海にでた数千ベクトル汚染よりも1桁高い」(青山気象庁気象研究所研究員 12日)

○「福島原発事故の復旧作業にはすでに1万7千人が動員され、緊急時被曝線量限度100mSVを越えたのは、9月現在で162人、250mSVを越えたのは6人に上り、芸常時の5mSVをはるかに超えている。連絡不能で線量測定ができていない人が10月末で6人いる。」(Jヴィレッジで 11日)

○「滋賀県長浜市は、関電に交通費と傷害保険を負担させて美浜原発見学ツアーを実施していた」(11日)

○「無礼なことを言うな。分をわきまえないといかん。たかが選手が! 選手会の署名活動は大衆迎合だ」(渡辺恒雄 古田プロ野球選手会長=当時 1リーグ制問題で 2004年)

(11月10日)
○「東電の新設原発・青森県東通原発は、1611年の慶長津波から津波の高さを11,2mと推定し、防潮堤を設置するが、福島第1原発は02年に5,7m、06年に50年以内に1%の確率で10m、08年に15,7mと推定したが、対策はとらず、防潮堤も設置しなかった」(10日付け朝日新聞)

○「福島第1原発3号機の再臨界の判定基準を、短半減期ガス(キセノン135)が検出されないことと明記し、判定基準を変更した」(東電報告書 9日)

○「アイダホ州国立研究所で作業員17人が低レベルプルトニウムに被曝する事故が発生」(8日)

○「動燃東海村再処理試験運転中に下請労働者が死亡し、さまざまの不具合で再処理の安全問題が浮上したとき、上司は現在の警察も戦前と同じく思想チェックがメーンだと脅迫し、組合員の結婚式は、君の将来は保証しかねると脅し、仕事を外して電話も取りあげられ、攻撃は家族に及び、あの家の子とは遊ぶなといわれて社宅からの引っ越しを余儀なくされた。監督者研修の研修目的は、日共の労組支配を完全に排除するとされた。もんじゅは95年のナトリウム漏れ、97年の火災爆発事故で1兆円を投じた事業はストップした」((9日)

○「ギリシャの経済破綻の原因は、2000年にわたる外国支配と独立後の軍部独裁によって、自立的経済が成長せず、農業業と観光業に偏向し、海運業は海運王が住居と便宜置籍船で国外に拠点を置き、国内経済には貢献しない構造にあり、国内経済が地下経済化して領収書抜きの脱税取引が横行し、政府の徴税能力が機能せず、税の再分配構造が破綻し、累積財務残高が35兆円となり、民間銀行の債務を50%放棄する今回の措置で5−6兆円削減されるが、これが銀行危機を誘発し欧州銀行の破綻に連鎖する可能性がうまれたことによる」(10日)

(11月9日)
○「西日本のK建設は日立GEニュークリアーエナジーを元請とする5次下請であり、そこに雇われた大川さん(40歳代)は、20kgの鉛板を背負って、原発建て屋の汚水処理に従事し、放射能の恐怖から心臓が破裂しそうに苦しく、マスクを何度か外しそうになった。終了後の検査は48mSVをこえ、国の上限である50mSVをわずか1日で浴びた。1次下請の関係者から日当は1万6000円で危険手当付きときいたが、受けとったのは1万1000円であり、5000円がピンハネされ、危険手当ももらっていないことを知って、社長にいうと、業者間の暗黙の了解事項だから、話せないといわれた。契約書には、福島第1原発構内外で知り得た秘密を保持し、報道機関からの取材はいっさい受けないものとするとなっていた。」(9日)

○「放射線の健康への影響があるのは、通常生活でうける放射線量を除いた生涯の累積線量が100mSV以上と判断した。小児の期間は、甲状腺癌や白血病で感受性が成人より高い可能性がある。100mSV以下の健康評価について言及することは困難と判断した」(食品安全衛生委員会ワーキンググループ評価書案 7月26日 *筆者注:WHOはこれ以下なら安全という閾値なしの直線仮説=量に比例して発症率が上昇するーを採用してきたが、食安全委は健康を守るという視点を放棄している

○「巨大地震の想定域を従来の東海・東南海・南海の3連動から、宮崎県沖・日向灘・南海トラフをくわえた5連動に中央防災会議を待たず独自にひろげて、試算規模はM8,9(3連動はM8,7)」(国交省中部地方整備局 8日)

○「大震災時の東海第2原発の地下岩盤部の地震の揺れが、06年改定の新耐震指針の想定を規準地震動(地下370m 600ガル)を上まわっていた。建て屋と機器類の設計値を再審する」(保安院 8日)

○「政府は福島第1原発から20kmの警戒区域内で、放射線量の高い地域を長期期間困難地域(立ち入り禁止とし、政府による土地借り上げと復興公営住宅提供)に指定し、低線量地域に生活拠点を造って将来の帰還に備える2段階帰還の検討に入る。避難の目安である20mSV以上は37地点、20mSV未満に下がるまでに10年以上かかる100mSV以上の地点は15カ所。

○「防衛省防衛研究所戦史研究センター史料室『海軍航空基地第2設営班史料』に、主計長・中曽根康弘中尉が、土人女を集め慰安所を開設、気持の緩和に非常に効果ありたりーと記されている」(高知・平和資料館館長 8日)

○「沖縄戦は戦後66年間、地上戦の惨状や戦後占領問題に重点が置かれ、精神医学的考察がなされてこなかった。高齢になった戦争体験者に、晩発性PTSD、外傷性悲嘆による不眠や抑うつ症状、身体化障害(原因不明の痛みの発症)、戦時記憶の増大と戦争トラウマ(銃撃の記憶に泣き叫ぶなどの発現する傾向が見られる。@戦時の暴力的な死別体験がその後の近親者の死を契機に外傷性悲嘆を誘発し抑うつ症状を生むA戦争トラウマによる不眠・パニック障害と身体化障害B日本軍による人格侮辱と破壊C養育貧困を通じて世代間伝達D精神的被害のケアがなく傷口が放置されているなどの要因による」(蟻塚亮二 11月5日)

○「高齢者向け医療制度(メデイケア)の保険料と自己負担分の支払と所得税の影響を加味した貧困規準で、両親・子ども2人の4人家族で年収2万4343j(190万円)以下を貧困層とするか、2010年の米国貧困人口は4910万人(16,0%)で、09年比260万人増加し、65歳以上の貧困人口は15,9%(公式規準では9,0%)となる」(米国勢調査局 7日)

○「道で倒れていても健康保険がなくて病院に行けない人は死んでもいいのですか? (答え)So be it(なるようにせよ)!弱き者は死ね!」(共和党右派 TVインタvユーで)

(11月8日)
○「原発事故と核燃サイクルのコスト試算は、原発1基の損害費用を5兆円とした場合に、事故に備える上乗せコストは1kwあたり最大1,6円、放射能除染などの損害費用が1兆円増えるごとにさらに0,32円増加する。過酷事故の場合は、原発発電コストは、従来の1kw5,2円が全量処理の場合は7,2年に上昇する。風評被害・検査費用を含め1基3兆9千億円は5兆円に増額となる。原発稼働率60%、事故確率を1基50年に1回とした場合」(原子力委員会 6日)

○「(森田たま)やはり人類が進歩するためには多少の犠牲はやむを得ないと思っています。そんなに放射能を心配することはないと思うわ。
  (嵯峨根遼吉)放射能はたしかに怖いけど、よく研究すれば怖がらなくてもよい時期が来ますね。
  (中曽根康弘)怖がるのはバカですよ(笑い)。
」(読売新聞座談会 1956年1月1日)

○「いま福島は混迷のなかにある。同時に世界の最先端にあってだからこそ暗中模索だ。政治の非力が厚い雲のようにわれわれの未来を覆っている。放射能への恐れは、県民同士でも理解が異なり、集約されずに分裂している。だからkそ私たちには自治が求められる。万機公論に決すべきという自由民権以来の怒濤の時代を生きている。厚い雲からきっと黎明が訪れるだろう。これは21世紀の万機公論の場なのだ。福島のふは、フロンテイアのフだ。私は明るくもなく暗くもなく、色づきはじめた境内の木々を眺めながらつぶやく」(玄侑宗久 8日)

○「イヤなら辞めてもらうしかない。福島第1原発で鵬社の汚染の溜まり水を処理する作業に従事する岩崎さんは、2時間で6ミリシーベルトの作業を3日連続し、汚染水は長靴を履くが、そこに穴が開いているかどうかは汚染水に入ってみないと分からない、現場に予備はなく、被曝線量は40ミリシーベルトに達した。国規準の50ミリシーベルトを越えると、白血病などを発症して労働基準監督署の追跡調査を受けるので、この会社は20ミリシーベルトに抑え、次々と作業員を解雇していく。岩崎さんは、線量計をつけずに作業せざるを得ない状態となった。会社は千葉への転勤を指示したが、家族との関係で移動を断ると、退職か解雇かどっちかを選べと迫った。東電に訴えると、それは下請会社の問題だと冷酷にはねつけられた」(8日)

○「福島第1原発2号機の格納容器から検出されたキセノン135の量は、原子炉内の燃料分布と組成が分かっていない状況では、キセノンの量が少ないと云うだけで、再臨界ではないという判断はできないとの指摘を専門家から受けた」(保安院 7日)

○「核燃事業団の再処理工場反対署名をした所員への処分が68年から始まり、自由にものが云えない恐怖政治となった。国産1号櫓の燃料破損事故の続発を告発する職場新聞を、史実の歪曲として日立の抗議があり停職処分と配転が強行された。中島篤之助氏の『科学』への論文が厳重注意を受け、むつの放射線漏れ事故で長崎県の委員会に出席して、無断欠勤で賃金カットされ、軽水炉の安全研究は縮小し、安全研究という名称は不許可となり、安全性実証試験に変えられた。」(原研労組委員長 8日)

○「原子力研究開発機構の研究委託費126億円は、研究前に確定し、透明性が確保されていない。原発交付金積立金657億円は削減すべきだ」(会計検査院2010年度決算検査報告 7日)

○「原発事故は莫大な被害をもたらし、作業員3人が死亡している巨大事故であるにもかかわらず、なぜ警察の現場検証や事情聴取、証拠保全がおこなわれないのか。反原発デモに大量の警官を動員しながら、原発を例外とするのは日本が法治国家でないことを示している」(8日付け朝日新聞「声」

○「世界との連携という観点において、TPPへの交渉参加は、通商政策の観点のみならず、外交と安全保障の規準である日米同盟の深化や、アジア太平洋地域の安定的秩序づくりから不可欠の政策課題だ」(経団連会長 国家戦略会議第1回会議 10月28日 *筆者注:TPPは反中の軍事政策なのか))

○「民主主義は現世代を満足させるシステムだが、次世代のことを考えない欠陥がある。隙を見て大もうけする人間がいることで社会は活性化する。世界は最後に統治の責任をもつ者がいないと混乱する。ほどほどの正義感を持った力のある者に解決を委ねないと収まらない。多くの国民が自分の暮らしは中の上と考える状態がいいのだ。あまり再分配をやりすぎると、結果平等で意欲がなくなる。市場資本主義の道をこれからも修繕しながら行くしかない」(猪木武徳 8日 *筆者注:功利主義的人間観に立つもっとも偽善的な理論だ))

(11月7日)
○「いわき市のIT関連企業P社に就職した佐藤さんは、当初福島第2原発作業を命令されたが、父が息子を殺すつもりかと抗議し、東海原発の原子炉建て屋作業になったが、作業服も社員証も別会社のもので、P社は職安法違反の人出しをしていた。退職を口にすると、同僚が300万円の損害賠償を裁判にするぞ!ボデイカウンターを受けないと指名手配されると脅迫した。P社は佐藤さんをトライアル・震災特例対象者として採用し、政府から試用期間は毎月10万円、正規で60万円を得ていた。自宅に逃げて戻ると、P社の社長が押しかけ、このままでは指名手配だと強迫した。佐藤さんは、原発業界に吸い込まれたくない、暴力がまかり通り、食事代をピンハネされ、自分の知らない会社の社員にされて危険な仕事を強制される、、こんなことは自分だけで終わらせたいと労働局への告訴を準備している。P社の元請は日立GEニュークリアエイジ」(7日)

○「被災3県の汚染稲藁7200dが畜産農家の敷地に残されたままとなっている。1gあたり8000ベクトルを越えるセシウムが検出され、焼却すると灰の放射性濃度は10倍に濃縮される」(農水省 7日)

○「原発災害は国家、社会における大罪であり、憲法違反だ」(福島県大玉村長 6日)

○「津波で逃げることのできなかった障害者のことを考えると辛い。障害者や子ども、高齢者など犠牲者の統計的データが報道されていない。生き残った障害者が強くならなければならないのは哀しいことです。かられを助ける仕組みがないからです。」(マット・フレイザー 10月21日)

○「GE社は日本原電のJPDR発電成功(63年)の3日後に、労使問題を理由に運転中止を指令してきた。佐藤栄作科技庁長官は、あわてて運営改善を指示し、それを契機に労務部がつくられ、原電労組幹部の賃金・昇格差別が始まり、仕事の冷遇や、雑誌『全貌』が原電の共産党員と題する特集を出し、国会で自民党議員が20名の共産党員の名前を確実に挙げることができると労組攻撃をおこなった。

○「(原発反対は)いのちに関わることだから声をあげないわけにはいかなかった。自分が自然体になり、人間にもどれたという思いがあります。」(山本太郎 6日)

○「子どもたちを炎の海に放置したままなのは、命を未来につなぐ母性が許しません。権力は生活やいのちより、経済体制を守ることばかり考えている。日本は民主主義に見えるが、まったく違う」(福島県 佐藤さん 女性 53歳)

○「気象庁気象研究所が1954年から続けてきた世界最長の放射能観測が、3月31日に突然に予算を打ち切られた」(7日)

(11月6日)
○「福島第1原発3号機原子炉建て屋内で、毎時620ミリシーベルトの高線量が検出された。人手による作業は困難となった」(東電 5日)

○「日本が持っている技術について海外の評価に答えるのは国際的責任だ。原発技術を国内では使わなくなるかも知れないが、外国が評価するならそれに応えるのは矛盾でない」(枝野経産相 5日)

○「青森県東通村は、東電と東北電力から157億円の寄付金と負担金を得たが、予算上は雑収入に分類し、電力会社との関係で使途を明らかにしていない」(6日)

○「バレホ市は5千万jの負債を抱えて破産し、警察官を4割減らして犯罪が激増し、350組3000人の自警団がつくられている。セントラルファールズ市は8月に破産し、コミュニテイ・センターと図書館は閉鎖され、学童保育、健康診断、貧困者への食糧支援はすべて打ち切られ、市職員の3割が解雇された。ハリスバーグ市が破産を申請し、デトロイトなど8自治体が破産寸前となっている。いま米国は中間層が凋んで富裕層と貧困層相手のビジネスに二極分解する砂時計経済となっている。ニュヨーク5番街では39億円のダイヤが飛ぶように売れ、100円ショップのダラー・ゼネナルは5年間で1000店以上急成長している。低所得層の子どもが上位5%の上位所得層に入る確率は1%、高所得層は22%であり、アメリカン・ドリームは完全に崩壊した」(6日付け朝日新聞)

○「7月生活保護受給者数は205万495人、受給世帯数148万6341世帯で過去最多となった(1951年204万6646人 95年88万2229人)。無年金や都市部単身者の高齢者が失業と病気を契機に受給者となる割合が40%、現役であるその他世代が17%、最低賃金が生活保護基準を下回る逆転現象は6道県。大震災被災者は3612件相談数、939瀬田外が受給開始。受給増の最大の要因は賃金下降、非正規増大、雇用保険受給率低下」(厚労省 9日)

(11月5日)
○「福島第1原発1−4号機取水口で10月10日採取の海水から、ストロンチウム90(半減期29年)が1lあたり250ベクトル検出された。9月12日の採取の92ベクトルの3倍で国基準の濃度限度の8,3倍にあたる。」(東電 4日)

○「杉並区立堀之内小学校の冬場の養生シートの高さ1cmで、毎時3,95マイクロシーベルトの放射線量が検出された。」(杉並区 4日)

○「浜岡原発の今後について、静岡県内35市町村長アンケートで、無条件永久停止2,安全担保ないと永久停止14人、住民理解による再稼働12人となった」(5日付け朝日新聞)

○「韓国の道路でセイシウム137(半減期30年)の検出が相次ぎ、アスファルトの骨材に問題があるとして撤去を開始した」( 韓国 4日)

○「大震災の影響でサプライチェーンが寸断され、鉱工業生産指数の国内生産額は3−8月で8,5%マイナスとなり、東北ー18,8%、東海ー14,9、関東ー9,3%、中国ー5,9%で、95年阪神淡路大震災より影響は広域化している」(『2011地域の経済』 4日)

○「原子力安全基盤機構は、メーカーがつくった誤った書類で検査を進める書類の丸写し状態となっている」(4日)

○「TPPである参加の場合、自動車分野の関税1370億円がゼロとなり、地方公共事業入札の4割が海外企業に奪われる」(経産相試算 4日)

○「3.112より日本は今後もアジアで競争を続けていくのか決断を迫られている。日本の市場は閉鎖的で唯一の解決方法はTPPである。大企業法人税減税と被災地の経済特区による外資導入が求められる。」(米戦略国際問題研究所東日本大震災復興日米会議最終報告書 3日 *日本側は経団連会長参加)

○「日本と露西亜は来年度に期限が切れる京都議定書後の新たな温暖化国際枠組みの成立を遅らせ、これを許せば温暖化はさらに激しくなり、グレナダのような島嶼国に破壊的な影響を与える。残された時間は少ない」(世界小しょ国連合 3日)

○「日本人のアイデンテイテイは我欲、この津波をうまく利用して我欲を一回洗いおとす飛鳥がある、やっぱり天罰だと思う。この災害を機に日本を芯の芯から改造し建てなおさなくてはならない、さもなければこの国は津波が去った跡の瓦礫のまま腐って朽ちはてるでしょう、65年前の平和がもたらした日本人の悪しき変化、田らの克服という別の復興が必要だ。TV番組の温泉や美食、料理番組や下らぬお笑いはうんざりする、死んだ親の弔いもせずに遺体を放置して年金を詐欺する堕落は救いがたく、核の保有が有効な外交のインフラとなる。押しつけられた憲法と米国依存の腐った戦後体制、義務を教えないゆがんだ教育、増税にyろうざいせいさいけん、たるんだ若者を鍛え直す労役(軍役・警察・消防・海外協力隊)につかせねばならない、脱原発は愚かなことでしかなく、パチンコと自販機をなくすべきだ(以上は石原慎太郎『新・堕落論』)。震災を機に先送りが許されない、第2の焼け跡からからの再出発が必要だ、TPP参加で農業も競争が必要で、消費税で財政再建をし、みんなで痛みを甘受すべきだ(以上は池上彰『先送りできない日本』)。明治維新後56年目の関東大震災と敗戦後66年目の大震災は、明治の殖産興業と戦後高度成長の達成と疲労が出たことで同じであり、どうでもいいからなんとかしてくれという短絡思考に陥り、その間隙を縫ってちから信仰が生じ、この機に乗じて妙な方向に舵を切る恐れがある、自由に働ける若者対象のプロジェクトで東北を復興し日本創成する、食材王国を起爆剤に産業空洞化に立ちむかうべきだ、開かれた原子力で原発と共存すべきだ(以上は寺島実郎『世界を知るちからー日本創生論』)。3者とも、嬉々として道徳の劣化(石原)・今までの経済性政策継承(池上)・今までのエネルギ政策継承(寺島)という点で変化をいいながら転換を嫌う伝統主義が横行している」(斉藤美奈子 『ちくま』488号)

(11月4日)
○「大震災の地殻変動で、東北・関東が地盤沈下しながら東に動き、陸地が引き延ばされて、日本列島の面積は東京ドーム20個分の1平方kmが拡大した。緯度と経度を示す三角点が20都県で東へ移動し、最大は宮城県女川町で5,85m東南東へ動いた。標高の基準となる水準点は男鹿半島が114cm低下した」(国土地理院 3日)

○「出勤しても誰も口をきいてくれない。教育業務からも外される。主任教授から研究発表も許可なしにしてはいけないと云われました。講演に行けば電力会社の安斉番が尾行に付く。内容は録音して届けられ、翌日から主任教授から、昨日こんなことを話しただろうとなじられる。東電から派遣された産業医が、辞めるとき、僕の役割は安斉さんが次になにをやろうとしているのか。偵察する係でした。東電が費用は全部保障するから、3年ばかりアメリカに留学してくれないかと懐柔された。日常的に不快な体験をさせて、改心や屈伏を迫るやり方は、自由な批判精神のうえに安全性を一歩一歩培っていく技術開発の思想とは対極のもの。自由にものを云わせないこの国の原発が安全なはずがないと肌で感じました。09年に高浜原発見学会を計画した際に、安斉さんは原発に激しく反対している方なので、見学はお断りしたいと関電がいってきました。思想で見学を判断するのは電力利用者の公平に反すると抗議すると、担当者が謝罪してきました。原子力村の体質は変わっていないと思いました。日本では多くの学者が原発推進の旗を振らされて、批判者は抑圧され、一顧だにされなかった、これがこの国の原発政策を破局に向かわせた。」(安斉育郎)

○「福島第1原発2号機の水素濃度が1%から2,7%に抑える窒素注入をおこなったが、3日午後に2,9%に上昇したため、窒素注入量をさらに増やした」(東電 3日)

○「核分裂を示すキセノン検出に対し、政府と東電に速やかな情報開示と県民絵の情報提供を求める要請をおこなった」(福島県 2日)

○「東北電力は、女川原発3号機の2015年までの実施予定のプルサーマル計画をめぐり、宮城県公募意見に締切前日に社員や住民に意見提出を呼びかける再周知の動員をおこなった」(2日)

○「原発の要らない社会の微表の最たるものは、これから生まれようと欲する者たちへの深い配慮と責任が全うされると云うことではないか。落ち着いてしずかに時代を見つめましょう。お釈迦様が悟りから発見したのは、地球上の生きとし生ける者一切が共生すると云うことです。原子力技術はいまの地球上の生命理論とは合わない」(永平寺原発シンポ 2日)

○「大震災関連の経営破綻は、10月40件で阪神・淡路の4倍に達し、4月以降6ヶ月ぶりに50件を下回ったが、累計で420件に達し、阪神淡路の8ヶ月累計105件の4倍増となった。震災で施設が被害を受けた直接型、以前からの不振が震災を契機に影響した間接型の集計で、倒産基準は負債額1000万円以上。現時点で倒産に集計されていない事業停止や弁護士一任の実質破綻は計上していないので先行きは楽観できない」(東京商工リサーチ 1日)

○「原発15基をかかえる福井県と県内立地4市町に、匿名希望の大口寄付が2010年度までに502億円寄せられ、うち3割が関西電力など電力事業者であった」(4日付け朝日新聞)

○「大震災の被災地で民主党の党員・サポーターが激減している。宮城県は5月現在で党員345人、サポーター2027人(前年は468人、サポーター4276人)、福島・岩手も同じ句激減している。自民党も昨年の7717人から減少している」(4日付け朝日新聞)

○「米国はトヨタ車のアクセルに疑惑があっても輸入しているの、BSEを理由に米国産牛肉を輸入規制する日本は不当だ」(米国肉牛生産者協会) 

○「われらは神を信じる(IN GOD WE TRUST)という1958年法定の標語を米国の公式標語として再確認すると決議する」(米下院 1日)

(11月3日)
○「福島第1原発2号機の格納容器から、キセノン133(半減期5日)とキセノン135(半減期9時間)が2日に検出され、メルトダウンした核燃料が炉内で再臨界し、核分裂反応が連続的に続いていることが明らかとなった。午前2時48分から1時間核分裂反応を抑える硼酸約480kgを注入した。1,3号機でも同じ事態が起きている可能性がある」(東電 2日 *冷温停止を年内に達成し、10年後の核燃料取り出し処理作業は極めて困難となった。3月28日に米カリフォルニア州のサンデイエゴで硫黄35を含む硫酸イオンが通常の3倍検出され、福島第1原発に注水された海水中の塩素に中性子が当たり、2週間で飛来したと考えられ、原子炉内で再臨界が起こっていることを示唆していると報告されたが、東電は否定し続けてきた。東電は、格納容器内の状況は温度計と圧力計のみで推測し、原子炉内の状況を正確に把握する能力を持っていないことが明らかとなった。保安院はこの事実を1日に把握しながら、首相官邸への報告は2日午前7時となった。格納容器の放射性物質の外部放出をふせぐ装置を設置したのは10月28日であり、1,3号機は線量が高くこの装置を設置できない状態が続いている。*追加:東電は臨界ではなく、自発核分裂と主張している 3日))

○「3月15日に採取した世田谷区駒沢のチリから放射性ストロンチウム90(半減期29年)が1立方bあたり0,01111ベクトル検出された」(東京都産業技術研究センター 2日)

○「厚労省の原発労働者被爆限度100ミリシーベルトから250ミリシーベルトへの引き上げは、国際放射線防護委員会ICRP勧告に照らして疑問であり、もとの被爆限度にもどして作業する法令改正が必要である」(関西労働者安全センター事務局長 2日)

○「一般廃棄物を原料にしてセメントを製造販売する廃棄物処理施設の排水から、1kgあたり1000ベクトルのセシウムが検出された(排水の国基準75ベクトルの15倍の濃度)。施設の排水の放流停止を要請し、市町村の清掃事業に影響が出る」(千葉県 2日)

○「現地対策本部の要員が危険を冒して、3月12日からの現地の放射線量の実測値を計測したが、通信手段が遮断されて東京に送ることができず、福井県庁に移転するときにデータ・ファイルを置き忘れ、5月になってやっと回収されたが、このデータが公表されたのは6月の文科省HPであり、インターネットが遮断している現地住民には知らされることはなかった。情報をなぜ出し渋るかのような行為がおこなわれたのか。」(3日付け朝日新聞)

○「被災3県のがれきを受けいれることを検討しているか決めた自治体は54市町村と一部維持業組合に過ぎず、愛知県はゼロとなっている。宮城県1800万d、岩手県435万d¥なぢお搬出は滞ったままで復興は遅れる。環境省安全基準と処理マニュアルが不明確で住民の不安がとけない」(3日付け朝日新聞)

○「08年リーマンショックの金融危機以前の雇用水準を回復するには、12,13年の2年間で工業先進国で2700万人、新興国と途上国で5300万人の合計8000万人の雇用を創出する必要があるが、現在は4000万人しか可能性がない。118ヵ国のうち69ヵ国で10年には06年に較べ生活水準が悪化し、とくにギリシャ、イタリア、ポルトガル、スロベニア、西班牙で70%が悪化し、途上国では06−10年の食料価格高騰が00−05年の倍になり、デイーセントワークが悪化している。現在は雇用拡大が優先で、公的債務と財政赤字削減のための労働市場と社会政策の削減は悪影響を与える。119ヵ国中45ヵ国で社会不安の危機が増大し、EU,アラブ圏でとくに悪化している」(国際労働機関ILO世界雇用状況報告 10月31日)

○「まず京セラの内部留保1兆円を超えることをめざしてほしい。ゆるがないような財務基盤を築いてから安全について語ってほしい。なにかというと、安全とか社会的使命とか云いますけど、何千億円もの人の財産を踏み倒して、人の資産を無駄にして、そんな会社が安全について語っても残念ながら社会からは受けいれられない。燃料が100ポンド節約したらそれがいくらに相当するか。この台風を迂回すれば30分は余計にかかり、燃料代が20万円かかります、今日は揺れますが台風をつっきていきます」(日航管理職対象リーダー研修会講話) 

(11月2日)
○「ベルギー脱原発法は、電力の55%を原発に依存する体制を廃止する『持続成長型経済への移行』を30日に具体化し、国内7基の原子炉を15年から25年にかけて段階的に廃止し、再生可能エネルギーへの転換計画を策定する」(10月30日 連立主要6党)

○「福島第1原発現地対策本部には3月12日に13省庁から45人が集まるはずだったが、集合したのは5省庁のわずか26人だった。なぜ集まらなかったのか? 怖くていかなかったのではないか?」(2日付け朝日新聞)

○「地元の了解はある意味必要ない。法律上の義務はない。今回は玄海町の2千戸にチラシを配布しただけ。」(玄海原発再稼働に際して 九電原子力発電本部長 1日)

○「社保庁職員を厚労省に転任させる際の面接で、担当者は『相手の本音をひきだす裏技』として、面接終了を思わせ、そこでのやりとりを通じて人間性と仕事への姿勢を判断する内容を記録し、職員525人を分限免職とし、懲戒処分歴のある職員を年金機構に採用しないとの決定で、厚労省への転任を促す」(社会保険庁解体にともなう裏マニュアル 10月31日)

(11月1日)
○「原発から2,7kmの大熊町の放射線量は、9月1日が毎時67マイクロシーベルトで、10月19日が96マイクロシーベルトで、下がるどころか上がっている」(大熊町 男性 69歳)

○「福島県内53市町村の除染計画策定状況は、計画完成6、作業中あわせて24,過半数の29団体が策定に着手せず(うち是非検討12、作成しない1)、最大の障害は仮置き場確保難」(福島県 31日)

○「震災地の地価の下落を路線価に反映させる調整率は、三陸沿岸で評価額を70−80%引き下げ、福島第1原発周辺はゼロとして申告できる。避難区域と準備区域は前例がなく示されなかったが、相続税や贈与税はゼロとみなしてよいとした。」(国税庁 1日)

○「身体が壊れそう、もんもんとしています。国はなにもしてくれない」(福島市 女性 60歳)

○「玄海原発を再開するなら、最低限の説明がほしい。われわれを無視するのではあまりに一方的で独占企業のおごりだ(松浦市市議)。相互理解の面からも事前に連絡があってしかるべきではないか(松浦市長)」(九電玄海原発再稼働発表について 31日)

○「震災で睡眠に変化があったか? あった 関東43% 東北57% 被災3県62% 変化がいまも続いているか? 続いている 東北37% 関東28% 中部32% 九州30%」(ファイザ 全国20歳以上 4千人回答 8月調査)

○「原発交付金の交付申請は、15道県29市町村44自治体のうち、南相馬市・浪江町・鹿児島県・薩摩川内氏の4自治体が従来の方針を変えて交付金申請を見送った」(31日)

○「福島原発事故によるテルル129m(半減期34日)と銀(半減期250日)の土壌蓄積汚染マップで、50年間最大3,2ミリシーベルトになる」(文科省 31日)

○「耐震・津波にたいする安全の重点課題は、泊=活断層連動地震と津波、東通=津波と活断層再調査、東海第2=活断層再評価、浜岡=大きい地震と津波評価、敦賀=活断層による原子炉建て屋直下のヅレ、大飯・美浜・高浜・敦賀・もんじゅ=天正津波堆積物堀削調査である」(安全院 31日)

(10月31日)
○「国内の測定データ、核実験探知のために設置された北米と欧州のデータから、3月11日から4月20日までのセシウムの放出量は3万5800テラベクトルで、原子力安全委の1万1千ベクトルの3倍を超え、チェルノブイリの放出量の4割に当たり、降下物は大部分が海に落ち、19%は日本列島に、2%は日本以外の土地に落ちた。キセノンの放出量は原子炉緊急停止直後に始まり、原発が地震で損傷した可能性を示し、4号機の注水開始直後から激減し、プール内の核燃料損傷で放出された可能性が高い。」(ノルウエーなど欧米研究チーム 30日)

○「福島原発事故で海洋に放出したセシウム137の量は、3月21日から7月中旬までで2,7京ベクトルであり、うち82%までは4月8日までに流出し、東電5月発表の推計値の30倍で、歴史上最大の表出量となる。」(フランス放射線防護原子力安全研究所報告 30日)

○「東電は経営に批判的な社員に対する差別と抑圧の体制を私生活にまで及ばせ、ある社員は結婚式の案内状を21人に発送したが、会社側の圧力で返事が来たのはわずか5人であり、出席の返事を書いた同僚も式前日に断りの電話を入れた。こうした会社の監視体制は警察・公安と一体化しておこなわれ、66年の9電力労務担当者会議で東電は「公安調査庁・警察関係と連絡を密にし」と報告し、治安当局の情報と日頃のスパイ活動で全社的なブラックリストを作成した。68年に群馬支店でおこなわれた管理者研修会では、群馬公安調査局長が講師となって要注意人物の割り出し方法が説明された。東電は70年代以降に、顧客相談活動と地域ボランテイアのサービス活動を推進するが、その裏で値上げ反対の住民の個人名を会議で集約し、末端営業窓口と料金係は反対者情報を本店に報告する末端機構となった。町内会や婦人会対象の原発ツアーは、反対派住民を排除するしくみで、東電と公安警察の癒着がすすみ、警察から東電への天下りは現在で31人おり、各原発に一人の警察OBが勤務している。
 組合役員の選出時期を選び、党員・民青をしりぞけ良識派の育成を計る。容共左派分子をABCランクに分け、諸対策を講じる。悪影響を及ぼすと考えられるものは配置転換をし、・・・いかに仕事に熱心でも昇級時の査定額はゼロとする(東電労務対策部内部文書)。フロア全体でおこなう飲み会には誘われず、見せしめにされた、社宅入居の申請書も受けつけず、夜食時も仲間はヅレにされた、土産物も食べてくれなかった、転向を強要された仲間もいた、女子社員で童話や随想を書いただけで自発的に会や雑誌をやることを問題にされ、あなたは共産党か、そうでなければ書面で提出せよと云われて支社に左遷された。心のなかまで会社のいいなりになると慄然として地裁に提訴した。
 60年に東電労組は、電源開発とコスト削減に協力する労使協調路線に転換し、労務部長・木川田一隆は第4代社長に就任し、運命共同体としての労使関係構築をかかげた。スリーマイル事故に際して労組は、日本の原子炉には起こりえない事故で、不幸な出来事のなかでの満足感がアルトー声明を出し、チェルノブイリ事故では自信を持って原子力/反対運動を恐れるな!と訴えた。
」(31日)

○「ビキニ事件の漁業補償を要求額の半分の200万jで妥協した日本政府は、替わりに濃縮ウランの提供を受け、第5福竜丸の犠牲者を人柱にした。米下院議員は米国のカネで広島に原子炉を建設し、キリスト教的な善意の恒久的な記念碑にしようと演説した。たとえ何万KWの原発をただでもらっても、日本人が受けた深傷は癒えない。」(31日付け朝日新聞)

○「廃炉に30年以上かかる事故原発を抱える国があれば、世界最高水準の原発輸出に励む国もある・・・あららおなじ国だった」(29日朝日新聞)

○「客席の中学生からヤジが飛んだ。ジジイが出て来た、はよ終われ! 舞台脇で朗読する妻にはアメが投げつけられた」(被爆体験ひとり芝居 渡辺さん 79歳  8月31日死去)

○「福島原発の燃料棒取り出しなどの廃炉作業は、国の直轄事業として行う特別立法を検討する」(原発相 29日)

○「一度に100ミリシーベルト以下の放射線をうけても、放射線だけを原因とする癌になるという明確な証拠はありません。」(文科省放射線副読本)

○「地元自治体に対しては、政府が前面に立って安全対策などについて丁寧に説明し、再稼働の理解を得るべく努力していく。エネルギー政策は反省し、聖域なく見直す。原発は中長期的に依存度を可能な限り引き下げていく」(2010年度エネルギー白書 28日)

○「SPEEDI予測による放射性物質の拡散範囲の想定を進める保安院とはべつに、突然政府は同心円状の批判指示を発した。保安院は騒然とし、それを追認した。20km圏外のはるかにうわまわる高濃度汚染地域はどうなるのか」(31日 朝日新聞)

