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●銀座・有楽町編●

「行ける」でも「行きやすい」でもなく、遮二無二「行く」のだ
なにがなんでも映画を見たい一心で“行く映画館ガイド”
すこしずつ整備していきます、お待ちください
m(_ _)m


忘れられない映画館
シネ・ラ・セット銀座

 また、忘れられない映画館に出逢った。そこが、6年前のシネカノン有楽町2丁目に当たる映画館だった。
 シネ・ラ・セット銀座の場所はわかっているつもりだったのだ。昼間、地図やなにかで確かめておいた。だから、あまり余裕は見ず、6時過ぎに出た。
 西武と阪急の下、つまり有楽町マリオンを抜けるとJRの有楽町駅が見えた。
 横丁の路地に入ったら、飲み屋街。全然ちがう。また出たところで方向音痴になった。そのあたりに立つ守衛をつかまえて訊いたが埒があかず、早々にあきらめた。
〈数寄屋橋公園前のスクランブル交差点を渡るときは、開映10分前という時間だったからナ〉
 ただ、今後の備えに場所だけでもしかと確かめておこうと、駅のまわりをあっちへ抜け、こっちへ抜けしているところ、看板が見えた。
 なんだ、有楽町駅を抜けてはダメだったんだ。向かう途中、これならよく通る道だった。
 狭い階段、客も少ないらしく、出入りの人間も見あたらない。ところが見上げたところ、昼間、事前にかけた電話をあてにして待っててくれたんだろう、目線位置に館員の男の人の頭があって、少したったらこっちを向いて見つけてくれて、他の応援と降りてきた。
「もう始まったでしょ、今日はやめますよ」
 そう丁重に断ったら、
「今は予告編ですから、あと15分ありますよ」
 そう言ってくれた。
 ただし階段は狭い上に急。電動車イスはそれ自体70キロある。痩せて軽いといえども30キロの体重合わせ百キロ、3人では無理と思って、先に俺だけおんぶして運んでもらった。
 昼間、電話に出た女の子が言った「車イスの客が何度も来ているから」は、おそらく俺に気を遣わせないためのウソだろう。車イスの扱いも全然馴れてなかった。
 そのくせ少しでも遠慮させないようにと軽口を言ったりして無理な余裕を作ったりもする。
 俺はふっと、障害者運動を共にした健常者といる安心感に浸れた、そんな気分だった。あー、彼らも運動家なんだと思った。いろんな人にいい映画を観てもらい、映画で世界を変えようという運動をしているんだと。
 困ったことに、オシッコが出たくなる。
 映画を見に来てトイレをもよおすなど、たとえ車イストイレを完備している映画館でさえ滅多にないのに。しかも、こんな時に――。
「まだ余裕ありますから」
 トイレならどこでも出来ると思ったのか、お気楽にそう言われて入ったものの通路も入口もぎりぎり。でも、やっと入れた。
 そうしてかねて持参のしょんべん袋(何の用途か知らぬが長細くできたビニール袋をこういう際の用に大量に買い置く)を取り出し、ことなきを得た。
 もし、あそこまでしてもらい、段差や、なにかで入れなかったらどうなったのかと、ぞっとした。
 そんな思いで観た『ブレッド&ローズ』。
 メキシコからの移民が、搾取に怒ってストライキを起こす、簡単にいえばそんな映画だが、ラスト近くのデモ行進の場面では胸が熱くなると同時に、うるうる泣けた。闘う映画はいいね。
 それにしても、この作品を教えてくれた多摩のおばさん連中も慌てもんだ。イギリス・ドイツ・スペイン合作、なにがアメリカ映画だ。第一、この作品の監督はイギリス人だ。
 見終わってしみじみ、
「やはりケン・ローチはいいね。このあいだは『セプテンバー11』の試写を観たんだけど、彼のがいちばん光っていたもんね」
 若い館員は映画を知っていた。劇場名まで言ったくらいだ。『コーカサスの虜』を知らなかったシネ・スイッチ銀座の館員とは大違いだった。
 また下まで下ろしてもらい、丁重に礼を述べたら、こう応じた。
「12月に新作がきます。そのときにも是非おいでください」
 商売儀礼でなく本気に誘ったのだろう。互いの心に映画を愛する者同士の連帯感が存在するからだ。映画好きとはそうしたものだ。
 こうして勇躍、映画の余韻を胸に帰途についた
(2002.9.24の日記を元に構成)

*バリアフリー情報
●シネカノン有楽町1丁目 
 車イス優先席は客席最後尾のまた後ろ。階段通路にて、それ以外では見られぬ正に隔離席だ。
 「一般席に移られるならお手伝いします」というが、車イスを足とする者だということを想像してみてくれよなー。
●シネカノン有楽町2丁目
 2つあるシアターの小さい方の優先席は左寄り一番前。
 それがいやなら、2列目くらい後ろの通路で見ても良いそうだ(左端)。ここも階段上通路にて、勝手な場所で見ることは不可。
 トイレは多目的型バリアフリー。ただし、扉は横開き式の手動。


