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出来上がったギターはどれを見てもほとんど同じように見えるが、ギターの製作法には様々な工法がある。近代『職人』はきめられた時間内に仕事をこなすものだとされ、ギター製作も効率的な工法で時間短縮、高い生産性を追求された。それは日本、米国などで顕著である。 |
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原則的に、弦巻以外のものは製作者自身が作るものだと考えている。 |
手工と書けばすべてを手道具のみで製作しているように思われるが、木材の切断、加工には最低限度の電気機械工具を使っている。 工房で働いているのは現在私一人である。徒弟制度は技術を伝えてゆく為に必要だが、往々にして過ちも起こりやすい制度だ。実際、ギターのラベルに書かれた製作者名が実は監修者名であったりするものが多い。 製作者は基本的に納期を定められにくいものだと考えている。様々なインスピレーションが製作中に浮かび製作法を考えるからだ。私は4本を3〜4ヶ月の行程で仕上げている。 工場で生産される楽器は業界の流通経路を経てユーザーの手に渡る。奏者と製作する現場に距離があり奏者が楽器に求める音楽が製作する側にほとんど届かない。工房と言えども量産体制で作り上げている場合小回りが効かないので微細な注文は受け入れられないだろう。

ロセッタの製作。
このデザインはアルハンブラ宮殿内の彫刻パターンをモチーフにした。ローズウッド、シナ、カエデのつき板を組み合わせ接着し、薄く挽きそれぞれを合わせて柄にする。
横はバナ−状に挽いたもの。
斜下はバナ−を組み合わせた写真。
下は完成し表面板に接着した写真。


オリジナルデザインはコルドバの名工
Miguel.Rodriguez(1888-1975)のもの。優雅で洗練されたデザインに感銘を受けコピー。メスキータを残したイスラム文化を感じる。黒檀、メイプル、パドック、シナ、白蝶貝等を使用し組み上げる寄木細工。
(クリックすると拡大されます)
使用工具
ただし、音響に関係する作業には電気工具は使ってはならない。研磨作業にサンダ−マシンを使う等もってのほかである。ギター組み立ての段階では古来からの道具を使うようにする。例えば接着作業時クランプと呼ばれるギア式の締め具をなるべく使わず、手加減の効きやすいヒモを使い接着し無理な力をギターに残さない。スペインでいまだにロープが使われ続けているのには訳がある。
技術の進歩により工具類も進化するかも知れないが、家具ではなく『楽器』を製作している事を念頭に使用工具を選びたい。

ヒモも工具の一部です。
縁巻きと縁巻き飾りを接着する作業はヒモで巻ながら行う。このほかにも裏板の接着時などにもヒモを使う。
ヒモは圧着する部位を定めやすく、かける力もコントロールできる。
『はたがね』『クランプ』が使われるようになる以前は木工の接着技術として広く使われていた。
古い技術だが楽器作りには欠かせない技術だ。
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職人
効率を考え作業の分担化(部材作り、組み立て、塗装、仕上げ等)をする工房もあるが、楽器の目指すものが見えにくい。製作作業の始めから終わりまで一人の職人が責任を持ち、自らの手で行うのが理想的。
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製作期間について
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奏者と製作家の距離
楽器を製作する上で大事な事は『音楽』であることは言うまでもないが、演奏家が望む音楽をほぼ理解している製作者はほぼ皆無である。『音楽』のとらえ方は個人差がある。製作家の意図と演奏家のそれはディスカッション無しに合致する事はありえない。両者にとって互いに理解しあうのは骨の折れる作業だが重要だ。せめぎ合いの結果製作のヒントに結びつくものが発見できる。演奏者と製作者の距離は無い方がいい。
敏感に作られた手工ギターは華奢である。使用される状況や、長い年月のうちになんらかのトラブルはどんな楽器にも発生しうる。製作工房とつながりがあれば製作者本人と相談が出来るだろう。
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