○「農協がTPP反対をわめいて走っている。ちゃんとものの分かる人を何人かつかまえて応援団をつくっていくことが大事だ」(仙石由人 29日)

○「世界の15−24歳までの青年は、パートや臨時雇いの状況が深刻で、この実態に対する不満が世界中に広がっている。中東・北アフリカでは過去20年25%の青年が失業し、世界の青年の失業者数は2009年の最高時7580万から10年7510万人、11年7460万人へと減少しているが、これは青年が求職活動をしなくなったからだ。アイルランドは27,5%と失業率が高く、やむ得ない進学や自宅待機の隠れた失業青年をくわえると、失業率は19,3%異常に上昇する。低所得国ではワークングプアの悪循環で、低賃金でも働く以外に選択肢がない貧困地域となっている。先進国では高失業と不安定雇用がひろがり、全世界的に青年のストレスと社会不信が増大している」(国際労働機関ILO報告 10月19日)

○「政府がアウシュヴィッツでの犯罪捜査を1980年代に打ち切った経過を反省し、絶滅収容所で雇われていた人物を追跡し、生存している場合はポーランド国民に対する犯罪として起訴する再捜査を開始する。その他の収容所の捜査については検討する。」(ポーランド政府・国民の記憶機関(IPN) 27日)

○「一人のキリスト教徒として私は今いいたい。歴史の過程でキリスト教の信仰の名において武力が行使されたことは事実だ。私は大きな恥を持ってそれを認める。しかしそれはキリスト教の信仰の濫用であって、そのほんとうの性格とは矛盾するものであることは明白だ」(ベネデイクト16世 27日)

(10月27日)
○「核兵器が国際法違反であるように、原発も国際法違反であり、膨大な廃棄物の処理と処分を未来世代に負わせることはできない」(山根立命準教授 26日)

○「国が避難指示を出していないのにお前らが逃げるから風評被害が拡大すると非難され、地域では自主避難者と避難しなかった人の反目が生まれている。自主避難者も避難しなか
った人もすべて賠償の対象とする方向が必要だ」(損害賠償審査会での自主避難者説明 20日)

○「15日夜に浪江町の異常な線量(毎時330μシーベルト)を検出して、大勢の住民が残っているのをみて、文科省に報告したが、文科省は16日にその数値を地区名をふせて発表し、浪江町にも知らせなかった。町は危険を認識せず、住民にも伝わらなかった。官房長官は直ちに人体に影響を与えるものではないと記者会見でいった。文科省はすでに予測システムで汚染の概要をつかんでいたが、秘匿した」(27日 現地対策本部・渡辺氏 27日)

○「東海第2原発で止水用パッキンの操作ミスで、圧力容器下部から炉内への水の漏れが発生し、作業員4人が水を浴びた」(保安院 26日)

○「いわき市は妊娠中か3才未満の子供を持つ人のみに放射線線量計の貸出を制限している」(いわき市主婦 26日)

○「トヨタは2012年に福島県に水耕栽培の野菜工場と12メガワットの太陽光発電所をつくり、豊田通商は宮城県にパブリカのハウス栽培をおこなう」(26日)

○「東日本大震災の地震を見通せなかったのは地震学の敗北である。これまでの地震メカニズムと予知理論の正統性は失われ、意識の改革が必要だ。数百億円の金をかけてもなにも分からない。それがわれわれの実力だ。東海地震では静岡県など年数博億円の巨費を投じて観測網をつくってきたが、阪神も東北も何の前兆もなく理論は非現実的だ。」(日本地震学会 ロバート・ゲラー東大教授 )

○「1966年に米軍機から水素爆弾が落ちたスペイン・パロマレスは、プルトニウム239(半減期2万4千年)が500gが残留し、5万立方mの土地が汚染され、汚染地域は立ち入り禁止となった。土をふるい分けて分離し、分離しないものはあらいながし、6千立方mまで減らす。長崎原爆のプルトニウム製造施設があった米国ハンフォードは、地下タンクから放射性廃液が流出し、川沿いの汚染土は600万トンが除去されたが、地下水もくみ上げて除染し、人体に無害の薬品で土壌を荒井、セシウム137濃度は最大83%減少し、大規模な浄化施設をつくった。チェルノブイリ事故で被災したフィンランドは、87年の0,2ミリシーベルトをピークに減りつつあるが、粘土とむびついて植物が吸収する割合は減っていくが、事故後2年間は堆肥を捨てる。IAEAは除染とコストの比較考量で効率を考えるが、次世代に残すアンモラルでいいのか、除染後の土地利用計画を持って除染すべきだ。食品と水と土の調査は長期にわたって続ける
」(除染国際シンポ 6hi)

○「神戸やニューヨークにはまだ人間の体温の温もりがあった。しかし千年に一度といわれる東北大震災を象徴する陸前高田市の被災現場は熱もなければ、声もなかった。ゴーストたうんと化した大熊町は、立ち入り禁止区域だったが、逮捕を覚悟して取材したが、夢でも見ているような静寂しかなかった。原発労働からは歌も物語も生まれなかった。炭坑労働からは炭鉱節が生まれ、フラガールの物語が生まれたが、原発と聞くと寒々とした印象しか持てない。圧倒的な現実と出会うと、言葉を失い、沈黙に叩き落とされる。そこからもう一度、自分だけの詞を紡ぎ出す。紋切り型で類型的な大メデイアとの違いだ。」(佐野眞一 27日)

○「福島事故で風評被害を受けた狭山茶を扱う老舗が自己破産し、97銘柄が暫定規制値を超え、首都圏でもホットスポットが次々と見つかっているが、すべて検出は市民の通報だ。役所や東電はなにをしているのか。東電の電気料金徴収員が各戸検針しているが、線量計を持たせて検査するようにしたらどうか」(入間市 70歳男性 27日)

○「米国の所得上位1%の大富豪は過去30年で税引き後収入が3,8倍に伸び、伸び率は275%に達し(全米平均62%増)、下位20%の所得は18%象しか鳴く、米国民の所得格差は過去最大となった。格差要因は、高所得層の株式売買などのキャピタルゲインである。上位1%の富裕層が米国の富の40%を支配している。ロスアンゼルス市議会は『経済危機は市民を混乱におとしいれ、財政上の安定も生活の質も脅かしている。(*言論・集会の自由を定めた米国憲法修正第1条を平和的で力強く実践しているロスアンゼルスを占拠せよという運動を市議会は強く支持する』10月12日採択)」(米議会予算局報告 1979−2007年 インフレ調整後の実質ベース税引き後所得推移 25日)

○「2009年の犯罪者がおこなった資金洗浄資金は世界で1兆6千億j(122兆円 世界GDPの2,7%))で、25%が不法薬物による。資金洗浄取締は1%以下で、汚いカネが汚職と腐敗を助長し、テロ活動の資金となっている。脱税をのぞく犯罪所得は、2兆1000億j(世界GDPの3,6%)で、薬物、人身売買、小火器密輸の組織犯罪はGDP1,5%でその70%が資金洗浄されている」(国連薬物犯罪事務所 25日)

○「竹富町の育鵬社教科書不採択で、国の教科書無償供与対象にはならない。自治体がみずから教科書を自費で購入し自分で無償供与するjことは禁止されていない」(文科相 26日)

○「政府は沖縄の声に耳を傾けず、県民の意志とは無関係に米政府の要求の伝達をくりかえしている。県民の意志を蹂躙する政策決定は憲法95条の民主主義的地域主義の精神に反する。政府が特使を送って説得するのは沖縄県ではなく米国政府だ。辺野古移転は東北アジアの不安定性を増加させる」(世界平和7人委員会 25日)

○「米韓FTAの毒素条項は、@韓国投資家は投資の保護について米国投資家よりも実態的に有利な権利を与えられない(序文)は、米国大統領に通商交渉の権限を与える貿易促進権限法がそのまま採用され、送金の自由と米国ルールの優先が一方的に韓国の主権はない、A相手国政府による投資損失は国際仲裁期間への仲裁請求(この条項でフィリップ・モリスはタバコパッケージに厳格な規制を設けた豪州政府を損害賠償で訴えた)、B全分野適用で例外事項以外は是正するネガテイブ方式で、米国企業に内国民待遇と最恵国待遇、米国企業進出世うぃげんそちきんし、サービス事業者数制限、韓国内への米国企業事務所設置免除、C例外規定は速やかに撤廃義務、一度自由化後の新制限禁止(韓国国産映画の25%放送クオーター制制限撤廃ないし緩和25%→20%、電気・水道公営企業の外国人持株制限緩和、D協定違反ではない相手国措置で期待利益が侵害された場合は国家間紛争手続きに回送する(商品貿易を農業・サービス・政府調達に拡大し、国内企業への補助金を外国企業に適用)などほとんど米国企業優先となっている。自治体発注の工事はWTO基準で23億円以上が国際入札となっているが、TPPでは7億6500万円に引き下げられ、委託料やコンサルタント業はWTO基準2億3000万円が750万円に引き下げられる」(27日)

○「日本は牛肉、コメ、郵政、共済、医療、血液製剤など50項目の物品とサービスで過度な規制を設けて貿易障壁となっている。BSE輸入規制は重要な優先事項、米は規制が不透明、医療は外国企業を含む包括的サービスの営利病院の参入制限と混合診療導入郵政・共済は対等な競争条件、HIV米国製血液製剤の輸入規制緩和による血漿政財アクセス拡大、企業の国境を越える合併買収の障害撤廃、商法と企業統治システム改善を求める」(米国通商代表部「2011年外国貿易障壁報告書」)

○「カナダはTPP交渉参加を希望しながら、酪農の保護政策を撤廃しないということを理由に讃歌を断られた。例外なき関税撤廃が大前提の交渉で、はじめから除外品目を決めて交渉に参加することは不可能で、交渉経過も非公開で、交渉に参加して途中で抜けることは不可能だ」(27日)

○「世界100ヵ国の国内法の調査で、国家は逮捕に際し致死的な武器使用の国際基準を守るべきである。無人機使用によるテロ容疑者殺害作戦は民間人の多数の死傷者を誘発し、ある国がおこなえば他国も禁止できなく、誰もが安全でない世界戦争の危険をもたらす。超法規的な即決、恣意的な処刑は犯罪である」(国連特別報告官 20日)

○「両親が出稼ぎで農村に取り残された留守児童は5800万人。出稼ぎ先で都市戸籍を取得できない中国では、子どもを連れて行くと教育の制約を受ける。」(25日 北京青年報)

○「生まれてきてよかったね、ひとりぼっちじゃないよ、あなたの人生はあなたにしか歩けない−この3つのメッセージをおくる。心に自尊心の灯火が灯れば、ボロボロになっていのちの瀬戸際にいる子も、自分らしい人生をみつけて誇り高く生きていける」(虐待をうけて行き場のないこどもをすくう「カリヨン子どもの家」 27日)

(10月26日)
○「福島県の除染は学校などがほぼ終わり、公道や民家の面的除染の段階に入った。伊達市の除染は母屋の雨樋と母屋の周辺5mの庭で、年間5ミリシーベルト目標で、民家の表土を削り、高さ1mで毎時1,5マイクロシーベルトで次の家の除染に移るが、福島市の除染は毎時1マイクロシーベルトで高さ1cm、50cm、1mの3地点で計測する。伊達市は汚染濃度が高いので、かなりの地域が除染しないことになる。23日の防災訓練は心肺蘇生と民家除染と廃棄物遮蔽の実演がおこなわれた。国の中間貯蔵施設が不明で仮置き場のめどが立たず、先行して個人で除染した家に資金援助は出ない。ほんとうは東電と国が悩むことを住民が悩んでいる」(26日)

○「福島原発級の過酷事故が起きる確率は500年に1回(IAEA安全目標10万年に1回)、損害費用は3兆9千億円、事故に備える費用は1kwあたり0,0053円(稼働率70%)、福島のように3基同時を3回とすると、事故リスクコストは1kwたり1,1円(汚染度の低い地域の除染と自治体の損害額は含まれない)とした(原子力資料室は48兆円)。建設・保守・廃炉・安全対策費は計上していない。核燃サイクルは、運転費用金利3%の場合、すべて再処理すると1kw毎時1,98円、全量直接処分は1,00−1,02円、再処理工場で半分を再処理し残り半分を50年保管すると1,39円。再処理をやめて直接処分すると使用済み燃料は廃棄物となり、処分場受けいれ自治体はない。再処理工場の維持管理費は1年で1千億円、再処理能力は800dにしかすぎない。」(原子力安全委員会 25日 *安全委は7年前にも同じ結論を出したが、政策変更で過去の投資が無駄となり、立地自治体の関係も悪化するので原発開発を進めるとしたが、もはやそれは犯罪だ))

○「福島事故で甲状腺被曝を抑えるヨウソ剤の必要数は安全委基準で1万3千CPM以上が900人いたが(大半は20日までの検査)、安全委は事故直後に、体表面積汚染が1万CPM以上の住民は服用するという助言を政府に送ったが、政府は自治体に連絡していない」〔26日〕

○「スズキの社長は、万一の時に車が作れなくなり、半分くらいは別の場所に移し、リスク分散するーといい、他の大手社長も移転や機能分散を示唆した。福島のような事態を覚悟してまで原発を受けいれるわけにはいかない。東海地震確率30年以内87%で、それでも原発に未来を託するのか。地域の安全を基本にすえて新たな産業をつくりだすべきだ」(牧の原市長 26日)

○「東海村第2原発も外部電源すべて喪失で、非常用発電機を使ったが、あと津波が70cm高ければ福島と同じだと聞いて背筋が凍る思いをした。世界有数の地震大国に54基もの原発があるのが異常だ。原発マネーは麻薬と同じで、交付金がなくなると原発を新設するという異常な姿となる。脱原発の場合も、廃炉や廃棄物処理、環境修復の基盤研究と人材育成の構想で科学研究都市として持続的に発展する。福島のようになればすべて失う。原発の繁栄は一炊の夢であり、目を覚まして持続可能な地域経済をつくるべきだ」(東海村村長 26日)

○「脱原発をいっている人は、立地地域の事情を分かっているのか。原発は地域産業であり、原発要らないなんて声は聞いたことがない」(敦賀市長 26日)

○「幼稚園の息子に配布されている外部被曝個人積算量計〔ガラスバッジ〕で、先生に計測結果を尋ねたら、平均より異常な数値が出たときのみ知らせると聞いて唖然とした。事故直後から住民は、放射能拡散予測データ、レベル7,炉心溶融など情報を隠され、積算線量も集めるだけ集める、福島の子どもたちは被曝のモルモットなのか」(福島市 44歳男性 26日〕

○「原発増設が計画通りすすめば2035年の出力は2010年に較べて2,1倍、中国の増設がすすめば1,3倍となり、原発増設を火力で補うと炭酸ガスは7%増大する。火力の投資額も計画の3900兆円から145兆円増える。再生可能エネルギーでは投資額が230兆円増える」(日本エネルギー経済研究所 25日〕

○「  黒い水

  私は網膜ごと ごそっと減っていくのを感じた
  あったものが見えなくなり
  なかったものが見えてくるのを知った
  家の横の家屋が取り壊され
  更地となり
  いままで住んでいた人が いなくなった
  そのことが
  隣人やその家屋の記憶を横敷きにして
  ゆがんで
  虚ろなものにした
  隣人たちの会話も
  昔の子どもたちの泣き声も
  押し殺した夫婦げんかの越えも
  虚ろな空気の茂みに
  押しやられ
  消えた
  そのため
  私は激しく痩せていくのが分かった」(棹見拓史 『詩と思想』10月号

○「TPPに続いて加入する国・地域が除外規定を設けて高水準の規律を薄めることをふせぎ、いかなる分野・生産物・サービスも市場開放や貿易・投資の中核的ルールから除外してはならない。除外規定は米国の企業、労働者が得る経済的好機を減らし、米国の競争力を低下させる。米国が市場開放の例外をもうければ、他の国も同じことをし、米国自身がすべての関税を撤廃して他国に市場開放を迫るべきだ」(米商工会議所、製造業者協会、サービス産業連合、製薬工業協会、証券・金融市場協会など45団体大統領宛書簡 19日)

○「市場の崇拝と新自由主義的思考が経済問題に対し、技術的な解決策しか示していない。世界経済の改革を求める人たちに対し、新しいアイデアの提案を恐れてはならない。それがいま存在する力のバランスを不安定にするとしてもだ。人間社会と経済が力強さをまし、技術の進歩が国境を越えて広がっているこのときこそ改革が必要だ。IMFは通貨供給量を調節して世界経済を安定させる力も能力もなく、現在のシステムが引きおこした金融危機を制御することもできない。金融システムを規制する世界的な中央銀行のような役割を持った組織が必要だ。金融界の人たちはみずからがつくった世界の金融ルールが人類と公共の利益に実際に役立ってきたのか考え直す必要があ」(ローマ法王庁正義と平和評議会 24日 反格差出物世界的行動に対し))

○「在日韓国人2世である自分のようなマイノリテイがメデイアに露出するようになったのは、この20年にすぎない。マイノリテイにはみずからを表象する場は与えられなかったし、つねに判定を受ける側に立たされていた。在日の場合も文化的な居留地をあてがわれ、囲い込まれてきた。自分がメデイアで発言することで、マイノリテイとマジョリテイのの境界を越え、日本人対在日の壁を取り除いて両者の相互浸透を図りたかった」(姜尚中 26日)

(10月25日)
○「1号機の手順書では、全電源喪失時の操作は通常事故手順書で規定し、非常用バッテリーで動く炉心冷却装置の操作手順が記載されているが、事故発生で弁の開閉と制御板標示が確認できず、現場で手動で弁の操作をおこない、注水もデイーゼル駆動消化ポンプの代替注水ができず、手順書にない消防車からの注水となった。」(保安院事故時運転操作手順書 24日)

○「福島県南相馬市の9月下旬からの小中学生527人の内部被曝測定で、セシウム137(半減期30年)体重1kgあたり10ベクトル未満199人、10−2が65人、20−30が3人、30−35が1人検出された。身体から便などで排出されるのは大人で100日、小学低学年で30日で半分が体外に出る。事故時の呼吸かその後の飲食物かは今後の継続検査で分かる。チェルノブイリは子どものセシウム1kgあたり70ベクトル以上を危険レベル、20ベクトル以上を要注意レベルとして対策をとっている。」(南相馬市 24日)

○「プルトニウムをうむ核燃サイクルをNPT体制で認められているのは、安保常任理事国と日本のみであり、日米原子力協定で再処理は米国の同意が義務づけられている。日本は自動車の対米貿易摩擦交渉で大幅に譲歩し、米国は軍事転用しにくいようにプルトニウムにウランを混ぜて取りだすことに同意した。88年に2018年までの30年間は再処理の米国同意を不要とする改訂をおこなった。核燃サイクルが開始され、六ヶ所村で再処理工場が、敦賀で高速増殖炉、09年からMOX燃料を軽水炉で使うプルサーマルが始まった。日本はすべての重要な戦略的決定で米側に立つという密約をかわしてIAEA事務局長に当選した。日本は現在でも核燃サイクルがなければ原発の意味はないという立場で、潜在的な核兵器開発の抑止力を持っていたいと考えている」(25日朝日新聞))

○「ペンクラブなんて一番無責任ですよ。あの人たちが子どもたちを養ってくれるんですか。いったい子どもたちの何パーセントなんですか。作家で飯食えるなんてのは。99%は企業の採用ですよ。ベトナムやタイは日本の賃金の10分の1か15分の1で日本人の若者と同じ仕事をする。そんなところ仕事をやっていける能力を身につけさせるのがわれわれの責任だ。」(橋下大阪府知事 17日)

(10月24日)
○「漁民は海と地域社会を守ってきた。もうからなくてもやり続ける宿命なんです。そこにぽっと企業が入ってくるなんて。復興に向かって漁民も漁協も必死なのに、こんな余計な問題にひきづり込んで、なにを考えているのか?」(宮城県女川町 ヒヤ養殖業 59才)

○「福島原発20km圏内の警戒区域には、災害時の司令塔であるオフサイトセンターや被曝医療機関があるが、非難地域となって機能が麻痺し、通信機能も絶たれて大混乱に陥った。作業員11人がセンターに運び込まれ、うち7人が第2原発の診療所に自衛隊ヘリで転送し治療を受けた。圏内の医療機関の患者、介護施設の入居者、原発作業員900人がバスを連ねて25km先の相双保健所に一斉に向かい、長距離移動で寝たきり患者に大きな負担を与え、さらに転送されて12人が死亡した。」(NHKTV フェイス 10月7日)

○「外部からのデータ提供依頼は管理者・部長・所長・副理事長のOKを必要とし、自分が知った情報で例え住民にプラスになるものであっても公開してならない」(旧日本原子力研究所)

○「太平洋地域に大西洋地域と同じように丈夫で米国の利益と価値観にかなう連携や機構の網を張りめぐらせる(ことが米政権の課題であり)、米国の努力の試金石だ。アジアの経済成長はこれまでも今後も、在日・在韓米軍をはじめとする米軍事力が保障してきた安全・安定に依存している(クリントン国務長官『フォーリンポリシー』11月号)。TPP協定参加により農林水産940品目の関税が撤廃され、米の例外はない。米の国内生産コストは60kg1万6594万円で、タイと米国産米の輸入価格は60kg3000−4000円で、米の生産量は90%減少する(農林省2010年度産米調査)。政府調達は630万以上の物品調達が国際入札となり、学校給食を外資が受注し、給食は輸入冷凍食品で地産地消は協定違反となる。電気、ガス、水道、医療の民営化がはじまり、サービス市場は全面開放され、米国は最恵国待遇を受ける。米投資企業が不利益扱いを受ければ国際訴訟となり、米国の産業廃棄物を持ち込んで規制されれば損害賠償対象となる。」

○「最近、弟が変なことをいう、東京裁判って不公平だよね、日本は満州だけを確保しておけばよかった、アメリカと戦争したのが失敗だったな、まるで戦争の時代の為政者のような偉そうな発言をする、いったいどうしたんだ!」(杉並区 18才 扶桑社歴史教科書の授業がはじまって))

○「アメリカからみれば日本はなにを要求しても、すぐに受けいれてくれる国です。これほど取り放題の気前のいい国はない。日本の権力者がアメリカに媚びへつらう姿勢を、アメリカの知人は軽蔑の目で見ています」(ビル・トッテン 24日)

○「旧世代農民工は実家に仕送りして将来は農村に戻る者が多かったが、新世代農民工は出稼ぎ場所で世帯を構えて定住し、教育水準が比較的に高く、非識字者はほとんどない。教育を受けた期間の平均は9,8年で大卒は5%を越え、平均月収1660元(2万円)、週6日労働し1日10時間、都市戸籍がなく労災・医療・年金・失業保険は未加入者が52%、医療・年金保険加入者は10%。」(中国国家人口計画出産委員会「2010年版中国流動人口発展報告」)

(10月23日)
○「東北大震災は入り組んだリアス式で大規模な地形変化が起き、土地交換や区画整理の土地利用計画の基本計画策定が早急に望まれる。標高や地形の変化、塩分や油の汚染などランドサットを利用して実態を把握する。専門家を入れて計画づくりを住民合意で進める中間支援組織をつくり、市町村職員の膨大な仕事を支援する。大資本が進出する構造改革型復興ではもたない」(千賀東京農工大教授  23日)

○「玄海原発4号機の緊急停止は、あやまった手順書により作業し、復水器関連の補修作業で感電防止措置を行い、真空状態の部分に空気が流入して圧力が上昇したことによって起こった」(九電 21日)

○「千葉県柏市の私有地で毎時57μシーベルトの高放射線量が検出され、地表から30cmで採取した検体で1kg最高27万6000ベクトルのセシウムを検出、その他地表30cm掘りおこした地点で毎時57,5μシーベルトを計測し、立ち入り禁止とした」(柏市 23日)

○「福島県内の除染は点ではすすんでいるが、面にすすまないとまた放射線量が上がってしまう。面にすすまないのは、被曝線量の高低でで地域を分けて「子ども中心の対応とする政府方針が不明確性をもたらし、廃棄物の最終処理方針がないままで仮置き場の場所とその期間が決まらないからだ。福島原発事故で放出された放射性物質は広島原爆の168個分になり、除染費用の見積ができないこともある。伊達市のある地区の民家3軒分の除染実験ではで320万円かかり、35dの廃棄物にのぼり、1軒当たり100万円の膨大な予算となった。政府第3次補正予算ではわずか2459億円(来年度予算含めて1,1兆円)しかなくとても対応できない。

○「福島原発の全電源喪失をふせぐために1−6号機をケーブルで連結して電源融通をめざす改良工事が2006年に検討したが、技術的障害を理由に見送られた。1990年代以降、さまざまの電源強化案が浮上し、90年代初めには第1と2をつなぐ案も検討されたが、用地買収で断念し、しだいにコスト削減が優先して安全対策の優先順位がつくられるようになった。安全対策よりも不祥事防止や法令遵守に資源が集中し、事故が明日起きるかも知れないという危機感はほとんどなく、おごりか甘えか東電も国も思考停止していた。」(23日)

○「TPPを自由化と農業保護関連でのみとらえるのではなく、衣料・金融・公共事業の広範なアメリカナイゼーションととらえるべきだ。1990年代の日米構造協議と同じ、すべてアメリカ・スタンダードのスタンスと似ている。日本の政財界は対米従属で日本は独立国かと思う。医療は米国より日本のほうが進歩しており、安全基準も日本の方がはるかに厳しい、TPPは日本の基準を切り下げて米国商品が怒濤のように入ってくる制度だ」(榊原英資青学教授 21日) 

○「大臣は米国のご用聞きか!民主主義が泣いている!沖縄の民意を背負って米政府と交渉すべき政府が、米国の便益を優先して沖縄の頭越しに決める。こんなあべこべが通っていいのか。政府は米国だけを向いて、対中・対ロ戦略がなく思考停止状態だ。幼稚で異常な事態となっている」(琉球新報・沖縄タイムス 18日、20日付け)

○「厚労省の霊安室に直系19cm、高さ20cmの白い骨壺が1万5213体が整然と並んでいる。NPO『空援隊』(顧問議員団会長 阿部社民党衆院議員)がフィリピンで収集した遺骨だ。千鳥ヶ淵戦没者墓園に納められる予定が、フィリピン人の遺骨の混入が発覚し、焼却後のDNA鑑定ができないために行き場を失った。厚労省検証報告書(5日)ではおよそ半分がフィリピン系のDNAで、ミンドロ島では遺骨98体の盗難届が出ている。旧日本への遺骨収集は、アジアやシベリアでの戦没者240万のうち113万人以上の遺骨が未収集で、厚労省は08年から収集を民間団体に丸投げし、空援隊が全面委託を受け、現地住民に協力を呼びかけ、遺骨を持ち込む人に労賃を支払って買い上げるシステムに移行した。厚労省は収集現場への立ち会いをやめ、委託費は10年に倍額の4700万円に引き上げて民間委託を高く評価した。厚労省は委託方式を継続し、職員の立ち会いとDNA鑑定を実施する方法に改める。*フィリピン遺骨収集数は、06年45→07年161→08年1,230→09年7,740→10年6,289と急増している」(23日 *筆者注 ついに遺骨収集まで民間委託して、現地の盗掘を煽り、使者の尊厳を傷つけてはじないネオ・リベラリズムの極致!))

(10月22日)
○「敦賀原発2号機で男性作業員がコバルト60などを体内に取りこみ、内部被曝した」(日本原電 20日)

○「千葉県松戸市の144カ所・1732地点の調査で、毎時0,3マイクロシーベルト以上の地点は73,8%、0,5μシーベルト以上は25,6%、1μシーベルト以上は51地点・2,9%」(20日)

○「福島第1原発2号機の原子炉建て屋内の5階で毎時250ミリシーベルトが検出された」(東電 20日)

○「イラクでは米軍の投下した劣化ウラン弾による放射能汚染が原因とみられる小児癌患者が激増し、日本政府が支持したイラク戦争で私たちの国は破壊され、放射能で汚染された。福島にきて放射線量の高さに驚き、除染した土が道路上に点々と落ちている。子どもたちが心配だ」(イラク人・イブラヒム・ムハマド 20日)

○「九電むけ1千億円の融資は、ヤラセと経営責任が不明確で凍結する」(日本政策投資銀行 20日)

○「学者がボヤボヤしているから、札束で頭をぶん殴ってやるんだ」(中曽根康弘 1955年1月13日 日本発の原子炉製造補助予算2億6千万円可決にあたって)

○「原発事故の防災対策重点区域を従来の8−10km(EPZ44市町村205万人)から、30km(UPZ135市町村793万人)に拡大する。近接地域は従来の防災計画を根本から見直すが、飛散のパターンの想定図から30km圏外も安全ではない。半径5kmが予防的防護措置準備区域(PAZ)、半径30kmが緊急時防護措置準備区域(UPZ)、半径50km(屋内退避、要素服用対策準備区域)。この基準はIAEAが2002年に提示していた要件であり、日本政府は無視していた」(原子力安全員会作業部会 20日)

○「東電第1・第2原発10基すべての廃炉を求める請願を採択した」(福島県議会本会議 20日)

○「福島第1・第2原発周辺8町村協議会は、廃炉後も交付金の配分を受ける廃炉交付金の創設を要望する」(21日)

○「2つの原爆が戦争を終わらせるのに必要だったことを忘れてはならない。私の家族は日本軍の捕虜になって殺された。日本人は英国人捕虜を虐待した。原爆投下直後に日本の列車は動いたが、英国鉄道は止まったままだった。被爆者の山口さんは世界一運の悪い男だ(笑い)」(BBC放送 2010年12月 *BBCはこの放送をのちに抗議を受けて謝罪))

○「岩手県山田町の漁師20人が、既存の漁協とは別の第2漁協を結成する。津波で地元漁師は舟と漁具を失ったが、国の支援を受けた漁協は自分たちの秋サケ用の定置網や設備の修理を優先し、小型漁船にはお金が下りない。団結して改善を訴える。岩手県はドル箱の秋サケ漁の一般漁民の刺し網漁を禁止し、漁協に独占させている。」(22日)

○「東電福島原発1号機は米GE社とのターンキー方式(着工から運転開始までGE責任)でコスト減を実現したが、軽水炉技術は欠陥があり、非常用デーゼル発電機も地下設置で問題があり、電力会社の技術水準は最悪で外国依存となり、事故対応は役所が電力会社に電話し、電力がメーカーに電話し、メーカーはアメリカに電話して相談する。原発は自分たちが苦労して造ったシステムではないのに東電原発技術者はもう学ぶことはないと慢心した。チェルノブイリ事故もソ連共産主義の崩壊を早めたという議論だけで、原子力はどんなに嫌でもやらねばならない、軽水炉の安全研究をやればいかにも不安全とやめてくれというプレーシャがかかった。実証実験を提案してもやってくれない。もたれ合いで責任の所在が分からない。『むつ』の放射能漏れも誰も責任をとるシステムがない。草の根の原発反対があまり出てくるようになると非常に危ない。最近は女が心配で、理論的に話しても分からず、純情そのもので『子どもを守ろう』というだけで、帰って怖い。四国の伊方原発は反対するのが生きがいで、世の中を騒がす愉快犯であり、運動が鎮火したらバタバタ死ぬ。知能指数も低くない奥さんがチェルノブイリが心配で子どもが心配だと、こう云うのは困る。放射能が怖いというのは宗教みたいなものだ。ご婦人方をとりこむために、女性研究者が放射能問題を書いたり講演するのが重要だ。財閥解体で散った財閥グループが原子力を軸に再結集し、財閥復活第1号みたいなものだった。日米原子力協定改定は対米従属の強化だと」こちらの一番弱い部分をつき、米原潜とむつの事故で共産党が厳しく追及し、科学技術庁全体が意気消沈した」(1985-1994年 島村原子力政策委員会非公開議事録から)

(10月20日)
○「原子力の日本の技術に対する評価はゆらいでおらず、期待を確認できた。国内で原子力利用を続けることと、持っている技術を他国に利用していただくことは別の議論だ。」(枝野経産相 19日)

○「8月雇用は東日本で労働者数1103万人(前年同月比3,0%減)、正社員ー3,1%、パートー2,7%」(厚労省毎月勤労統計調査 従業員30人以上)

○「東萩山小学校の校舎裏の側溝から毎時2,153マイクロシーベルトの放射線が検出された」(東村山市 19日)

○「埼玉県産狭山茶の製品97銘柄(9%)から国の基準値1kgあたり500ベクトルを越える放射性セシウムが検出された」(216業者 1081銘柄調査 埼玉県 19日)

○「福島第1原発の水処理施設が本格稼働した6月下旬以降に、1−4号機の建て屋地下に1日当たり450dの水が流れ込み続き、建て屋地下の汚染水と混じって高濃度汚染水として処理される。6月下旬に12万7千dあったが、10月18日現在で17万5千dになり、5万dが流れ込んだ。塩分の濃い濃縮廃液はタンクに貯めるがタンクの設置場所がなくなってきた。水処理施設能力は1日1400dであり、このまま続けば不具合が起こる。あふれるまで1mあるが、水位が一気に上昇する恐れがある」(東電 19日)

○「3月27日に浪江町の山間部を車で走ると、まだ人がいる家があった。なんでいるのか? 町がなにも言ってこないから、ほんとにNHK? 私たちを追い出しにきたんじゃないの? これは棄民だ。」(20日朝日新聞)

○「朝鮮王朝儀軌を私は自分で持ってきた。韓国にも日本に関連する文書(対馬宗家文書)がある。それにたいするアクセスの改善を期待する」(野田首相 日韓首脳会談 19日)

○「未決拘留中の精神不安定者や未成年への長期独房監禁は拷問・非人道的待遇に等しい。独房監禁とは1日22時間、監視員をのぞくすべての人から孤立した状態にある場合を指す。米国では2万ー2万5千人がこの監禁状態にある。隔離、孤立、分離、監禁、自宅軟禁を含むあらゆる独房監禁は15日を越えてはならない」(国連特別報告官 18日人権委)

(10月19日)
○「私は高浜原発差し止め訴訟を担当し、93年に原告敗訴の判決を言い渡したが、92年の最高裁判決『国の審査基準は専門家がつくったから、司法は行政庁の判断を尊重する』とする判断基準を適用した。地震や津波は問題にされず、福島原発の全電源喪失は私の頭になく、認識が甘かった。もう少し踏み込んでいたら今回の事故は防げたかも知れない」(海保元判事 19日)
 「原発訴訟は膨大な時間と努力をかけても、やってもやっても負けるという屈辱と徒労感ばかりでした。反原発といっただけで、企業からの依頼は途絶えました。判事も最初から安全という前提でのぞみ、原発のような大きな問題は司法の仕事ではないーという消極姿勢があった。3・11で判事の姿勢も変わりつつあります」(脱原発弁護団全国連絡会議代表 19日)
 「原発訴訟は、国側の訴訟代理人に裁判所から法務省に出向している訟務検事が含まれ、原告は法廷で孤立する。判事の多くは文系人間で科学技術が弱く、裁量権を理由に判断から逃れる傾向が強い。政府の司法制度改革の熱が冷めると、判事も官僚に戻り、原発を止めるような元気な判事の出現は期待できない」(桜井学習院大教授 19日)

○「逃げて生きのびた人もいる。逆に私の高校の同級生のように逃げなかったバカなヤツもいる」(復興相 18日)

○「葛飾区内306カ所調査(7月30日ー8月20日)の地表1m空間放射線量調査で、1μシーベルト以上は65カ所(21m2%)、最大値は5,47、5,11を計測」(葛飾青空の会 18日)

○「福島第1原発タービン建て屋地下の高濃度汚染水のキュリン社製セシウム吸着装置で3トンの漏洩が発見され、セシウム134が1立方b24万ベクトル、13729万ベクトル」(東電 18日)