旧データ
時間を見て書き替えます

1.日劇PLEX 1/席数948/車いすトイレあり(手動)/車いす専用スペースあり(中通路はじ寄り=一般席4席分)/付添共1000円/一般割引2〜11月第1水曜と12月・1月両1日映画の日・女性毎水曜いずれも1000円/マリオン11F(電話3574-1131)
2.日劇PLEX 2/席数668/車いすトイレあり(手動)/車いす専用スペースあり(最後列はじ寄り=一般席2席分)/付添共1000円/一般割引2〜11月第1水曜と12月・1月両1日映画の日・女性毎水曜いずれも1000円/マリオン9F(電話3983-9793)
3.日劇PLEX 3/席数524/シアター2と中でつながっており、車いすトイレは職員に申し出て2を使用/車いす専用スペースあり(最後列はじ寄り=一般席2席分)/付添共1000円/一般割引2〜11月第1水曜と12月・1月両1日映画の日・女性毎水曜いずれも1000円/マリオン9F(電話3983-9793)
4.丸の内ピカデリー1/席数802/車いすトイレあり(手動)/車いす専用スペースあり(最後列はじ寄り)/付添共1000円/一般割引2〜11月第1水曜と12月・1月両1日映画の日・女性毎水曜いずれも1000円/マリオン9F(電話3201-2881)
5.丸の内ピカデリー2/席数554/車いす専用スペースあり(最後列はじ寄り)/付添共1000円/一般割引2〜11月第1水曜と12月・1月両1日映画の日・女性毎水曜いずれも1000円/マリオン9F/シアター1と中でつながっており、車いすトイレは職員に申し出て1を使用(電話3201-2881)
6.丸の内ルーブル/席数516/車いすトイレあり(手動)/付添共1000円/一般割引2〜11月第1水曜と12月・1月両1日映画の日・女性毎水曜いずれも1000円/マリオン新館7F/全館入替制(電話3214-7761)
7.丸の内ブラゼール/席数552/車いすトイレあり(手動)/車いすスペースあり(最後列はじ寄り)/付添共1000円/一般割引2〜11月第1水曜と12月・1月両1日映画の日1000円/マリオン新館5F(電話3987-4311)
8.ニュー東宝シネマ/席数746/洋式トイレは女子のみ/付添共1000円/一般割引2〜11月第1水曜と12月・1月両1日映画の日1000円/マリオン前のビル/切符売り場で申し出て、職員にエレベーターで案内してもらう(電話3571-1946)
9.シャンテ・シネ 1・2・3/席数226・226・192/付添共1000円/一般割引2〜11月第1水曜と12月・1月両1日映画の日1000円/日比谷シャンテ/切符売り場手前に3段あるが、常時案内に立っている職員に申し出て介助を頼むと、そのあとエレベーターで案内してくれる。ただしエレベーターで行けるのは1・2で、3は地下(電話3591-1511)
10.日比谷スカラ座 1・2/席数654・183/車いすトイレあり(自動)/車いす専用スペースあり(中通路はじ寄り)(ただし設計ミスにより、車いすによっては前の一般席がスクリーンを邪魔するので要注意)/付添共1000円/一般割引2〜11月第1水曜と12月・1月両1日映画の日1000円/東宝映画館街/職員に申し出てエレベーターで案内してもらう(電話3591-5358)
11.日比谷映画/席数648/洋式トイレあり=但し通路に階段 場内を通り抜ければ1段/付添共1000円/一般割引2〜11月第1水曜と12月・1月両1日映画の日1000円/帝国ホテル斜め前(電話3591-5353)
12.みゆき座/席数756/付添共1000円/一般割引2〜11月第1水曜と12月・1月両1日映画の日1000円/日比谷映画B1/職員に申し出ると備え付けの手押し車いすに乗せて運んでもらう(電話3591-5357)
13.有楽町スバル座/席数306/付添共1000円/一般割引2〜11月第1水曜と12月・1月両1日映画の日1000円/プランタン銀座隣 丸の内東映B1/地下へはエレベーターを使い、さらに居酒屋の横を通るので職員に申し出る(電話3212-2826)
14.シャンゼリゼ/席数360/車いす専用席有り/付添共1000円/一般割引2〜11月第1水曜と12月・1月両1日映画の日1000円/有楽町ビル2F/シアター前の段差解消に渡り板を使用するので、チケット売り場でその旨申し出る(電話3212-2826)
15.丸の内東映/席数648/付添共1000円/一般割引2〜11月第1水曜と12月・1月両1日映画の日1000円/帝国ホテル斜め前(電話3535-4741)
16.シネスイッチ銀座 1・2/席数273・182/付添共1000円/車いす専用スペースあり(階上のシアター2は前列はじ寄り・地下の1は桟敷席はじ寄り)/一般割引2〜11月第1水曜と12月・1月両1日映画の日1000円・女性毎金曜900円/4丁目交差点和光裏/(シアター2の)エレベーターまでには階段があるので職員に申し出て介助を頼む。1は地下だが、中階の桟敷席なら地下までよりは頼みやすい(電話3561-0707)
17.銀座テアトルシネマ/席数150/車いす専用スペースあり(ただし一番前)/付添共1000円/一般割引2〜11月第1水曜と12月・1月両1日映画の日1000円/一丁目首都高速脇、銀座テアトルビル5F(電話3535-6000)
18.東 劇/席数435/車いす専用スペースあり(中通路はじ寄り)/付添共1000円/一般割引2〜11月第1水曜と12月・1月両1日映画の日1000円/東銀座東劇ビル3F(電話3541-2711)

このページの壁は沙樹さん主宰「壁紙配布館」より拝借しております


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