ベランダ園芸のいろは

マンションの2階東向きベランダでは、思うような花作りはなかなか困難です。
今までの経験から、ちょっとしたヒントを。
同じような環境の方々の参考になればと思います。

い面を探そう

「狭い」から
「手にとって鑑賞できる」へ


黒すみれ

ベランダは狭いです。うちのベランダはかなり広いほうですが、青空の広がる開放的な庭には決して及びません。「狭さ」を生かした花作りについて、考えてみましょう。

狭さは人が来た時に感じます。大人2人が立つとその狭さが際立ちます。しゃがめばなおさら。そのかわり、鉢を手にとって、じっくりと鑑賞できるのです。庭では埋もれてしまうような小さな花たちのひとつひとつが観察できます。ほのかな香りも楽しめます。また、手にとって見ることで、病害虫も早く発見できます。

庭では大きくて存在感のある花がよいですね。ぱっと目を引くような色や形を生かして、フォーカルポイントを作るとよいです。逆にベランダでは小ぶりな花を使って、狭さを錯覚することができます。

左側が東で、右が建物。三方を囲まれた独立したベランダ

うつうひかり

めざましく変化する日照


矢印の角度で日光が差し込んでいる(白)。時と共に黄色のように移動する。

ベランダという限られた空間では季節や時間で日の当たる場所がどんどん移動してゆきます。慢性的な日照不足で、植物は徒長しがち。特に、うちのベランダは手すりが柵状ではなく、コンクリートの壁ですから、内側はかなり暗く、日の当たる時間も短くなってしまいます。

日照時間は手すりの上で4〜6時間、ベランダの建物側の床面では2時間しかありません。そこで、できるだけ鉢を移動させています。床面での太陽の当たる場所は、手すりと平行な帯状で、刻一刻と手すり側へ移動します。それに合わせて移動すれば3〜4時間の日照が何とか確保できます。毎日、時間の許す限り鉢を動かしています。ほんの5分でずれてしまうので、在宅時は午前中の半日、面倒を見ています。地球は回っていることを実感しますね。移動が頻繁なため、鉢もあまり大きくて重いものは使わなくなりました。現在はほとんどプラスチックか紙製です。

風のない穏やかな日、手すりの上で
ひなたぼっこをする鉢。ここがいちばん。
でも危険だから在宅時のみ。

左:11時ごろ。わずかになった床面の光の帯に並べる。もうすぐ「日暮れ」。
右:光を求めて曲がるチューリップ。日照不足は植物にとってつらいこと

 普通高さ30センチで開花する品種も、うちでは40センチに。

降りない

雨は降らない

ベランダでは雨は降りません。風向き等で吹き込むことはあっても、お天気任せの潅水は不可能です。雨の日でも水やりが必要なこともあります。つまり、彼らの生命をつないでいるのは自分だけ、ということ。これは大事なことです。しかし、雨が当たらないと花も痛まず、病気にもなりにくいという利点があります。

ありがたいことに霜はほとんどおりません。厳寒期には連日氷点下2〜3℃にまで下がりますが、アイビーゼラニウムやるりまつり、シクラメンもベランダで越冬しています。

家で不要になったウッドラック。
上段は朝一番に太陽が当たるので、夜、鉢の多くをここに集めて朝日に備える。
冬はビニールシートを張って簡易フレームに。

負けるな

風通しがよい
時々度が過ぎる

ベランダは風が強いです。一般論だけでなく、こちらの地域は起伏のある土地で、マンションも高台にあります。そのため、非常に風が強く、「風の谷」かと思えるほどです。

こちらに来た頃、毎日毎日、今日は風が強いなあ、と思っていました。これが普通なのだと分かったのはずいぶん経ってから。以前住んでいた大阪とは比較になりません。同じ都内でも、東に住む友人のベランダはここまで風は吹かないそうです。

風の影響を押さえるためには、背丈の低い花を植えること、これにつきます。あまりひどい時は風上の手すりの際に寄せてしまいます。さすがにこのときは、日照なんて言っている場合ではありませんから。手すりがコンクリートなのを恨めしく思ったり、ありがたく思ったり。

手すりには金属製のラックを取り付けています

風による倒伏を防ぐ

左は球根がふれあうほどに密植したチューリップ。18センチ深鉢に9球入っている。
右はリナリア。鉢に種をばらまきし、間引かずに育てたもの。密植することでお互いに支え合う。

もう帰るお帰り  悪条件を克服する順路