○「北海道電力泊原発公聴会で、会社は08年に実施にむけた応援演説で業者に動員をかけ、質問の例文を配布し、資源エネルギー庁職員は推進発現を要請し、推進派の質問者が一目で分かる座席表を要求し、北電は12人の質問予定者を座席に誘導し、うち3人が発言した。公開シンポでは社員に動員をかけ、動員という言葉は使わないように指示、意見提出では北海道庁原子力対策課から北電に推進意見の要請がおこなわれた。北海導電両社長は当時の原子力推進本部長をかねていたが関与を否定している」(第3者委員会 18日)

○「水産業復興特区創設の撤回を求める請願は、県議会本会議で不採択となった」(賛成20 反対37 無効1 自公民は賛否分裂 18日)

○「米国の締結済みFTA(自由貿易協定)では関税の即自撤廃品目79−98%、10年以内撤廃96−100%であり、日本が締結してきたEPA(経済提携協定)でつねに除外されてきた農林水産(米、小麦、砂糖、乳製品、牛肉、豚肉、水産品)を含む940品目が関税撤廃を求められる。米韓FTAで医薬品・医療機器での撤廃が、TPPに適用される可能性がある。WTO国際基準との調和条項の一般的義務化で検疫上の保護基準が緩和される可能性があり、残留農薬や添加物規制の撤廃が求められる。遺伝子組み換え標示も撤廃される」(民主党経済提携協定PT資料 17日)

○「金融界では不正の犯罪行為が蔓延し、市場の不正行為を規制する最低限の道徳的基準の欧州指令案を今週中に提案し、金融取引税と金融機関の公共の利益への正統な貢献を求める」(EU委員長 17日)

○「若い人たちの行為に大変勇気づけられた。私の母は移民女性で経済面で苦労している姿を見て育った。人生を不平等の犠牲にさせてはならない。世界には今も大きな不平等が存在し、多くの人にとってチャンスは不足している。無関心でいることも権利かも知れないが、なにもしないでいると非常に大きなツケを支払わせる。しかしどんなことをしても言い訳ではなく、抗議は平和的でなければならない」(ハリー・ベラフォンテ 17日)

(10月17日)
○「東北電力東通原発敷地内の断層が活断層の可能性があることを指摘され、掘削調査をしたところ地層がせり上がる特有の特徴が発見されたが、保安員には適切と報告し、放置されている。東京電力東通原発・大間原発も同じで、北海道電力泊・敦賀の活断層審議も常置されている。各地の原発の津波想定も原則建設時の想定で、その後は無審査」」(17日付け朝日新聞)

○「保育園近くの神社のお祭りは、長時間いるとだめなので見学をやめ、外に7ヶ月間出られなかった子どもの体力が低下し、3歳の娘は長距離を歩けなくなった。震災前は1時間も歩いて神社に行っていたのに。年齢に応じて1日最大30分外に出るようしているが、乳児は土を口に入れるのでベビーカーに乗せている。」(福島市保育園 17日)

○「福島県沖の海洋調査で、オキアミに含まれるセシウム濃度は食品規制値の1kg500ベクトルよりは低いが相当に高い値があり、食物連鎖の上位にいるスズキは10倍の70ベクトルに上る可能性がある。ゴカイは34,7ベクトル、クモヒトデは36,8ベクトルと予想以上で、カムチャッカ沖の動物性蛋白質はセイシウム1−3ベクトルで大気中の放射性物質が海に落下し、小笠原沖は汚染水が流出した影響が大きいと推定される」(東京海洋大学調査 15日)く、

○「原発からの撤退とノルマンデイ・新型原子炉EPR(欧州加圧水型)建設中止を求めるデモ行進が、レンヌ、トウールーズ、ストラースブルグ、ボルドーで2万5000人が参加しておこなわれた(フランス 15日)

○「9月19日のNHK・ニュースウオッチの報道内容は、脱原発6万人集会が1分、女子サッカー審判ドキュメント6分、被災地の移動映画館9分と、異常なバランスの欠如が目立つ。震災関連ドキュメントは無償ボランテイア活動が支配的で、市民の主権行使の姿は意識的に距離を置く姿勢がある」(戸崎元MHKデイレクター 17日)

(10月16日)
○「原発で何十年も重い十字架を背負った。30年、50年先に生きている人たちから大震災と原発事故で大変な思いを背負った人たちのおかげでよい日本になったと云われるように頑張りたい」(菅野飯舘村村長 15日)

○「福島原発から250km離れた横浜市港北区の2カ所から、ストロンチウム89(半減期50日)・90(半減期30年)を1kg当たり59−129ベクトル検出した」((横浜市 14日)

○「原子力発電は危険だという固定観念を捨てることが大切だと思います。環境によい発電が必要で、それが原発だと思います。原発は現在開発されている方法のなかで、もっともクリーンで百年後も使えるエネルギーです」(2003年原子力を考える日 福島県浪江中学・富岡第2中学・広野中学生作文)

○「福島第1原発20km圏内の警戒区域は、8町村・2万4千世帯で2011年1月ー9月末までに住宅被害届430件、昨年同期16件の27な倍に上り、9月だけでは50件、事務所を含めた総数は600件を超し、50軒に1軒が空き巣被害に遭っている。被害者は原因が原発事故にあり東電に賠償を求めているが、東電は泥棒の責任として拒否」(16日)

○「被災3県の被災書店は391店(3県総書店数の88,1%)m廃業17,再開未定26」(日本出版クラブ 15日)

○「航空自衛隊百里基地政府主催観閲式で、大型バス80台・2千万円の輸送を請け負った茨城県最王手のバス会社から、のし袋(麦酒券大瓶2本の40枚)を空自幹部が受けとった」(もと空自幹部内部告発 15日)

○「旧日本陸軍731部隊は日中戦争で細菌兵器を6つの作戦で使用し、2次感染を含めて2万5946人の感染者が出た。1940年から42年にかけ、吉林省、せっこう省、江西省などでペスト菌に感染したノミの散布した日付、ノミの量、1次感染者と2次感染者数が記載されている」(陸軍軍医学校防疫研究室軍医極秘報告書 国会図書館関西分室 15日))

(10月14日)
○「東電は2006年改定の新耐震基準による福島第1原発の重要器機600点以上の強度解析と補強工事を実施しないままであった」(保安院 13日)

○「千葉県船橋市の総合公園で毎時5,82マイクロシーベルトの放射線量が市民グループの調査で検出され、市が測定したとrこ0,11−1,55マイクロシーベルトであった」(船橋市 13日)

○「東日本大震災で別の学校に転出した児童生徒は、2万5751人(被災3県2万4092人 他の都道府県へ1万3933人 県内の別学校1万159人)。幼稚園4466人、小学校1万4071人、中学校4760人、航行2307人、特別支援学校137人)」(文科省 9月1日現在調査 13日)

○「福島第1原発1号機原子炉建て屋1階南東側の空間放射線線量は、毎時3000−4700ミリシーベルトという高い値。社員6人・関連会社作業員4人の被曝線量は0,85ミリシーベルト」(東電 13日)

○「東海・東南海・南海3連動地震では、内陸部の富士川断層帯・糸魚川ー静岡構造断層帯に連動し、震源域は東日本大震災より長い700kmとなる」(石橋神戸大名誉教授 13日)

○「原発事故の発生頻度をIAEA基準である延べ運転年数10万年に1回以下とすると、出力120万kwの大型原発で稼働率80%の場合、事故被害総額10兆円とすると、原発コスト追加分は1kwあたり0,01円となる事務局案は間違いで、国内原発の運転年数と福島事故から発生頻度1千年に1回となる」(原子力委員会 13日 *筆者コメント:こうした発生頻度による議論の底には、危機を未来世代に先送りする救いがたいニヒリズムがある)

○「連合会長の脱原発発現は方針転換ではなく、コスト・安定性の面から原発に替わるエネルギーの確保はない。会長の原発依存度の低減の前提そのものがなり立たないので、無期限の長期目標で許容範囲だ。脱原発はベースロード電源を無視した不毛な議論だ」(電力総連、基幹労連、自動車総連 12日)

○「森林内の放射性セシウムの分布は、葉38%、落ち葉33%、表層土壌17%、枝11%、樹皮1%であり、材木部分はほとんどない。森林の除染は杉林の葉は3−4年で落葉するので、継続的に落ち葉の除染をおこなうことが適切だ。ブナやくりなどの落葉広葉樹は3月にはまだ新葉がなく、1回の除染作業で効果が高い」(森林綜合研究所報告 12日)

○「原発を基幹電源として推進するという過去の路線を削除し、原発の安全性確保による再稼働を進める方針に転換し、核燃サイクルの推進と高速増殖炉実用化の意義を削除し、原発新設も白紙に戻し、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の導入を検討する」(2010年度版エネルギー白書原案 12日)

○「ほら見て下さい、(空き地で遊ぶ子どもたちを指さして)あんな小さな子どもたちが、避難生活の苦労を背負ってこれから生きていくんですよ。もし被曝していたら・・・」(浪江町津島地区 菅野みずえさん 14日))

○「敦賀市は第1子1万円、第2子3万円の育児用品が支給され、原発交付金のうち毎年500万ー600万円が育児用品の支給にあてる。短大開設、高校建設、50億円の運動公園から乳幼児医療費助成、病院人件費、消防署運営費、老人バス事業費などが充実している。一般会計歳入に占める原発関連歳入は24%。若狭湾2市4町の人口15万人、原発関連企業40社、定期検査では2千ー3500人が地元に集まる。原発はすでに40数年の地場産業であり、地域経済の核だ」(敦賀市長 12日) 

○「WTOの路線に対し、自国の食料を自国で安定的にまかなう食料主権は、国連が確認した持続可能な人類社会に不可欠の方向であり、平等・互恵・地域通貨の連携を進めるALBA中南米構想を世界にひろげる必要がある。」(FTA/TPP国際フォーラム ビア・カンペシーナ(農民の道)ユン・グンスン国際調整委員報告 15日)

○「私の連邦所得税額は690万j(5億3000万円)で、課税可能な収入3980万jの17,4%だが、私の会社の従業員の税率は30%台であり不公正だ。」(ウオーレン・バケット 12日)

○「米韓FRAにより、5年以内に工業製品・消費財の95%が無関税となり、米国製品の輸出は年間110億j(8500億円)増えて製造業だけで7万人の雇用が創出される。パナマ、コロンビアFTAを含めれば、年130億j輸出が増大し、GDPは150億j増える」(オバマ大統領 12日)
 「日本がTPPをむすばず、EU・中国とのFTAもむすばず、勧告がFTAをむすんだ場合の日本の実質GDPは10,5兆円減少し、81,2万人の雇用が失われる」(経産相試算 13日)

○「ドル、ユーロなど複数の国際準備通貨が並存する多極制は困難を解決できない。なぜなら準備通貨同士の為替変動が不安定となるからだ。真の国際準備通貨を創設するために当面は、国際通貨基金特別引き出し権(SDR)を基礎に、国際準備銀行をつくって準備通貨を発行する構想が最適だ。1944年のブレトン・ウッズ会議で英国代表ケインズは、国際純部通貨バンコールの創設を提案し、国際清算同盟による金の裏付けを持った勘定を設けて国際貿易の決済をおこなう。提案はドル基軸を主張する米国案が可決されたが、ドル基軸体制がゆらいでいる現在では再評価される。現在進行中の通貨の地域間取り決めが発展して国際準備通貨に進化する可能性もある」((国際通貨・金融制度の改革にかんする国連専門家委員会・ステイグリッツ報告 2009年)

○「このような独善的な政治家は見たことがない。記者の質問に逆質問し、もっと勉強してから質問しろ!とすごんで黙らせる。黙ってしまう記者も記者だ」(14日付け朝日新聞 声)

(10月13日)
○「東電の家庭向け規制部門の電気料金は、政府規制の電気供給約款で決まり、販売量の38%を占め、企業向け自由化部門の電気料金は企業との個別交渉で決まり62%を占めるが、営業利益は自由化部門9%、規制部門91%で企業向けを大幅に安価にしている」(東電経営財務調査委員会報告 12日)

○「世田谷区弦巻5丁目の区道で、高圧洗浄機で歩道を洗滌後に計測したところ、毎時2,707マイクロシーベルトの高い放射線量を検出した。雨水が集まって濃縮した可能性があ」(世田谷区 12日 *原発からは放出されない放射性物質で調査中との発表あり 14日)

○「仙台市の被災農家の今後の営農意向の調査では、現状維持61%、離農11%、拡大希望8%であり、集約化・大規模化・企業参入という一元的なモデルではなく、創意ある多様な取り組みと地域の農業者支援を柱とする方向が必要であり、被災からの復興が重点で新たなモデルは今後の論議だ」(農業・農協問題研究所研究会 8日)

○「福井原発は福島原発と型が違うので、全炉心融解などはほとんんどない。福井原発から30km圏内なら、琵琶湖は1%しかかからなく、1%の水割りならほとんど味がしない。放射能物質の拡散は1日家でジットしていれば空気はきれいになる」(滋賀県地域防災計画見直し検討委員会 12日)

○「全国44都道府県622沿岸市区町村対象の津波被害防災計画状況では、6割強の358団体が津波想定の防災計画を立案していなかったことが判明した」(消防庁 11日)

○「避難指示がなく4月2日に浪江町の自宅に戻ると、自衛隊員がきたので線量を聞くと大丈夫、安心してと答えた。4月17日にジャーナリストの豊田直巳に会い自宅線量を測ってもらったら、、玄関の雨樋の下で、ワッこれはたいへんだ!2時間いたら1_吸うことになる(毎時500μシーベルト)というので、慌てて避難した。数日後に猫を引き取りに戻ると、警察のパトカーがきて、ここは高いのですが、でも政府から止められていていえなかったんですー私らことはしょせん他人事なんですかね。7月に中国高速鉄道事故を非難するメデイアを見て、日本だって同じじゃないのと腹が立った」(浪江町 関場和代52歳 12日)

○「北海道知事の選挙資金管理団体会長は元北電会長で、04年からの6年間で27人の北電役員から297万円の献金を受け、除口伝の揚水式発電所総工費は1570億円で、地元の伊藤組が加わり、その会長は知事後援会会長、泊原発3号機の総工費2930億円は地元ゼネコンを潤す。知事は泊原発の再稼働を8月に認めた。」(13日付け朝日新聞)

○「福島県産の米はすべて出荷可能となったが、スーパーや百貨店の店頭販売では福島県産米は売れないだろう。多くが他の米とブレンドされておにぎりや飲食店向けの業務用に回る」(福島県米穀肥料協同組合 12日)

○「大震災を予測できなかったのは地震学の敗北であり、なぜ想定できなかったのか明らかにする。東海の宝永地震(1707年)はM9を超えていた可能性があり、100−150年の東海地震の発生間隔にも疑問がある。地震学は都市の耐震性と原発の危険性などについて政治的中立を理由に発言してこなかったのは間違いだ」(日本地震学会 12日)

○「福島原発事故を受けて、台湾に近い沿海に原発が立地する中国と、事故を相互に緊急通報する仕組みと事故の未然防止のかんする原子力安全協力協定をかわす」(中国・台湾両政府 12日)

○「2011年6月時点の生活保護受給者は204万1592人で、集計開始の1951年204万6646人と戦後最高とほぼ同水準となり、受給世帯数は147万9611世帯で過去最高(高齢者世帯62万8950世帯、その他世帯24万9017世帯)。その他世帯は世帯主が50歳以上74,1%、世帯全体が50歳以上54,9%。。生活保護世帯自殺率55,7人(平均は24,9人)」(厚労省 12日 *筆者注:不正受給や保護費のギャンブルかを理由に、期限を切った集中的就労支援で追いつめられ、今後有期制やボランテイア義務づけが導入されるとさらに自殺は増える。)

(10月12日)
○「放射能除染基本方針案は、年間被曝線量1ミリシーベルト以上の地域を指定し、20ミリシーベルト未満の地域は2013年8月末までに一般の人の被曝線量を半減、子どもは学校などの優先除染で60%減をめざし、20ミリシーベルト以上の地域の段階的縮小を目標とする。警戒区域・計画的避難区域を特別区域として14年3月末をメドに政府が直接除染、1ミリシーベルト以上の地域は政府財政支援で市町村が除染、廃棄物は発生都道府県内で処理する」(環境省 10日)
 「年1ミリシーベルト以上の地域は、8都県で1万3000平方km(日本の面積の3%)となるが、これにはホットスポットが反映されず、さらに面積は増える。郡山市の場合は住宅1軒50万円で、13万世帯で総額650億円に上り、今後の道路や山林、農地の除染は見通しが付かない」(1日付け朝日新聞)

○「放射性セシウム濃度1kgあたり8000ベクトル以上の焼却灰・汚泥は政府直轄管理とする」(環境省 10日)

○「柏崎刈羽原発7号機の運転中に制御棒2本が挿入できない可能性がある不具合が発生した」(東電 11日)

○「チェルノブリ事故は原発の欠陥と格納容器がなく、運転員の規則違反で起こったが、九電原発は5重の防御で閉じ込め、緊急安産対策で事故は起こりえない」(九電HP)

○「原発事故で従来の旧米が支援に回らず、首都圏のホームレス炊き出し米が不足している」(10日)

○「福島原発から250km離れた横浜市北区のマンション屋上の堆積物から1kgあたり195ベクトルのストロンチウム90、6万3434ベクトルのセシウムが検出された」(同位体研究所 11日)

○「緊急時対応と洪水リスクなど38分野の再点検により、英国の原発に安全上の弱点はなく、福島の教訓からさらに安全性を高めることができるので、2025年までの8基新設は容認される」(英国原子力規制機関最終報告 11日)

○「福島県大熊町・佐藤龍三さん(71)は自宅が原発から5kmで建物・家財道具が損害を受け、避難生活の精神的苦痛月35万円(交通事故入院を参照)、生活費の増加分の補償を求めたが、東電は避難生活の基準は月10万ー12万円を越える部分を拒否、生活費増加分は慰謝料に含まれており拒否、財産は除染の結果待ちで拒否した」(原子力損害賠償紛争解決センター 11日)

○「今だから言うけど、ここははじめ100μシーベルトを越えていたんだ。そのときは言えなかった。すまなかった」(浪江町 文科省と描いた作業服を着た男 6月初め 77歳女性に)

(10月10日)
○「福島県の子どもで原発事故当時18歳以下だった36万人の子ども対象の甲状腺超音波検査が9日開始され、2014年3月までに終了し、その後は2年ごと(20歳の時点で5年ごと)の再検査を実施する」(福島県 9日)

○「10月4−7日におこなった被災3県の113校調査で高校を中退した生徒は10校、11人(全日制8、定時制3)、退学理由は家計が厳しい8、転居で通学困難5」(10日)

○「被災地の瓦礫撤去は日当2万円程度で発注されているが、現場労働者の賃金は5000円程度であり、1250人の事業であっても県は大手ゼネコンに発注し、県外から労働者を集めている。建設業の下請重層構造をなくすには、現場労働者の賃金・労働条件を下支えルシステムが必要であり、公契約法と公契約条例の制定が求められ、解雇予告手当を免除する解雇予告除外の安易な認定を排除しなければならない」(復旧・復興全国交流集会 9日)

○「米国防総省は国防費を今後10年間で4500億j(34兆5000億円)削減するために、空母11隻体制を10隻に減らす。原子力空母ジョージ・ワシントンはニミッツ級で寿命50年、就役から25年で核燃料交換を行い、コストは建造費の3分の1にあたる15億j(1150億円)かかるため、2016年予定の大規模整備を行わず、核燃料切れまで運用し21年までに廃船にする。原子力宇ボノ生涯コスト(建造費、運用費、使用済み核燃料処理費)は1兆円)」(米国防長官 8日)

○「福島市除染計画:線量毎時2,5μシーベルト以上(高校生以下の子ども・妊婦がいる時は毎時2,0μシーベルト)は市が行い、それ以下の民家は住民が行い経費は東電に請求する。線量測定は玄関と庭の真ん中の2カ所とする。屋根など高所除染は年1ミリシーベルト以上の民家でおこなう。民家で除去した土は敷地内に借り置きし、農地・山林・河川は手法確立後に実施、今後2年間で空間毎時線量1μシーベルト以下目標。福島市の市街避難者3396人(うち49歳まで2970人 87%)」(福島市 10日)

○「若狭湾の原発群(15基)からq100km圏内に京都・大阪の大都市があり、30km圏内に禁忌の水瓶の琵琶湖があり、M7級の巨大地震が想定される活断層から1kmにある敦賀・美浜原発は世界でも異常な立地である。天正大地震を関電は無視した。若狭原発群は13基のうち8基が30年を超え(敦賀・美浜は40年超)、敦賀第1は福島第1と同じ沸騰水型で格納予期はマーク1型で地震に弱い設計であり、ベントの設備がない。他の12基はすべて加圧水型でスリーマイルと同じタイプで、蒸気発生器の直系2cmの細管が高温高圧の原子炉水で破損する可能性が高い(アキレス腱)。圧力容器は中性子線で照射脆弱化し、炉心隔壁損傷で圧力容器が割れる危険が高い。過去事故例は法律上の対象となったのが440件で、過酷事故は美浜2,大飯4高浜4,敦賀2回」(10日)

○「東日本大震災の被災3県の復興計画では、高台移転9市町村、高台活用19市町村、住民の希望で高台活用7市町村、津波浸水地活用26市町村で、理由は高台移転費用事業費が高い、魚市場から離れ活気が喪失、高台の土地がないなど。政府が5年目どにつくる防潮堤は数十年ー百数十年に一度の高さに後退し、今次津波20,5mから8,7mに設定され意味がないという不安がつよい」(10日付け朝日新聞)

○「重度障害者は避難所で車椅子移動が不可能で、多くは車中で過ごし、親戚の家を転々としている。避難所は障害者に全然優しくない。障害者はいつでも後回しになる」(震災障害者シンポ 8日)

○「中国や北朝鮮への対抗上、沖縄の米空軍嘉手納基地の重要性は高いが、海兵隊は即応展開能力が高く、訓練施設とインフラが適切であれば西太平洋の何処にチュ留揺するかはあまり重要ではなく、沖縄からグアムその他の地域へ移転すべきだ。アジアの島々に従来型の地上軍を維持する戦略的根拠は冷戦終結後なくなり、財政赤字削減の観点からも見直しを求める。アジア中流米軍兵力の3分の1削減と合わせ、10年間で700億ドルを削減できる。沖縄での米軍プレゼンスは持続不可能になっている」(米外交評議会『フォーリン・アフェアーズ』9・10月号)

(10月9日)
○「地下300mでは花崗岩の固い岩盤から水が湧き出しており、地下に処分した高レベル放射能廃棄物が地下水に溶けだしてくるのではないか」(瑞浪市深地層研究所 3日)

○「土壌の放射性セシウムが農産物へ移行する割合は、作物の種類や土壌の粘土質の量、生育環境によって大きく異なる。さらに放射性セシウムの農作物の取り込みは土壌が主な経路と考えられてきたがg、新茶や果樹の場合、葉や樹皮から新芽や実の部分に移行することが考えられる。放射性セシウムの大部分が地表部分にとどまっていることは除染を考える上で重要であり、生態系への影響がある。」(農業環境技術研究所 7日)

○「1974年から企業献金を自粛したため、代替策として個人献金を会社として09年頃まで行い、国民政治協会への献金は95−09年の15年間で448人、5957万円が26人から32人の役員中心におこなわれた。会長・社長30万円、副社長24万円、常務12万円など役職に応じて決め、6−7割の役員が献金した」(8日付け朝日新聞)

○「電事連主催の朝食会が、電力9社役員・経産省官僚・自民党議員など数十名が出席し、2−3ヶ月の1回の割合で開かれ、選挙時には封筒に200万ー300万円のが入った陣中見舞いが渡された。」(9日付け朝日新聞)

○「福島原発から80km圏内避難勧告を20kmに縮小する。日本政府の計画的避難区域と特定避難鑑賞地点はのぞく。20−80km圏内では短期滞在は健康被害は小さいが、1年以上の滞在は被曝対策が必要で、妊婦と子ども・高齢者は30km圏内は避けるべきだ」(米国務省 7日 *筆者注:米国基準を日本にも適用すべきではないか)

○「災害救助法では、被災地を支援した都道府県は経費を被災地の都道府県に請求できるが、今回のこの規定ではじめて22都県が44億円を請求した(東京15億円、秋田5億3600万円、埼玉4億9千万円など)。他の道府県もこれから45億円を請求する見込。東京都は都民の税金で支援したんだから被災県に請求するのは当然としている」(8日付け朝日新聞)

○「私たちも民意を反映している。条例案は新聞で知った。これが政治介入かと思わざるを得なかった。保護者の感覚と言うがそれがこの程度か(生野照子)。子どもたちに係わる重大な問題を1回や2回の選挙で決めていいのか、民間企業でうまくいっているところがあるのか、過半数のちからで一気呵成に根本を変えるのは、安定性の求められる教育を不安定にする(蔭山英男)。学力テスト結果の学校別公開や教職員の相対評価など破綻済みで、現場で一番大切なことは連携だ(小河勝)。」(大阪府教委・知事意見交換会 7日)

○「国民はルールに従っていない人がいることを知っており、ウオール街がその実例と考えている。毎日一生懸命働き、会社に忠誠を尽くすのがかってのアメリカン・ドリームの本質だった。しかし最近はただしい人が報われず、正しくない人が見返りを得ている」(オバマ大統領 6日 *筆者コメント:日本が企業の忠誠主義がアメリカン・ドリームとは驚いた!)

(10月7日)
○「原発の安全性を世界最高水準に高める(首相)ーまだそんなことをいっているのか、安全性に自信がないから大げさな言い方でごまかす。われわれは放射性物質を大気と海水に放出して国際的に恐ろしく恥ずかしいことをしてしまった。首相は誠意が泣く原発輸出は倫理的にゆるされない。犬のしつけと同じで、原発推進の責任者の首根っこをつかまえて福島につれていき、、壊れた原子炉に鼻面を押しつけて頭を叩かなければならない。環境省は汚染とがれき除去に最低1兆数千億円かかり、さらにこの先数兆円要すという。除染とは99年の東海村事故で一般化した言葉だが、ただ移動させるだけの移染にすぎない。除染コストを上乗せすると発電コストがどうなるか計算してみなさい。被爆の実態が分からず不安を抱えて生きる人のコストは計算不能だ。日本の電力業界はオープンマーケットの自動車業界と違い、とても不健全な育ち方をした。地域独占でコストを料金に転嫁する社会主義経済のような手法が通用し、利益を求める関係者が群がり、屁理屈が通った。市場の淘汰を受けずまるで造幣局のようになった。」(池澤夏樹 6日付け朝日新聞)

○「ICRP勧告は緊急時から平常時に戻る間、年1−20ミリシーベルトのできるだけ低い数値で除染し、最終的に1ミリシーベルトをめざすとしている、この方針を採用し自治体で独自に決めてほしい」(文科省・放射線審議会基本部会 6日 *筆者コメント:住民のいのちより除染コストが重要なのか!))

○「半減期30年のセシウム137が東京都葛飾区と奥多摩町では1平方キロ3万ー6万ベクトルを越えている(チェルノブイリは3万7千ベクトル以上を汚染地域とする)」(文科省首都圏汚染マップ 6日)

○「ベルギーの放射性廃棄物処理施設で放射性物質の汚染事故がIAEA査察官の査察中に発生し、直ちに避難し除染措置を受けた」(IAEA 5日)

○「福島第1原発で50代の男性が5日午前7時10分頃に体調不良をうったえ、病院で6日午前5時頃に死亡した。屋外タンクの汚染水の作業をしていた。8月4日の作業日数は46日出外部被曝線量は2,02_シーベルト。事故後の死亡は3名」(東電 6日)

○福島第1原発敷地内の3カ所で9月12日の採取された土壌から、ストロンチウム90が1kgあたり6,8−420ベクトルと2ヶ月前の10倍を記録した(半減期29年)」(東電 6日)

○「大洗研究開発センターの高速増殖炉・常陽の廃棄物処理施設で5日午後10時10分に火災が発生し、大洗消防本部が1時間後に鎮火を確認した」(日本原子力研究開発機構 5日)

○「1966年にGEが建設をはじめた福島原発1号機は、当初のGE案では海抜35mの予定地を20mまで削る計画だったが、東電は海抜10mにした。1秒間に25dの海水をくみ上げてあげて冷却する動力費を減らすためだ。GE案でいったら今回の15m津波に耐えられた。原発は建設費と稼働率がすべてだ(豊田もと副社長)。福島原発はつねに安全よりも、コストが優先された。東電が想定したM8の地震で津波は5,7m、引き波下降水位ー3mでは、引き波で水がなくなってポンプが焼けきれる恐れがあり、引き波対策の堰をつくろうとしたが、幹部に拒否された。1989年の3号機再循環ポンプ部品炉内脱落事故も、運転停止を判断した現場に、所長はノーを出した。すべて火力のコストに対抗する稼働率至上主義のためだ。原発の税法上の減価償却は16年であり、それより長いと発電単価が極端に安くなるので、福島原発はすべて30年から40年経った老朽原発で今回の事故につながった。」(豊田もと東電副社長 7日)

○「福島原発はマーク1型でアメリカでは40年前から安全性をめぐる論争となった機種で、アメリカの科学者は今回の福島事故は想定していたとおりに事故がすすんだといっている」(松金よね子 女優 7日)

○「霞ヶ関中央官庁で働く職員の平均残業時間は35,1時間(前年比2,3時間増)、2600人が過労死危険ラインを越えた。残業手当予算が34時間であり、1,14時間が不払いとなり、65,6%が受けとっいない。霞ヶ関の総職員3万4200人で不払い残業代は14,3億円。休日出勤57,2%(前年比9,4%増)。残業の原因は業務量過多59,7%、人員配置の不適切29,1%、国会対応25,0%。過労死危険ライン以上の残業は7,6%(2600人)、過労死の危険を感じている人14,7%。健康状態は不健康・通院35%、疲労・ストレス59,2%で、理由は職場の人間関係33,3%、仕事量の多さ28,3%」(霞ヶ関国交共闘調査 2502人回答 うち組合員25%、一般職員3万4200人の7,3% 2011年3月実施)

(10月6日)
○「原発事故の原因は、都合の悪いことは聞きたくない、危険なことは見たくない、できるなら楽をしたいという戦後の日本の社会的な生活感覚、怠惰な生きざまが遠因になった。」(額賀福志郎 5日衆院特別委 *筆者コメント:この人物の志向と感性の貧しさと頽廃は覆いがたい)

○「太平洋プレートの沈む込みによる日本海溝付近の地震は、三陸沖だけでなく福島・房総沖でも発生する確率が30年間で20%とする私の予測は、土木学会津波評価部会(会長以下委員の半数が電力業界出身)でこれまで発生していない海域では今後も考えなくてよいとする意見で反対され、採用されなかった」(中央防災会議第2回専門調査会04年2月 『科学』2011年10月号)

○「福島市内では時間が経ってセシウムの濃縮がすすみ、1kgあたりセシウム137と134が計30万ベクトルを越え、3ヶ月前より濃度が5倍になっているホットスポットがうまれている」(FOE JAPAN 福島市小倉寺・渡利5カ所調査 5日)

○「福島原発事故による海洋汚染は、セシウム137が1lあたり福島沖0,11ベクトルで事故前の58倍、茨城沖0,10ベクトル、宮城沖0,076ベクトル、千葉沖は変わらない。海洋の基準値は1l90ベクトルでいずれもこの値の1%以下。」(文科省 5日)

○「3月12日に文科省はSPEEDIのシュミレーションを実施、放射性物質が津島地区に向かうと予測したが、津島地区住民に伝えられたのは5月20日。町長は『これは殺人罪じゃあないか』と県に抗議した。福島県は3月12日に放射線量を計測し、浪江町酒井地区毎時15マイクロシーベルト、高瀬地区14μシーベルトと異常に高い数値を記録、この数値は6月3日に経産相HPに掲載されたが、見逃された。私たちは国から見捨てられたのでしょうか」(6日付け朝日新聞)

○「原発新規立地計画の自治体への周辺地域整備資金は、毎年100億円積み立てられ残高は1200億円となり、現在は復興に回されて731億円のこっている。この資金から年50億ー130億円が10市町村と周辺自治体へ地域対策交付金として支払われ、交付金総額は10年時点で1907億円となる。ところが新規計画のうちすでに着工したのは3原発のみで、11原発はめどが立たず、整備資金は剰余となった。731億円のうち675億円は有効活用すべきだ」(会計検査院 経産相会計勧告 5日)

○「津波で死ねばよかった、私はダメだ、お母さんを返せ、私の気持ちなんか分からない!」(大震災で母親を亡くした子ども 6日)

○「みんなどんぐりなんだ、お池にはまっている。誰でもいいから助けてあげて。福島のどんぐりたちはどじょう政権に遊んでもらった後に、お山にもどれるのかなあ
 どんぐりころころないてたら
 なかよしこりすがとんできて
 おちばにくるんでおんぶして
 いそいでおやまにつれてった」(6日付け朝日新聞)

○「福島原発事故を受けて南相馬市の特養ホーム・福寿園の74人の入所者全員が3月19日に避難し、8月末までに18人が死亡した。同施設の年間平均死亡数を4ヶ月で大幅に超えた。遠距離移動の負担、コミュニテイの喪失による心理的打撃による。飯舘村の住民は平均年齢50代後半で、震災前から40%が持病を持っていたが、その多くが悪化し、検診受診者の8,2%が抑うつ傾向を指摘された。将来への不安と身体活動の減少、持病の悪化による。災害医療は急性期対応に置かれているが、慢性疾患をもつ高齢者と個人の属性に対応した避難システムが求められる」(野村東大大学院生 6日)

(10月5日)
○「今後の地震・津波の想定は抜本的に見直し、、あらゆる可能性を考慮した最大クラスを検討すべきだ。震源域・波源域の詳細な分析で、従前の想定手法は限界があり、抜本的に見直す。地震と津波の高さを再現できない過去の地震を発生確率の低いとして想定外とした手法は間違いだ。貞観・三陸沖・房総沖を考慮の外に置いたのは十分に反省する。地震増全体が解明できなくても想定対象とする。被災地域は影響が極めて甚大で安全基準の全面的な再検討が求められる」(中央防災会議・専門調査会報告書 9月28日)

○「玄海原発4号機が4日午後1時40分に復水器トラブルで緊急停止。08年に次ぐ2回目」(九電 4日)

○「福島第1原発の事故時運転操作手順書の公開は、設備の名称・市・操作方法など破壊活動に利用される恐れのある部分と知的財産に関わるもので全体の9割を非公開とされたい」(東電の保安院に対する回答 4日)

○「長野県茅野市に避難している福島県の検査を希望した73家族の0−16歳の子ども130人の血液と尿を検査した結果、甲状腺ホルモンが基準値以下・甲状腺刺激ホルモンが基準値以上など基準値から外れた子どもが10人で経過観察が必要としいた。より深刻な機能低下症はない。3人は警戒区域、1人は緊急避難準備区域、6人はそれ以外。甲状腺ホルモン検査は通常おこなわれないため、自己の前後の比較ができないため影響の断言はできない。」(チェルノブイリ連帯基金・信州大学付属病院 4日)

○「福島事故の検証がされないなかで再稼働は議論する段階ではない。国内や近隣諸国に原発が存在する限り、新潟県が放射能の影響リスクがなくなるわけではなく、原発と決断する政治判断は県民を守る上で意味を持たない」(新潟県知事 3日)

○「今の原発政策では電気を使いまくるオール電化の家ばかりになり、そんな暮らしでは人間はダメになる。政府の原子力委員会は子どものことを考えていないので、『ぼくらの原始力委員会』をつくった」(絵本作家山福朱美 4日)

○「停止中の原発再稼働は安全性強化を前提に容認する。中長期的には最終的に原子力に依存しない社会をめざす」(連合会長 4日)

○「遺体は普通は1ヶ月ほど経って浮いたあとに沈む。半年も時間が経って見つかるのは異例だ。巻き込んだがれきや埋まっていた海底の泥が、何かの原因で動いた拍子に浮いたのかも知れない」(津波行方不明者の捜索を続ける海上保安部 4日)

○「菅前首相はいまのんびりと四国お遍路をやっている。原発事故も収束していないのに、もはや責任から解放されたというのだろうか」(4日)

○「福島原発事故の収束もできないのに、途上国に原発輸出を推進し、温暖化対策を称してクリーン開発メカニズム(CDM)への原発挿入を主張する日本政府は、倫理的に間違っているので化石賞を贈呈する」(国連気候変動枠気味条約パナマ作業部会・気候行動ネット 3日)

○「4人家族で年間所得2万2314j・171万円以下の貧困層は全米で4618万人(15,1%)で統計開始1959年以降最多となり、2011年は新たに260万人が貧困層に陥った。2010年の平均世帯収入は07年に比して6,4%落ち込んだが、世帯主が15−24歳は15,3%落ち込み、貧困は若年層に集中している。」(全米若者のデモ拡大 4日)

(10月4日)
○「3月11日第1原発には東電と関連企業6400人がおり、うち日立は1800人で4号機の定期検査で多く動員され、1300人が原子炉建て屋の現場にいた。激しい揺れに所長はすべての作業員に避難を命じ、構内は避難の車で大渋滞。夕方に東電から所長に電話があり、『重大な状況だ。協力してほしい』、残っていた作業員30人で1,2号機の電源復旧に電源車とタービン建て屋の電源盤をケーブルでむすび、12日午前中まで作業が続いたが、その時点で10人ほどが帰宅した。12日午後3時半過ぎに1号機で水素爆発が起き、つないだケーブルはボロボロになり、部下全員に意思を確認したら多くが帰宅を希望した。14日には日立の作業員はわずか4人になり、2号機の電源復旧に取り組んだ。午前11時1分に3号機の爆発で激しい爆発音とがれきの落下が起こった。つい30分前に3号機のわきの道で作業し、50m離れた2号機の建て屋にうつりケーブル敷設作業に移ったばかりだ。ケーブルを通す貫通部から爆風が吹き込み、建て屋が崩壊する音が止むのを待って外へ出ると、クルマにはがれきが積もりつぶれていた。東電の放射線管理員が風が海に向かうので山側に逃げようと叫んだ。ああ終わりだ・・・そう思いながらがれきの積もった坂道を必死に走ったが、思うように呼吸できず走れなくなった。20−30分かけて1kmほど走り、免震重要棟に飛び込んだ。14,15日の3回目の爆発のあちお、原発から作業員は一斉に退避し、東電70人のみとなった。15日に日立市の工場に引き上げtら、すぐに原発に戻るように言われた(東電本店で菅首相が撤退はあり得ないとさけんでいた頃だ)。誰を現場に出すか、日立グループ内で激論となり、労働組合の了解を得ている時間はなく、非組合員の課長級以上の30人で、不断は現場に行ったことのない技術者や下請の高齢の社長など16日にふたたび原発に向かった。もし死者が出ていたら、仕事を続けた私の判断は正しかったのか、いまもときおり考える。」(日立GE河合所長、日立プラント富岡工事長 朝日新聞取材 一部筆者による要約あり *東電は取材要請を拒否

○「福島原発の冷温停止とともに3年以内をメドに原子炉の廃炉にむけた作業を始め、その準備として、原子炉を冷やす循環注水冷却の維持、再臨界と水素爆発の防止、高濃度汚染水の処理と漏洩防止、放射性廃棄物処理とがれきの処理、使用済み燃料プール冷却と燃料取り出しなど14項目の報告を求める」(保安院「中長期的安全確保の考え方」 3日)

○「浜岡原発の永久停止と廃炉による自然エネルギーへの大転換を政府に求める」(静岡県・伊豆の国市議会意見書 9月28日)
 「核は人間がコントロールできないもので浜岡原発の永久停止を求める」(焼津市長 3日)

○「フランスには大地震や津波はないが、気候変動で河川の氾濫で原発が浸水し、ハリケーンとテロ攻撃など懸念材料となり、緑の党は脱原発で社会党に圧力をかけ、社会党は脱原発に転換しつつある」(パリ市助役 緑の党中央執行委員 4日)

○「東電の経営破綻をふせぐ前提で資産評価を行うと、金融機関への債権放棄は困難な状況で、原発早期稼働で事業計画を試算する。調達改革などコスト削減は10年間で2兆5455億円、資産売却7074億円。この10年間の料金原価実績額は届出額より5926億円低く、5505億円が修繕費で、総括原価方式が必要以上の料金値上げを生んでいる。賠償規模は初年度3庁430億円でその後年8972億円となる(自主避難は含まない)、風評被害額は2兆6184億円、廃炉費用は1兆1510億円。原発が稼働せず値上げもない場合は1兆9853億円の債務超過に陥る」(政府・東電経営・財務調査委員会報告書 3日)

○「原発コストを1kw毎時5−6円と試算し、石炭火力5−7円、石油火力14−17円、大規模水力8−13円とした総合エネルギー調査会(2004年)は、事故対応・廃炉費用をfくまず、太陽光(37−46円)、風力(11−26円)も補助金をくわえればさらに高くなる。核燃サイクルコストは、電事連試算では核燃料地中埋蔵のほうが1割コストダウンし、家庭電気料金は600−84円下がるとしたが、実際の再処理工場は建設費2兆1930億円に膨張し、もんじゅもトラブル続きで事実上挫折。子ども・両親4人家庭の2020年時点の電気料金は全原発を停止し火力で代替すると年1821円値上がりとなる(日本学術会議)」(4日)

○「選手仲間と話しあったとき、何人かは東京に行くことに消極的だったが、でも私は女子テニス協会の情報を信頼し、チェルノブウイリ原発の近くに住んでいた両親から生まれた私は、いまも健康だし」(マリア・シャラポア 東レ・パンパシフィックオープンで来日)

○「今回の金融危機と世界不況により新古典派主流経済学の評価は地に落ちたが、マルクス経済学も危機の予測、分析、政策の提示では落第し、とくに証券とデリヴァテイブの金融市場の現実を深く分析できなかった。東北大震災と原発事故は経済学に新たな課題を突きつけ、惨事にある地域経済を復興する金融制度改革、復興事業のための資金循環、毀損された公的金融の再建、証券化金融手法を含む地域経済再建の施策など地域金融機関を支える理論的貢献が求められる」(高田太久吉 4日)

○「ネグレクト、虐待、病気と貧困で家族と暮らせない3−18才未満の子どもが生活する児童養護施設は、全国575施設・3万594人。政府の児童指導員・保育士の配置基準はこども6人に1人、宿直交代勤務で実質15−16人に1人。児童相談所の虐待対応件数は過去最高の5万5152件でで、入所児童の53%が虐待、23%がADHD、83%は親がいる。『自分をたたき冷たくあたる親が憎い、親が好きだし側にいてほしい』など子どもの感情は揺れ動き、夜尿や泣きわめき、人の話を聞けない、不登校や暴力など受けた痛手で症状が違う。」(4日)

○「地球温暖化がカナダ経済に与える影響は、最も可能性の高いケースでは2050年までにGDP1%、2075年に2,5%にたっする。山火事や寄生虫による林業年20億ー170億カナダドルの被害が発生し、沿岸部洪水による年10億ー80億カナダドル、気温上昇による健康被害年30億ー110億jなど合計年430億カナダドル(GDP1%)にのぼる」(カナダ・環境と経済に関する円卓会議報告書 4日)が

(10月3日)
○「日本原電東海第2発電は3.11地震発生直後に原子炉が自動停止し、外部用電源と予備電源を喪失し、3台の非常用デイーゼルのうち1台が浸水、ポンプ発電機が水没して停止した。残る2台で原子炉の冷却がおこなわれ、注水と蒸発の圧力上昇をおさえる弁の操作をくりかえす綱渡り状態となった。100度以下の冷温停止は15日午前0時40分で通常の1−1日半の2倍となった。5月12日の新聞報道まで住民はこの事実を知らず、住民への説明は5月17日が初めてだった。震災発生時の津波は5,4mで高さ6,1mの防潮堤までわずか70cmに迫り(2010年9月に防潮堤は4,9mからかさ上げされていた)、これがなければ福島原発と同じ状態になり、30km圏内に100万人が生活し、東京まで100kmの首都圏は壊滅していた。東海第2原発は運転開始後30年を過ぎ老朽化していつ事故が起きても不思議ではなく、脱原発か共存かを選択しなければならない(東海村村長)」(3日)

○「なに? どうしたの? なんでこんなところにいるんだ! 頼む!逃げてくれ」(白い防護服を着てガスマスクを着けた2人の男性)
 「逃げろと云っても、ここは避難所ですから
 「本当に危険なら町や警察から連絡があるはずだ、様子を見よう
 「(防護服を着て交通整理にあたる警官を見て)警官はなぜあんな恰好をしているのか? 不安を与えるので防護服は着ないでほしい(メルトダウンを知らないのは住民だけだった)
(3月12日 福島第1原発から30km離れた浪江町津島地区避難所 59歳女性 *政府は当日10km圏外は安全と発表)ー3日付け朝日新聞

○「福島原発事故でセシウム137と134が1:1の割合で放出され、飯舘村、浪江町、大熊町、双葉町の表層土壌からストロンチウム90はセシウム137の4千分の1の濃度であることが分かっており、ストロンチウム90による大地の汚染はあまり問題とはならない。事故から半年以上が経過してヨウ素131が消滅した現在では、大地の放射線量はセシウム同位体に帰因し、セシウム137と134(半減期2年)に起因する放射線量の割合は27:73で、この全放射線量が毎時1μシーベルトであると、137は毎時0,27μシーベルト、134は毎時0,73μシーベルトを占める。時間経過にともない相対的に半減期の短い134は減少し、3年後に137と逆転し、その後は137が大地の放射線量の主役となる。137と134に起因する大地の全放射線量は1年後に毎時0,79→2年後に毎時0,63→3年後に毎時0,52μシーベルトほぼ半減し、4年後に毎時0,44→5年後に毎時0,38→6年後にまいじ0,33と3分の1に減り、10年後に0,24と4分人の1以下になる。この計算は物理的半減期のみにより、実際には降雨や降雪などの洗浄効果も期待されてもう少し早く減少する。
 5−7月に福島県内の学校の校庭表土を剥離して地中に埋めたが、今後は学校以外の地域全体の除染をおこない、大気中を漂うセシウムがほとんどない現状では、食物による内部被曝を減らし、これから5−6年で外部と内部の被曝を抑えていけば未来は必ず開ける。政府が被爆の実態を明らかにしたのはやっと8月だ。こだごどにまげでらんにい、がんばっぺない!
」(野口邦和 3日)

○「東電は大震災4日前の3月7日に、従来の津波想定5,7mを上まわる10mを越える試算を保安院に提示し、評価見直しを2012年10月に先送りする計画を立てていた」(3日付け朝日新聞)

○「自衛隊と米軍は2010年に航空自衛隊の空中給油機が共同訓練で米軍戦闘機に空中給油する覚書をかわした。日米は共同訓練、周辺事態、武力攻撃事態のときに相互に燃料を融通し合う物品薬務相互提供協定を結んでいるが、従来は集団的自衛権の行使の憲法問題で米軍の一方的な給油であった」(官房長官 3日)

○「イスラエルによるガザ地区封鎖によりパレスチナ経済は19億jを失い、水資源19億jが損害を被り、イスラエルの占領によってパレスチナ経済は70億j(5400億円 名目GDPの85%)にたっし、占領がなければ現在の2倍の規模のGDPになっていた」(パレスチナ自治政府国民経済省・エルサレム研究所報告書 9月29日)

(10月2日)
○「福島原発1−3号機の原子炉注水が長時間停止して冷却がストップした場合、38時間後に核燃料が再溶融するする。注水が停止すると水がなくなり、すべての燃料が露出し、燃料温度の上昇は注水停止後1時間で48−51度になるとし、停止時の初期温度は300度とすると、38時間後に2200度に到達し、圧力容器の底にある燃料の再溶融が始まり、圧力容器を貫通して格納容器に落下し、容器のコンクリートで冷やされる。注水停止から18−19時間後に水と燃料被覆管のジルコニウム合金が急激に反応する1200度に達し、放射性物質の外部への大量放出が始まる。電源喪失やポンプの故障による異常停止は30分から3時間で注水が再開できる」(東電 1日)

○「福島第1原発で事故処理にあたった作業員の8月末までの被曝線量評価は、8月に新たに従事した作業員は1142人、外部被曝最大値は18,27ミリシーベルト。8月に新たに入域したした作業員の外部と内部被曝の合計値は、東電社員131人の平均は0,24ミリシーベルト(最大1,99ミリシーベルト)、関連企業の作業員896人の平均は1,72シーベルト(最大18,27シーベルト)で格差が拡がっている」(東電 9月30日)

○「どさくさにまぎれて夜中にどこへいくのかもわからず、連れて行かれたんだ。逃げるときは夢中だったから、領収書をもらうことまで気が回らない」(南相馬市 68歳男性 東電賠償請求について)

○「原発重大事故発生時の直ちに住民に避難を求める予防的措置範囲(PAZ)を新たに指定する。範囲はIAEA指針による半径3−5km区域とする。現行の放射性物質の拡散予測による避難区域(EPZ 8−10km)設定を10数km以上に拡大する。」(原発事故担当相 10月1日)

○「東電は1974年以降公益企業として企業献金を自粛していたが、自民党中心に50人以上の国会議員に、原子力政策の重要度・東電業務への協力度を査定し、原発立地県中心にパーテイ券や勉強会費を収支報告書に記載義務がない20万円以下にして購入し、09年までの数年間に毎年5千万円以上に達した。*パーテイ券を気安く引きうけてくれるのに頼まれごとはなく、空気のような存在で有り難い(自民党秘書)」(2日付け朝日新聞)

○「福島県全域の森林400地点で、福島原発80km圏内は4km四方、80km圏外は10km四方で1カ所づつ放射能汚染の実地調査をおこなう。空間線量は地上1m、土壌濃度は地表から深さ5cm」(農水省 1日)

○「鹿児島県出石市は脱原発映画『脱原発 いのちの闘争』の市民交流センターでの上映を不許可とした。闘争というタイトルが政治的に問題で上司の判断としている」(1日)

○「CIA無人機によるアルカイダ系幹部の米国籍のイスラム教伝道師アンワル・アウラキ師(40)殺害は、米国憲法の国民の生命の補償と裁判を受ける権利を侵害し、米国民が秘密の証拠に基づいて処刑されるのは、政府による国民の暗殺に当たり、米国内法にも国際法に違反している」(米国際法学者オコンネル 10月1日 *米CIA暗殺リストの上位に記載されていた))

(10月1日)
○「説明会会場フロアの各ブロックからからまんべんなく賛成意見が出るよう配置して、東北電力の関係者もどんどん参加して意見を言いなさい(保安院課長)、北海道電力は推進の側で発言していただくことも準備をお願いしたい」(エネルギー庁室長)、佐賀県知事の要請に応えようということが賛成投稿の動機となった」(九電課長)など電力会社とエネルギー庁、保安院との間で互いにもたれ合う関係があったことが電力会社に対する不適切な行為の大きな一因」(経産省第3者委員会最終報告書 9月30日)

○「アイゼンハワー政権下ではピーク時には1日28個の核兵器が生産され、大量生産はウラン燃焼後のプルトニウムのアメリカ独占管理にあり、国家安全保障会議(NSC)戦略文書(NSC5431/1)は、『平和のための原子力政策の目的は米国の世界的な指導性の強化であり、米国が関与していない人々にソ連が忠誠を誓わせることを防止し、原子力の平和利用は米軍の海外基地の確保につながり、米国は民間企業による海外での動力炉調査の動きを高めねばならない。米国はまだ経済的に競争できる原発を生みだしていないが、小規模原発原子炉を海外に建設する能力はある。外国はこれに魅力を感じるだろう。なぜなら投資額が少なくて済むから。日本は電力が不足し、発電コストが高く、米国よりも早く動力炉を設置する経済的に魅力的な場所である』としている。1954年NSC傘下の運用調整委員会に『日本への原子炉建設を検討されたい。ロシアによるプロパガンダへの対抗措置として有効であり、ビキニ事件の損害を最小限に食いとめることができる』とするメモが国防総省次官補から提出され米政府内ではじめて日本への原発建設が議題となった。当時のダレス国務長官はビキニにより米国の核実験停止を考慮中で統合参謀本部が反対していた。米広報文化局は日本の科学者との接触と留学生受け入れを開始し、メデイアを巻き込んだ原子力博覧会を開催するに到る。1955年に日米両政府はビキニ補償の交換公文を交わし、その1週間後に原子炉建設の口上書が在日米大使館から日本政府へ提出された。
 米国政府は米・ベルギー原子力協定(1954年8月13日)をベルギー領コンゴのウランの独占的獲得のために特別に重視し、ベルギー動力炉建設を請け負った。アイゼンハワーのアトムズ・フォア・ピース政策が他国へ提供する濃縮ウラン(100kg)は大した量ではない。他国へ提供する原発技術と核物質の引き替えに膨大なプルトニウムを獲得するのが真の狙いだ。米国が想定した核燃サイクルはすべて原発と核兵器開発が一体であり、米国のプルトニウム生産コストは劇的に削減された。米国原子力法(1954年)は世界の電力会社の原発参入の条件として、米政府の核物質管理の規制を受ける義務条項がある。日米原子力協定では輸出した濃縮ウランが米国の国家安全保障の理由でいつでも米国へ引き揚げる条項が規定されている。米ソの原子力秘密主義は戦争の危険があり、日本も原子力の米国追随ではなく独自の立場で取り組むよう希望する(1955年国連事務総長特別顧問)。原子力は軍事利用が強く、軍縮とむすんで慎重に考慮すべきだ(1955年 外務省原子力平和利用第2次案)。原子炉濃縮ウランの日本提供については、一部学会の反対ないし原子力問題に関する敏感な一般世論に無用な刺激を与えることを避けるために発表は慎重を要する(米大使館)、濃縮ウラン受け入れについては何も不確定で受けいれることは将来をあやまる(朝永振一郎)の少数意見をおさえて55年6月に日米原子力研究協定調印(主導は正力松太郎)。地球環境の核態勢を強化する上で、素人にも分かる原子力の理論・兵器・平和利用の歴史的発展を普及するよう提案する、東京での展示会のあとでは米国の原子力で好意的な変化があらわれた(米国安全保障会議運用調整委員会 56年)。6kgの濃縮核燃料で石炭1万8000d分の地上最大のちからを人類は手中に収め、自らの意志で使うことができる、事故可能性を最小限にするためにあらゆる合理的な措置がとられる(米原子力委員会AEC・平和のための原子力政策広報資料 1954年)。原発事故の被害は死者(24km以内)3400人、障害者(72km以内)4万3000人、損害額70億j(AEC事故研究 1957年)。東海村原発事故被害はメルトダウンで死者720人、障害者5000人、被害額3兆7300億円(東海村原発事故推定予測 1960年 非公開)。原発の確率的安全評価は、原子炉1基あたり大規模自己はヤンキースタジアムに隕石が落ちるのと同じ確率、航空機・水力発電より1000−1万倍安全、燃料溶融確立は2万分の1、炉心溶融が起こっても多重防護で放射能漏れはない(1975年 米原子力規制委員会報告)。原子力空母のの原子炉は1億4500万海里以上の無事故航行記録で、4重防護壁で閉じ込めている(米海軍2011年日本政府宛説明)。」(10月1日)

○「福島第1原発緊急時避難準備地域指定解除は、学校の除染だけでなく、自宅や周辺の山林の除染もされなければ、子どもを連れてもどれない。生活空間の除染も終わっていないのに、解除を云うのは順番が逆ではないか。除染して安全だから解除するというのが筋ではないか」(田村市小1の娘をもつ母親 54歳)

○「敦賀の高速増殖炉・もんじゅは今年度中に予定していた出力をあげて40%出力試験運転の実施を見送る方針を決め、実用化研究開発費を3分の1に削減する」(文科省 9月30日)

○「6−7月に実施された福島第1原発80km圏内の100カ所調査から、79カ所からストロンテイウム90が検出され、うち45カ所でストロンテイウム89が同時に検出され、全国平均の6倍の濃度に達し、福島県双葉町・浪江町・飯舘村の土壌からプルトニウム238が検出され、、特に浪江町は1平方mあたり4,0ベクトルという高濃度であった」(文科省 9月30日)

○「福島第1原発事故処理をめぐる政府と東電の対応は、事故で故郷を追われた人たちが将来のあてもない状態に置かれ、行政機能も根底から壊れたまま放置され、このように人に冷たく、かつ無能な国に原発をもつべくではなく、その資格などはないと考えるに到った。原子力村と云われる政府・原子力業界の体質がJCO事故後も変わらず原発拡大路線をさらに突き進み、ついに福島事故に到った。こんどこそ政府と原子力業界にはっきり申しあげたいと思う。原発に近接して100万人もが住む当地方では避難計画の策定はできない。こういう地帯に原発があっていいのか。私たちは子々孫々に渡る安全をどう保証するのかと云うことを問いただしたい。村民と東海村の安全を思うとあいまいな妥協は許されない」(茨城県東海村村長 JCO臨界事故12周年の臨時朝礼にて 9月30日)

○「東北電力管内の3県議会で議長などを務めた有力自民党県議77人が、1950年代ー2001年にかけて東電の社外取締役に約2年ごとに交代で就任し、月20万円の報酬を得ていた。県議は同社の株を所有していない。」(東北電力有価証券報告書 9月30日)

○「被災地の女性や同性愛者などの社会的マイノリテイは、自分のことを公表せずに生きるのが普通であり、支援よりも存在を分かられてしまう危険を重く見ている。背景には地域や家族と密着した生活のなかで、家父長的な抑圧が強く、それを考えずに支援しても飢えから目線になってしまう。避難所では、リーダーや力仕事が男に割り振られて男が疲れている。平時のジェンダーへのこだわりが被災時に強化される。」(被災とジェンダーを考えるシンポ 9月24日)

○「原発の危険性はウラン採掘から運転、廃棄物処理の膨大な被曝労働でしかなり立たないことひとつとっても明らかであり、玄海原発1号機は運転開始から36年になり、加圧し型減資rの寿命は30年とされ、高経年度技術評価によっても老朽化が進み非常に危険だ。脆性遷移温度は09年検査で98度に達し、この数値はトラブルで緊急炉心冷却装置が作動し、炉内に冷却水が大量投入されると、その熱衝撃で原子炉に亀裂が入る恐れがある異常な数値だ。」(脱原発ネットワーク九州代表 10月1日)

○「車検が通った車に乗るなと云うことか。玄海原発2,3号機の運転再開がすすまないのは一種の風評被害だ」(九電会長 10月1日)

○「教職員評価で最低評価を受けた教員を処分するなどしたら教育がうまくいくはずがない、これまでの我れわれの努力を台無しにする(蔭山英男)、企業だってしんどい社員を切り捨てたらもたない(松下電器産業支店長)など大阪府教育基本条例に反対する5人の教育委員が総辞職を発表した」(10月1日)

○「2010年度世界外国為替取引額は、3年前より20%増加し、1日平均4兆ドルになり(1位英国1兆8536億j 2位米国 3位日本)。世界貿易額(商品輸出)は年14兆9753億jであり、3−4日間の為替取引額が世界貿易額の1年分に相当する。実体経済の実需をはるかに超えた外国為替取引がおこなわれ、投機マネーが世界金融を支配している」(10月1日)

○「オバマ氏は201年9月の国連総会演説で1年後のパレスチナ国連加盟を歓迎し、11年5月の演説でイスラエルが拒否する1967年国境線画定を避難する演説をおこない、民主化を求めるアラブ諸国の運動を支持し、アラブの春は中東の尊厳のための革命としたが、他のアラブ諸国の民主化を支持しながらなぜパレスチナの国連加盟を拒否する変節をおこなったのか。今次国連総会でパレスチナ加盟を批判するオバマ氏の姿勢はほとんど哀れに見える」(カーネギー平和財団 10月1日)

(9月30日)
○「スイス上院は原発の新規建設禁止と国内原子炉5基を2034年までに全廃するとの政府方針を下院に次いで承認した。原子力研究の全面禁止は意見が分かれ再度下院審議となる」(28日)

○「訓練されたテロリストが2人いれば、10分で原発を占拠できる」(陸上自衛官)

○「東電第1原発は重要機能は地震の揺れで損傷は起きなかった。現在は仮設の設備が多く、地震で壊れる恐れがある。仮に壊れたらどうバックアップするか評価しないといけない。原子炉冷却装置は応急的に作られた設備が多く、ふたたび大量の放射性物質が漏れないような監視が必要。ストレステストは基準自身が正しいかどうか議論がある」(保安院院長 29日)

○「東電は福島原発事故直後の画像をパスワード入力のシステムに変更して事故当時閲覧不可能にし、1時間に1回静止画像を更新しただけだった。」(風間衆院議員 29日予算委)

○「放射性物質の除染の政府基準が年5ミリシーベルト(毎時0,99マイクロシーベルト)未満を財政支援の対象としない方針に抗議する」(福島県13市長会 29日)る

○「川崎市長が市職員対象に行った政党機関誌購読アンケートは、当不当の観点から問題がないわけではない。個人の特定について不安を抱かせ、思考や行動に萎縮効果を与えた。回収方法が危険であり不充分であった。個人の政治的傾向を推量することが可能な調査で、思想・良心の自由の保障の限界に近い領域にあった。調査理由・目的・成果などを精査し、市職員を巻き込むことなく、市議会における論争などを通じて解決する方が適切であった」(東京高裁判決 29日)

○「ギリシャ債務危機 07年までGDP成長率4%以上 財政赤字GDP日5−6% 08年世界金融危機で急速に悪化 09年財政赤字13,6%を11年7,6%、14年に3%以下にす
 る目標→公務員3万人削減、年金減額、付加価値税23%→失業率15%(11年1−3月)とくに青年失業率38,5%
 ギリシャ経済 観光業の割合が高く、輸出構成比は20%(EU平均は40%) 01年EU加盟 04年五輪で独・仏銀行が巨額投資
 GDP:EU内割合3% GDP成長率予測ー5%(当初予測ー3,5%) ギリシャ向け与信残高:仏569億j 独238億j 英147億jで4割以上など7割が海外機関投資家
 ギリシャ国際国別保有主体:自国29% 英国23% 仏11% 独9% 伊6% ベネルクス5% 北欧4% 米国3% アジア3%
 EU第1次金融支援:3年間で1100億jの一部第6次融資80億ユーロを10月に決定予定

(9月29日)
○「省エネ、、新エネで原子力の代替ができるという意見、これは勉強不足、組織的なラウドネスマイノリテイ(わめき立てる少数派)の動きに惑うことなく、自信を持って泊3号機増設の選択をおこなってほしい(宮本三菱重工副支社長)。素人と自称される方々の一方的な話を聞かされて衆愚政治の危険性を感じました、このような会で賛成意見を出される方に尊敬の念を感じました、今後は反対意見を聴く会に名称運変更された方が適当(白田大成建設札幌支店建設部長)」(北海道電力泊原発2000年道主宰公聴会)

○「休み時間ともなれば、声を出して思う存分に遊び、汗だくになってそれでいて疲れない。子どもってそんなもんですよね。それがいまはない。子どもたちは何かを抑えている。はじけるような明るい表情はない。抑えている。自然にそうなってしまう」(南相馬市原町小学校教師 29日)

○「東電の電気料金算定見積が、過去10年で6186億円分見積が実績を上まわっていた。修繕費が1割過大で、オール電化などの広告費が原価に含まれ、人件費と関係会社取引が高コスト構造にあり、料金原価はさらに引き下げ可能。燃料費と他者からの電力購入費は実績が見積より4080億円多い。福島第1原発1−4号機の廃炉費用は1兆1500億円で、東電見積より4700億円多い」(政府・東電経営財務調査委員会 29日)

○「東海地震で発生から5分で最大10mの津波が来ると想定される静岡県では、9月の防災訓練で高齢者や乳幼児を連れた母親らの歩行時間を測定し、5分で進めた距離は平均218mであり、中央防災会議が低減した5分で避難は非常に困難とし、200m以内に防災ビルを確保することを考慮中」(29日付け朝日新聞)

○「エルミタージュ美術館は群馬県立近代美術館へのガラス工芸の貸出を、原発が近く展示物が汚染される危険があり中止するとした」(29日付け朝日新聞)

○「被曝線量が100ミリシーベルトを越えると明らかに健康被害があるが、国際放射線防護委員会(ICRPP)はこれ以下でもガンリスクはゼロにはならず、線量に比例して直線的にふえるという仮説を採用している。米国立ガン研究所は1980年代後半から90年代に胸部X線検査を受けた女性6千人の30年間追跡調査をし、1回の被爆量が10ミリシーベルト以下でも乳ガンのリスクは被爆量に応じて上昇した。英国では小児癌3万人とガンでない子どもの自然環境からの被曝線量を比較し、自然平均被曝年2,2ミリシーベルトの超低線量でもガンの子どもの15%が居住地の濃度を反映しているとする。ロシアはチェルノブイリの小児甲状腺癌の被曝線量は平均225ミリシーベルトで、44%発ガンリスクが高まるとし、ICRPモデルの36%を上まわった。ICRPモデルを福島第1原発に適用すると、5−10:0,1%、10−16:0,3%、16−50:0,7%、50−100:1,5%、100−500:5,6%となる」(放射線と健康リスク国際専門家会議 29日付け朝日新聞)

○「9.11−3.11=犯人」(地球防衛家のヒトビト 12日)

○「日本原子力発電はベトナム原発導入推進の調査契約をベトナム電力公社と締結し、ビンハイで21年に1基目の稼働をめざす。ベトナムは2030年までに14基新設し、ロシアと日本が4基を受注している」(28日)

○「東電原発事故の放射能廃棄物を福島、東京、千葉、茨城、栃木、群馬、宮城、岩手に中間貯蔵場をつくり、放射性セイシウム1kgあたり10万ベクトル以下はセメントで固めて既設処分場へ、10万ベクトル超(推定2900万立方m)は幅3km、奥行き3km、深さ10mの9千立方mの中間処分場をつくる。福島第1原発への廃棄は廃炉作業があり見通しがつかない。」(環境省事務次官 28日)

○「サウジアラビアのジッダ裁判所は、7月に車を運転中に捕まった女性に対し、鞭打ち10回の刑をを宣告した」(26日)「サウジ国王は判決取り消しを命令」(28日)

(9月28日)
○「東電原発事故賠償費用3−4兆円(その他除染と廃炉費用は計算不能)を捻出するために、人員削減は7400人(新採用抑制、早期退職、子会社売却)、企業年金は利回りを現役社員2.0%→1,5%引き下げ、役員報酬引き下げなどが必要であり、電気料金10%引き上げでも資金不足となる。総括原価方式の検討を要す」(政府・東電に関する経営と財務調査委員会報告原案 28日)

○「福島県の山林は原発事故で立ち入り禁止(民有林3万5千haは、国有林4万8千ha)となり、再開の見通しが立たず、避難で職員が離散し、間伐作業がストップし、除染は政府の実証実験段階で具体的に見通しがない。福島県の山林はこのままでは壊滅する」(28日朝日新聞)

○「原子力政策に関する国民の意見(政府公募 1万189件のうち3060件抽出 3月11日ー8月31日)
 直ちに廃止し再生可能エネルギーに転換すべきだ 67%
 段階的に廃止し再生可能エネルギーに転換すべきだ 31%

 推進または現状維持すべきだ 1,5%
 国有化すべきだ 0,5%

○「雇用情勢の厳しい被災3県の沿岸地域や原発事故の影響が大きい45市町村に住む求職者4万2000人の失業手当給付の90日間延長する。10月中旬には対象地域4000人が給付終了となり、現在の就業が困難なことを受けて」(厚労省 27日)

○「やらせメールで辞任表明していた九電社長は辞任を撤回して続投することが明らかとなった」(27日)

○「原発不安を煽る過激な報道が蔓延して、国民の不安が広がるという悪循環にあり、比較考量して確たることを言う良識派の研究者が沈黙を強いられている。現在のメデイアは民主的な方向よりも、むしろファッシズム的な方向に向かう危険を秘め、みんなが同じ方向を向くという状況を作りあげている。九電やらせメールも賛成派が賛成派を募る株主総会と同じであり、責められるものではない」(経団連21世紀政策研究主幹 『中央公論』10月号 *筆者コメント:かっての経団連はまだしも社会的公共性の理念を持ち合わせていたが、いまや金権亡者の頽廃の極にある)

○「原発はもう人間が制御できない技術という原発危険神話が、安全神話の裏返しとして同じ過ちを繰り返している。安全神話で事故が起こったことは否定はできず、自民党政権に大きな問題があったが、原発にどう向きあうか原発ゼロの危険神話ではなく考えなくてはならない」(斉藤衆院議員 27日予算委)

○「高速増殖炉実用化にむけた技術開発を凍結し、維持管理費予算のみとして従来の100億円を7−8割削減する」(文科省2012年度予算概算要求)

○「航空機による放射性セシウム蓄積量調査で、原発北西60kmまでのび、南西に方向を変えて栃木県をこえ、250km離れた群馬県まで産地沿いの風に乗って運ばれた。半減期30年のセシウム137は県北部で高く、100km離れたみどり市と桐生市は1平方mあたり10万ー30万ベクトル、259km離れた長野県境は3万ベクトルを越え、山間地域は毎時0,5−1,0マイクロシーベルト」(文科省調査 27日 *チェルノブイリ事故は3万7千ベクトル以上を汚染地域に指定)

○「フランスの原発依存率を2050年までに50%にへらす(オランド前社会党第1書記)、40年以内に原発から撤退する(ロワイヤル元家庭児童相)、より早期の原発撤退を実現する(オブリ第1書記)、50年以内に原発割合を半減するシナリオを検討する(ベッソン産業エネルギー相)」(大統領候補予備選TV討論 9月15日)

○「自然環境に大きく影響される太陽光や風力発電は、そのコストも含めすぐにベースロード電源とはなり得ない。原子力は現時点で電力の安定供給のために必要な電源である。安全確認と地元住民の理解を前提に、定期点検中の原発を再稼働するように組織をあげて取り組む。損害芭蕉の保障に万全を期し、原子力事業の健全な発達に資する原子力損害賠償法の趣旨に則って対応する。」(電力総連会長定期大会挨拶 9月6日 *「災害の原因を一民間企業に押しつけて何千年に一度といわれる地震と津波が今次災害の最大の原因であることを忘れてはいけない。原発災害は無過失責任による損害賠償であることをまず認識することが重要」ー藤原参院議員ホームページ)

○「政府の責任で実施する放射性物質の除染は、年間追加被曝線量が5ミリシーベルト以上の地域(福島県内面積の13%にあたる1778平方km)とし、土壌の除去はセシウムが集まる地表から深さ5cmとし、森林は除去せず落ち葉の回収と枝打ちで対応する。都市部のホットスポットは640平方kmあり、高圧水で洗滌し、除去土壌は40万立法mとなり、仮置き場と中間貯蔵施設にあまり影響はない。」(環境省  28日 *筆者コメント:政府の8月緊急実施基準平常時年間許容量1ミリシーベルトの5倍までを公認する大幅な後退であり、福島を死の町とすることを政府が認めることとなる。東電が倒産しないレベルのコスト比較考量と捨て場が確保できないことの責任回避策といえよう)

○「市内全域を対象に、11万戸の住宅、学校、公演、道路、公共施設などに重点を置いて除染をおこなう。日常生活が全域で空間放射線量毎時1マイクロシーベルトいかにする。現在1μシーベルト以下の地域は60%低減をめざす。行政のみでは難しく、市民やボランテイアに協力を求める。汚染土壌は敷地内に借り置き保管し、道路と側溝は数カ所の仮置き場に処理する」(福島市除染計画 27日)

○「09年8月のオバマ大統領の初来日を前に、当時の藪中外務次官は、大統領の広島訪問を時期尚早として消極的な見解を米政府に伝えた」(ウキリークス米外交文書)

○「世界の失業者数は1929年から32年の世界大恐慌時の2億人に迫り、G20で08年の金融危機発生後に2000万人が失業し、現在の雇用危機が続けばさらに2000万人が失業する。年間雇用増加率を現在の0,8%から1,3%にすれば金融危機で失われた雇用を15年までに回復できる」(ILO・OECD世界労働市場報告 26日)

○「育鵬社公民教科書はほとんど目を通していないので、判断できない」(9月8日八重山地区教育委員会協会採決で、育鵬社に賛成した石垣市女性教育委員)

(9月27日)
○「福島事故で安全神話は根底から崩れ去り、われわれに大きな衝撃を与えた。多くの住民が避難を余儀なくされ、食や財産を失い、家族とも離散し、文化や歴史、住民コミュニテイは崩壊した。近い将来に間違いなく起こるされる東海地震の震源域真上に位置している浜岡原発は、確実な安全・安心が将来にわたって担保されない限り、永久停止すべきだ」(静岡県牧の原市議会決議 賛成11 反対4 26日)

○「福島第1原発2号機の放射線量は、毎時9−25ミリシーベルト、3号機は毎時37−190ミリシーベルト、その近くで370ミリシーベルトと3号機の線量が異常に高く、遮蔽対策が必要であり、水素濃度は正確さ測定装置の調達のめどが立たず測定できない。370ミリシーベルトはその場所に40分いると線量限度250ミリシーベルトを越える。」((東電 26日)

○「教え子をふたたび戦場に送らないという決意をして戦後教育を出発させたのに、放射能汚染という戦場に子どもを送ってしまった。可能な限り子どもたちを被害から守る責任が教師にある。子どものたちの生存そのものが脅かされるなかで、未来に不安を持ち、絶望する声が子どもたちから聞こえてくるようになってきた。大事なのは頑張っている大人の姿勢を見せることであり、希望は観念的にどこかにあるのではない」(会津民主教育研究所長 27日)

○「4月1日から1ヶ月間のNHKと民放4局の10番組、のべ180時間の原発関連ニュース番組のモニター調査では、基準値を超える放射性物質検出に、「安全」「直ちに影響はない」という政府と専門家の説明が繰り返され、事故評価尺度が最悪の7にひき上がられた段階での報道内容と姿勢は、チェルノブイリに較べて格段に規模が小さいという専門家の解説がつき、放射能汚染の状況も健康に影響はないという見解がストレートに伝えられた。NHKですら100ミリシーベルトなら問題はなく、洗えば落ちるという、放射能汚染だけでなくいろいろな危険のなかで生きているというコメントが流され、原子力行政に批判的な学者は4月は1人も登場せず、原発そのものを問い直す立場の意見は明確に排除された。フジTvとニッポン放送の監査役は元東電社長であり、原発依存の放送が繰り返された。」(放送を語る会報告 8月31日)

○「競争がゼロで利益がほぼ確実に確保される現在の電力会社の構造であれば、公務員や独立行政法人と横並びの役員給与が決まって当たり前だ。役員報酬が民間企業に準じて決まられるのは論理矛盾だ」(枝野経産相 26日)

○「自分が若くて30年後に復興する姿を見られると思えば、被災地を訪れると思うが、でもいまの年齢では、がれきを見たままで復興後の姿はおそらくみられない。それなら子どもの頃の風景を記憶にとどめておきたいと云う宮城県出身の作家の言葉を重く受けとめた。被災した人たちが本当に何を考え、何を感じているのか、彼らの思いと私たちの思いの距離を、出来合いの言葉で埋めてしまうと、何かの瞬間に溝が現れる」(平野啓一郎 26日)

○「政府の安全基準を満たしている福島産の作物を、万が一を考えて買わないでおこうという忌避行為は、原発被災者をもう一度間接的に殴りつけるに等しい暴力の構造で、福島応援ショップの閉鎖や花火拒否は、かってのハンセン病隔離の構造に等しく、感染リスクを薄く社会全体がひきうけておれば、共生ができたはずだ。」(武田徹 2日付け朝日新聞)

○「定型に気持ゆだねて書く、書く、余震ある地に言葉を立てる(ー被災者・斉藤梢)
  おはやうとわれらめざめてもう二度と目を開くなき君を囲めり(ー永田和宏)
 作歌とは現実を客観的に認識し、混乱や危機を鎮める、定型との格闘が混沌の整序やカタルシスにつながる(桑原正紀 19日付け朝日新聞)

○「父と母は戦争にならないように平和を守るという考え方の持ち主で、そうした両親を持ったこどもは、決まってアカの子というレッテルを貼られました。学校へ行くと、”一昨日1等・昨日2等・今日3等・共産党!”と囃されました。子どもながらもなかなかうまい囃子詞と感心してはいましたが、しかし貧しさとアカの子で虐められるのは苦痛でした。そこから救い出してくれたのは、毎晩夕食後の家族会議とロシア民謡の大合唱で、私は父母から感じるこころをいっぱいもらって育ちました」(布絵作家・梅原麦子 27日)

○「日航財務の悪化はドル先物買いの2200億円損失、ホテル・リゾート事業1300億円損失、09年燃油取引1900億円損失の経営失敗であり、空港着陸料などの公租公課1700億円支払も大きな負担となっている。165人解雇の人件費削減は14,7億円で効果はない、更生計画の純資産1807億円増はすでにこの3月で2180億円を超えて達成しており、現金預金3500億円は、全日空の370億円に比して健全であり、解雇の必要性はない。リスク対応解雇という会社の主張は、どんな健全な企業の解雇もあるという論理だ。基調削減目標130人はすでに140人が希望退職に応じたのに、年末に18人を解雇する必要はない。解雇機長の多くが労組役員であり差別的解雇だ」(醍醐聡東大名誉教授 日航裁判証言 26日)

(9月26日)
○「福島第1原発タービン建て屋地下の高濃度放射能汚染水処理システムのうち、第2セシウム吸着装置(トウシバ・ショー社製)のコンプレッサーが故障し、21時間停止した」(東電 25日)

○「放射性廃棄物の海洋投棄を禁じるロンドン条約(1972年)の策定にあたって、米国政府は廃炉後の原子炉を海洋投棄する例外規定を盛りこむ極秘の要請を日本政府に行い、地上処理が危険な場合の例外的な海洋投棄の緊急条項設置を提案し、実現した。93年の条約改正で全面禁止されたが、関係国やIAEAとの合意で海洋投棄する緊急事項は継承された。当時の米国は初期の原子炉が廃炉となり、処分に苦慮し、地上処分は住民が反対し、危険を皆無にする科学的処理は経済的に困難として、海への投棄を要請し、その狙いは各国に秘密にした。日本政府は明確な対応をとらず米国に委ねた。」(26日付け朝日新聞 *米国は60年代後半まで、英仏は80年代前半まで低レベル放射性物質の海洋投棄をし、旧ソ連は原潜の原子炉を秘密裡に78年と89年に日本近海に投棄したことが発覚し、93年全面禁止改正に発展した。日本でも70年代に房総沖900kmに投棄する計画が南太平諸国の反対で85年に断念した。IAEA報告では46−93年までの欧米14ヵ国の海洋投棄した放射能は判明分だけで8,5京ベクトルで、福島第1原発の5,6倍に上る)

○「山口県上関町長選は、原発の財源に変わる財源はなく、この30年の苦しみを国は受けとめてほしいとする推進派町長が3選した」(25日)

○「福島県大熊町(20億円)と双葉町(13億円)は、住民と事業者の固定資産税を免除するが、福島第1原発は復旧作業を使用状態として免除対象から外す」(21日、26日定例議会)

○「放射能はどうしようもない。原発は家族も地域も学校も役場もすべてをバラバラにした。町はゼロから立ち上げないといけない。子どもが放射能に汚染されるかもと考えると簡単にもどれない人も多い。本当にももとどおりになるなら誰だってもどりたいが、でも何年かあとにーあの時にこうしていればとは思いたくない」(放射のへの不安から県外移住を希望する人34% 中学生以下の家庭は51%にふえる 26日付け朝日新聞)

○「 ひくく さらにひくく 北村真
 さらにです/ひくく もっと  ひくく/高度をさげてくださいフェンス越しに/6号機の建屋が見える森のなかを/さらに ゆっくり/ゆっくりと 降下してください/ひんやりした/風がながれていおる岸辺の草花を/幼い手がさしのべている場所まで/日々くりかえし/わずかな被曝をうけ変色する/おしべの毛がみえる/位置まで」(『詩人会議』10月号)

○「原発にさよならをしたこの秋の ドイツの空の風みどり色 −西田リーバウ望東子」(26日付け朝日歌壇)

○「避難所で大人たちが、あの世やこの世と話しあっているのを聞いた小学生の子どもが、ここはあの世?この世?それともあいだのその世?とあどけない口調でたずねた」(佐伯一麦 26日)

○「政府統計で貧困線(可処分所得の中央値の半分 09年は112万円)以下の世帯員割合は16%で6人に1人、年収200万円以下の給与所得者が1000万人を超え、非正規労働者割合が38,7%(企業理由の賃金節約が43,8%)で、分厚い中間層はいまや見る影もなく、貧困と格差が世界でも例を見ない急速な拡大を示している日本」(*あきらめはやがて失望に、そして怒りに変わり、日本社会の安定が根底から崩れかねないー野田首相所信表明の統計的根拠))

○「相変わらず日米同盟基軸を云う野田政権に国民の不満がたまり、非常にやばい状況だ。米国と一緒になってグローバルに軍事貢献する路線は破綻した。米国が仕切れる世界ではなくなり、日本の外交戦略も変わらねばならない。毎年首相が代わり、米国が大事という政府に何処の国が外交するか。3,11を契機に普天間と震災が連携していける運動にしていけばいいのではないか」(柳沢元内閣官房副長官補 24日)

○「1990年に年1200万人だった5才未満児死亡数は、2010年に760万人に減少し,1日死亡乳幼児が1万2000人減少、死亡率も88人から57人へと35%減少たが、15年までに90年水準3分の1にするミレニアム開発目標は遅れる。サハラ以南アフリカのこどもの8人に1人が5歳前に死亡(死亡率は先進国の17倍)、南アジア15人に1人で、この2つの地域で世界全体に占める割合は90年69%→10年82%に拡大し、生後1ヶ月未満の新生児死亡割合が90年10%→40%へ増大している。死亡数の半数はインド、ナイジェリア、コンゴ、パキスタン、中国の5ヵ国に集中。鍵は新生児死亡の防止にある」(国連報告 25日)

○「世界経済は危険な段階に入っており、例外的な警戒と大胆な行動を協調して行う準備をすべきだ。債務危機の欧州は金融安定に向けたあらゆることを行う。政府債務不履行の波及、銀行の取りつけ騒ぎ、破局的な危機の脅威を避けねばならない。危機が貧困者の世界に影響することを警戒する。」(IMF・世界銀行秋季総会 24日 *欧州労組はEU共同債・金融取引税の導入とEU共通予算の増額を主張))

(9月25日)
○「福島第1原発1号機の原子炉格納容器につながる配管を再度測定したところ、配管内はほとんど水素で満たされ、可燃性ガス測定器の指示値が振り切れて100%以上となった。酸素がほとんど無く着火源もないことから突然爆発する可能性は小さい」(東電 24日)

○「俺は事故が起きてから一度も第1原発に入っていないのに、20km離れた避難したいわき市内部被曝の値が1万8000CPM(1分当たり被爆量)出ている(東電基準1500CPMの7倍)。50km圏内に避難した作業員も5000CPMだったが、流された妻を捜して海辺を歩いたときに、3号機の水素爆発が起こった時の放射能を浴びたのかな。自分らは震災後は街中で暮らしてきたのに、それでも内部被曝なら、住民も同じことではないか。子どもたちが心配だ。住民は呼吸により大気中の放射性物質を体内に取りこみ、水や食物で内部被曝しているのではないか。

○「日本は地下資源に乏しいが、発想を変えると森林や水などの地上資源は豊かだ。いまは技術の転換期で、原発に代表される大型・集中・一様技術から、各地域で生産し消費する分散型発電技術に転換すべき時であり、自然エネルギ^−への研究投資と具体的なスケジュールを政府が立てるべきだ。」(池内了 24日)

○「関電社員や下請会社社長が兼ねている議員から、原発再稼働の意見書案が提案され紛糾した」(福井県高浜町定例議会 21日)

○「民主党の原発政策は、過渡的エネルギーとして伸長に推進する(2000年衆院選公約)から、基幹エネルギーとして着実に推進する(2006年エネルギー戦略)をへて、棚上げして無視」(2009年衆院選マニフェスト)、脱原発(2011年菅直人)と揺れ動き、政党の体をなしていない」(25日付け朝日新聞)

○「現在の代議制では原発問題は争点にならず、原発国民投票の直接民主制で決めるべきだー公明とは検討は有用、共産党は慎重に検討、自民党は最高機関の国会軽視、民主党は回答拒否となっている」(25日付け朝日新聞)

○「土中の放射性物質を植物が吸収する量の移行係数で、収穫前の食料の放射能量推定され、土の種類と各作物と放射性物質の違いで移行係数は異なる。」(25日付け朝日新聞)

○「大震災は天罰であり、津波を利用して我欲を洗い落とせーこの趣旨は、日本国憲法が国民の義務を説かず、権利ばかりを主唱して国民の欲望が肥大化し、今日の日本の我欲の氾濫をまねいたのは憲法の刷り込みの結果だ。」(石原慎太郎『新・堕落論』新潮新書)

(9月24日)
○「福島第1原発の格納容器につながる配管中の空気中からから1%を超える水素が検出された。今後水素濃度が4%、酸素濃度が5%を超えると爆発の危険があるため、窒素の注入を続け中の水素を追い出す作業をする」(東電 23日)

○「青森県では、スポーツ公園整備から商店街の朝市開催、タクシー乗務員の接客マナー講座、私営遊園地の回転ブランコ、公共施設の傘立てや食堂の液晶TVから除雪機まで、電事連の原子燃料サイクル事業推進特別対策事業で整備され、原燃サイクルさまさまです」(施設案内事務員説明 23日)

○「『原発は安全か』の放映についてこの番組は一方的な安全PR番組で、科学的な正確さを欠いているという批判があったことを考慮し、反対データを検討した上で、反対意見を十分反映した番組を放送する 昭和46年10月26日 日本科学技術振興財団 TV事業本部編成局長」(東京12チャンネルと労組の確認書)

○「福島県二本松市の小浜町で採取されたヒトメボレ玄米から、1kgあたり500ベクトルを越える(基準200ベクトル)放射性セシウムが予備検査で検出された」(23日)

○「国際共同研究グループOPERAは、素粒子のニュートリノが光より早く飛ぶことを示す実験結果を発表し、光速より速いものはないとするアインシュタイン特殊相対性理論の枠組みがゆらぐ超光速についてコメントを発表した。スイスの欧州合同原子核研究機関の加速器から発射されたミュー型ニュートリノが、730km離れたイタリアのグランサンツ研究所に届く時間は、光よりも1億分の1秒速いことが、GPSと原子時計のデータから分かった」(23日) 

○「会ってみたい革命家アンケート(20世紀の革命家60人から1人3人まで選択 朝日新聞 2161人回答) 1マハトマ・ガンジー810 2チェ・ゲバラ660 3孫文464 4ネルソン・マンデラ447 5毛沢東394 6レーニン370 7周恩来345 8ホーチミン297 9スターリン177 10幸徳秋水176 11カストロ148 12樺美智子125 13金日成114 14北一輝109 15大杉栄108 16ケマツ・アタチュルク97 17トロツキー86 18ローザ・ルクセンブルグ74 19ナセル69 20宮本顕治63」(24日)

(9月23日)
○「福島原発事故は当初に較べて放射性物質は400万分の1に抑えられている。年内の冷温停止をめざす。津波への備えに過信があったことは疑いがない。事故の教訓を世界に発信する。何より急がれるのは内外で原発の安全性の総点検を進めることだ。日本は原発の安全性を世界最高水準に高める。日本は原子力利用を模索する国々の関心にこたえる。新興諸国の原子力安全の向上を進める。」(首相国連首脳会議演説 22日)

○「敷地内の森林を伐採し、保管している木材の自然発火と放射能が付着した土ぼこりが舞い上がるのを防止するために、敷地内仮設タンク(9200d)にくみ上げ岩壁に横付けしたメガフロート(7150d)に移送している建て屋地下の汚染水(1立方メートル0,01−0,1ベクトル)をゼオライト処理して敷地内に散布する。散布した汚染水が地下水に混じって生むに流出するのはやむを得ない」(東電 22日)

○「東日本大震災の健康調査(10年間追跡)の宮城県石巻市沿岸部の結果は、睡眠障害43%(睡眠時間6時間未満35%、週3回以上寝つけない53%、夜間に目覚めて困る39%)で全国平均29%をこえ、不安や鬱で専門的支援が必要7%(全国3%)、震災を思い出したくない37%、思い出すと気持が動揺する35%」(厚労省 3009人対象 1399人回答 平均年齢62,6歳 6月下旬ー8月上旬実施 22日))

○「原子力損害賠償紛争審査会の2委員は、電力業界が原子力法の学者を味方にするために設立した日本エネルギー法研究所の理事・署長、研究部長に就任し、月額20万円の報酬を得ていた」(23日付け朝日新聞)

○「自分が払った昨年の連邦税は693万8744j(所得の17,4%)は、私の事務所の20人の社員の誰よりも低い税率だ。オバマは年収100万ドル以上の税を中間層より低くならないバフェットルールを提案した。私の年間所得31,9億円(1j=80円)で5,55億円の連邦税を支払ったことになるが、米国連邦税の最高税率は35%、株の配当と譲渡益には最高15%であり、私の所得のほとんどは株なので17,4%となった。もし株関係が15%、それ以外が35%として計算すると、所得の88%が株関係で、金額では株関係28,1億円、その他3,8億円で、税金は株関係4,22億円、その他1,33億円となる。私が日本人だとすると、日本の所得税最高税率は40%で米国より高いが、株配当と譲渡益は証券優遇税制で税率は7%だから、私の所得28,1億円×7%+3,8億円×40%=3,49億円(10,9%)で、日本の税金は米国の5,55億円よりさらに2億円低くなる。また地方税も合わせると、私の住むオマハ市は地方税2,7億円、連邦税合わせて8,2億円で税負担は25,7%であり、これに対し日本では住民税が株の3%、その他10%で、地方税全体で1,22億円、国税と合わせて14,8%で、日本の富裕層は米国の富裕層の半分程度しか納税していない」(ウオーレン・バフェット仮想談話 8月15日)

(3月22日)
○「ビクトル・エリセ『アナ、3分』ー8月6日、舞台女優(アンテイゴネー)が楽屋で出番を待っていた。アナ、3分と声がかかる。開幕までのわずかな時間、女優はパソコンを通して誰かに語りかけた。広島に原爆が落ちて66年目、震災はまったく別物だけど同じ国の惨事なの、今も新しい原発が建設されている、これでは地球が疲弊してしまうわ、私は感じるの、私たちを見つめる死者たちの問いかけを。衣装をまとったアナは楽屋を出る直前、ロウソクに火を灯した、大震災で犠牲となった人たちへの鎮魂を込めて・・・さらに尺八風の音が流れる(サクリファイスの主題歌)」(3.11 ア・センス・オブ・ホーム・フィルムズ)

○「いまの日本は安心して子どもを産み、育てる環境とは云えません。3月17日の緊急時に定められた暫定規制値を見直し、放射能の感受性が高い赤ちゃんや子どものために、予防原則にもとづいた新たな規制値の策定が必要です」(子どもを放射能から守る全国ネット代表 21日)

○「世界の総発電量に占める原発の割合は2010年で13,5%で、福島事故の影響を受けて2050年には最低で6,2%、最高で13,5%と激減する」(国際原子力機関IAEA 20日)

○「脱原発は戦後の悪しき習い性の典型であり、戦後の平和は国民の物欲と金銭欲が第1となっており、平和の毒とも云うべきものに蝕まれている。東日本大震災の課題は行政による公助の限界であり、東京の防災はみずからの身を守り隣近所で助け合うなど都民の自助・共助にある。木造住宅密集地域耐震不燃化は、都民の啓発が必要で、防災のための大型艦船道路建設が不可欠だ。東京に外資を積極的に呼び込むために、規制緩和と企業税制優遇の特区を国に認めさせる。2010年東京五輪を是が非でも実現する」(都知事所信表明 21日)

○「今週卒業の高校生・大学生の大震災による内定取り消しは、全国143事業所・469人(高校285,大学・短大184)、取り消し全体は前年比3,7倍の196事業所・598人。学生の370人は新たな就職先を確保、岩手・宮城89人、福島102人。入社延期は311事業所2556人」(厚労省 21日 8月末時点調査)

○「通電浜岡原発の確実な安全・安心が将来にわたって担保されない限り、永久停止にすべきである」(静岡県牧ノ原市議会全員協議会 21日)

○「福島第1原発建屋に流れ込んだ地下水の累積は3万5千d 6月末時点の高濃度汚染水は12万1千dで、3ヶ月の浄化処理で6万トン減るはずが実際には9万8千d残っている。注入冷却水を差し引いた3万5千dが流入地下水とみられ、1日尾200−500d流入している。高濃度汚染水浄化装置の稼働率は46,0%」(東電 21日)

○「あなたはこの事態をどう思いますか。私は孫たちが可哀相でならない。将来なんらかの症状が出ても、私たちはもうみてやれないんですよ」(飯舘村 62歳男性 賠償請求相談窓口で 21日)

○「企画・立案・調査・分析の4業務すべてをおこなう企画業務型裁量労働制の規制を廃止し、労使が決めた業務を対象にし、労働基準監督署への定期報告義務を廃止し、事務系労働の労働時間規制を撤廃するホワイトカラー・エグゼプションとする。現在派遣期間制限がない専門26業種以外でも常用雇用ならば最長3年の期間制限を廃止し、専門26業種の業務以外の仕事が1割以下の規定も緩和し、医師だけに認められている一定条件の派遣に看護師など医療関連業務をくわえるよう要望する」(日本経団連 2011年度規制改革要望書) 

○「チェスター・バーナードは組織成立の3要素として、共通目標・協働意志・コミュニケーションをあげたが、日本の官僚機構と経営団体は相互繁栄の互助組織という目標と組織拡大を貢献基準とする協働意志と強固な条件を備えて暴走状態にあり、民主党は共通目標(綱領)が無いためコミュニケーションがなり立たず、ただ地位を得る協働意志のみがあって漂流している」(22日付け朝日新聞)

(9月21日)
○「想定すべきことを考えてこなかったことは否定できない。危険性への対策をするのではなく、危険という議論をいかに押さえ込むかをやってきた。安全神話は生まれたのではなく、つくられた。福島原発時顔はそういう意味で人災だった。格納容器内に窒素を充填しているから水素爆発は起きないとの説明絵を、東電や原子力安全委から受けていた」(菅前首相 20日)

○「今後原発建設には関わらない。原子力エネルギーは使わないドイツ社会と政治の明確な見解に対する企業としての答えだ。再生可能エネルギ20年までの35%という政策は、100年に1度の大規模プロジェクトだが、達成可能であり、支援していき。原発向け蒸気タービンは、瓦斯・石炭などの火力発電用に切り替えて製造する。仏・アレバ社との原発製造会社アレバNPの持株はすべて売却し、今後はロシアのロスアトムとの合弁も解消する」(シーメンス社長 『シュピーゲル』18日付け)

○「これから生まれてくる幾世代のもの子孫の人々が、皆さんに敬意を表する時代が必ずくると信じています。原発エネルギーではなく、いのちのエネルギーが輝く国にしようではありません吾。さようなら原発、こんにちはいのち輝く国。」(内橋克人 20日)

○「福島第1原発の建屋地下の汚染水量は、処理前は12万d、8月13日までの処理量は9万d、まだ10万dが地下に溜まっている。この間1日300−500dの冷却用の水が注がれ、それがすべて漏れだしたとしても、その他に3万d(1日200−500d)の水がどこかから流入している。汚染水の水位が海面水位から4mで海へ流出する危険があり、3mにおさえる」(東電 20日)

○「一度地面に降下して風で舞い上がる放射性セシウムの内部被爆量は、大気から直接取り囲んだ場合の10倍に上り、地表からの再富裕をふせぐ除染が必要だ」(原子力研究開発機構 20日)

○「千葉県柏市の私立幼稚園協会は、原発事故の汚染された園庭や砂場の除染費用を園児1人当たり1万円として保護者に請求するように通知した。低減作業協力金の名目に同意・不同意を記入する意見書の提出も求めた。柏市の援助は最高20万円で東電からは出ない」(20日)

○「愛知県日進市は18日の花火大会で福島県産の花火を、放射能をまき散らすとの市民の抗議を受けて川俣町の業者の80発分の打ち上げを中止した」(19日)

○「原発が長期にわたって低稼働の状態が続くなら、収支の悪化は避けられず料金値上げを検討する」(東電社長 20日)

○「柏崎刈羽原発について、@すべて稼働した場合、A一部稼働した場合、Bすべて稼働した場合の3条件で事故賠償の自己資金を試算すると、火力発電の燃料時負担による経常黒字がかさみ、損害賠償機構への返済資金の捻出が難しくなる」(東電経営・財務調査委員会素案 20日)

○「原発は来年の春以降、夏に向けて再稼働できるものはキチンとやっていかなければならない」(野田首相 20日)

○「いま原発で出る使用済み燃料の始末を未来の人に託すほかないという話しが、当然のようにされるたびに、その大仕事を背負い込まされる人類の、未来の人間性をどう考えるのか疑います。現在の人類は次世代のためによき未来を準備するという意識、あるいはモラリテイをすてたのか」(大江健三郎 21日)

○「おふくろとジ、バアが流されてしまった。ジイの手をつかんだけど引き波でこのままだと、自分も危ないと思って、ジイ、ごめん、ゆるしてけろといって手を離してしまった。寝たきりの花を看病していた息子は、父親が畑からきて母さんはいいからお前だけでも逃げろと叫んだが、いうことをきかなかった。息子はとうとう父親だけを家からだして玄関の鍵をかけてしまった」(大坪涼子 21日)

(9月18日)
○「日本原子力協会は、09年に自民党・国民政治協会に東芝、日立が各3850万円、新日鐵2000万円、大成建設1226万円など総額7億815万4000円の政治献金を行い、加盟企業への原発関係支出は2兆1353億円にのぼっている」(09年政治資金収支報告書・産業動向調査)

○「東日本大震災の沿岸部で生じた瓦礫は、岩手476万d、宮城1569万d、福島228万dで、置き場に搬入できたのは岩手73%、宮城51%、福島44%で、宮城県は1年以内に1次、3年以内に2次置き場に移す。瓦礫は微生物の活動が活発となり、金属と水が反応して発熱しやすく、重油まみれの木材やヘドロが発火しやすい」(18日)

○「日本の原発は廃炉時代に入り、原子炉から使用済み核燃料とりだし→英国の再処理工場に送る→配管の放射性物質除去、金属とコンクリートのリサイクル→原子炉解体→施設の更地化まで20年を要す。この過程で放射性廃棄物の敷地内一時保管(地下10mー100m 保管場所が決まらない場合は廃炉延期)→処分場に移して埋める(最短は東海村の2019年 候補地未定)。廃炉費用は敦賀・ふげんが10年で750億円(*建設は8年685億円)で莫大な費用と時間がかかる。廃炉と並行して進める予定の新原子炉(リプレイス)は震災の影響と地域の不同意で見とおしなし。

○「大阪維新の会・教育基本条例は、条例で形式的に懲戒基準を規定し、大阪府教委の人事権と市町村教委の内申権を侵害し、地方教育行政組織法違反であり、教委の裁量権を剥奪・制限する条例は、府議会が教育行政に介入し、教委を不当な支配のもとにおく」(大阪弁護士会長 17日)

○「北部との紛争を抱えて独立し、国内反政府勢力が跋扈する南スーダンのPKO任務は南北国境監視、叛乱分子対策、武装解除の軍事任務が中心で、武力行使も公認されている。政府は陸上自衛隊の施設部隊派遣の方向で調査団を派遣する」(防衛省 17日)

(9月17日)
○「福島原発過酷事故対策手順書は、複数プラント同時対応、長時間の全電源喪失の想定がなく、消防車による原子炉注水など手順書にない措置を応用動作として実施し、ベントも現場で弁を開く作業を臨機の対応として実施した」(保安院 16日)

○「情報収集衛星光学1−3号機は、東北大震災と福島原発事故の画像を公開せず、今回の台風12号の重要情報も秘匿している背景には、軍事偵察衛星として防衛省と内閣調査室が情報を独占しているシステムがあり、大規模災害への対応を名目とする設置基準に反している」(吉井衆院議員 16日)

○「福島原発事故を受けて、03年までの原発4基増設計画を凍結する。原子力が排除されたわけではないが、慎重に決定を下すために世界中の状況を注視している」(ブラジル電力調査公社社長 15日)

○「東電は1997年に福島県楢葉町などに130億円のサッカー場・Jヴィレッジを寄贈し、郡山市のサッカー場寄贈を白紙に戻したのに不満を持つ郡山市に30億円、原発感性のお礼として柏崎市と刈羽村に100億円を6:4で配分してそれぞれ60億円と40億円の寄付をした」(17日付け朝日新聞)

○「原発停止による燃料費増加を効率化努力で解消したいが、原発が未来永劫立ちあがらなければ電気の供給構造が変わり、適正原価による電気料金値上げとなる」(電事連会長 16日)

○「全国57基の原発総建設費は13兆円(消費者物価紙数による現在価値は14兆5千億円)であり、原子炉メーカーは大手3社(三菱重工、東芝、日立)が独占し、原子炉建屋は大手ゼネコン5社(鹿島24、大林11、大成10、竹中7、清水5)がすべて競争入札なしの特命受注で独占している。粗利益率が20−30%と公共工事以上に高く、1号機をとればその後の受注と廃炉まで50年間以上おいしい仕事が切れない。電力会社は用地買収から政界、地元対策まですべてゼネコンに依頼し、総括原価方式で料金値上げで対応できる。原発康司はトップセールスで電力会社の新社長就任祝いは数百万円、原発康司は正式着工の数ヶ月前に特命発注し、施工計画を手伝わせ、利益が足りない場合はゼネコンが施工計画変更する。政治から特定業者の下請使用の口利きがあり、原発は民間工事で問題とならない。双葉町長の田中建設に5億円、浪江町長の建設会社に3年間で2億1千万円工事を発注した。*泊7540億円、柏崎2兆5710億円、志賀6552億円、敦賀4046億円、美浜1443億円、大飯1兆185億円、高浜6161億円、島根3426億円、玄海9018億円、川内5074億円、東通4280雄君、女川8485億円、福島第15020億円、福島第21兆2390億円、東海第21880億円、東海254億円、浜岡1兆3200億円、井方5132億円」(東電元幹部 16日)

○「原発は民主主義の対極だ。金で人を支配する汚い事業で、国と電力会社は毒まんじゅうで、いったん地域が引きうけるとカネが切れないように増設を続けざるを得ないモルヒネだ。」(鎌田慧 16日)

○「原発事故で地域と世界にこれだけの被害を与えて、東電への立ち入り検査もおこなわれていない。我々は歴史の中継ランナーであり、先祖から受けついだ環境や知恵、文化遺産を子孫にバトンタッチしていくが、100万年も放射ののゴミを残す最低の時代をつくっている。我々は最悪のバトンを子孫に渡そうとしている」(ジェームズ・三木 16日)

○「福島県住民基本台帳による7月1日現在の県推定人口は199万7400人で、原発事故前の3月1日から2万7001人(1,33%)減少した。富岡町ー6,59%、浪江町ー6,31%、双葉町ー6,28%、南相馬市ー4,99%など原発周辺が突出している。住民票を残した避難・転居数(5万5793人 8月25日現在))は推定人口に反映されず、20km警戒区域7万8000人、計画的避難区域1万人、緊急時避難準備区域6万7千人など正確に把握できない。詳細な汚染マップは政府は非公開である」(16日)

○「地球温暖化により絶滅のおそれがあるホッキョクグマ、日本環境法律家連盟、気候ネットの気候的正義を求めるプロジェクト・クライメットJなど108人の個人が、電力会社10社と電源開発に対し、原発なき二酸化炭素削減の公害調停審査を公害等調整委員会におこなった。11社の07年度二酸化炭素排出量は国内総排出量の33%を占める4億6283万dであり、産業革命以降の気温上昇を2度以下に抑えるCOP16の確認で、11社は29%削減をおこなうべきだとしている」(16日)

○「パート労働の差別禁止対象の要件は厳しすぎ対象者は0,1%にとどまっている。適用範囲の拡大をめざすべきだ。パート労働法8条の@職務内容の同一性A人材運用の同一性B無期労働契約(反復更新の有期契約を含む)の3要件は、パート労働の雇用管理の改善を進める余地がない」(厚労省・パート労働対策研究会 15日)

○「これまでの仕事の経験期間を基準とする社内資格をもとに年功的な給与制度を改め、ポストによる職務給30%、成果70%にして、年1回の昇給に最大3倍の格差を付ける職務・成果給に改め外国人や若手の幹部登用を加速する。全管理職9千人対象」(日立製作所 16日)

(9月16日)
福島事故は起きえる事故に対する想定が低すぎた。事故発生後のリスク情報を広く共有する仕組みの改善、海面上昇など気候変動の影響を原発計画に反映させることが必要だ」(国連原子力安全に関する首脳級会合報告書 14日)

○「東電福島第1原発の警備は、半径20km圏内は警察が通常の活動をおこなえず、自衛隊の治安出動の要件を満たしている。原発以外の重要施設も警察に原発等警備隊を創設する体制強化を提案する」(自民党・原発警備に関する検討会 15日)

○「電事連から多額の寄付金を受けとった青森県財団が、原子力マネーの恩恵を受けない自治体へも寄付金を配分し、県知事選の選挙対策に使用し、寄付金をばらまかなければ選挙に負けるとして、電事連に依存するタカリの文化が青森県全域に広がった。1989年50億円、1994−2011年125億円を津軽・八戸地域の25市町村に配分した」(元青森県商工観光労働部理事 15日)

○「福島第1原発にたいし、損保各社は損害賠償保険の契約打ちきりで、災害以外の原因による事故賠償1200億円は今後なくなる」(16日)

○「政界工作をめぐる第1生命の株主代表訴訟で、生保大手4社が議員取り組み姿勢リストを09年総選挙前に作成し、主要議員・友好議員・友好議員候補・ポスト議員・幹部議員・功労議員・論客議員・若手議員・関係収束議員・落選議員と10段階に分けてパーテイ券購入と接待費の水準を決めていた」(東京地裁第1回口頭弁論 15日)

○「大阪維新の会が9月府議会に提出を予定している教育基本条例案について、(一定比率の教員に最低評価を行う規定について)影山委員は、あの先生を辞めさせたいというイジメが始まり、評価者の方向ばかりを向く教員や一部の保護者とつるむ教員が出てきて、現場はむちゃくちゃとなる、これで学力が上がりますか、先生のやる気が上がりますか? 可決されれば辞めますとのべ、他の委員も教員は定められた職務以上のことをやっている、条例案は読んでいて耐えがたいーと批判し、大半の意見は条例を批判した」(16日朝日新聞)

(9月15日)
○「横須賀基地を母港とうする原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)の原子炉2基は福島第1原発1号機(46万KW)に匹敵し、三浦半島の活断層(30年以内地震発生確率第5位)の想定規模はM7,2、GWの生粋は12mで接岸する12号桟橋付近の水深は15mでわずか3mの差しかない。停泊中の原子炉停止は基地内の外部電力による注水を必要とするが、吉は埋め立て地で液状化のリスクが高い。空母の原子炉はメルトダウン軒圏が高く、100km圏内の3000万人が重大な危機にさらされる。1923年の関東大震災では、軍艦・三笠が艦艇が浸水し、巡洋戦艦・天城が大破して廃艦となり、基地の重油タンク群が爆発して湾内は火の海となった」(15日)

○「モンゴルに核廃棄物を貯蔵する外国政府や国際機関との交渉を禁止する法令を公布した」(モンゴル大統領 13日)

○「東日本大震災の復興財源は、消費税を選択肢として排除すべきではなく、15年度までに10%まで段階的に引き上げ、1回は2−3%賭すべきであり、20年半ばまでに10%代後半に引き上げるべきだ。個人所得税の最高税率引き上げは経済活力に悪影響を余ボス可能性があり、法人税は実効税率5%引き下げをおこなって25%程度とすべきであり、3年間は5%の引き下げ分を付加税として課し、純増税はおこなうべきでない」(経団連 14日)

○「自民党・国民協会への政治資金は1966年ー74年までに、鉄鋼16億2856万円、金融25億7729万円、電力11億4350万円、生損保5億8000万円、証券5億4000万円。川の堤防が切れそうなときに人夫賃をだすようなものだ(永野重雄日商会頭)。」(15日)

○「福島第1原発除染装置の攪拌機交換作業に従事した作業員6人中4人のマスクのフィルター内側の汚染が最大1万2000CPM(1分間)、電気設備点検作業員の汚染が8000CPMとなった」(東電 14日)

○「計画的避難区域の福島県・川俣町の森林土壌の放射性セシウムの9割は地表に存在し、森林の表土を削る除染が必要」(筑波大 6月6日ー8月31日調査)

○「人の眼や声が自分を責めているように思えた、震災は自分のせいで起きたように思えた、10人ぐらいの幻聴だったのが1時は100人ぐらいになった」(東日本大震災 精神障害者フォーラム 8日)

○「警戒区域と計画的避難区域を含む福島県の年間追加被曝線量1ミリシーベルト以下に抑える目安として毎時1μシーベルト以上の分布域は、2千平方qで、セシウムを除去できる深さ5cmまで除去すると堆積は1億立方m、中間貯蔵施設は6カ所村と同じで計算すると(20万立方m1600億円)、建設費は500倍の80兆円となる。」(森口東大教授試算 14日)

○「除染方法の実験で表土の根の浅い牧草ごと3cm剥ぎ取る方法はセイシウム減少率97%、普通に表土を4cm削る方法は74%の減少率、化学物質で表土を固めて削る方法は82%、ヒマワリは2千分の1で効果はない。セシウムは表面の2,5cmに95%堆積し、ヒマワリの根は地下1mまで伸びるので吸収しない」(農水省 14日)

○「環境省には除染のノウハウがまったくない。民間専門家による第3者委員会で除染対象と基準を決めるべきだ」(児玉・東大教授 14日)

○「東電は90年前後から毎年10億ー20億の寄付金予算を組み、東電原発立地3県関係自治体に4百数十億円の寄付をし、福島県と立地4町、新潟県と2市町村、青森県とむつ市など。その使途は公共施設建設費347億円であり、癒着との非難を避けるため原則非公開、社名を出さない一般寄付扱いとした、財政帳尻合わせに自治体が要求して困惑した」(15日朝日新聞)

○「関電美浜原発の事故によるヨウ素拡散予測で、関西一円の水源である琵琶湖北部は、滋賀県高島氏と長浜市117平方qで同じ規模が琵琶湖上空に広がり、甲状腺被曝線量が屋内退避の100−500ミリシーベルトに達する(福島第1原発外部放出線量で試算)。美浜原発で2月か5月に事故が起き、放射性物質の放出が6時間続き、放射性ヨウ素が風速2−6mの北北西の風で拡散し、24時間当たりの積算線量を推定。」(滋賀県 14日)

○「福島第1原発で3月から6月まで作業にあたった作業員のうち、8月31日現在で88人の所在が不明」(東電 14日)

○「ノルウエーへの移民数は60万人(総人口比12,3%)でほとんどは北海油田労働力。欧州の多文化主義は、デンマーク紙のユランズ・ポステンのムハンマド風刺画、ドイツのいみんむけラジオ放送廃止(2008年)、スイスのミナレット(モスクの塔)建設禁止の国民投票(2009年)、フランスのブルカ・ニカブの公共の場での禁止(2011年)、ベルギーのブルカ禁止(2011年)とゆらいでいる」(15日)

○「2010年の米国貧困人口(4人家族で2万2314j・171万円以下)は4618万人(過去最多 15,1%)、人種別では黒人27,4%、ヒスパニック26,6%、アジア系12,1%。家族構成別では母子家庭31,6%、父子家庭15,8%、18才未満22%。全米世帯年収中央値は4万9445j、医療保険未加入4990万人(16,3%)。2011年の夏では米国の16−19歳の1670万人のうち就業は25%(00年45%)、年収4万j・300万円未満の黒人家庭の若者の6・7月就業率は12%で麻薬取引や暴力に傾斜、若者の抗議行動がみられないのは自己責任論が浸透し諦めてしまう世代が多い」(米国勢調査局 労働省 13日)

○「沖縄八重山地区の来年度中学校公民教科書採択で育鵬社版不採択をめぐる石垣、竹富、与那国3市町村の全教育委員協議は整っていないと考え、無効であり、県教委に頑張って頂くが、私たちも努力したい」(文科相 13日)

(9月14日)
○「北海道電力は泊原発3号機の道主宰意見交換会(00年)で、住民20人に賛成論を依頼した。当日の住民参加295人、担当社員5人がすべて関与」(北電 13日)

○「東電福島第1原発3号機の建屋地下に床から5,12m、5700dの高濃度汚染水が蓄積(1−4号機全体は10万7000d)」(東電 13日)

○「3月15日の4号機建屋爆発は、使用済み燃料プールから発生した水素と水蒸気が原因。3,4号機の爆発の20時間差は、沸騰状態のプールで水素発生量が1日12立方m以上となり、軽い水素が上部に濃縮し爆発と推定」(東大・原子力研究開発機構調査 13日)

○「8月原発設備利用率は26,4%(前月比ー7,5% 1977年以降最低)、ストレステストと住民の反対で来年5月に全機停止の見とおし。8月電力10者総発受電量は841、8億kw(前年同月比ー12,1%)で過去最大の減少率」(電事連 13日)

○「電力節約による生産量・売上への影響ない69,3%(製造業70,7%)、今冬・来夏は今夏の節電量を上まわる制限でも対応可能5,2%、やや上まわる量で対応可能27,4%、同水準の量で対応可能57,4%、対応困難4,8%」(経済同友会調査 13日)

○「浜岡原発の津波で冷却機能が失われれば加熱して水素ガスになり、使用済み核燃料の処理にめどが付くまで再稼働させるべきでない。自分たちの基準で安全を確保できない場合再開はあり得ない。核燃料プールの耐震性に問題があり、再稼働の条件はまったく整っていない」(静岡県知事 12日)

○「原発稼働率60−85%の場合、1kw時あたり発電コストは12,5ー8,1円で、稼働率の低下と建設費の上昇、安全コストを考慮すればさらに上昇する」(内閣府原子力委員会試算 13日)

○「福島県内で働く保健師100人の5月1ヶ月間の被曝合計線量は0,1ミリシーベルト」(国立がん研究センター 13日)

○「東電の15%料金値上げの総括原価方式計算は、発電所総資産額に3%の報酬率をかける事業報酬(利潤)を上乗せし、つねに実績を上まわる原価の正統性がなく、社員の賞与復元など企業体質に問題がある」(14日付け朝日新聞)

○「9・11以降イスラム系は米国で生活がしづらくなった55%、疑念の目で見られる28%、侮辱的な名前で呼ばれる22%、空港検査で呼びとめられる21%」(ピュー・リサーチセンター 9月調査)

○「GDPに占める教育への公的支出(08年度)は、平均5,0%、ノルウエー7,3%、アイスランド7,2%、デンマーク6,5%、英米5,1%、韓国4,7%など、日本はOECD31ヵ国再開の3,3%。教育費に占める私費負担割合は、チリ41,4%、韓国40,4%に次ぐ33,6%の第3位。大学の私費負担は66,7%と平均31,1%の2倍以上」(OECD調査報告 13日

(9月13日)
○「フランス南部のマルクール原子力施設(1955年設立 原子炉はなくプルトニウムによるMOX燃料生産)で爆発事故が発生し、1人が死亡、4人が負傷」(12日)

○「米軍のトモダチ作戦の正式名は太平洋有事519作戦であり、1999年に米太平洋軍に創設された4軍統合の常設519司令部の作戦であり、地域の有事作戦と災害作戦の2つがあり、地上部隊の主力は在沖米海兵隊、司令部要員は兼務者が多く400人。大震災直後に横田基地に災害救援統合司令部(JSF)がスタートし、ハワイ太平洋軍司令部の北東アジア課の職員(54)が命名した。米韓共同演習に向かう空母レーガンを三陸沖に転進させ、嘉手納基地353特殊作戦航空群(コウモリ猫軍団)は演習中の韓国から11日に横田へ飛び、特殊作戦機MCー130コンバットタロン、同コンバットシャドウ部隊が仙台空港の離着陸を可能にした。彼らの任務は紛争地の民間空港奪取と特殊部隊の投入であり、在沖海兵隊は演習先の東南アジアから4月1日に気仙沼・大島揚陸作戦を見せ場用に敢行した。空自浜松基地のAWACS(空中警戒管制機)が連日飛んで日米機の官制を実施した。」(13日)

○「台風や気圧変化で起こる高潮の潮位は、東京湾3,3m、伊勢湾5,6m。今世紀末の温暖化予測では、東京湾4,1m、伊勢湾6,9mで中部空港の滑走路は水没して壊滅的打撃を受ける(防災科学技術研究所+岐阜大予測 12日)

○「父子家庭は母子家庭より所得が高い前提で自立支援制度はつくられ、遺族基礎年金・寡婦福祉資金貸付金・高騰技能訓練促進費は父子家庭にない。現実には父子家庭の4割弱が年間収入300万円未満だ(06年度)。保護者死亡・行方不明による特別一時金申請は母子家庭929人、父子家庭616人で、申請していない父親が多い」(13日付け朝日新聞)

○「原発事故ですべての人間が被害者で加害者ーというが、農耕民族的な和の精神では今の問題は解決しない。原発利権の甘い汁を吸い続けた者と、生活を捨てて逃げてる者を同じには論じられない、遊牧民族のように善と悪を峻別し、断罪するときだ。経産相の死の町ダーという発言はどこがおかしいのか、ありのままだ。死という言葉の差別性への過敏な反応が事実すらも排除する。放射能つけちゃうぞーという些末な発言を重箱の隅をつつく報道は尋常ではなく、小学校の言いつけ反省会のようだ。他国が作った憲法という靴を履いて北日本人がやっと自分の靴で歩くしかないと気づかされた。原発事故で東電と政府に多くの人が憎しみをいだいているが、何かのきっかっけで喜びに替わる。避難区域の老夫婦に財布をおいてきたら悦ばれて救われた思いがした。政府は有り金全部はたいてほしい」(藤原新也 13日 *コメント:前半部の着眼は鋭いが、最後には支離滅裂で憲法攻撃になった、こういう直観主義の気まぐれ発言が無責任の極みとなることを知らない)

○「事故のあともなおも原発を手放そうとしない立地地域には、行き場を失った日本の地域政策への絶望がある。原発ができたのは、経済成長と脱貧困=原発という中央の善意の論理を当てはめた構造がいまも続く。福島は遠からず消費され忘れられ、脱原発は四後分裂して力を失い、推進側は方針を変えず、粛々と再稼働はすすむ。最後に残るのは汚染された土地とそこに生きる日常だ」(開沼博 13日 *コメント:鋭い現実認識がニヒリズムにいくのが怖い、これでは社会科学者失格だ)


○「言ってもいないことを供述調書にすることはよくある。証拠を作りあげたり、もみ消す点では同じ。前田を糾弾できるほどキレイなことばかりしてきたのかと考えると分からなくなる」(国意見時から塚部検事宛メール 大阪地検特捜部FD改竄事件 2010年1月30日)

○「米国とその同盟国が何万人ものイスラム教徒を殺した事実は西洋民主主義国家にとって永遠の汚点として残るだろう。彼らは我々の村や果樹園などを対テロ戦争の名のともに爆撃した。この非人道的犯罪は民主主義の創始者かつ指導者と公言する人たちが犯した。我々は信仰という武器と長期戦への耐久力を有し、米国人らを歴史のゴミ箱に放りこむ」(タリバン声明 10日)

○「フランスの09年生活レベル中間値は年1万9080ユーロ(202万円)で、その6割の貧困ラインは月額954ユーロ(10万1000円)であり、これ以下で生活する貧困層は820万人(13,5%)であり、うち半数は月773ユーロ以下で生活している。労働力人口に占める貧困層割合は10,1%(前年比0,6%増)。最底辺層の10%は年1万410ユーロ、最上位10%は3万5840ユーロであり、EUの経済危機は最底辺に最も影響を与え、津波のように貧困が広がっている。EU欧州委員会・欧州最貧困層援助計画75%カット方針は甚大な影響を与える」(仏国立統計経済研究所INSEE報告 13日))

○「戦に敗れるまでは日本人の愛国心は世界的に有名で、非常に強いものに思われていた。戦に敗れた日本人はまったく誇りを失い、我が国の短所や醜さばかりみて、卑屈にも自らを劣等国民視する傾向があった」(松下幸之助 1951年 松下電器社内報)

(9月12日)
○「福島第1原発には依然3つの脅威が残っている。炉心の崩壊熱、炉心の崩壊熱、建て屋地下の高濃度放射能汚染水、水素爆発の危険である。溶融燃料ないまも1000kw級の崩壊熱を出しつづけ、200度前後に原子炉は維持されているが、冷却水の注水が停止すれば1時間に65度ペースで上昇し、水・ジルコニウム反応をともなう1200度に10数時間で到達する。今後10後数年間は冷却を続けなければならない。汚染水は1−4号機で10万d(25mプール200個分で、放射能量は放出限度の327万年分の72万テラとなっている。循環注水冷却は屋外に設置された総延長4kmの消防ホースのような配管を通し、配管接続部の漏洩や弁の破損と設定ミスが相次ぎ、冷却材喪失事故は軽水炉の最大の弱点で、今後の余震や大雨には耐えられない。東電と政府のリスクコミュニケーションは破綻しており、予断を許さない」(舘野淳元中央大教授 11日)

○「福島県では放射能を心配して学校給食を拒否する子どもが多数おり、妊婦が避難しないことを迫られて葛藤している。災害が多発することで日本を非常時として女性が我慢を強いられることは許されない。被災者の権利が保障されるよう計画段階から女性の声を反映するようにすべきだ」(高橋衆院議員 8日)

○「鉢呂経産相の発言の根底には、原発再稼働と新規立地を推進する政府の無責任なゆらぎを反映している。鉢呂氏は原発再稼働を公言し、ストレステストに替わるIAEA評価を求めてすでに首相の承認を得ており、官房長官は新規建設を今から土地を手当てし、新たに建設すると公言している」(11日)

○「いまこの時期に東アジア共同体といった大きなビジョンを打ちだす必要はない。外交の軸は間違いなく日米関係であり、新政権の外交の基本だ。日米が同盟の目的を再確認し、同盟を進化させる努力をしなければ日米の戦略的一体性は失われる。米国は東アジア共同体を米国を排除する動きと受けとめる向きが強く、中国の長期展望もそこにある。日本にとって確実性の高い日米共同体を不確実な東アジア共同体で代替することはあまりにリスクが高い」(首相 『Voice』10日)

○「迷彩服姿の自衛官が入ってきて、『原発が爆発します、退避して下さい、100km以上離れて下さい』(12日1号機、14日3号機爆発後の午後9時40分)と呼びかけ、これを契機にパニックが起こり避難所を出て行く人が多発した。オフサイトセンターと県の災害対策本部がパンクしてデマが流された。浪江町はベント情報も入らず、TVで原発の危機を知った。南相馬市は20km圏内避難の指示も届かず、県のSOPEEDI(緊急時迅速放射の撮影予測)も災害対策本部の原子力班にはわたらず、保安院から取り寄せたが県は公表を見送った。独逸や米国の放射性物質飛散予測サイトをみていた富岡町総務課課長補佐は、東風で雨になり、第1原発から48km離れたところで、『こっちさやってくる』と気づいた。政府は20−30km県内の屋内退避を指示したが、県災害対策本部は一部の市町村に連絡が取れず、午後1時に諦めた。浪江町、川俣町、飯舘村は避難すれば被災をまぬがれたが、避難指示は届かなかった。東電社長が浪江町長に謝りに来たが、『原発立地でない浪江町なんて東電の頭に毛頭無い』と思うに到った。県の課長も謝りに来たが、復興関連の要望はもう県にはせず、国に直接している。」(11日付け朝日新聞)

○「9.11はキリスト教支配に対するイスラム圏の反発であり、歴史の必然として起こったこと」(自民党幹事長 10日)

(9月10日)
○「周辺町村の市街地は人っ子1人いない、まさに死の町というかたちだった。放射能をつけちゃうぞ。」(経産相 9日 *ふるさとをを死の町なんていわれたら、たまったもんじゃあない。好きで避難している分けじゃあないんだから」(大熊町長)、「政府が『出ろ!』といった警戒区域に人がいないのは当たり前じゃあないか」(大熊町課長)」

○「福島の産品を応援する福岡市の企画が、放射能をばらまくなという抗議で中止された」(10日)

○「戦前の東北は、男は兵隊、女は女郎、百姓は貢ぎ物として米を差しだす国内の植民地構造にあって、現在は違っていたと思ってきたがそうではなかった。食料も電力も、東京で使うものを東北が供給し、迷惑施設と引き替えに巨額の補助金が下りる構造は、震災を契機にはっきりと浮かびあがり、中心と周縁、という構造が東北を覆い尽くしている。ものづくりの拠点・東北とは、安価な労働力の提供地で、村のなかでは下請の末端機構として時給数百円で女が仕事をしている。平成の大合併のマイナスが到るとここに現れ、経済合理性による大合併で、周辺部への救援と支援・復興の遅れが集中的に遅れている。21世紀の日本の形が根底から懐疑にサラされていると感じた。3,11のあと何か巨大な出来事が始まり、次は東京かも知れないし、日本全国で災害の連鎖がはじまり、それを前提に社会の構えと思考を組みたてねばならない。福島県ビジョンの脱原発は、イデオロギーではなく、生存の危機にさらされた無数の命の叫び声です。仮設住宅も東京の大手メーカーに金が落ちる仕組みで、ようやく地元志向の地産地消の木造仮設住宅ができてきた。復興資金が東京に流れる仕組みを壊さねばならない。東京の企業連合体が福島で自然エネルギーの大規模プロジェクトを持ち込む、復興に名を借りたビジネスが進められ、利益の中央還流構造は原発と変わりない。原発の町は、炭坑町と違って地域に歌も物語も生まず、きわめて特異な地域社会をつくった。原発事故で日本地図は変わり、関東から太平洋沿岸を通って北上する鉄道や高速道路は当分不可能で、長期にわたって人が住めないノーマンズ・ランド(無人地帯)となる。政府はそれを早く語るべきです。津波の被害はいずれ帰ることができる被害ですが、原発地域はどうなるのか、まっすぐに向きあう避けて通れないテーマです。除染活動を国家行事としてすすめ、放射能の影響を徹底的に調べ、情報を蓄積し、自然エネルギー推進の特区とする。前向きに立ちむかうことが新しい風景を開く。一切のマニュアルがない方法的模索の時です」(赤坂憲雄 10日)

○「青森県六ヶ所村村議会は、国と県に核燃サイクル事業の推進を求める意見書を全会一致で採択し、『核燃サイクル施設は村を二分する賛否を経て必死の思いで誘致し、国の原子力政策に協力してきた』とし、原子力政策大綱とエネルギー基本計画のサイクル事業継続を明確に続ける』としている」(9日 *なんともこれほどに地方の悲惨と哀しみをあらわす決議はない、国と東電は地獄に堕ちるだろう)

○「パキスタンは壊滅的といえる最悪の事態を迎えつつある。軍事指導者は反米の憎悪にかたむき、ジハード戦士に核兵器を流す可能性があり、米国の大都市でダーテイボム(穢れた爆弾)の核汚染を起こす危機が近づいている。9,11のときに、人道に対する罪でビンラデインを国際指名して逮捕し裁判にかける国際共同行動をとるべきであった。ビンラデインは殺害される前にすでに影響力を失いすでに死んでいたのだ。9,11とその結果、そして将来の予兆を考えると、過去10年の最も明白で基本的な事実をふり返っただけでも(対テロ戦争?)荒涼たる思いがする。」(ノーム・チョムスキー 10日)

○「今年5月にビンラデインが殺害されたとき、街頭に繰りだして歓声を挙げた多くは、大学生前後の若者たちだった。9,11世代といわれる彼らが初めて体験する勝利だった。でも人の死に狂喜する姿にはすこし違和感がある。保守派の教師は小学生に生々しい映像を見せて、文化の相互理解とかテロの原因は私にとってはどうでもいい、授業後に生徒の1割は軍隊に入りたいという。政治的なテーマは親の反発も怖く、取りあげる先生も少ない。リベラル派の教師は、テロの背景を説明しないと恐怖の再生産になる、生徒同士の自発的な活発な議論がほしい。テロの背景を説明すると、テロを正統化すると反発し、9,11が歴史になるまでにはまだ時間がかかる」(10日付け朝日新聞)

(9月9日)
○「東日本大震災被災3県かたの県外住民票異動者は8万3千人(宮城3万5526人、福島3万3942人、岩手1万4468人)転出超過数は7月末で3万6千人(福島2万2391人、宮城1万30人、岩手4009人)、福島の県外避難者は5万5000人」(総務省人口移動報告 3月ー7月末)

○「1974年につくられた電源3法により、09年までに原発立地県に配られた交付金の累積額は、福島2717億円、福井3245億円、青森2143億円。『原発に対する不信や不安が存在し、尖鋭化・組織化された反対運動が展開されるようになった』(『東京電力50年の軌跡』)、『時限的にプルサーマル計画を加速させる起爆剤として核燃料サイクル交付金は一定の効果があった』(経産省)」。泊原発にともなう60億円の交付金は周辺4町村に配布され、財政に占める原発固定資産税と交付金は1989-2009年の21年間で泊村546億円、共和町29億円、岩内町51億円、神恵内村27億円に達して財政構造はゆがんだ」(9日)

○「福島第1原発汚染水の流出と大気中の降下物を合わせた放射能放出総量(ヨウ素131,セシウム137)は、3月21日ー4月30日)で1,5京(1兆×1万倍 *東電試算は4720兆ベクトル)、ヨウ素1311,14京ベクトル、セシウム1370,36京ベクトルでセシウム134は除外して計測。政府のIAEA報告書は東電数値を報告。」(原子力研究開発機構 8日)

○「泊原発3号機の住民団体アンケート(09年3月 6千戸配布516枚回収)では、プルサーマル計画を知らない238,説明をよく聞いていない234,安全性は危険だと思う297,不必要218であり、国・道主宰シンポの肯定意見50−60%は明らかにヤラセの結果を反映している」(9日)

○「3,11以降も東電の40億円で人工芝サッカー場をつくる刈羽村、4月敦賀市長選候補者4人はすべて原発推進論者で市の予算の20%は原発関連」(『詩人会議』10月号)

○「福島原発事故は、敗戦後に新しい国、新しい国人となるという決意をすっかり無駄にすることではないかとこの半年間取り憑かれた」(大江健三郎 8日)

○「基準以下でも放射能のある食品は一切イヤだという自由もあれば、それは生産者を苦しめる非理性的な行動だと批判する自由もある。被災地の食品を買わないと罰金だという強制的な方法ではなく、互いの自由を認めて意見を交換し、ズバッと割り切れない放射の被害の影響が全国に及ぶ厄介な時代だという覚悟がいる」(安斉育郎 9日付け朝日新聞)

○「欧米から新興国への経済力の移行は、新しい地政学的現実を生み、米国主導の時代から意思と能力のある国が連携して危機に対処する時代への移行期に入った。米国はイラクとアフガンの戦争疲れが国債危機へのアプローチを決め、米国の政治感覚は外国が泥沼と同義語となった。米軍のアフガンからの撤退は米国の10年間の介入主義への終わりの合図であり、リビアでの米国の選択は欧州勢力の主導を実現し、中国の東シナ海の行動は国際規範への朝鮮がありふれtらこと都内、強固な自己主張が国益に反すると悟って信頼醸成と協力的接近を強調する再調整を始めた。アラブでの長期独裁政権の排除は、あたらな政治体制の中でイスラム主義政党が伸びて定着する懸念があり、治安部隊と自由主義、イスラム主義の間の戦いが今後の特徴を決める。」(英国国際戦略研究所年次報告『戦略概念』2011年版 6日)

○「地球温暖化による海面上昇と二酸化炭素による海洋酸性化が、太平洋島嶼諸国の最大の脅威であり、キリバスは10万人以上を人口とに移住させる計画を実施する。」(太平洋島嶼諸国首脳会議 6日)

○「アフガンでの今年前半期の民間人死亡者数は1462人で最悪となり、平均寿命44歳、5歳までのこどもの死亡率25%と破綻国家となった」(国連 8日)

○「全国8月自殺数速報値は、昨年同月比0,5%増の2573人、1月からの累計は2万1280人、大阪165,佐賀18,千葉98,岩手50,福島45,宮城51人となっている」(警察庁 8日)

○「規制緩和による企業活力と小さな政府、妊娠中絶・同姓婚・銃規制・進化論に反対するキリスト教福音派、社会保障は若者のネズミ講であり、地球温暖化は非科学的で米国経済を危機に入れる、死刑執行は当然だ、米国債の上限は債務不履行とならない日本を含めて海外米軍は引き上げるべきだとするリバタリアニズムが茶会共和党の本質」(9日 朝日新聞)

○「北朝鮮の6箇所の強制収容所に20万人が収容され、トウモロコシを盗む子どもを含む1000人が毎年公開銃殺されている」(国際NGO 8日)

○「現在のテロリズムの特徴は、匿名性を維持してネットで情報交換し、海外から要員を移動させるのではなく、ネットで武器を調達する米国籍のイスラム過激主義系(アンワル・アウラキ師)一匹狼型テロ(9,11移行5件)であり、第2は極右主義の洗礼を受けた白人至上主義など極右型テロ(08年以降で20件)であり、帰還兵が勧誘されている」(9日朝日新聞))

(9月8日)
○「東日本大震災による生活保護受給相談件数は(3−7月)、43258県、申請数は1212県、受給数は861世帯(70% 福島434,宮城264,茨城91,岩手60)、避難先別は賃貸住宅370,知人・親戚139,避難所118,入院90,仮設住宅4。東電仮払金による生活保護打ちきり10町村で9月1日現在73件。全国十者数203万1587人で過去最高}(厚労省 7日)

○「福島第1原発事故発生時の運転操作手順書は、緊急停止後の圧力町誌、原子炉・格納容器の冷却の当直長と運転員の操作内容を記しているが、ほとんど黒主。原子炉圧力調整で当直長がSRVによる圧力制御指示し、操作員がSRVを純治手動開または非常用復水器使用による×MPa〜×MPaに維持実施、報告と記す。津波後の過酷事故の対応は含まない。過酷事故は電力会社任せで原子力委と保安院は把握していない。東電は知的財産と核物質防護を理由に公開拒否」(衆院科学技術・イノベーション推進特別委 7日)

○「福島原発から北西に延びた高濃度放射能汚染地帯は、3月15日午前7−11時と午後1−3時の2回大量の放射性物質が放出され、1回目は降雨が無く汚染は低く、2回目は放射性の雲が西北へ流れ、3月15日午後の気象条件で2号機の放射のは雨で地上に落ち、降雨がなければ汚染度は低くなった。チェルノブイリの強制移住対象の汚染レベルでは、街灯面積は東京都の4割、800平方kmとなる。」(原子力研究開発機構 7日)

○「九電のやらせメールは、佐賀県知事と面会した九電幹部が会談中に手帳に記録した知事発言と、会談後に作成した発言メモがほぼ一致していることが判明した結果、知事が再稼働容認の立場から質問・意見を出す指示をしたことが明確となった」(九電第三者委員会 8日発表予定中間報告)

○「ボーとすることが増えた。帰ってくると遺骨の前に無言で座っている。時々自分が何処にいるか分からなくなる。ここから見る海は嫌いです。またここに家を建てたいとは思わない。これで・・・。終わりだと思います」(大熊町 65歳女性)

○「浪江町赤宇木地区の住民の被爆量は、事故から2ヶ月で50ミリシーベルト、年間被爆量は68ミリシーベルト、もし避難せず1日8時間屋外にいた場合の年間外部被曝総量は190ミリシーベルトで、避難指示は妥当だった」(弘前大医療綜合研究所 ネイチャー・レポート 7日)

○「1952−201年度までの米軍機事故・事件総数は20万8029件、米軍関係者の公務中4万8504,公務外15万9525,これによる日本人の死者公務中520人、公務外568人。72年沖縄返還後の全国件数7万7105件、うち沖縄4万4544件。米軍人刑法犯検挙件数(89−2010年)2240件、うち沖縄1035県、神奈川444,長崎283,山口212。米軍地位協定で公務中は第1次裁判権が米国」(防衛省・警察庁 7日)

○「ペルー政府は多国籍企業による鉱物資源開発に、先住民の意見聴取と住民投票を義務づける事前協議法を公布した」(6日)

○「イタリア中部のフィレッテーノ市(ローマ東方100km 人口500人)は、イタリア中央政府の455億ユーロ(5兆円)の緊縮財政による地方交付金の削減に反対し、独立の道を選択し、新通貨フィオリト2万枚を発行し流通させ始め、サンマリノ共和国のような独立国家をめざす」(7日)

(9月7日)
○「北海道電力泊原発3号機の運転再開を認めた北海道知事の政治団体の役員のほとんどは、北電経営者が占め、6年で244万円の定額政治献金をおこなっていた。『知事の後援会長は北電会長とか、経営陣が順番に献金しているとか、知事ご自身が経産省出身である。原発運転再開を独自の判断でできるというそういうお立場なのか。』(静岡県知事)」(7日)

○「フランスは使用済み核燃料を持ち帰ってもいいよといった。ある種のビジネスかも知れないが、経産省の現場には伝えた。フランしに引き取らせることは、六ヶ所村の再処理システムを諦めることであり慎重論が強かった3月15日の午前3時頃に経産相から東電が撤退したいという話しがあった。放置すればチェルノブイリどころではなくなる。私の頭のなかには撤退という文字はなく、命がけでどう押さえ込めるかどうかだった。東電社長を呼んだがはっきりしないので、これでは危ない、グリップしないとダメだと思い、合同対策本部をたちあげ、情報の流れがよくなった。米国の支援を私のレベルで断ったことはいっさいない。はじめから協力お願いしますという姿勢だった。危ないところだけよろしくというわけにはいかない。東日本が潰れると発言はしていない。シュミュレーションはあらゆる可能性を調べさせた。避難範囲が100km、200km、300kmと拡大すると、関東全部がはいり、3千万人が避難することになり、日本という国はなり立たなくなる。100年に1回だってそんなリスクは負えない。炉の圧力が上がってベントをおこなうという全員の意見の一致があったが、東電はやれと言ったのにやらない。今でも理由が分からない。ベントで現場とのコミュニケーションがとれないことが分かった。避難地域の設定は、原子炉の状態を見て、住民にどう伝えるか、一軒一軒とを叩いていかないと生けない、叩く人間がどこにいるか、総合的に判断した。直接的な炉の爆発の危険と、逃げ出すときのリスクを勘案しながらだんだん避難地域を拡げた。判断の仕方そのものはおかしくなかった。3月12日の水素爆発の報告はすぐにこず、TVで爆発が起こっているが報告が来ない。全電源喪失を想定していなかったために、ありとあらゆる想定が全然うまくゆかなかった保安院は機能を発揮できなかった。全電源喪失と、津波と地震も一緒に起きないことになっており、保安院が事故直後に言ったことはほとんどあとになって変わっている。経産省は推進派だから、安全庁をつくる閣議決定をし、その流れはそう簡単に逆行しない。脱原発依存は私の内閣でやれるとこまでやったが、最終的には国民的判断だ。玄海原発は経産省が再稼働の既成事実をつくろうとした。保安院が全部シナリオを書いて、保安院だけで再稼働を判断するつもりだったので、それでは国民的納得を得られないと思い、安全委員会も関与するルールを作るよう大臣に指示した。経産省は玄海原発を最初の突破口にしようとした。浜岡停止は、海江田大臣から提案があり、検討を指示した。経産省は浜岡停止はやむを得ず、他は停止させないというシナリオがあったんじゃあないか。浜岡は国の機関が地震の危険を判断している。東京・大阪が遮断され、新幹線も東名高速も止まる事故を防げなかったのは、同調圧力だ。原発事故の危険性を云えないムードになっていた。原子力村では彼奴は変わり者だから、といって外していく。役所もみんなそうだ。それを恐れてみんな同調していく。」(管前首相 5日 朝日新聞インタビュー)

○「3月下旬に飯舘村、川俣町、いわき市の15歳以下の子ども1150人対象に実施した検査で、1時間当たりの甲状腺から体外に出ている放射線計測値が通知され、将来にわたる内部被曝線量の推計は出されず、同じ計測値でも1歳と15歳では感受性が5倍異なり、誤差が大きく健康リスクを評価できないとして通知されない」(原子力安全委員会 5日)

○「福島の子は不安を抱えている。被災者差別も顕在化し、受けいれ側も最初は気の毒と思うが、長期化でオトナ同志がこじれ、子どもに伝わってイジメにあうケースが目立つ。避難者がなぜここにいて、帰れないのか考え合う機会をつくりたい。」(NPO避難児童支援 7日)

○「震災復興は敗戦直後を想い起こし、科学技術優先と消費社会の戦後の日本の価値観が問い直されている。戦後復興を教育が主導したように、いまこそ持続可能な教育が求められる。間違いを検証し、ビジョンを掲げ、明日への希望へつなげる教育を探求すべきだ。単なる恐怖と無力感、政治不信に終わらせてはならない。54基の原発がひしめく列島に住んで、どこで同じ事故が起きてもおかしくないと気づかされた。」(佐藤東大教授 7日)

○「原発を廃炉にするという震災直後の国民的合意がすでに失われつつある。経済活動を生命の危機より優先すべきではない」(大江健三郎 6日)」

○「船橋市に避難した福島の小学生が、放射能がうつると言われて、再度引っ越した」(7日)

○「福島ナンバーの車への差別に腹が立つ」(福島市立平野小学校3年 7日)

○「もう先は長くないし、また原発が爆発しても、ここで生きるよ」(南相馬市 83歳男性)

(9月6日)
○「月夜の晩ばかりあると思うなよ」(大飯原発反対運動に参加した中島哲演住職への脅迫電話)

○「もんじゅリサイクル研究開発促進交付金24億3000万円を投入して、02年に総事業費35億円で建設した温泉施設リラ・ポートは、オープン以降08年まで累積赤字7億円を超し、09根に項は民間に委託し、毎年6千万円の管理費を市は支払っている。関電・大飯原発のおおい町は、うみんぷあ大飯の造成地22ヘクタールは訪問者の人影はなく、企業誘致2,2万平方qも空き地のままで、全戸児童69人の小学校はグランド1万1827万平方bで、電源3法交付金が7割を占める総事業費19億円で建てられた。」(6日)

○「帝国データバンク調べでは被災3県沿岸部の5千社のうち、6月末に事業再開できたのは約半数であり、復興事業と求人のミスマッチで就職ができず、失業手当給付期限が迫るなかで、政府の雇用創出基金を利用するつなぎ雇用が契約期間数ヶ月で時給700−800円と不安定で機能せず、県外流出がすすむ。多賀城市では浸水地の事業者44%が事業の一部または全部が停止し、16%が移転と廃業を検討している。一方で自動車業界はサプライチェーンが恢復し、経験のない大増産で期間従業員を大幅採用し、トヨタはエンジン工場を新設し、福島では東芝・パナソニックの20者が総合研究開発拠点をつくる」(6日)

○「原発事故の避難の特徴は、福島県仮設住宅9500戸、借り上げ住宅2万1千戸、浪江町は仮設住宅4600人、借り上げ住宅1万6600人と、広域点在避難であり、PTSDが目標と希望の喪失とない交ぜに深化し、今後10年ー20年の見通しがつかない。会津地方への避難者の相談は、喪失・ストレス90,避難対人関係124,将来不安55,既往症99となっている。」(6日付け朝日新聞)

○「小高原原発の電源立地初期対策交付金の今年度分8700万円を受けとらない方針を決めた。県の復興ヴィジョンが脱原発を決め、これだけの事故を受けて立地推進は難しい」(浪江町長 5日)

○「労働者性の判断基準は@事業組織へのくみ入れA契約内容の一方的・定型的決定B報酬の労務対価性である。@は労働力確保のための契約、評価・研修制度、業務地域と日程の管理、制服着用、名刺や身分証の携行、他の相手からの類似業務提供困難であり、Aは契約締結と更新の個別交渉、契約内容の変更をくわえる余地がない、報酬基準の一方的算定、Bは報償制の存在時間外手当、報酬の一定額・定期支払とし、この3点がすべて揃わなくても労働者性がある。業務依頼への服従性と指揮命令による一定の拘束の2点である。」(厚労省・労使関係研究会報告書 単独契約する請負の団体交渉拒否による労使紛争の激化に対応して)

(9月5日)
○「中国人民解放軍は、核・化学複合汚染事件を想定した緊急環境監視・測定演習を北京で実施し、現場に偵察車が急行し、移動実験室で分析し、汚染原因と範囲、程度を正確に測定し、陸海空軍を統合する指揮系統を確認した。北京郊外に中国核工業集団初の高速増殖炉の実験炉が完成し、昨年7月に核分裂が連続する臨界に達し、今年7月に送電線に接続する発電に成功している」(時事通信 2日)

○「東電は土木学会『原発の津波評価技術』(02年)による解析を実施し、福島第1原発の津波を5,4−5,7mとしてポンプのかさ上げを行い、同年の政府地震調査研究推進本部の三陸・房総沖大地震発生予測をもとに、08年春に明治三陸沖地震による試算を行い、福島第1の浸水高15,7mとし、同じ08年に貞観地震の論文の2つのモデルで試算し、現在の想定を越える8,7−9,2mの結果を得て09年に土木学会に審議を要請し、保安院に貞観地震予測データを8月に説明し、三陸沖データを事故直前の11年3月7日に説明した。東電はこの試算を公表せず、現在も詳細の公表を拒否している。これによって『想定外』が完全に虚偽だったことが明らかとなった」(5日)

○「仙台市荒浜地区と名取市1,6ヘクタールで耐塩性の高い綿花の無農薬栽培『東北コットンプロジェクト』が8戸ではじまり、紡績会社・アパレル企業と共同して生産・製造・流通までの一貫システムがたちあがった」(5日)

○「保育所や学校を対象とする緊急除染から恒久的除染の段階に入った。恒久的除染の前提として、政府の財政措置でさまざまの箇所への線量計設置による正確なデータ、農協施設や学校への食品測定器による食物による内部被曝の防止、除染計画は住民主導でつくり、実施は行政と業者が行い、除染の役割を担う原子力安全委員会からの原発推進メンバーの排除が必要。除去した土は当該地処理を基本とし、人工バリア型保管場やコンテナによる外部との遮断をおこなう」(児玉東大アイソトープ総合センター長 3日 南相馬市)

○「民間ファンド販売会社ミュージックセキュリテイ(東京)は、1口1万5000円(出資金5000円、寄付5000円、手数料500円)で、数百万円から1億円を集め、投資期間7−10年で売上発生から売上金の数%を配当として還元するシステムで被災企業再生の復興ファンド事業を開始し、野村證券復興支援再建ファンドは被災自治体や企業が発行する債券に投資し、4万人から520億円が集まり、管理手数料のうち1億円も寄付に当てる仕組みで復興支援をおこなう。支援対象は雇用を抱える地場中堅企業で1件当たり数億円見込む。災害支援NPOシビック・フォースは寄付金をもとに総額5億円の復興ファンドを立ち上げ、被災地中小委企業を対象に、社債を引きうけ、現在寄せられた寄付金10億円のうち5億円を被災地への物資提供、残りから2億ー3億円をファンドに拠出する。投資額は1件2千万円ー3千万円で5年をメドに償還をおこなう。災害直後は寄付が集まるが、翌年以降先細りするので、中長期の中小委企業支援をおこなう」(5日付け朝日新聞)

○「ブッシュ政権時代のCIAがカダフィ政権秘密情報機関に、テロ容疑者のリビア移送と訊問代行を依頼し、少なくとも8回にわたって容疑者を送りこみ、04年CIA作戦担当副長官がリビア対外情報局長に(のち外相、3月英国亡命)『親愛なるムーサ』ではじまる書簡を送っていた。CIAはリビアへの恒常的な拠点設営に動いた。リビア側はテロ容疑者の訊問代行を引きうける見返りに、反体制指導者を捜して引き渡すよう要請し、CIAは04年3月の返信で『反体制指導者の所在を割り出すべく最大限努力する』と約束し、『両情報機関の関係発展に取り組む』としている。英情報機関が外国で亡命生活をくっている反体制活動家の動向をリビア情報機関に報告していた文書も発見された」(ヒューマン・ライツ・ウオッチのリビア対外情報局本部調査 ウオール・ストリート・ジャーナル 2日付け)

○「8月の英国暴動の逮捕者はロンドンだけで2千人を超え、全国200万箇所設置の屋外監視カメラ延べ2万時間分が証拠となった。歴史的にはアイルランド人の職工や産業革命の下層労働者、カリブやアフリカからの移民労働者が暴動の主体となったが、今回の暴動で捜索を受けた人は黒人が白人の7割にのぼり、警察の人種差別が発火点となったが、親の失業やアル中で家庭崩壊した極限の貧困で育った25歳以下の無職層が主体で、中心は11−17歳の少年が多い。背景には地域予算の激減によるコミュニテイの崩壊で、ギャング化するアンダークラスの貧困層と子どもの膨張がいる。英国型の公的な安全網が崩壊し、白人を主体とする若者たちが暴動に走っている」(朝日新聞欧州総局長 5日)

(9月4日)
○「組関係者を通じて、人を集めてくれないかと頼まれるんだ。『簡単な仕事だ。1−2万円もうかるぞ』っていうと人は集まってくる。先日は40歳代の男で、4000万円借金して逃げてきたというのがいた。でも、作業現場からすぐ逃げ出すような下手な人間を集めて、ひとつ間違ったらこっちが命を取られるからね。」(元暴力団員 67歳 福島原発作業員徴収について)

○「敦賀市に住んでいた友人が派遣切りにされて、原発作業員になりました。仲介には暴力団が入っているといっていました。雇用契約は会社と結んでいますが、じつは給料は暴力団を通じてもらっています。電力会社は1人当たり、日当3万円を払っていますが、本人は8千円しかもらっていません。ピンハネされているのでしょう」(33歳 男性)

○「原子力問題が面倒な理由のひとつは、左翼の反米運動の材料として使われているためである。坂田昌一名大教授や武谷三男は素粒子論研究者の極左派であり、最も強く保守政府のもとでの原子力研究に反対している。極左思想を持つ指導者によって統合されている最大の組織は民主主義科学者協会であり、ほかに伏見康治、中村誠太郎がいる。日本学術会議の中には、民科を背景とする議員が多く、約40名に及ぶ。中立系学者の大部分も米国に依存することを排している。(付属資料:主要原子核物理学者の大学・研究所別一覧表 備考欄に極左・中立・右、米国と関係深しと注釈)」(福井勇文部省政務次官・駒形作次通産省工業技術院長「日本における原子核及び原子力研究の施設及び研究者について」 1954年2月24日作成 9月27日在日米大使館から国務省へ送付 山崎正勝東工大名誉教授が米国立公文書館で国務省解禁文書より発見)

○「1975年に福島県双葉地方の住民403人の福島第2原発原子炉設置許可取り消し訴訟で、世界で例をみない運転実績のない大型炉(110万KW))の集中立地で、放射性廃棄物と使用済み燃料の加速的集積、事故発生確率の増大を招き、溶接部ひび割れ事故や冷却材喪失事故発生の重大な危険がある。国の許可処分は、地震・津波・航空機墜落などの可能性からみた立地適正を充分に検討していない。燃料棒の破損と炉心溶融、水素爆発等の危険があるーと指摘していた」(安田純治弁護士 3日)

○「原発から12kmの苅野小学校は、8,29マイクロシーベルトで、震災直後は避難所だった。3月12日の夜まで1500人ほどいたんですよ。あの時の線量はどれくらいあったのか、、今では分からないままです。この3ヶ月、毎週毎週、少しづつしか下がらない線量を見てきた。今ほんとうに必要なのは除染です。政府の対応を見ていると、じれったくなります」(浪江町職員 3日)

○「がっつり被災したわけじゃあないから、ここにいるのが複雑な気分だ。地震を受けたのはみな同じで、引け目なんか感じなくてもいいのに。被害が小さいことで苦しむ人もいるんだ」(名取市 高校2年生 阿部さん キズナハイスクール東京合宿で)

○「大災害ではパニックを起こすのは権力エリートであるという災害社会学のエリート・パニック論はただしい。大震災直後の怒鳴り散らす首相、放射能情報を隠す原子力当局、乱立する政府対策本部などどれもパニックに近い迷走だった。危機に直面すると大衆はパニックを起こすと思いこんでいる政府が逆にパニックを起こし、安全じゃないのに暗然と繰り返し、情報を隠し、ハリケーン被災地の市民に軍隊を派遣して銃口を向ける。ブッシュは、小学校を視察中に3,11テロ情報を聞いて、放心して恐怖に陥る過程がメデイアに同時中継され、その後ネブラスカ州に10時間雲隠れし、臆病・役立たずと批判され、夜になってようやく首都に戻り、敵機襲来の声に寝間着のまま階段を駆け下りて逃げた。その後ブッシュは、恐怖とパニックをふりはらうように、頭頂やおとり捜査、水責めなど拷問を行い、ありもしない大量破壊兵器をあると思いこんでイラク戦争に走った。ブッシュは自ら重要案件はしばしば勘で判断し、最後は自分の直観を信じたーと回顧録で言っている」(山中朝日新聞ニューヨーク支局長 4日)

○「ろうそくの炎に集うことができるのは、せいぜい5,6人。電気を通さない肉声が届く範囲も限られている。けれでも不安な夜を過ごすために身を寄せ合って、声低く語られる物語にこころを委ねるとき、必ずやってくる朝への信頼と希望もすでに始まっているのではないでしょうか」(菅啓次郎 『ろうそくの炎がささやく言葉』けい草書房刊行に際して 3日)

(9月3日)
○「ストレステストを含め安全性を厳格にチェックした上で稼働できるものを地元に説明しながら再稼働する。保安院は信頼感がないが、原子力安善町が設置される来年4月まで待てるのか。それでは遅すぎる。消費税10%は具体的に実行すべく制度設計に向けて与野党協議を進めたい。大震災の復興財源は時限的税制措置をとることが結論だ」(首相 2日)

○「私らには原発技術のことはわからない。どうやって原発行政を判断するかといえば、それは地域振興だ。地域振興がOKならば原発もOKなんだよ」(福井県自民党県議)

○「敦賀市の電源3法交付金は1974−2010年の累計で462億7000億円で、ほとんどはハコモノ行政に使われ、地場産業振興に使われず、79−09年の製造業の事業所数は半減した。

○「原発は一瞬を争う事故というのはないそうです。そのかわり100年経ってカタワ(障害者を侮辱する語)が生まれてくるやら、50年後に産んだ子が全部カタワになるやら、それはわかりませんよ。わかりませんけど、今の段階ではおやりになったほうがよい。いつまでも心配する時代ではない。気比神社の修復費用を捻出するために北陸電力に1億円だけ寄付してくれと頼んだ。そりゃあもうわかりましたと、1億円づつ動燃と原電からいただいて帰ったんです。こうして寄付してもらうわけですよ」(敦賀市長 1983年)

○「発電所全体が汚染されている中で作業をやることが前提であり、1分あたり10万カウントの測定上限は、地面に座ったり、壁に触れたりして毎日発生する。測定限度を超えることは日常的にあり、防護服の放射性物質を拭き取って5000カウント以下にするので、特別の対応は必要ない」(東電福島第1原発作業員被曝について 東電 2日)

○「福島第1原発事故時の運転操作手順書は、見開き12頁で、原子炉緊急停止後の炉内圧力調整の当直長や操作員の手順などは、知的財産が含まれすべて黒塗りとなっている。全電源喪失の過酷事故への対応の手順書は別にある」(衆院科学技術イノベーション推進委員会理事会 2日)

○「生涯における追加累積実効線量がおおよそ100ミリシーベルト以上では健康影響があり、小児はより放射線の影響を受けやすい(甲状腺癌、白血病)。今後の食品規制値の設定などのリスク管理は評価結果が生涯における追加累積量が示されていることを考慮し、食品からの検出状況と日本人の食品摂取の実体を踏まえておこなうべきだ。100ミリシーベルト未満の影響は現在の知見からは困難である。」(内閣府食品安全委員会評価書案 7月26日 *WHOは低線量被曝の閾値なしの直線仮説で、限界値を設定せず線量と発症確立の直線的比例仮説でより安全性を管理する国際基準を無視)

○「東日本大震災関連の企業倒産は320件(8月31日時点)で、阪神・淡路大震災123件の2,6倍のペースですすみ、このままでは1年で600件を超える。累計負債総額は6047億円(うち安愚楽牧場4380億円)」(帝国データバンク 1日)

○「福島県は避難所を8月31日で閉鎖したが、県内9カ所の304人が行き先が決まらず依然として残留している」(1日現在)

○「福島第1原発の大気中に放出された放射性物質がちりとともに落ちてくる降下物の測定結果にミスがあり福島県の6月6日から8月4日の数値が低めに出た。大気中のチリを丸1日水を張った桶で受けとめて水を蒸発させる計測で、単位換算を誤ったか均一に混ぜなかった」(文科省 2日)

○「原子力安全基盤機構に委託した福島第1原発事故発生直後の原子炉水位、圧力変化、燃料融解、原子炉崩壊の時刻の予測の解析を1号機については、首相官邸に報告しなかった」(保安院 2日)

○「東北沿岸の鉱山の精錬時にでたヒ素や重金属の堆積場が地震で崩壊し、海底のヒ素が津波で三陸海岸に打ち上げられ、36地点で基準値を超え(1g0,01ミリグラム)、カドミウムが1カ所、鉛が12カ所で基準値を超えた。ヒ素の溶けた水を飲むと、皮膚が黒ずみ、手のひらや足の裏が硬くなり、肝臓と腎臓の機能が低下する」(東北大調査 2日)

○「志賀原発2号機で、成分や強度がJIS規格値を満たさない首藤バルブ製作所製造の捏造した部品が、島根原発と六ヶ所村再処理工場に続いて発見された」(北陸電力 2日)

○「日本の戦争を『戦争が悪だから日本の歴史は間違っていた』という決めつけ方は絶対に反対だ。決まっているじゃあないですか。これまでの教育が戦争に対する史観を一方的に強制してきたんだから。日本の戦争がきっかけで植民地が解放された。教育勅語が言っていることはけっして間違っていない」(破壊的教育改革の破壊とはなにかを問われて 都知事 2日)』

○「新首相誕生でジャパンドリームが出現した」(経団連会長 1日)

○「松下政経塾出身者の政治家が増えるに従って日本の国が衰退しているのは偶然なのだろうか」(江口参院議員)

○「11年現在で過去1年で新規就農数は5万4507人で前年比1万2250人(18,3%)減少し、自分の家の農業を継ぐ新規自営農4万4800人(前年比1万2600人減)、農業法人雇用就農数は8040人(6,2%増)、非農家の参入は1730人(3,0%増)。定年後参入が2万7440人、40−59歳1万3970人、39歳以下1万3150人。農業参入希望者はいるが営農見通しが立たず就農できない人が多い」(農水省・2010年新規就農者調査 11年4月現在)

○「米大企業100社のなかで25社が連邦政府への法人税納入額より高い経営者報酬を支払い、上位企業のCEOと労働者の賃金格差は325倍に拡大している。CEO報酬はスタンレー・ブラック・アンド・デッカー社(世界最大電動工具)3257億j(24億9千万円 前年比3,5倍 4000人レイオフ)が最高。上位500社のCEO平均報酬と労働者平均賃金格差は09年の263倍から10年は325倍に拡大、金額は年額1076万2304j:3万3121jとなっている。大企業の課税逃れが横行し、連邦の社会基盤整備や国民向けサービスへの投資機会が減少し、関連企業に影響を与えている」(ワシントン政策研究所 2010年調査)

(9月1日)
○「労働安全衛生法は放射線業務の作業員の3ヶ月に1回の内部被曝検査を義務づけているが、東電など関連15社の42人は3−6月に1度の検査も受けていなかった是正勧告を出した」(厚労省 31日)

○「福井県大飯町は1986年に関電から5億円の寄付金をもとに、その利子を各集落に流す町民指標活動支援基金条例を制定し、各地区に年1800円の金額を振り込み、集落の諸行事に使うシステムを作り、揚水発電計画中止にともなう迷惑料1億5千万円の裏金を支払い、美浜町は06年一般会計12億3千万円、07年10億2千万円の匿名寄付金がはいり、11人死傷した美浜原発3号機の蒸気漏れ事故後の運転再開を07年に認めた」(1日)

○「泊原発の国主宰シンポ(経産省 平成20年)においても社員の出席を要請する動員を指示する文書が見つかりました」(北電 31日)

○「再生可能エネルギーの潜在的導入可能量は20億kwで、国内全発電設備容量の10倍にあたり、風力は現在の導入量は244万kw、風車数は1807基であり、風車の部品は2万点でガソリン車の3万点、電気自動車の1万点にも匹敵するので新たな産業と雇用の創出が期待できる。1000kwイカの焼死威力発電は、全国5000カ所である。再生可能エネルギー買取制度はすでに世界61ヵ国で導入されているが、日本では8月に要約成立した」(環境省・再生可能エネルギーポテンシャル調査 4月)

○「火力発電を15年末2億5千万kwから2億6千万kwにひきあげ、風力発電は9千万kw計画を1億kw計画に引き上げ、15年目標として太陽光発電1千万kwをめざす。現在は火力73%、水力22%、原子力2%」(中国政府2015年エネルギー目標 中国証券報30日)

○「福島県人口(住民基本台帳記載)は、3月1日から2万7000人と1,33%減少し、199万7400人に激減し、特に富岡町6,59%、浪江町6,31%、双葉町6,28%、南相馬市4,99%と警戒区域20km圏内が高い減少率を示した』(福島県 7月1日現在推定 *住民票を残したままの避難数を含む)

○「今後の津波対策は2段構えで、100年に1度の津波は人名と財産の両方を守り、1000年に1度の津波は財産は目をつぶり人名と原発を守り、東海・南海地震は100年に1度で隠岐、20回に3回は同時連動しておき、このときの津波は15mをこえる」(都司東大地震研究所 1日)

○「ドイツの資産家50人が『我々は教会で教えているものや医師や企業家であり、資産の多くは相続したものだ。我々は必要以上の金を持っている。貧富の格差拡大を阻むために手を打たなくてはならない』として富裕層に資本課税をし、財政赤字の打開策は貧困層に不釣り合いに痛手となる歳出削減ではなく、富裕層への増税だとメルケル首相に提案した(ガーデイアン30日)。フランスの富豪16人(化粧品大手ロレアル創始者の娘リリアン・ベタンクール、石油大手トタル・クリストフ・ドマルジェリCEO、航空大手エールフランス・ジャンシラル・スピネッタCEO)は、政府の財政赤字削減支援のために富豪を対象とする特別貢献税の創設を提案し、我々はフランスの制度と押収の環境から恩恵を受けておりその維持に役立ちたいとし、サルコジ政権は年間初頭50万ユーロ・5523万円超の世帯への増税を発表し(ンウーベル・オプセルバトール23日)、イタリアのフェラーリ・ルカ・モンテゼーテロ社長は、政府資産の売却などの条件を付けて富裕層に求めることから始めなければならないとした(コリ・オレ・デラセラ)。この動きは富裕層への増税を呼びかけた世界最大の投資持株会社パークシャー・ハサウエイ会長兼CEOの米国投資家ウオーエレン・バフェットの『超大金持ちたちを甘やかすことはやめよ』という訴え(ニューヨーク・タイムズ15日)に呼応している。」(1日)

○「生後4週間までの新生児死亡率は09年までの20年間で30%減少し、193ヵ国で460万人から330万人に減少したが、絶対数の99%が途上国でその半数はインド、ナイジェリア、パキスタン、中国、コンゴの5ヵ国に集中し、1000人当たり死亡率が39人を超す15ヵ国のうち13ヵ国がアフリカ諸国で、残りはアフガニスタンとパキスタンとなっている。アフリカの減少率は1%で、アフリカ諸国が米英水準に追いつくのは150年以上かかる。新生児思慕率減少は、2015年絶対的貧困半減と5才未満死亡率3分の2削減を掲げた国連ミレニアム計画(2000年)設定に始まる」(WHO 30日)

○「入学式などの君が代斉唱時に起立しなかった神奈川県立高校教職員の氏名を収集した県教委の行為は、県教委の正当な情報収集行為であり、個人情報保護条例違反ではない。不起立情報は思想信条に関する情報に該当するが、起立を求める職務命令があり、収集は事務・事業の実施に必要な例外的取扱が許される」(横浜地裁判決 21日) 

○「人をたくさん焼き殺して死刑になりたかった。誰でもよかった」(渋谷・ライブハウス放火事件容疑者 31日)

(8月31日)
○「福島第1原発事故直後の発電所内と周辺の放射性物質の計測結果の公表値に、転記ミスや単位の間違いなど94の誤りがあった。最も大きいのは、4月29被測定の海底土のセシウム134は土1kg1200ベクトルだったが、1,5ベクトルと800分の1小さい値として発表した」(東電 30日)

○「九電の関係者もどんどん参加して意見を言いなさい。九電関係者の動員、桜質問など取り注でお願いする。発言要綱を準備してもいい。中電担当者へのヤラセ発言要求は法令遵守の観点から拒否され、中電担当者に不満を示した。国が関与したヤラセ住民説明会は、6件(保安院3,シゲンエネルギー庁2)」(経産省ヤラセ問題第三者調査委員会 30日)

○「原発は地球温暖化の原因となる二酸化炭素をほとんど出さず、原料となるウランを繰り返し利用できる利点があります。国に守られ生活する私ー架空の市の原発計画を考え、住民投票で受けいれる過程をくみたてなさい。」(育鵬社・公民教科書 *同社の親会社であるフジ・メデイア監査役は元東電社長)

○「福島第1原発で8月初旬に1週間働いた40歳代男性作業員が急性白血病で死亡した。作業開始後1週間で発症し、元請会社から報告を受けた。被曝放射線量は0,5ミリシーベルト(白血病の労災認定は5ミリシーベルト、発症まで1年間の潜伏期間)」(東電 30日)

○「福島第1・2原発の西側を南北に延びる長さ44kmの畑川断層はM7,6の地震を起こす可能性があり、想定基準の最大に近い揺れとなる」(東電 30日)

○「過疎と高齢化など地方への犠牲転化のうえにひた走ってきた大量消費文明の見直しと利潤第1と効率化を煽り、格差を広げ、弱者を切り捨ててきたあの日までと変わらない日々をふたたび歩むことでいいのか」(『季論21』8月号)

○「復興構想会議提言では、被災者や生存権という言葉はなく、自助と共助を中心にすえた中央政府免罪論であり、社会保障と税の一体改革は被災地にきつくのしかかる。生活の自己責任論と輸出主導型競争力強化を政策思想とするシステムの転換が求められる」(日野秀逸『経済8月号)』

○「福島原発事故の被害補償基準は、同一県内の移動をともなう交通費1人1回5000円、宿泊施設避難は1泊8000円、健康診断1回8000円、放射線検査1万5000円、除染費用5000円、営業損害と風評被害は全額、汚染牛は検討中、仮払総額1120億円、本格賠償請求件数40万ー50万と見込む」(東電 30日)

○「世界災害史をふり返ると、災害時には社会的連帯と相互扶助に向かう多数派の集団と、冷酷さと私益を優先して2次被害を引きおこす少数派の集団が生まれ、少数派は自分たちのイデオロギーに固執する」(レベッカ・ソルニット『災害ユートピア』亜紀書房)

○「経団連が経済成長をどうしてくれるとしか云わず、政府のしでかした迷惑行為の被害者のように云いつのる感覚がわからない。原発災害と政治・経済・社会の大混乱のなかで、日本経団連傘下の企業は被害者なのか」(山田孝男『エコノミスト』8月16・23日号)

○「ノーモア・ヒバクシャを訴えてきた被爆国の私たちが、どうしてふたたび放射線の被害におびえなくてはならないのか。・・・自然への恐れを忘れていなかったか、人間の制御力を過信していなかったか、未来への責任から目をそらしていなかったか」(長崎市長・平和宣言 8月9日)

○「米東部のM5,8地震で原子炉2基が自動停止したノースアンナ原発した事故で、M6,2想定の耐震設計の安全システムを再調査する」(米原子力規制委員会 29日)

○「従軍慰安婦の賠償請求を韓国政府が交渉する努力をしないのは、被害者の基本的人権を侵害し違憲である。56年の日韓基本条約の解釈をめぐる差について両国政府は外交で解決しなければならない、それをしないのは不作為にあたる」(従軍慰安婦・被爆者2600人訴訟に対する韓国憲法裁判所判決 30日)

○「ほんらい家系から資金を調達するのでマイナスになるはずの企業貯蓄率が日本ではプラスの状態が恒常化しているのは、企業活動が衰弱し、雇用と賃金と設備投資の抑制が進められたことにより、このままでは経常収支黒字の拡大と経済成長率の低迷が同居する事態となり、企業国際競争力と収益力が限界にくるまで続く危険があり、早急に内需への転換が求められる。異常円高はいつも米国の経常収支赤字が拡大した時期と一致し、日本は米国の勝手な経済調整コストを円高や各種経済摩擦の対米譲歩でほとんど一手に引きうけてきた」(合田USBシニアエコノミスト『エコノミスト』8月9日号)

○「1940年代にグアテマラで46−48年に、子どもと精神疾患者、囚人、性労働従事者55000人対象に被験者の同意なく菌を注射し粘膜に塗布した性感染症の人体実験で、1300人が淋病と梅毒菌に接触させられ、1000人以上が感染し、83人が実験中に死亡した」(米大統領調査委員会報告 29日)

(8月30日)
○「MOX燃料について近々開始する予定であったが、第3者委員会のヤラセ調査の結果が出るまで着手しない」(北海道電力 29日)

○「福島第1原発の高濃度汚染水処理装置で、低減したあとの水から塩分を除去する淡水化装置のフィルター交換作業で、2人が17,1ミリシーベルト、1人が確認中でベータ線被曝をした」(東電 29日)」

○「福島第1原発から20km圏の警戒区域の水田の土壌から、大熊町1kgあたり2万5226ベクトルのセシウムが検出された(政府基準は米作付5000ベクトル)」(福島県 29日)

○「原子力安全委員会は、92年の過酷事故の発生は小さいとして対策を電力会社に任せた決定文を廃止し、地震、津波による電源喪失、航空機墜落やテロによる家屋事故を想定した対策を法令化する検討に入った」(30日朝日新聞)

○「福島第1原発から半径100km圏内の土壌汚染度の分布図では、北西方向の半径40km圏内に高濃度地域が集中し、大熊町は1平方キロ3千万ベクトルにのぼり、チェルノブリ事故の強制移住基準55万5千ベクトルを越える地域は6市町村34地点・約8%(南相馬市、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、飯舘村)に上り、基準を超える汚染濃度地域は8300f」(文科省 2200カ所 放射能セシウム濃度 深さ5cmの土採取 29日)

○「ハリケーン・アイリーンでメリーランド州のカルバート・クリス原発1号機が、風に吹き飛ばされた瓦礫が変圧器を直撃し、原子炉が自動停止した」(27日)

○「東日本大震災が発生した3月11日から29日までの風邪向きと降雨などの気候条件をもとに放射性物質のヨウ素とセシウムの放出量は、ヨウ素131の13%、セシウム137の22%が日本の陸地に降下し、その範囲は15都県に広がり、セイシウム137は静岡、長野、新潟に飛び火のように高い降下量を示し、東北地方から中部地方へ広範囲に広がっている」(国立環境研究所 29日)

○「なにも悪いことをしていないのに、これからどうなるのか。苦労した人生、あとは楽して暮らしたかった。放射能の制で、お盆に酒を交わして飲む何十年来の友だちが欠けてしまった」(1次避難所閉鎖31日を前にして 富岡町 65歳男性)

○「1日40dの漁協の製氷器が壊れたから、漁をしても魚が腐り、保存業者も輸送業者もなり立たない。氷がなくなって雇用もなくなり、おれんとこの6人の乗組員もサンマ漁と福島原発に行ってしまった」(大船渡市イカ釣り漁師 62歳 30日)

○「全労働者に占めるパート・契約・派遣の非正規社員の割合は、過去最高の38,7%、パト22,9%、契約3,5%、派遣3,0%。非正規雇用の理由は賃金節約43,8%で、長期不況による」(厚労省・就業形態多様化に関する総合実態調査 2010年10月時点 従業員5人以上事業所1万6886事業所と従業員5万1152人対象 有効回答率各61,7%、64,7%)

○「東日本大震災による自動車産業のサプライチェーンの寸断は予想以上の影響をもたらした。部品の在庫水準が低いことは、平常時の効率性を高めて企業収益を増加させるが、大きなショックが発生すると、企業は短期間で生産削減を余儀なくされ、他の産業へ連鎖的に拡大する」(日銀総裁)

「漁業権を企業に与える水産業特区について、宮城では社会実験としてやっていきたい」(宮城県知事 26日)

○「米国経済の不況は、住宅市場がサブプライム・ローン危機の落ち込みから回復せず、個人消費を抑制し、いままで大量の米国債を買い入れて市場に資金を供給する量的金融緩和を実施したが、失業率は9%で高止まりし、余剰マネーが投機に回って新興国バブルを招き失敗した。輸出のマイナス幅が大きく、GDPは下方修正せざるを得ない。税制と歳出を通じた投資促進と研究開発、インフラ整備によるより生産的な経済が我々の二律背反を和らげる。しかし新たな財政出動は連邦債務を増大させるので最も難しい。日本に流入した投機マネーが異常円高をうみ、実需経済を活性化してものづくりや輸出を増やすしかないが、金融政策には限界がある。長期的な経済成長に必要な政策の大半は中央銀行の範囲外にある。」(FRBバーナンキ議長演説 26日)

○「日米共同演習のヤマサクラ演習(共同図上演習)は、ハンナン人民共和国(中国?)が日本からの米軍撤退を要求し、ハンナン主導の東アジア連合に日本を強制参加させる軍事行動を起こし、バルヘ(渤海  北朝鮮)との連合軍5師団が、西日本の分離支配と大阪占領をめざし、金沢市と米子市に上陸を開始し、侵攻阻止の防御戦闘をおこなう陸自中部方面隊を、米太平洋軍第1軍団司令部の地上部隊が支援し、侵略軍を撃破するというシナリオとなっている。ハンナンが占領した隠岐の町を陸自第1空挺団と米陸軍旅団戦闘団が共同で奪還する作戦も含まれている。米軍がシッラから撤退し、北部バルヘを勢力圏に入れたハンナン人民共和国が一層の清陵拡大をめざして日本を侵略する前提」(ヤマサクラ61(YS61) 伊丹駐屯地2012年1月31日実施 *米国防総省は演習関係資料を情報ネットから31日に削除した)

○「野田新代表は『民主党内の右翼に属し、領土問題に関心が高く、韓国や中国など周辺国家との摩擦が生じる可能性も排除できない』(韓国・連合ニュース)、『対中強硬派であり、A級戦犯は戦争犯罪人ではないとし、外国人参政権の数少ない反対派だった』(香港・RTHK)、『父親が自衛官の軍人家庭に育ち、宇宙の軍事利用や安保基本法の制定を求める対外強硬派』(中国新聞)、『典型的保守派』(人民日報)、『外交・歴史問題で強硬派であり中国との戦略的互恵関係に悪影響を及ぼし、日中関係は悪化する』(清華大学劉教授)、『選挙権がほしければ帰化せよとし、戦犯はいないとする極右・軍国主義的歴史観の持ち主で靖国神社に参拝する可能性が高い』(朝鮮日報)、『ナショナリスト色の強さで知られた増税論者』(ウオール・ストリート・ジャーナル)、『財政タカ派の消費税増税やライバル野党との大連合をめざす』(ワシントン・ポスト)、『近隣諸国との貿易拡大の強力な擁護者でTPP参加を模索するだろう』(米外交評議会上級研究員)、『野田首相は歴史問題について常軌を逸した発言をした。歴史問題をただしく処理しなければ、中日関係が挫折し、後退することも考えられる。日本の政治家はいかなる時も靖国神社に参拝すべきではない。釣魚島は中国に帰属するという前提で資源の共同開発をしてもよい。中国脅威論を鼓吹すべきではない』(新華社通信)」(29日)

○「韓国政府は在外韓国人の国政選挙の投票権について、朝鮮総連系の制限について検討を始めた」(30日朝日新聞)

○「ホーチミン市・ツーズー病院で年間4万人の新生児のうち、1,2%(500人)が重度先天性障害があり、死産率は2%で、ダイオキシンの影響が第3世代にあらわれている。枯葉剤被害者協会調査では、06年の先天性障害発生率は、祖父母が枯葉剤を浴びた場合は2,69%、そうでない場合は0,82%、障害児総数が減っているのは妊娠をあきらめ、中絶する親が多いためだ。ベトナム政府は枯葉剤被害を認定した兵士とその子孫20万人に、最大月205万ドン(7500円)の支援金を払い、2011年の予算総額は2兆5千億ドン(90億円)にのぼる.。枯葉剤の高濃度汚染地域の助教が米政府の費用負担(24億円)でダナン付近で今年の6月に始まったが、全国には少なくとも28カ所ある。枯葉剤・ダイオキシン被害者協会は化学メーカー相手にあたらな訴訟を起こす」(8月30日付け朝日新聞)

○「朝鮮学校への高校授業料無償化適用手続きを再開することを決定した」(文科省 29日)

○「(ここ数年で何人目の首相か?)知らない。何人目の首相になるの?」(米国務省ヌーランド報道官 29日)

○「弱者は敵と戦うことをしなくてもよい。・・・強者になろうとする者は、戦いを選ぶかも知れないが、弱者の選択肢はただ一つ、<逃げよ、生き延びよ>なのだ」(上野千鶴子『文学界』9月号) *筆者コメント:何とも情けない最終講義です。これがフエミニスト学者の最終結論とは! 人間の世の強弱のシステムそのものを超克する展望を遮断する説教の恐るべき無神経さ! おそらくこの人は弱者の何たるかを知らないのでしょう、無知の知こそ課題です)

(8月29日)
○「原子力基本法(1955年)・日米原子力協定(1955年)の当時は、政界、学界、産業会あげて原子力平和利用に向かった、原子力『バラ色の時代』である。社会党時代には、党内の一部に賛成論もあったが、党の方針として一貫して脱原発の立場からエネルギ−政策に取り組んできたところである。国民統一戦線綱領では、充分な安全保障体制の確立まで新紀元パウの認可はおこなわず、既存のものもこれに準じた措置をとる。社公合意では民主的手続きによる厳格な安全審査と環境アセスをもとに反対の姿勢はとらず、コスト面で必ずしも有利でなくなったと言う理由から、新規計画は中止の方向を打ちだした。新エネルギー30年戦略では原子力の全面凍結を前提にした政策は実行可能性に乏しい。細川内閣8党派覚え書きでは、原発は安全を確保し新エネ開発に努めるとした。ー社民党『脱原発プログラム』。原子力に関するその幕を切って落とそうとする画期的な法律案を成立せしめるということは、じつは国会史上にも長くとどまる画期的な記録であろうと思います(岡社会党議員 衆院本会議 55年12月)。科学者だった社会党の松前重義さんと組み、超党派の原子力合同委員会を立ち上げた。それをもとに現在の原発があるわけです(中曽根康弘『AERA』2011年5月)。稼働中の原発は代替エネルギー確立までの過渡的エネルギーとして認める(社会党94年臨時大会)。東日本大震災・福島原発事故を受けてこれまでの取り組みを踏まえあらためて脱原発をめざす(社民党・脱原発アクションプログラム 2011年)」(29日)

○「内閣官房が管理し、データを防衛省や公安調査庁が利用する事実上の軍事偵察衛星は、現在光学1−3号機のみが運用され、分解能は光学衛星数10cmー1m、現在停止中のレーダー衛星が1−3mであり、それぞれ2機あれば1日1回撮影できる。開発・運用費総額は8181億円、毎年600億ー700億円、1日2億円投下している。運用する内閣衛星情報センターは所長は防衛省出身で、その他警察庁と公安調査庁の出向者がいる。目的には『大規模災害への対応』が掲げられているが、東日本大震災では『安全保障上の情報収集に支障を及ぼす』としてすべて情報公開は拒否し、事故撮影の映像を米国の商用衛星画像を3609万円かけて購入し、対策本部に配布した。3月18日の東京消防庁の放水では、『必要な情報がもたらされず、消防担当大臣として遺憾である』(総務相 3月24日 国会)としている」(29日)

○「30年以内に起きる地震の確率は、三陸沖90%、首都直下70%、東海87%、東南海70%、南海60%。東日本大震災の被災地の震災訓練は、復興政策の優先(宮城県)、根拠のある防災計画がつくれれない(静岡県)など10道県が中止または延期となっている」(29日)

○「急に思いつきのようなことを言われても、住民は納得できない。廃棄物中間処理施設の町内設置は認めない」(福島県大熊町長 28日)

○「国民健康保険の滞納による財産差押え件数は、06年度3429件が、10年に1万7020件(4,96倍)n急増し、大都市部で目立った。横浜2913,福岡1745,名古屋1254。差押え財産は預貯金50%、保険22%、不動産15%。差押え金額は91億3千万円で4,6倍となった。換金実績は06年度1106件から10年度6979件を超えた。全国国保収納率は09年度88,01%と過去最低に落ち込んだ。長期不況による失業と非正規雇用が急増していることが背景にある」(朝日新聞 42市区対象06−10年度実施)

(8月28日)
○「原発施設等周辺地域交付金今年度分5500万円と電源立地等初期対策交付金5200万円の申請をおこなわない」(南相馬市 27日)

○「7月の震災関連自殺者は11人(宮城4,福島3,岩手2)」(内閣府 26日)

○「日本は法制度を整えたが福島事故で大混乱におちいっている。IAEAは規制機関の独立性を勧告しており、ベトナムの現行法はIAEAのガイダンスに反する(首相承認→科学技術省許可→産業貿易省稼働許可)。建設予定地に活断層があり、原発の安全性の脅威となる可能性がある。ベトナムの専門技術者は289人でしかない」(ベトナム第9回原子力科学技術全国会議 15−17日)

○「地震がきても大丈夫かしら? 原発の基礎部分は地下の固い岩盤に据え付けられています。じゃあ地震がきたら原発へ逃げ込めば安心ね。」(1983年8月29日 公明新聞・夏休み電気教室)

○「放射能で汚染された瓦礫の焼却灰に含まれる放射性セシウムが1kgあたり10万ベクトル以下ならば、セメントで固め・耐久性ある容器に入れ・隔離層を設け・施設に屋根を設けて埋め立て処分する新たな指針を作る。」(環境省 27日)

○「福島原発周辺の20km圏内の警戒区域の居住禁止は長期化し(年間100ミリシーベルト地域は除染しなければ帰宅まで10年、200ミリシーベルトでは20年以上かかる)、汚染土壌の中間貯蔵施設を福島県内に設置したい(以上首相)。何ですか!これは!突然の話しではないですか!(福島県知事)。チェルノブイリは1平方bあたり55,5万ベクトル以上の汚染土地(数千平方km)が強制疎開の対象となり、40万人が疎開した。福島に適用すると、疎開地域は800平方kmで、セシウム半減期30年としても除線は難しく、おそらく半永久的な放棄地となって荒廃して野生動物が増え、森になる」(27日)

○「周辺住民の外部被曝の検査結果を見ると、安定ヨウ素剤を最低1回は飲むべきだった。内部被曝への影響を試算すると(原発30km圏内の大気は放射性物質の7割以上がヨウ素132や3日でヨウ素132に変わる放射性物質だったー理化学研究所)、4割が飲む水準を超えた恐れがある。甲状腺被曝は寿命が短いヨウ素131(半減期8日)だけを考慮したが、ヨウ素132(半減期2時間)も考慮が必要だった。」(放射線事故医療研究会 27日)

○「九電は佐賀県公共事業3事業(重粒子線癌治療センター、早稲田佐賀中高校、唐津市民交流プラザ)に65億円の寄付を決めた」(佐賀県 28日日付け朝日新聞)

(8月27日)
○「福島第1原発から放出された放射能は、セシウム137が1万5千テラベクトルで広島原爆89テラベクトルの168,5倍、ヨウ素134が2,5倍にあたり、汚染は長期化する。ただし原爆は熱戦、爆風、中性子線の影響が別にある」(保安院 26日)

○「プルサーマル計画を確実に進めるためにも、数多くのかたにご参加いただき推進意見をお願いします」(北電 泊原発3号機シンポ 08年10月)

○「東日本大震災でなんらかの被害を受けた中小企業は全国で67,8%(東北89,5%、関東79,2%、首都圏70,8%)、製造業68,0%、震災関連倒産258件(8月5日時点)」(信金中央金庫 全国中小企業景気動向調査 6月実施)

○「福島県内の家庭ゴミ焼却施設22カ所のうち16カ所から、環境所基準(1kg8千ベクトル)を越える放射性セシウムが検出された」(福島県 26日)

○「米兵・軍属・その家族の公務外行為でおこなった犯罪について、日本側にとって実質的に重要な事件以外の日本側の第1次刑事裁判権を行使する意図を有しない。日本国の当局がその犯人の身柄を拘束する場合は多くないであろう。」(1953年10月28日付け秘密文書 日米合同委員会刑事部会日本側代表 *01−08年米兵犯罪起訴率17%))

○「現在の世界経済の危機は16世紀に登場した西欧近代(先進国が他国の資源を超低価で収奪し、大量生産・大量消費で地球環境を絶望的に破壊する)の終焉であり、米ドルに替わる国際通貨が登場せず、ユーロは崩壊の危機にあり、欧州中央銀行が発券し財政政策は各国に任せるシステムが乖離し、欧州連邦という政治統合なしに展望はない」(相沢幸悦 27日)

○「自分自身のアイデンテイテイの証明と確立のための戦いであり、日本のメデイアに出ることで、自分というあいまいな人間がいることとその背景をみんなに知ってほしかった。マイノリテイとしてやってきた自分のことを理解してもらうのが人生のテーマだ。日本代表との試合で活躍することは、人生そのものであり、全身全霊をかけ、自分の魂に問いかけながらのぞむ。」(チョン・テセ 27日付け朝日新聞)

○「米連邦大陪審は愛国者法に基づき、ウイキリークスを管理するカリフォルニア州企業に、WLやアサンジュ代表のあらゆる顧客情報を提供するように求め、同社は受けいれた」(ウキリークス 24日)

(8月25日)
○「原発撤退の世論に迎合するポピュリズム政治をしてはいけない。これまで原子力で国はなり立ってきたのだから、徐々に自然エネルギーを増やすのはいいが、原発はつづけるべきだ」(前原誠司 6月26日)

○「福島事故の原因究明と安全基準の見直しもこれからで、安全性を担保できないものを輸出することになり、NPT未加盟国インドへの輸出は検討課題であり、日本ヨルダン原子力協定は不適切だ。ヨルダンの建設予定地は世界有数の乾燥地域で冷却水確保が困難であり、地震のリスクや人工120万の首都アンマンまで40kmなど危険性は大きい。ワールドウオッチ研究所報告は原発は収斂・収束するとしており、再生可能エネルギーへの転換の流れは明確だ」(衆院外務委員会参考人 24日)

○「震災前の津波高さの想定を5,7mとして対策をとったが、政府地震研究本部の指摘を02年に受けて08年に再試算した結果、福島第1原発の津波の高さは8,4−10、2mで、遡上高度は1−5号機で15,7m、5・6号機で13,7mとなり、第2原発は7,2−8,2mで遡上高度は15,5mとなり、2011年3月7日に保安院に報告した。試算結果の九度について検討が必要で試算結果の公表と対策はとらなかった。」(東電 24日 *3,11津波は第1原発13,1m、第2原発9,1mと計算)

○「再生可能エネルギー特別措置法は、自然エネルギーの買取を電力会社に義務づけるが、伝記の円滑な供給の確保に支障が生ずる恐れがある場合は買い取りを拒否できる例外規定があり、不安が広がっている。自然エネルギーの導入は、蓄電池の充放電や発電機の出力を制御できる次世代送電網(スマートグリッド)が不可欠であり、その対策費の年2千億円の負担が不明確であり、実効性が危うい。買取価格は第3者機関が決めるが、従来の1kw毎時10円を20−24円にしないと採算はとれない。しかし価格を高くすれば企業と家庭の負担になる。経産省は上乗せを2020年で0.5円、標準家庭月150円と想定している」(25日付け朝日新聞)

○「被災地の放射線量は、半減期2年のセシウム134と30年のセシウム137、8日のヨウ素131で、現在はヨウ素が検出限界未満に減り、ストロンチウム90は少ない。セシウム134と137は1:1の割合で存在し、線量への影響は134の方が高い。過去の核実験で田畑に蓄積した137は、雨風の影響で18,4年で半減するというデータもある。以上を総合して、2年後にセシウム134は物理的に半減し、137は田畑では雨風に流されて陸地の線量は2年後に40%減少する。」(政府原子力災害対策本部報告 24日)

○「学校の校庭利用をめぐる放射線量基準である年間20ミリシーベルトは撤廃し、年間1ミリシーベルトの目標を維持して、毎時1μシーベルトを除染対象とするが、校庭利用の制限基準とはしない(従来は毎時3,8マイクロシーベルト)。」(文科省 25日)

○「東北人は辛抱強いといわれるけど、内心では怒っている。原発は大丈夫と政府も東電も言っていたけど、結局こんなことになって。戦時中の大本営発表となにも変わらない。もう原発は要らない」(南相馬市 農業 女性 72歳 25日付け朝日新聞)

○「ワシントン近郊を襲ったM5,8の地震で、震源に近いノースアンナ原発が停止し、非常用電源で冷却する事態におちいった。原子力規制委員会は4段階の緊急体制の3番目の警戒警報をだした。この原発の想定震度設計はM6,2.フクシマ事故でたとえ原子炉本体が地震に耐えても発電装置と消火装置、管理棟が崩れたら原発が凶器にかわるということだ」(25日付け朝日新聞)

○「野田氏は財務相の言いなり、海江田氏は経産省の言いなり、前原氏は防衛省・外務省・米国の言いなりで、いいなり3人男だ。ポスト管は簡易化になると危惧している。脱原発を言い出す人が見あたらないのは危機的だ」(福島瑞穂 24日)

○「ウオール・ストリートの解雇は11年ですでに1万8000人(昨年同期比6%増)で、バンクオブアメリカ3500人、HSBC5000人、ゴールドマンサックスも近日中に計画発表」(25日)

○「18才未満の子ども4人に3人が身体的暴力の被害を受け、女児10人のうち3人、男児7人に1人が性的暴力の被害者、精神的暴力のこども経験者25%」(タンザニア・子どもに対する暴力調査2009 13−24歳までの男女3739人の面接調査)

○「沖縄県石垣、竹富、与那3市町村は2012年度から4年間使用する中学公民教科書を育鵬社版とすることを決定」(23日)

○「同和地区にある学校では、4人の教師が保護者に20万円をたかられ、うつ病による休職が毎年2,3人発生している。ここは学校じゃあない。特殊な訓練施設。あるいはアウシュヴィッツ。そう考えれば移るときに1冊書けますよ(笑い)。私の任務はその保護者をどう警察に捕まらせるか。そのためにそんな罠を仕掛けて、どんなふうにするといいかという、そういう秘策を練って学校側も試みたんです。11月には捕まってもらいました。私は頼まれたらどんなことでもしますからね(笑い)。」(福岡教育大紀要 09年)

(8月24日)
○「東日本大震災による農林水産分野の被害は、水産1兆2,379億円、農地・農業施設7,897億円、農作物515億円、林野1,967億円、合計2丁2,759億円。水産被害は20都道県で漁船1609億円(2万1589隻)、漁港施設8230億円(319漁港)、養殖施設737億円、養殖物575億円、共同利用施設1228億円(1625施設)。農地・農業施設は16県で農地3992億円(1万7460カ所)、農業施設3906億円(2万1804カ所)、農作物は13県で農作物・家畜118億円、農業・畜産施設397億円。林野は15県で林地荒廃238億円(429カ所)、治山施設1146億円(253カ所)、林道施設41億円(2585カ所)、木材加工・流通施設508億円(112カ所)、特用林産施設25桶運(470カ所)。」(農水省15日現在調査 東電事故関係は含まない)

 「JA損害賠償対策協議会による農業関連請求額432億円(福島83億、茨城219億、栃木50億、群馬43億、千葉33億、神奈川3億)。農水省調査請求額540億円うち仮払い78億、農業関連482億円で仮払い57億、漁業請求額57億円で仮払い21億、林業請求額1億円で仮払いなし(福島164億で24億、茨城240億で35億、栃木50億で6億、群馬43億で11億、千葉40億で1億、神奈川3億で1億)。以上の請求額は損害確定分」(25日)

○「佐賀県議会原子力安全対策特別委員長(自民)は、09年に九電幹部6人(原子力管理部長、佐賀支店長、副支店長、支店原発担当部長など)から5万円の政治献金を受けていた」(23日)

○「被災農漁村の復興はあまり野心的なことは考えず、過剰投資にならないようにすべきだ」(柳沢元厚労相 24日付け朝日新聞))

○「上の決定には逆らわない、逆らってもどうしようもないという、日本の若者のあきらめの風潮に不満があります」(夫がソニー仙台を雇い止めされた妻の手記 24日)

○「(がんばっていらっしゃるのですね)なにを頑張るの。もう昔のことは言いたくない! 忘れた。(軍歌を歌い出し)軍靴はいいね、懐かしい。16歳の時に軍にだまされて、犯された時はなにが起きたかわからなかった。(日本政府のボランテイア資金の救援について)それでは自分たちは報われない、お金がほしいのではない、政府が謝ってほしい。だからそのお金は受け取れない。日本が歴史教科書に真実を書くこと、それ以外に互いの信頼を深める道はない」(ナヌムの家 84歳ハルモニ 8月15日))

(8月23日)
○「東電福島第1原発事故で大気中に放出された放射性物質の総量は57万テラベクトルであり、ヨウ素13万、セシウムがヨウ素換算で44万テラベクトル」(日本原子力研究開発機構解析 22日 *従来は63万テラベクトルで誤差の範囲としている)

 「福島第1原発からの現在の放射性物質の放出量は毎時2億ベクトルで、事故時の1千万分の1、6月時点の5分の1、被曝線量は年0,4ミリシーベルト」(東電 24日)

○「東電犯人説がもっぱら流布されているが、地震と津波が今次災害の最大の原因だ。再生エネルギーをやったとしてもたかが知れている。原発は欠かせない。」(藤原民主党参院議員 7月20日付け朝日新聞)

○「宮城県補正予算案の政府復旧費対象外の民間医療機関への県独自の補助金は、上限額が病院3千万円、診療所1千万円、歯科診療所300万円と財源の制約があり、全壊・半壊が条件で半壊は半額となり、一部損壊は対象外となる。」(宮城県保険医協会理事長 23日)

○東日本大震災の米軍トモダチ作戦に参加した航空機の除染で発生した布などの固形廃棄物320g容量ドラム缶3本を密閉して横田基地に保管している。除染に使用した水956gの保管は水で薄め排水する」(外務省 16日)

○「新潟県十日町市内の幼稚園・保育園の敷地から土壌1kmあたり2万7000ベクトルのセシウムが検出され、密閉の応急措置をとった。国の基準は1キロ当たり8000ベクトルを超えた場合は埋め立て処理は出来ない」(十日町市 22日)

○「国は責任を持って除染を推進する。除染の暫定目標は積算放射線量が避難の目安の年20ミリシーベルト以上の地域を国が主体となって速やかに縮小し、それ以下の地域も市町村が主体となって1ミリシーベルト以下に下げることを長期目標とする。子どもは2年目の積算放射線量を1年目よりも一定割合で減らす。除染した汚染土壌や瓦礫は福島県内の仮置き場に保管する」(政府原子力災害対策本部・除染に関する緊急実施基本方針 23日)

○「除染ひとつせずに国有化など町民の気持ちをわかっていない。移住先の確保など町の将来ビジョンなしに警戒区域の解除をみおくるのは納得できない。国有化して汚染廃棄物の処理場にするのではないか。」(福島県大隈町長 21日)

○「ドイツの電力輸出量は年間総量で輸入量を上まわり、天候で風力発電量が落ちるときにはフランスから輸入し、逆に夏場にはフランスに風力発電の電力を輸出している。チェコは電力を独に輸出しているが、ドイツではチェコの原発による電力を輸入しない方針をとる。事故を起こした東電は自力で賠償できない規模の損害を出しながら、原発をつづけるとして、再生可能エネルギーのコストを云々する資格はない」(フェル緑の党連邦議会議員 21日)

○「3月11日午後2時46分、突然の強い揺れに悲鳴が上がった。こんなところで死にたくねーよ! 戦争が起きたのかと思ったよ。格納容器の作業では、50ミリシーベルトに設定した線量計の警報音が5分で鳴りだした。日本人は勤勉だから、被曝を避ける打ちきり時間がきても、あと少しで終わると線量計が反応しないようにアラーム隠しをやった。被曝線量限度になれば下請作業員はさっさと使い捨てにされる。電源確保のケーブルを引っ張るが、途中で絶対に止まるな、線量が高いから止まったら命がないぞ、一気に駆け抜けるぞといわれた。内部被曝の基準の数倍の線量を示した。原発内のことは外へ漏らすな、作業員にも守秘義務がある、話せば法律に触れると言われた。あそこは戦場だよ。俺にはもうすぐ学校に上がる子どもがいる。この車に乗せて大丈夫かと悩む」(福島第1原発作業員 60歳 23日))

○「大震災と原発事故の被災者が自己破産しないで、借金を減らし帳消しにする個人版私的整理制度は、3ヶ月以内に返済計画をつくり、金融機関の同意を得て暮らしと事業の再建をめざすが、支払能力があれば対象外で、資産の処分は不明確で、借金の減免は預貯金をすべてさしだし、定期収入があれば残りの借金返済に回す義務があり、帳消しは3ヶ月分の生活費と義援金・見舞金だけが残り、自己破産と大差がないなど被災者支援の民間任せとなっている」(22日)

○「”想い出の校舎に別れを告げ いま新たな扉開き はるかな年月経て つぼみから花咲かせよう”(「旅立ちの日に」) 青の日津波から避難して高台の小さな神社に91人の児童が集まった。夜、雪が降りはじめた。低学年はほこらのなかでからだを寄せ合い、高学年は外でたき火にあたって一夜を明かした。今夜はキャンプファイアーだ!歌うぞ!3年生の担任が声をかけた。寒さと恐怖を吹き飛ばすように神社はうたごえに包まれた。卒業式のために練習していた歌だった。21日、間借り先の廃校で5ヶ月おくれの卒業式が開かれた。23人の卒業生は目に涙をためながら歌った。あの夜、口ずさんだ歌だ。」(23日付け朝日新聞)

○「太平洋戦争時に韓国人労働者を徴用し、戦後補償をしていない日本企業(三井、三菱などの旧財閥系や新日鐵などを含む)を、WTOの調達協定の対象外になっている大統領府など1000の公共機関の入札から排除し、原則的に国内企業を入札対象とし、外国企業の参加が不可避の場合は戦後補償が済んでいない日本企業を除外する」(亜kんこくこっかい経済財政小委員会・企画財政省 22日)

○「・地方自治体幹部、校長・副校長の公募、・校長の人事権と教科書決定権付与、・3年連続定員割れ高校の統廃合、・6戒の職務命令違反と同一命令3回違反の職員と教職員の免職、・5段階人事評価の最低評価職員免職、・知事の高校教育目標設定権、・首長の教育委員罷免権、・学力テストの市町村別と学校別の結果公開、住民による学校運営協議会による校長と教員評価、・高校の学区制廃止、・小中校の学校選択制、・余剰教員のリストラ、・有能な教職員の優先登用、・条例実行のための人事監査委員会設置」(大阪維新の会 教育基本条例・職員基本条例案 22日)

○「シカゴの公立小中学校の児童・生徒数はアフリカ系45%、ヒスパニック41%で、低所得層の子どもが86%を占め、生徒の半分から3分の1が中退する高校もあり、犯罪と暴力が後を絶たない。イリノイ州の教育対策は低品質教員の排除であり、生徒の達成度を中心に教員を評価し解雇する。」(23日)

(8月22日)
○「原発から半径20km権の警戒区域で放射線量が高い地域の指定解除を見送り、居住を長期に禁止して、政府が土地を借り上げるか東電による補償をおこなう方向で検討する」(22日)

○「被災地の自治体復興プランによって高台などの価格高騰を見込む買い占めをねらう不当売買を監視する情報提供を拡充する」(国交省 19日)

○「大震災の災害廃棄物処理事業の対象を公的施設移転にともなう解体作業を含め、想定処理単価の上昇で政府補助金は6800億円から1千億円へ拡大する(瓦礫処理補助率86%)」(環境省 21日)

○「仙台市は築25年以上の木造保育所22カ所を民設民営に移行し、大震災で被災した公立保育園2園を建て替え後に民間委託する方針を打ち出し、職員は全員移動するとした」(21日)

○「1年に3万余りが自死したる効率という名の軍靴が響く 木村昌資」(22日付け朝日新聞)

○「ピノチェト政権による人権侵害は、04年報告で政治的理由による投獄・拷問2万7255人、殺害・行方不明3195人の総数3万450人としたが、新たな調査で3万2000人の申立を審査し、投獄拷問9800人、殺害・行方不明30人を認めた。被害者は月額250ドル(1万9千円)の補償を受ける。ただし政治的意図が不明確な者、親とともに拘束された子どもは除外されている」(チリ政府諮問委員会報告 18日)

(8月21日)
○「政府が採用している国際放射線防護委員会(ICRP)基準は臓器ごとの被曝しか評価せず、内部被曝の密集した分子切断は評価していない。原発の利益を考慮した経済的要因が健康より先行している。年間1ミリシーベルトを20ミリシーベルトまで被爆限度を引き上げたのは、住民の健康を犠牲にして原発の破綻処理を優先したもので、主権在民の原理を否定している。原子炉が安定してもすでに放出されている放射性物質の塵が循環してあらゆるものを再汚染する恐怖の汚染の連鎖が続く。牛肉の汚染は人間の内部被曝の証明であり、限度値以下を安全とするのは汚染と内部被曝を増幅させる国民被曝政策で、日本人全体の被曝が加速度的に進む。土地の汚染は除染しなければ半永久的に住民を被曝させ、汚染作物を供給する」(矢ヶ先克馬 『DAYS JAPAN』9月号)

○「東電福島第1原発から20km圏内の警戒区域の積算放射線量は、西南西3kmの大熊町小入野で508,1ミリシーベルトであり、一般人が浴びる人工放射線量の限度である1ミリシーベルトの500年分に当たり、計画的避難区域指定の目安である年20ミリシーベルトを越えたのは、50地点中の35点である」(文科省 8市町村50地点調査 19日)

○「6月26日実施の佐賀県民原発TV説明番組で、資源エネルギー庁が2,3号機の再稼働を認める意見の投稿を促す働きかけを九電に求めた」(20日)

○「宮城県震災復興計画最終案は、水産業復興特区を検討課題に止め、特区創設の明記を見送った」(17日)

○「民主党政権になっていままで3割だった原発依存度を2030年までに5割にしようと決めた。原発輸出を外交の柱にすえたのも民主党だ。だから自民党が悪いなんて我々はいえない。この問題で正々堂々と胸を張って主張できるのは共産党だけ。ずっと前から脱原発を言ってきた」(長島昭久・民主党衆院議員 6月25日)

○「今後の望ましい発電方法は、風力・太陽光・地熱が84,8%、水力48,5%、火力39,0%、原子力21,3%。国内原発の将来は、徐々に減らしてなくす46,3%、安全性を確保して現状維持20,8%、福島の事故原因がわかってから判断19,8%、安全性を確保して増設5,2%、全廃する4,3%」(時事通信世論調査 全国2000人対象 有効回答率65,6% 20日)

○「エネルギー政策の見直しが喫禁の課題となった。高速増殖炉サイクルの研究開発は、原発開発の方向性を見すえつつ実施する。核融合の研究開発は原発政策との整合性を図りつつ推進する。2011年から2015年までの5年でGDP1%にあたる25兆円を投資する」(政府・第4期科学技術基本計画 19日閣議決定)

○「原発の安全性は一義的には各国が時刻の責任において判断するものであり、わが国の原発技術への期待は引き続き表明されており、世界最高水準の安全性を有するものを提供していくべきだ」(日本・ヨルダン原子力協定 7月21日参院予算委 首相答弁)

○「転勤の誘いはあるが、踏みとどまっている。自分でもアホなことをやっていると思う。みんなに頼られて、それなのに逃げられるかい。やせ我慢しても残らなきゃいかん」(気仙沼町医師・村岡さん 50歳 20日)

○「沖縄でも福島でも住民を危険にさらしたまま、中国の人権侵害を非難するのは、人道主義のフリをした偽善であり、いまや世界中の民主政治が劣化している」(板垣勇三 『DAYS JAPAN』9月号)

○「学校に1年間以上通っていない居所不明の小・中学生は5月で1183人で、大半は夜逃げ、DVで転出先に住民票を出さない家庭。就学免除と猶予を受ける小中学生は3833人で、大半は病弱、障害以外の二重国籍」(文科省11年度学校基本調査速報 被災3県をのぞく 20日)

○「A級戦犯はいないとか、あの大きな犠牲を払った戦争が何の責任もないと平気で云う政治家はトップにたってやってもらっては困る。彼の主張にはなにか危なっかしいところがある」(野中元官房長官 20日)

○「ロシアの2005年1月世論調査では、国民の42%がスターリンのような指導者を求めている」(オーランド・ファイジス『囁きと密告』白水社 P496)

(8月20日)
○「『原子力政策大綱』(05年閣議決定)が総論(ホップ)であり、行政としての各論が『原子力立国計画』(資源エネルギー庁 05年)がステップ、そしてジャンプがkの計画の実行であり、全電源における原発比率30−40%またはそれ以上という大綱の立場は、これでは低すぎるのでもっと高くし、原発技術を国際展開する」(加納時男元東電副社長 06年8月3日)

○「原発とともに生きることは、潜在的な核爆弾を抱えて生きるのとおなじだ」(趙承じゅ 韓国・進歩新党議員 20日)

○「欧州放射線リスク委員会(ECRR)による戦後世界の放射線死亡数の試算値は6500万人にですが、国際放射線防護委員会(ICRP)は内部被曝を一切カットして117万人とした。この背景には内部被曝を否定した米国ABCC基準がある。福島後の膨大な汚染をほんとうにどうしていいかわからない、私は。原発については防災マニュアルをつくること自体ができません。福島1号機の冷却は諦めてチェルノブリのような石棺で放射能の拡散をふせぐしかないのかなとも思う。人類がいなくなるような遠い未来まで放射能を閉じ込めるなんて。セシウムはもはや東京から大阪、沖縄まで空気中を飛んでいる。放射能の無毒化は不可能で、毒を出しながら電気を得るというのは恐るべき頽廃です。66年に原発稼働以降に核分裂生成物は広島原爆の120万発分に達し、セシウム137の30年半減期を基準に、現在はまだ80万発分がたまっている。1億2千万人の日本人が80万発分の責任をとると、150人で広島原爆1発分となります。全国7大学の原子力工学と原子核工学はすべていまはなくなったので、もう日本では原子力の専門家は育たないのです。人間性のかけらもない専門家が原子力モラトリアムで産官学共同を進め、自主・民主・公開の3原則は死に絶えて、ここまで荒廃してしまった」(小出裕章 『季論21』13号)

○「うつくしま・ふくしまは、スリーマイル・チェルノブイリに次いで、FUKUSHIMA(フクシマ)として名を歴史に刻み、人類はすべてヒバクシャとなった。かってマルクスが『万国の労働者団結せよ』といったが、現代の人類のスローガンは『全世界のヒバクシャよ! 団結せよ!』となります」(矢吹道徳 同上書)

○「『戦後』という名詞は、英米仏では第2次大戦が終わった時間的経過を指すが、日本とドイツでは戦争の終焉だけでなく、社会と思想の価値観の転換と戦前との断絶を示す独自の意味を持つ。大震災と福島という体験は、『戦後』というキイタームに加えて、『大震災後』という新たな価値観の転換を示すこととなった。それは戦後日本の経済成長至上主義と新自由主義後の思想の液状化の地殻変動をもたらす新たな社会システムへの探求を意味する。ドイツではすでに緑の思想が思想的な公共圏として定着しているが、日本はこれからだ」(望田幸男 同上書)

○「福祉施設の設置と管理基準を地方条例に委ね(保護施設の定員基準、職業訓練基準、医療機関の人員基準、公害防止計画策定、住民意見の聴取義務、義務の努力義務化など)ナショナル・ミニマムは廃止する」(第2次地域自主・自立推進法案 11日)

(8月19日)
○「福島原発から60km離れている福島市の渡利、小倉寺地区は、毎時3.32マイクロシーベルトと特定避難鑑賞地点3,2を上まわる高染量があり、詳細調査のうえ特定避難鑑賞を勧告する」(政府・原子力災害現地対策本部 18日)

○「福島県の低線量被曝はいままでと違いまったく新しい問題だ。どんな核種が流れているのか、1,2年後にどうなるのか、中、長期的にどうなるのか、どんな防御策があるのか、東電も政府もまったく情報を明らかにしていない。」(元福島大学長 星埜惇さん 18日)

○「北海道電力は99年の泊原発意見公募で、社員に賛成意見を出すように極秘文書で指示をしていた。社内からの発信はおこなわず、主婦の立場から原子力は必要などと文例を示していた」(衆院科学技術委 1999年) 

○「原発をつくる場合は、住民も利用できる道路や港、集会所を整備し、地域社会の所得機会を増やすために原発と工業団地をセットにするなどの方法もあろう。原発立地が地域住民の不kすいこうじょうにつながる周到かつ強力な施策を講じてまいる」(田中角栄『日本列島改造論』72年および74年施政方針演説)

○「ヤンキースタジアムに隕石が落ちる確率よりも原子炉事故の確率は低い(ラスムッセン報告 1975年)。日本ほど丹念な安全審査をしているところはない(自民党政府・通産省 1980年)。従業員の放射線障害や周辺公衆への影響を及ぼす事故は皆無である実績から、原発の安全性は基本的に確立している(原子力委員会・原子力利用計画 1982年)。日本dねはスリーマイルのような同種事故発生の可能性はない(東電・原発の現状 2010年)。最大の地震動も勘案して安全審査をしている(資源エネルギー庁長官 1981年)。シビアアクシデントは工学的に現実的に起こるとは考えられないほどに発生の可能性は充分小さい(原子力安全委員会 1992年)」(19日)

○「北海道電力は、高橋北海道知事に06年北電元会長10万円、会長5万円、社長・副社長3万円、常務2万円など13人の役員が39万円を献金し、07年も15人の役員が42万円を献金』(萌春会会計報告 19日)

○「保安院は、放射能汚染水の海洋放出に対する海外諸国への通報の必要性を認識していなかった」(保安院長 18日)

○「関電美浜原発では91年に細管断裂で緊急炉心冷却装置が作動する大事故があったが、高浜原発4号機でこのほど蒸気発生器細管2本に応力腐蝕による割れが発見された」(関電 18日)

○「ニューヨーク市から50km離れたインデイアンポイント原発は、70年代に建設され13,15年に操業免許が切れ、企業は延長申請しているが、事故時に80km圏内の800万人を退避させる計画はない」(ニデイア・リーフ 78歳 19日)

○「日本が受注したベトナム・ニャントン省の2020年稼働開始の原発建設予定地から、80−100kmの海底にある断層が津波を起こす可能性があり、ベトナム科学技術省は活断層調査を指示した」(タインイエン紙 18日)

○「新聞は世界平和の原子力(55年新聞週間標語)は、原子力の平和利用によって無限のエネルギーを支えると考えた。読売新聞と米国大使館は原子力平和利用博覧会を55年に日比谷公園で開き、その後3年で全国20カ所を巡回した。愛知は中日新聞、宮城は河北日報社、京都・大阪は朝日新聞が主宰。関西の主宰を朝日にしたのは、朝日が日本最大の新聞社だからである(米国広報庁報告書)。原子力に対する国民意識の改革への努力をしなければならない(NHK社会部副部長 1968年)

○「これらの選択肢はより安いもも知れないが、保育の質は保証されていない。高い保育料は保護者に難しい選択を強いている。子どもに質の高い保育を望む保護者は、残念ながら安全・衛生が保障され就学準備となる費用を多くの親が払えない」(不況のもとで州政府の認可保育から、よりやすい認可外施設へ子どもを移す米国の現状に対するNPO報告書 2010年)